オカルト研究室で、俺たちは集まっていた。
俺は干からびたミイラの指をぶら下げる。
「これ、食えるかな?」
「やめときなさいよ、虎杖。お腹壊すわよ」
「だって。お腹空いたもん」
「はぁ。明日来る廃棄予定の輸血パック、私の分もお飲みなさい」
「俺の分も飲んでいいぞ」
「いーのか!? 先輩!」
「いーわよ。私とあんたは同期でもあるんだし」
「お前はよく食べるからなぁ」
「じゃあ、これはとっておこ」
「「とっておくのかよ」」
俺は、鼻歌を歌いながらポケットの中に指を入れる。
今日はなんだか、いいことがありそうだ。
って思ってたのになぁ!!
夜の学校で。
俺と先輩達は、全力で走っていた。
なんで化け物が追ってくるんだよおおおおおお!
お仲間ではないようだが、こんな生き物がいるなんて!
「なんなんだよ、お前ら!!」
「虎杖、多分こいつら言葉通じない!」
「殴っても殴っても復活しやがる!!」
そこで、濃厚な人間の匂いが漂ってきた。
ああもう! 運動して腹減った!!! 食べたい食べたい食べたい!!
「虎杖!! 我慢よ!!」
「急いでそれ、引っ込めろ!!」
俺たちは泡をくって人を装う。牙をぐっと押し込んで歯にする。
人間のフリしつつ逃げるの大変なんだけど!?
「お前ら! 指寄越せ!! それが呪霊を引き寄せてる!!」
駆けつけてきた人間が言う。非常食を渡すなんてとんでもない!
「嫌だ!」
「虎杖ぃ!!」
「いいから渡しとけ!」
「ほら、早く渡せ!!」
ポイっと投げると、化け物が人間を襲い出した。
人間は、犬2匹を操って応戦する。分が悪そう。
「そいつら、どんなに殴っても死なね―んだ!」
「呪霊は呪力を持ったものにしか倒せない。俺は呪物を回収に来た。俺に任せろ!」
「大丈夫なのかよ……」
「虎杖、援護するわよ!」
「やっぱり?」
俺らも頑張って援護するのだが、きりがない。これ、指をどうにかするしかね―んじゃねーの? お腹へったお腹へったお腹へった。
栄養が必要だ。こいつ食っちゃいたい。ダメダメダメ。生きてる人間は食っちゃ駄目。
「その指、やっぱ返して」
俺は指を取り上げて、食らった。
体が作り変えられる、この感覚が懐かしい。
「――気持ち悪い! 何なのだ、この体は!!」
呪霊を切り刻み、俺の体を使って「何か」が八つ当たりをする。
「女!」
柔い肉を切り刻もうとする寸前、手が強制的に本能で止められる。
そのすきに、俺は何かを押さえつけた。
活きが良いご飯だな。
その感想に、「何か」がすげー文句を言ってくる。
よくわからんが、人間なら餌だろ? 違うの?
「呪術規定に則り、お前を祓う」
「今、どういう状況?」
「五条先生。両面宿儺が受肉しました」
「へー。本当に混ざってる」
五条先生という男が俺を見る。
「宿儺に代われる?」
「多分」
「10秒で戻っておいで」
言われたとおりにすると、いつの間にやら転校する事になっていた。
いや、息のかかっていない高校に転入するのごめんなんですけど? 健康診断どうするの?
でなきゃ死刑? そんなー。
この話の虎杖は正しい死? 美味しいの?です。
この話の五条先生はノスフェラトゥを見破り不可です。
美味いこと完結できたら、善良な成り代わり宿儺と食べることに躊躇がない
吸血鬼虎杖も書きたい……。