The great Great GREAT Doctor is Me !   作:東京<アズマ キョウ>

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◆現在貯めに貯めていたメインストーリーを進めて11-17まで来たのですが、これまでミヅキダンジョンや危機契約で相手してたブラッドブルードの大君系エネミーってマジやべー奴だったんだなって。
あとSDでしか見たことが実はなかったマンフレッドさんが戦装束越しに筋肉あふれる御姿しているのも知らんかった……痩身美形の吸血鬼的なものかと思いきや格ゲーのディミトリさん系ボディなの知ってびっくりしました。
◆最近のプレイ中は『もしテレシス勢がDr.エッグマンを見たらどう思うか』と考えることがあります。
こういうのを考えるのが大好きです。

◆R05/11/03追記
12-1まで進みました。
ロンディニウム戦力ヤバいな……拙作にて蓄音機奪ったDr.エッグマンなのでガチ戦争おきちゃう……
まぁまず1年位シナリオ内時間進める所からっすね(白目
(※現在1096年12月〜97年1月から進んでいない)


SB-16-2/4. HE IS

タルタルの悪魔

国土を侵す侵略者

タマゴタケ星人の擬人化

 


 

 チェルノボーグを完全に手中に収める寸前であったレユニオンは、統率の取れた一部を除いて大混乱に陥った。

 

 近年急拡大を遂げたレユニオンはその多くが感染者として周囲から迫害され、追い詰められたが故の加入者だ。

故に只の協同体だった頃やレユニオン発足前後の頃から属する古参の構成員はともかく、最近レユニオンに合流してきた者達はただ『感染者だからと弾圧してきた連中に復讐したい』『【鉱石病】で助からない命になったなら世界なんてどうでもいい』と投げ遣りになった者が多いため、決起者というよりも文字通り暴徒の性質のほうが強いのだ。

そんな心境の時にもしも『実は【鉱石病】から助かる見込みがある』と囁かれ(大声で言われ)ては意識が揺らぐのも無理はない。

ドローンが都市全域に流したあの動画は感染者への欺瞞や詐欺ではないかと疑う者も当然居る。

しかし他人を騙すには間の抜けたやり取りや実際にオリジムシから源石を除去するシーンを見れば話半分でも本当かもしれないと思えてくる……いや、すがりたく(思いたく)なるのが人情であった。

そうして浮き足だってしまえば、再度足の力を入れて捨て身で復讐することは容易ではない。

そんなレユニオン構成員達の許に意味不明な存在が大挙して押し寄せてくれば。

 

◆チェルノボーグ・帝国国営ラジオ局◆

→◆レユニオンムーブメント・解放戦線基地◆

 

《ロ、ロボットだ!ロボットの雪崩だ!》《数が多すぎる!武器が利かない!?》《じゅ、銃を持ってるぞ!》《キサマ、逃げるな!》《そ、空から次々と降ってくる!》《うわぁ?!こっちに来るなぁ!?》《【極東卑語】……斬っても斬ってもキリがない》《軍事警察と交戦中、ロボットが近くまで来ている、援軍を求む!》

 

「ええぃ、おのれ、オノレ!野盗が、簒奪者風情が!何故今になってあんなものが現れる?!」

 

 基地に立つレユニオン幹部の一人であるフォルテ人参謀は苛立ちを越え激怒の勢いで台の上のチェルノボーグ地図盤を殴り付ける。

盤上の敵味方を意味する駒がその衝撃で一度散らばるも、彼の念動アーツによって現在の部隊位置に再配置され先程よりも前線が歪に押し込まれていることを明らかにしていた。

 

 彼は他のレユニオン幹部麾下でない構成員達の統制及び作戦指令を担っており、本決起では主力を務める幹部の進攻状況に応じて構成員に指示を出していた。

通常の軍隊であれば基地に幹部や指導者が属して全体に命令を発するものなのだが、レユニオンは『居心地のいい都市(後方の安全圏)』から横暴・現実的でない命令を受けたことのある構成員が多数加わっているため幹部が前線に立たなければ猜疑心と離反を招きかねない。

