ピーピピピ。通信音が入る。
「イーグル号、準備はいいか?」
少し小太りな男がディスプレイに移る。
「当たり前だ。お前の方こそ小便チビったりしてねェよな?」
「馬鹿言え。チアキはどうだ?」
「いい気分だぜ…。」
「相変わらずキマってやがる。」
「目的地までもう少しだ。気合い入れろ。」
イーグル号のパイロットはそう言うと機体を加速させる。それについて行くようにジャガー号とベアー号も加速する。
この三機はゲッター線開発を主としている早乙女研究所で開発された戦闘機だ。そしてこの三機には合体機構が搭載されており合体することでその真価を発揮する。また機体にはかなりの負荷がありそれを扱うためにはパイロットにも超人的な身体能力が求められるためこの三人も只者ではないのだろう。
―イーグル号パイロット「エク・レア」
金髪でダンディな髭が特徴な二枚目である。本人はフランス人と主張しているが生まれも育ちもエチオピアというエセフランス人である。
エチオピアでは驚異的なサッカーセンスを備え10歳の頃にフランスの名門マルセイユのユースに参加し天才的なプレイヤーへと成長した。特に優れていたのはボール奪取能力。持ち前のフィジカルを活かし尽く相手の攻撃を阻止した。
その後早乙女博士にその才能を見込まれプロ入り寸前でイーグル号のパイロットとなった。
―ジャガー号パイロット「トク・チアキ」
ドレッドヘアーの国籍不明の男。日本国内で過激な攘夷活動を行なっていたグループのリーダー格でそのカリスマ性と狂人性を見込まれ早乙女博士からスカウトを受けた。普段はクールであるが空気の読めない下品な発言は周りを凍りつかせる。
―ベアー号パイロット「ハヤシ・コウタロウ」
チームで唯一の日本人。日々パチンコとスロットに金を費やし一文なしになったところ早乙女研究所のテストパイロット募集の噂を聞きつけ一攫千金のギャンブルに出てなんとかベアー号のパイロットになった。他の二人がどうかしてるせいかコウタロウ自身がまともに見えることもあるがこの男も大概である。
「―そろそろ目的ポイントにつくぞ。」
「待っていやがれよ…くそ宇宙移民どもが。」
チアキが口にした「宇宙移民」これこそが我々の敵なのである。人類が地球を出て住処を宇宙に移して約80年が経過した。しかしコロニーと呼ばれる宇宙居所地には資源に限りがあり何度か地球自治体と諍いを起こしていた。それが発展し結果的に宇宙移民たちが今度は地球の潤沢な資源を手に入れるために戦争を仕掛けてきたのだった。
開戦してから敵国はMSと呼ばれる18メートル級の人型ロボット「ザク」の量産に成功し量産型ロボットを有しない地球連邦軍を圧倒してきた。
そこで地球の平和を守るため早乙女研究所でも宇宙開発用ロボットとされていた「ゲッターロボ」が先頭用に海賊され戦場に駆り出される事となった。他にも日本の光子力研究でも同じく18メートル級の「マジンガーZ」が開発され先行して戦場へと駆り出されている。
しかし地球側が要するロボットは現在この二機のみ。V作戦と呼ばれる地球連邦独自のMS開発計画も行われているようだがアテには出来ない。
「30キロ圏内に敵機を確認。」
ベアー号のパイロット、コウタロウが情報を共有する。
「了解。これより合体体制に入る。ゲッター1で行くぞ。」
「しくじるんじゃねえぞてめえら。」
「フン。お前こそなチアキ。」
並列で進行していた三機が直列に並びさらに加速する。
「―エクくん。実戦は訓練とは違う。気を引き締めるんだぞ。」
「分かってるよ。博士。ゲッターの恐ろしさを奴らに見せてやるさ。」
さらに三機のゲットマシンは加速して行く。
「へへっ。こいつは楽しみだ。」
「…くっ。」
「これがゲッターのスピード…。」
3人に驚異的なGがかかる。気を抜けば舌を噛みちぎりそうだ。
「―こいつで終わりだぜ!マジンガーZ!」
「くそっ。こんな奴らに…。」
激しい連戦の影響なのかマジンガーZのボディ超合金Zはボロボロでありその機能をほとんど失っていた。
緑色のMSザクがヒートホークをマジンガーZの頭部目掛けて振り下ろす。
マジンガーZのパイロットは思わず目を瞑る。
その瞬間、三機のゲットマシンが高速で上空へと飛んできた。
「なんだ、あれは?」
ザクに乗ったパイロットが上空を見上げる。
「行くぞテメェら!」
「合わせろよ!」
「任せろ!」
上空で三機が一気に重なる。
「チェーーンジ!ゲッター1!スイッチォォオン!!」
稲妻が走るような衝撃。遂に三機が合体したのだ。
「なんだ…あれは…?」
赤いボディと鬼のようなフェイス、そして真紅のマント。
「この日をどれほど待ったことか……。」
