The great Great GREAT Doctor is Me ! 作:東京<アズマ キョウ>
→恐らく博士にとってシーボーンは『在来の原生生物』。
情報収集の段階ならそういう生物が海洋国家を侵食していることは知っているかもしれない。
そして博士のことなのでいつかは海に勢力を伸ばすだろうなと思うのでその時にシーボーンと邂逅するはず。
何もしてこなければ無視するけれど敵対性のある種族なのでいつかは衝突すると思うのですが……
①恐魚の繁殖力<博士の生産力
ギャグ化。
某お船これくしょんの秋恒例イベントであるサンマ漁業よろしく大漁旗を掲げたロボットの舟々が逃げる恐魚とイタチごっこする。
恐魚は食用には向かない(ミヅキと紺碧の樹:秘宝『恐魚の干物』より)けれど肥料に使用できるならそっち方面に走りそう。
②繁殖力=生産力
ややシリアス。
他勢力と組んで製造拠点を増やして駆逐に入る。
「俺達の戦いはこれからだ」エンド
③繁殖力>生産力
シリアス。
他勢力と戦線を組んだ上でエクリプスキャノン発射で逆転を狙う
④「大いなる静謐」エンド(ミヅキと紺碧の樹END2)
宇宙移民化。
流石に宇宙まで飛んでは来ないと信じたいが、最悪ドクターを囮に他の先民の救助
かなぁ……。
◆Overtime終了。
悲劇と騒乱が押しとどめられ、怒り・困惑・警戒・脅威・デタラメの時代が始まる。
家族を大事に想う気持ちはどちらにもある
生きているかそうでないかはともあれ
1096年12月。
◆チェルノボーグ・住宅街ブロック◆
→◆感染者・レユニオン制圧圏◆
「ごめんな、ゾーヤ……迷惑をかける」
「大丈夫だよ、父さん。今はとにかくここを離れないと」
文具屋から出たゾーヤとロバンはゾーヤの使ったルートを辿って前線にいるであろう軍事警察の許へ戻るべく急いだ。
ロバンは襲われてからしばらく外気同然の部屋にいたことで体力を消耗していたため、ゾーヤがロバンを支えながらゆっくりながら歩を進める。
かつて憧れた警官服を着る父の肩を離さないように。
「……少し、休もうか。父さん、こっちだよ」
「判った」
ゾーヤとロバンは体力を使い切る前に一度休息とるこべく、ゾーヤが行き掛けに隠れる場所として目星をつけた空き家に寄ることにした。
「この家は……」
ロバンがその二階建ての家を見た時、彼は何か思い当たる節があるらしく嘆息気味に声を漏らした。
「何か知ってるの、父さん?」
「此処は確か、以前は優秀な科学者が家族と一緒に暮らしていた所だ。だが……子供が感染者になってしまって、科学者一家は『離散』したそうだ。今は誰も住んでいない筈だ」
「それって……」
ゾーヤは顔を曇らせる。
『離散』とは、つまりそういうことだ。
「……鍵は壊れて外れているからとにかく入ろう。遠巻きに覗いて見た限り壁に穴とかは空いてなさそうだから、風避けにはなると思う」
ゾーヤは空き家の扉を開けて先にロバンを中に入れ、周囲を見渡してから彼女も中に入る。
ゾーヤの見立て通り家宅内は調度品こそ殆どなかったが隙間風もなく、小休止するにはうってつけの場所だった。
ゾーヤは一階の居間であったろう室内で原型を留めていたソファにロバンを座らせ、自身は布か毛布の類いはないかと一階の居住区を探してみると、幸運なことにリネン室であったろう場所に乾かしたまま放置されたのだろう毛布を見つけることができた。
やや埃臭いそれを抱えて戻ったゾーヤはロバンと共に包まって一息つく。
「ちょっとだけ、楽になったね」
「そうだな」
空き家に響く、文具屋に居た時よりも大きく聞こえる暴力の喧騒が自分達が前線に近づいているのだと痛感させてきた。
「少し、休んだら、そしたら、とにかく走れば叔父さんと合流できるはずだから」
「ああ」
毛布に包まったゾーヤの、次第にほぐれるように緩んでいく言葉にロバンは相槌をうち。
「だから……あとひとふんばり、がんばろうね、とうさん……」
その言葉を以て、ゾーヤはすとんと毛布に顔を埋めて寝落ちしてしまった。
無理もない、たとえ体力を消耗しているのがロバンのほうであっても彼は現役の軍事警察官であり日頃から厳しい訓練を受けているため並の一般人よりは気力や精神力が強い。
一方ゾーヤは並の警察官顔負けの隠密行動や行方不明の父親を探しだせたような優れた素質は持っていても、気力や精神力は一般人と大差はない。
本来なら収容された学校から軍事警察の拠点にたどり着いた時点で気力は相当削れていたにも関わらず、ただ使命感と父への思いを力に換えてペテルヘイム高校まで向かい、遂にロバンを救出したのだ。