このことから、この場に幹部は指揮管理を認められた彼以外には医療班や伝令に関する構成員しかいない。

また軍隊ほどの作戦遂行能力をもつ人員が極めて限られているので幹部が直接指揮を執らねば戦線が纏まらないという事情もある。

そんな境遇において参謀部にて戦況把握と通達を務める彼は、レユニオン主力幹部の隊に属さない構成員達を取りまとめ、時に幹部隊と合流させたり時に采配したりする調整役を任されている。

そして偵察構成員の触接報告を基に幹部の抉じ開けた敵防衛線の穴に付近の部隊を突撃させたり、偵察隊の情報を基に緩んだ防衛線を掻き回したりなどしてレユニオンの攻勢をつい数時間前まで切り盛りしていた。

 

 だが、まるで盤上の駒を洗いざらい押し流すような未知の群勢の攻撃に、彼含む参謀部の指揮管理力は一気に奪い取られた。

更に幹部の近くにいた部隊はともかくそれ以外の戦線にいた構成員はロボットの群勢によってたちまち崩され、捕獲され、前線のあちこちでチェルノボーグ軍事警察を圧倒していたレユニオン部隊の瓦解が始まっていた。

 

「クソックソックソッ!【ウルサススラング】!タルタルの悪魔め!部隊の撤退、いや退却どころではない、戦闘員の逃走と消滅が相次いでいる!」

 

 着けるヘッドホンから彼の耳に叩き込まれる凶報を反映して動かされる部隊駒が、次々とチェルノボーグ西部に移動したり敵群勢に撃破されて地図上から弾き出されていく。

敵の攻勢は岸の全てを一掃する波の如く線を成して前進しており、それまで都市の東半分に集結していたレユニオン部隊は波打ち際の砂山のように崩された。

幹部が統率している部隊駒はその場を維持したり適切な移動を行っていたりするものの、全体の惨状を見れば気休めでしかない。

それを見る彼の思考はますます苛立ちと焦燥に包まれ、握る指揮棒のミシミシと押し潰される音がした。

 

「……ッスゥーッ。冷静になれ、まだ敗北したわけではない。まずは立て直しだ。こうなってしまっては前線にいる将軍達に協力をして頂く他にない」

 

 参謀は呼吸をして過熱した思考を一度醒ますと複数ある幹部直通の連絡線の中の一つ、最も知勇統率に長けるとレユニオンの誰もが認めるパトリオットに繋がる受話器を掴んで伝令を発した。

 

◆◆◆

 

◆チェルノボーグ・南東部ブロック:警察管区◆

◆パトリオット戦線◆

 

 チェルノボーグ軍事警察主力と対陣するレユニオン前線陣でも北の上空に見える謎の飛行船は見えており、先の演説もまた彼らは耳にしていたが、レユニオンの中でも歴戦を誇るパトリオットの部隊は動じることなく交戦を続けている。

だが、他の戦線が新たな敵の攻撃を受けて崩れつつあるとの連絡を受けたパトリオットは副官の一人を召集した。

 

「遊撃を以て敵を一度抑え、各部隊を下がらせて態勢を整えるっちゅうことですか」

[そうだ]

 

 白骨の兜と樹木のような角を持つパトリオットが呼吸補助器越しに副官へ命令を下す。

 

[幹部直属、でない部隊の統率が、崩れてきている。無策に後退、すれば追撃、で殲滅される。一息入れる、必要がある]

 

 握る槍を(かざ)して北東の方角を指す。

 

[敵は前進を、第一として、いる、ようだ。参謀部、の情報では、敵の側面を、衝いて押し留めた、報告が挙がって、いる。遊撃なら、不意討ち、も、可能だろう。中央、は、タルラが抑え、ている。後方を、抜け、途中で、スノーデビル小隊と、合流し、北方まで進め。協力して、くれる、はずだ]

「成る程。了解、お嬢の所に向かいます」

 

 副官は敬礼して陣を後にする。

 

