吸血鬼の虎杖くんは笑う   作:かりん2022

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ゆび

オカルト研究室で、俺たちは集まっていた。

俺は干からびたミイラの指をぶら下げる。

 

「これ、食えるかな?」

「やめときなさいよ、虎杖。お腹壊すわよ」

「だって。お腹空いたもん」

「はぁ。明日来る廃棄予定の輸血パック、私の分もお飲みなさい」

「俺の分も飲んでいいぞ」

「いーのか!? 先輩!」

「いーわよ。私とあんたは同期でもあるんだし」

「お前はよく食べるからなぁ」

「じゃあ、これはとっておこ」

「「とっておくのかよ」」

 

 俺は、鼻歌を歌いながらポケットの中に指を入れる。

 今日はなんだか、いいことがありそうだ。

 

 

 

 って思ってたのになぁ!!

 

 夜の学校で。

 俺と先輩達は、全力で走っていた。

 なんで化け物が追ってくるんだよおおおおおお!

 お仲間ではないようだが、こんな生き物がいるなんて!

 

「なんなんだよ、お前ら!!」

「虎杖、多分こいつら言葉通じない!」

「殴っても殴っても復活しやがる!!」

 

 そこで、濃厚な人間の匂いが漂ってきた。

 ああもう! 運動して腹減った!!! 食べたい食べたい食べたい!!

 

「虎杖!! 我慢よ!!」

「急いでそれ、引っ込めろ!!」

 

 俺たちは泡をくって人を装う。牙をぐっと押し込んで歯にする。

 人間のフリしつつ逃げるの大変なんだけど!?

 

「お前ら! 指寄越せ!! それが呪霊を引き寄せてる!!」

 

 駆けつけてきた人間が言う。非常食を渡すなんてとんでもない!

 

「嫌だ!」

「虎杖ぃ!!」

「いいから渡しとけ!」

「ほら、早く渡せ!!」

 

 ポイっと投げると、化け物が人間を襲い出した。

 人間は、犬2匹を操って応戦する。分が悪そう。

 

「そいつら、どんなに殴っても死なね―んだ!」

「呪霊は呪力を持ったものにしか倒せない。俺は呪物を回収に来た。俺に任せろ!」

「大丈夫なのかよ……」

「虎杖、援護するわよ!」

「やっぱり?」

 

 俺らも頑張って援護するのだが、きりがない。これ、指をどうにかするしかね―んじゃねーの? お腹へったお腹へったお腹へった。

 栄養が必要だ。こいつ食っちゃいたい。ダメダメダメ。生きてる人間は食っちゃ駄目。

 

「その指、やっぱ返して」

 

 俺は指を取り上げて、食らった。

 体が作り変えられる、この感覚が懐かしい。

 

「――気持ち悪い! 何なのだ、この体は!!」

 

 呪霊を切り刻み、俺の体を使って「何か」が八つ当たりをする。

 

「女!」

 

 柔い肉を切り刻もうとする寸前、手が強制的に本能で止められる。

 そのすきに、俺は何かを押さえつけた。

 活きが良いご飯だな。

 その感想に、「何か」がすげー文句を言ってくる。

 よくわからんが、人間なら餌だろ? 違うの?

 

「呪術規定に則り、お前を祓う」

「今、どういう状況?」

「五条先生。両面宿儺が受肉しました」

「へー。本当に混ざってる」

 

 五条先生という男が俺を見る。

 

「宿儺に代われる?」

「多分」

「10秒で戻っておいで」

 

 言われたとおりにすると、いつの間にやら転校する事になっていた。

 いや、息のかかっていない高校に転入するのごめんなんですけど? 健康診断どうするの?

 でなきゃ死刑? そんなー。

 

 

 

 




この話の虎杖は正しい死? 美味しいの?です。
この話の五条先生はノスフェラトゥを見破り不可です。

美味いこと完結できたら、善良な成り代わり宿儺と食べることに躊躇がない
吸血鬼虎杖も書きたい……。
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