そんな状況で頼れる父を隣に気休め程度でも寒気を遮る毛布に包まれば。
「……」
その顔に浮かぶのは年相応の少女が持つ寝顔だった。
「……よく、頑張った。お前は父さん自慢の娘だよ」
ロバンは決して起こさぬようにゾーヤの頭を優しく撫でた。
五分程してゾーヤが完全に寝入ったことを確めたロバンは静かに彼女の隣から抜け出すと、軍事警察官に支給されているアーツロッドを携えて部屋の外に出る。
少しでもゾーヤを休ませたいと思うロバンは家の瓦礫を用いて簡易鳴子を作り感染者や暴徒の侵入に備えようとした。
「……そこにいるのは誰?」
「!!」
だがその試みは遅きに失していた。
空き家にはロバン達より先に第三者が侵入していたのだ。
「(か、階段側!しまった、二階に誰か隠れていたか!)」
ロバンは訓練された動き通りにアーツロッドを構え第三者に杖先を向け。
「!?」
一瞬硬直した。
そこにいたのは足に源石群を生やした感染者。
ゾーヤよりも小柄で、ゾーヤよりもやや白い髪をした少女だった。
「……動くな、いや、動かないでくれ」
杖先を動かさずにロバンは少女を観察する。
武器を向けられているにも関わらず動揺している素振りのない少女の肩には暴徒の感染者が身に着けるシンボルマークが橙から緑に変わった物が描かれたプレートがぶら下がっている。
色違いの理由は判らないが、少女が暴徒側の存在であるのをロバンは理解できた。
ロバンの額に汗が浮かぶ。
軍事警察所属の身としては眼前の少女を直ちに拘束ないし無力化するのが正解なのだろう。
しかしあの暴力に酔った感染者とは違う理性的な瞳が彼を見詰める以上、ロバンにとってアーツロッドの起動を躊躇させるのに十分なものだった。
「さっき声が聞こえたわ。もう一人いるんでしょ?」
「……ああ、そうだ。俺の娘だ」
少女の問いにロバンは答える。
彼は嘘偽りなく答えることが最善のように思えた。
「先客が居たなんて知らなかったんだ、すまない。だが、どうかもう少し此処に居るのを許してほしい。娘はずっと休み無しだったんだ、娘を少しでも休ませてあげたいんだ」
「……その娘さんは、大事な人?」
「そうだ、大事な一人娘だ」
「貴方の命よりも?」
「その通りだ」
ロバンは即答し、少女の瞳が僅かに揺れる……一拍の間を空けて、少女の口が開く。
「なら、貴方の命を代わりにくれたら此処に娘さんがいるのは黙っていてあげる」
「……!」
少女はロバンの命を求めてきた。
ロバンの喉が絞られ、声にならない音が漏れる。
少女の身にしては大仰な要求だが、ロバンに武器があっても尚怯えや敵意を見せない様子を見た彼は少女に只ならぬものを感じ取っていた。
「身代わりになれ、と?」
少女は答えない。
ロバンは浚巡して考えこむ。
確かに今少女がなにがしら叫び声や連絡等で近くにいる感染者へロバン達のことを知らせれば逃げ場は限りなく少ない。
この一帯は少女が普通に歩ける程に感染者の勢力圏に陥っているのだ、少女がもしも敵対的な行為をすれば不利になるのは間違いなくロバン達のほうだ。
故に、ロバンが囮となって感染者の目を引くならばゾーヤの安全は得られるかもしれない。
だが、そうすればロバンは必ず死ぬ、そしてゾーヤは独りになるだろう。
父親と母親に置いていかれた子供になって、ロバンよりも長いであろう一生を歩むことになる。
いっそ有無を言わさずアーツロッドで少女の頭を射貫こうか、と
だがそれは『少女に近い年頃のゾーヤ』を持つ父親としての意識がロバンの指を押し止めている。
うまく行けば、ロバンとゾーヤは共に
ゾーヤに近い年頃の少女の一生を踏み台にして。
それは一人の軍事警察官として最善策の、そして一人の父親として断固してはならない唾棄すべき凶行だった。
「俺は、死ぬわけにはいかない。娘を置いて逝くことは、娘を悲しませることは、絶対にできないんだ。頼む、頼む」
故にロバンは杖先を下げ、頭を下げ、身勝手で何も少女に還元しない願いを包み隠さず告白した。
「……」
少女の視線がロバンを見透かすように見詰めているのを彼は視界の外から感じ取っていた。
―ん、今あの家に何か人の気配が?―
ロバンの毛が一斉に逆立つ。
少女との問答に時間をとられたためにこの住宅街にいた感染者に気取られてしまったことを理解したロバンは冷や汗が止まらなかった。
最早感染者から隠れるにせよ迎撃するにせよ、まずは前に立つ少女をどうにかしなければならない。
ロバンは覚悟を決めようとアーツロッドを握った、その時。
「判った。なら、貴方の命綱を貰うわ」
◆◆◆
「誰か出てきたぞ!」