「(……侵略者、か。都市を侵したのは我々が先だったが、異国に同じことをされるとこうも怒りが沸いてくるとはな)」

 

 パトリオットはそう独り言ちて大兵槍の石突をアスファルトに一突きした。

 

 彼が参謀部から他戦線の支援を要請された時、彼は思わず一人で北東ブロックに強襲を計ろうとしてしまった。

眼前にはチェルノボーグ最後の武力である一線級の軍事警察がいるにも関わらずだ。

確かに彼は祖国に牙を剥いた。

己が槍を以てタルラの指揮の下でチェルノボーグを()とし、この大地に蔓延る悪を祓うべくかつての同胞に穂先を向けた。

しかし、いざエッグマンランド(謎の勢力)に乱入されて都市の征服を宣言されると、パトリオットは内心怒りで我を忘れそうになった。

 

「(私はまだ割り切っていないということだな。冷静を欠いている。この都市にとって、私は侵略者であり、空の異国は解放者であろうに)」

 

 彼に向けて撃たれた軍用バリスタの矢を叩き落とす。

今は反逆者であるが、彼には長きに渡ってウルサス帝国を護り続けてきた自負がある。

そのためウルサス帝国の都市が他国から武力を以て干渉を受けるということはかきむしるような苛立たしさがあった。

 

 故に副官を他の戦線に派遣した。

こちらにはまだあのロボットの群れは来ていないが、レユニオンを攻撃しているという敵群を見てしまえば狂える獣のように逸ってしまうかもしれなかったからだ。

まだ軍事警察を撃破していない現状でパトリオットが我を忘れてしまっては悪手である。

また軍事警察はレユニオンと比べて敵の優先順位が低いらしく、レユニオンの混乱とロボットの動きに乗じて部隊の回復と逆撃を狙う素振りもみせている。

それに副官を割いて他戦線に赴かせたことで眼前の軍事警察にかける圧力が弱くなってしまっているため、今ここでパトリオットが動揺すれば南東部ブロックの士気に悪影響を及ぼしかねなかった。

 

[総員、剣を構えよ。軍事警察を、抑える。敵を、他の戦線に、向かわせるな]

 

 源石に喰われ言葉を断裂させる彼の喉から、巨大な岩を思わせるような力強い声で戦いの一句が紡がれる。

 

 彼の槍が天を衝き、彼の信ずる剣達が壁を造った。

 

 彼の抱く決意のために。

 

◆◆◆

 

◆チェルノボーグ・中央ブロック:住宅街◆

◆フロストノヴァ戦線◆

 

「そう、参謀部がそういうことを」

「ハッ。北東部で苦戦が目立つようで、それを受けて将軍は私を派遣して北上しつつ援護をするように、と。その際にスノーデビル小隊にも協力を仰げとも」

「状況は理解した。あと敬語でなくてもいい、副官。似合っていない」

 

 フロストノヴァの明け透けな指摘にパトリオット副官はつい眉をひそめた。

 

「……酷いこと言いよるな。しゃあないやんお嬢は将軍の義娘でワイは副官やぞ」

「判ってる。だから敬語を使わなくてもいいと言ったのだから」

「ハイハイ、わかりましたよっと。で、人手分けてくれへん?そっちも手一杯ならよう言わんけど」

 

 口調を崩して訛りの地を出すパトリオット副官の要請にフロストノヴァは首肯した。

 

「現状問題ない。ここのブロックの軍事警察は先のスピーチを無視しているみたいで、あの船からの干渉は今のところない」

「まぁ助けてほしけりゃハラ見せてシッポ振れ、やしの。んな決断できるんならその前にとっとと逃げ出すかウチらに降伏……も出来へんか」

「だろうね」

 

 パトリオット副官は腰に手を当て、背筋を反らして伸ばしながら溜め息を吐く。

 

「一部はともかく貴族だの上級警察はプライドの塊やしの。他所もんに頭下げたないお堅ぁい連中ばかりや。そう考えてみりゃ北東部は下級警察と一般市民ばっかりで命あっての物種ちゅうことやから、賢く考えてお空に向かってごめんなさいしたんやな。すると、向こうのポリ公がお空に白旗あげる前にカタつけなあかんちゅうことか」