「さーて、宇宙移民狩りと行くかァ!」
「エク!あれを使え!」
「おう!」
ゲッター1は肩から斧を取り出し投げる体制に入る。
「トマホォォク!ブゥゥゥメラン!!」
「なに!?斧だと!?」
勢いよく投げられたトマホークはザクの頭部に的中。メインカメラをやられたパイロットは動揺する。
「フン、こんなもんかよ。」
ゲッター1は地上に向かって飛行する。
腕に装備された鋭い刃が光る。
「ゲッターレザー!!」
コックピットを狙い撃ち確実に命を狩り取る。
「な、なんだコイツは!」
他にいたザク三機が動揺を隠せずマシンガンを乱射する。
「ここは俺に任せろ。」
「オープンゲット!」
三機は合体を解除する。
「な、なんだと!?」
敵兵は見たこともない機構を見てさらに焦る。
「チェーーンジ、ゲッター2!スイッチオン!」
またしても稲妻が走る。今度は細身の白い機体となった。手にはドリルが装備されている。
「ゲッター2のスピード、とくと味わえ。」
ゲッター2になるとメイン操縦がジャガー号のトク・チアキへと移る。
「ドリルッアームッッ!!」
ゲッター2は腕に装備されたドリルを回転させ怯えるザクに向かって次々と突き刺す。
「は、はやすぎる!」
「うわぁぁぁ!!エメリアーー!!」
「く、くるなー!」
一気にニ機を戦闘不能にした。しかし残った一機はグレネードを投げつける。少しの間ゲッター2は動けずその間にザクは逃げる。
「くっ、やるな。」
「代われ、チアキ。」
「オープンゲット!」
「チェンジゲッター3!!」
重い稲妻が走る。次はキャタピラで移動する黄色のゲッターに変化した。操縦者はハヤシ・コウタロウである。
ドドドド。重量感はあるが動きが重い。
「な、なんだ次はウスノロか。」
ザクのパイロットは安堵し攻撃を行う。
「うっ。」
「何してんだ!コウタロウ!ヘマしてんじゃねえ!」
「うるせェ、いまやっている!」
ゲッター3は腕を物理的に伸ばしザクを掴む。
「な、なんだ!この化け物は!」
「さっきのお返しだ。ゲッターミサイル!」
ゲッター3は両肩に装備された大型ミサイルをザクに発射する。爆発。なんの容赦もない。
「ふう、いっちょ上がりだな。」
「大したことねえな。」
「おい、そこのロボット、大丈夫か?」
エクがマジンガーZに対して呼びかける。
「ああ、こちらは大丈夫だ。助かった。」
「鉄の城って聞くくらいだからどんな鉄壁かと思えばボロボロじゃねえか。早く補給してこい。」
「ここは俺たちゲッターチームに任せろ。」
威勢よく言うゲッターチーム。
「―ゲッターチーム!後ろから奇襲だ!」
「仲間達の無念は俺が晴らす!!」
生き残りのザクがヒートホークを構えゲッターロボを狙う。その姿は鬼気迫るものであった。
「ノロいんだよ!オープンゲット!」
「くっ、ちょこまかと!」
ザクはマシンガンで合体を阻止しようとする。
「マシンガンが飛んでくるのは訓練とは違うな。」
「二人ともギアを上げろ!ゲッター1でカタをつける!」
「了解!」
分離した三機のゲットマシンはさらに加速し空高くまで上がる。
「なぁにが仲間の無念だ…。テメェらも俺たちの家族を殺ってきただろうが。」
「いくぜ、チェーーンジゲッター1!スイッチオン!!」
更に強い稲妻が走る。
「貴様らのような奴らに我々が屈するわけには…!!」
「遺言はそいつで終わりか?雑魚に構ってる暇はねェんだ。」
ゲッター1は腹部にエネルギーをグッと貯める。
「ゲッタァァアビィィム!!!」
腹部に貯められた強力なエネルギーは一気に放出されザクへと一直線に向かう。
「こ、これは…!!」
「うわぁぁぁぁぁあああ!!!」
渾身のゲッタービームを受けザクが溶けていく。
そして上空には赤い鬼が腕を組み佇んでいる。
「ゲッターロボ、なんてロボットだ…。」
「それに人殺しをすることになんの躊躇いもない。」
マジンガーZのパイロットもまたその赤い鬼を見ていた。
「―宇宙移民どもをこの手で一人残らず滅ぼしてやるぜ…。」
エクはそう呟き空を駆けて行った。
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一方、日本横浜基地
「サイドセブンの襲撃は誤算だったがなんとか木馬とRX78-2は無事のようだ。」
「パイロットを失ったのは痛手だがな。それにV作戦の他のニ機も使えそうにない。」
「マジンガーやゲッターは既に戦場に出ていると聞いている。我々も遅れをとれん。はやく後任のパイロットを探さねば。」
「―あれが噂に聞くMSか。高く売れそうだ…。」
港でひっそりと極秘情報を掴む青年がいた。
つづくかは不明です。みなさんもゲッターロボアーク見ましょうね。