「待て、あの飾り……確か潜伏中の同胞に援助したスラムの住人じゃないか?おい、ここで何をしている?」
レユニオンに属する感染者の男二人がそれぞれ金槌とボウガンを構えて気配のする家に向かって警戒しながら近付くと、目的地の空き家からスラムの少女が丁寧に扉まで閉めて家から出てきた。
ボウガンを持つ方の男がスラムの少女に声を掛けると、少女は言葉少なく返事をする。
「物拾い、です」
「ああ、そういう。家には何か使える物はあったか?」
「
「そりゃ残念だったな……ん?軍事警察の制式アーツロッドじゃねぇか?!お前何処でそれを!?」
金槌を持つ感染者が少女に武器の出所を尋ねると、少女はアーツロッドをそこいらにある木の枝のように持ち上げ、この住宅街より西の方を指して答えた。
「向こうで凍りついてた大人の人から拾いました」
「凍りってことはスノーデビルか、ざまぁねぇな。なぁ、お前それどうするつもりだ?」
「とりあえず持ち帰ってみようかと」
「だったらそれを俺達にくれないか?入り用なんだ、オッケーなら代わりにクッキーをやるよ」
「おい、何言ってやがる」
「いいじゃねぇかその位。見た所十分きれいそうだし、武器はあるだけ困らねぇって。それにガキにとっちゃ武器よりメシのほうがいいだろ」
「うーん……まぁ、お前が自腹切るなら俺はこれ以上とやかく言わねぇよ」
どうやら纏まったらしい感染者の話を聞いて、少女は首を小さく縦に振った。
「……いいよ、コレあげるからクッキーちょうだい」
「ありがとよ、これがクッキーだ。袋を開けたら中に二本入ってるから大事に食えよ」
「わかった」
アーツロッドを差し出したその手に銀紙の包装に入ったクッキーが握られる。
それには見たことのない模様が等間隔で印刷されており、少なくともウルサス圏内で製造されたものではないようだった。
◆◆◆
少女は感染者達が離れていくのを見送った後、玄関の扉側で家の窓が少し開いている場所に近寄り壁にもたれ掛かる。
その壁の向こうでは息を潜めて動向を見守っていたロバンが大きく溜め息を吐いていた。
「……庇ってくれて、感謝する」
「別にいいよ。ほら、これもあげる」
少女は窓の隙間から先程感染者から貰ったクッキーを投げ入れた。
「それは君のクッキーじゃないのか?」
「今は要らない。それよりも早く行って、もう私は貴方達を助けないから……命より大事なもの、手放しちゃだめだよ」
そう言って、少女は今度こそ空き家から去っていく。
「……勿論だとも」
ロバンは今も安らかに眠る愛娘のことを脳裏に浮かべて独り言ちた。
その後、ロバンと目を覚ましたゾーヤは速やかに空き家を出て軍事警察の防衛線までたどり着き、ヴァレリー達と合流した。
ゾーヤは臨時警察官として遮蔽防壁などの修理に奔走し、ロバンはヴァレリーらと共に感染者の攻勢をどうにか凌ぎ、そして数日後にあの日を迎えることになる。
「おい、お前。護身装置にロボット虫まで持ち出して一体何処に行ってたんだ?」
「何、家に帰ってただと?」
「そういえばお前、元はどっかいいとこ出の子供だったらしいな。何で今更?」
「あー、成る程。今なら市民サマ共の目が無い上にレユニオンの連中も俺達なら見逃しもするしな、帰るならいいチャンスだったってわけか」
「で、家族も何もないお前がわざわざ家に帰ったってんなら何をしに行ったんだよ?」
「それ、家族の写真か」
「わーったよ、とっとと部屋に入ってクリーンしろ。他のガキ共がお前が居ないって喚いて喧しいんだ」
「そうだ、手を洗ってクリーンして飯食え。今日はロボ子が炊事担当してる。こんなスラムで真っ当な飯が食えるなんてな、
「バカやろう、ガキ共がお前を待ってるんだ。お陰で俺もまだ食えてねぇんだ」
「全く好かれたもんだな、『お姉ちゃん』がよ」
◆ここでチェルノボーグ分割までのエピソードはおしまいです。
書き始めから約2年、やっとここまで書けました……(※完結ではありません)。
なお一部を除いて時間経過は1~2ヶ月しか進んでいない
次話については申し訳御座居ませんがどのエピソードを投稿するかを定められていないため間が空いてしまいます。
・エッグマンのテラ考察
・ドクターとDr.エッグマンの話
・以前アンケート取ったIFシナリオ
・「ちょっと出張行って来る」
・龍門近衛局の二人
・レユニオン近況
とか、こう執筆途中のやつがゴロゴロしているのでどれかに絞らないとなぁ……
※実はサイレンス編書こうと思ってましたが致命的な設定ミスがあったのでお蔵入りに。
流石に前回の8ヶ月空きみたいなことにはならないよう頑張って投稿したいと思います