吸血鬼の虎杖くんは笑う   作:かりん2022

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せんたくし

 

「課外授業の時間だよ、悠仁」

 

 呪力操作の基礎訓練をしていると、いきなり呪霊の前に連れてこられた。火山みたいなやつ。

 

「そうだ、悠仁。ちょっと戦ってみる?」

「無茶言うな」

 

 人前でどこまでやっていいか、わからないんだよな。

 まあ、いざとなったら宿儺のせいにすればいいか。

 俺が準備運動を始めると、先生は見学の構え。マジでか。

 

「せんせー。人間が一人見てるみたいなんだけど。俺、そっちの相手でも良い?」

「嘘。どのへん?」

 

 俺が指差すと、気配が遠ざかっていった。

 

「お、逃げた」

 

 先生が消える。

 

「え?」

 

 と思ったら戻ってきた。花みたいな呪霊を掴んでいる。

 

「人間は見つけられなかったけど、呪霊はいたよ。悠仁。人間ってのは確か?」

「花御!」

 

 火山型の呪霊が叫んで、次の瞬間景色が変わった。

 

「呪霊もいたけど、人間の気配も確かにしてた」

「呪霊がいたなら言おうね。しかし、そうか。悠仁。もしかして僕よりも気配読むの上手い?」

「俺、鼻がいいから。気配ってか体臭でわかる」

「……マジで? 元から? ……にしても、呪詛師と結託しているのは確かみたいだね」

 

 その後、特級二体は荷が重いからということで、五条先生が戦った。

 逃してた。

 

「やれやれ。悠仁。呪詛師の匂い、覚えた?」「覚えた」

「じゃあ、その匂いの人に会ったら教えて」

「了解!」

「うん、良い返事だね。中々やるじゃん、悠仁。有能有能。その調子で覚えていってね」

 

 それにしても。

 

 せっかくの呪霊を食べれなかったのは、残念、かな。

 

「悪食」

「なんだい、宿儺?」

 

 やっべ気を抜いてた! 俺は宿儺を引っ込めて、笑って誤魔化した。

 ノスフェラトゥの微笑みは、全てを誤魔化しきれるほどに美しいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 次の俺の任務は、七海さんについてまわることだった。

 映画館を見た後、妙な形の人間に襲われた。

 

「ねぇ、ナナミン。あの人間、食っていい?」

「食っていい、とは。あれは……まさか、呪霊ではなく人だとでも」

「だから言ってるじゃん。呪われたらこんなふうになるわけ?」

 

 まっ昼間だから、あんま気が乗らないんだよな。昼の太陽の下では、俺はほとんど力を出せない。牙を出すことすら不可能だ。せめて、建物の中だったら良かったんだけど。

 あの領域の中は良かった。帳も張ってあったし、昼だけど力を出せた。

 

「……相当なやり手のようですね。それはそれとして、食っていい? という発言は報告しておきます。生け捕りにしますよ」

「りょーかい」

 

 今の俺の力じゃ、生け捕りがせいぜいっぽいけど。頑張るとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 改造人間? を倒した後、俺は順平から情報収集をしていた。

 順平は、控えめに言って最高だった。

 気弱で、何をどうしたらいいかもわからない迷える子羊。

 餌にするのに相応しい、ノスフェラトゥにするのに相応しい生贄の羊。

 

 どうしよう。俺、初めて仲間を作るなら、順平がいい。

 

 話が弾み、俺は順平の家にお呼ばれすることに成功していた。

 人間のご飯を笑顔で食べる苦痛の演技タイムが終わり、順平の部屋で二人きり。

 でもなあ。せっかくだから、サプライズも成功させたい。

 初めての子を作るか。サプライズを敢行するか。どっちにしようかな。

 悩んでいると、順平が話しかけてくる。

 

「人を殺したことある?」

「うーん。まだかな。呪霊は殺ったぜ!」

 

 そう。実はまだなのだ。俺が自分で獲物を狩ったのは、特級呪霊のアイツが初めて。

 

「でもいつか、悪い呪術師と戦ったりするよね。その時はどうするの?」

「……悪いって言うけど、悪い人とか、死ぬべき存在とか、そんなのあるのかな」

「あるよ!!」

「俺は、そういうの傲慢だと思うな。誰もが皆、戦って、自分の人生を勝ち取ろうとしてる。だから、俺は俺以外のやつが俺を殺してもいいよ」

「!?」

「その代わり、俺も黙って殺されることはない。それだけの話じゃないかな」

「じゃあ! それじゃあ、弱いやつはずっとやられっぱなしってこと!? 僕は……!!」

「大丈夫。順平も戦える」

 

 そうして、順平の体を撫でる。

 

「!?」

「ちゃんと、体も育っているし。笑うと魅力的だし。何も問題はね―よ」

「いいい、虎杖くん?」

「電気消そっか」

「虎杖くん!?」

 

 そうして、暗くなった瞬間、俺は翼と牙を出し、俺は順平のなめらかな項に牙を立てた。

 

 

 

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