降伏()の懸念はある。だから私達は少し下がって息を入れる。そうすれば追い詰められた軍事警察も私達の後ろ姿を見て決断を見送るだろう。棚ぼたとはいえ私達を撃退したことになるからな」

「ええんか?レユニオ(うちら)ン中にもこんな時にも手抜き言いよるうるさい奴らがいないわけやないで?」

「他が崩れている状態で独り死守しても孤立するだけだ。そもそも他がそんな有り様だから副官(あなた)が遊撃する始末になったんだ。北東部に歩調を合わせるための後退を非難をするほうが悪い」

「せやな、文句言う奴おったらフロストノヴァの名前とその名分パクらせて貰うわ。じゃ、悪いけど誰か借りてくで」

 

 そう言ってパトリオット副官がスノーデビル小隊を見回そうとすると、フロストノヴァの後ろに控え貝殻の御守りを身につけたイルカ系(エーギル)人女性が立候補した。

 

「ノヴァ、ウチが行く。今のデビル小隊の戦術だとウチのアーツは相性が悪い。ノヴァの(凍り)を邪魔しちゃう」

「すまない、頼む」

「あんがと、ほな行こか。ところで北東で最前線に残っとるお仲間って誰や?」

「スカルシュレッダー隊ね」

「うげぇ、スカル隊長んとこかいな。あの人チェルノボーグ攻撃前にめっちゃ(いき)り立っとったし、将軍の下がれ意見ゼッタイすんなり聞かんやろ……でもお味方やししゃあない、何が何でも連れて帰ってこんとな」

 

 副官と彼に付けた小隊員の彼女は、フロストノヴァの戦線から直ちに離脱した。

 

「フーッ、小隊集合!態勢を立て直す!」

「了解!」

「敵が動いたぞ、応戦しろ!」

「だからこっちに来てくれるなよ」

 

 フロストノヴァは文字通り背筋の凍るような声を対峙する武装警察のバリケードに向けて言い放つと(たちま)ちそれは音を立てて凍り始めた。

 

「クソッ!氷に触るな、距離を取れ!」

 

 軍事警察官達は慌ててバリケードから距離を取って生えてきた氷越しにクロスボウを射掛けてくるが、フロストノヴァの氷はそれらの矢を弾くと同時に隙間を埋めて狙えないようにする。

即席の氷壁は武装警察の射線を遮ると共にスノーデビル小隊にとっての盾となった。

無論、フロストノヴァのアーツがあれば壁でなくとも矢の雨を完封することは容易いが、今必要なのは圧倒的実力差を見せつけることではなく時間稼ぎである。

軍事警察が氷壁を迂回するもよし、破壊するもよし。

スノーデビル小隊、ひいてはレユニオンが息を入れる時間さえあればよいのだ。

故に先程小隊員の彼女には外れて貰った。

彼女のアーツは衝撃波で敵を揺らしたり障害物を倒したりすることができるため、氷に当たれば弱い箇所から砕けてしまい現在の戦術ではその才を十全に活かせないからだ。

 

「にしても……ウォッカやキノコで見るような夢よりも随分と()()()()()()話ね。移動都市レベルの船が空を飛ぶなんて」

 

 フロストノヴァは空に浮かぶ巨大な船を見上げながら呟くと、次いで足止めとして路面を薄氷に包み込んでから後退した。

 

 悪夢の類いは数え切れない程見てきた彼女だったが、ああも荒唐無稽な現実は夢の中ですら見たことがなかった。




◆感想や改善点などございましたら是非コメントお願いします。

◆因みにこの時に倒されて捕虜になった人たちの中にRM-02話で報告をしていた構成員が混じっています。
なお捕獲パターンは
・ワークロボットによるわっしょい運送
・CASEALによる救急搬送
・CASTによる護送車輸送
・量産型E-100による虫取り網ゲッチュ
のいずれかです。
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