The great Great GREAT Doctor is Me ! 作:東京<アズマ キョウ>
これらは作者がゲームをプレイしたりWikiなどの情報を見たりして総合的に考察したものとなっておりますが、公式情報の網羅や大陸版情報などの把握は不十分です。
理解不足によって読者の皆様に不快感を与えてしまう恐れがありますが何卒御容赦の程を願いします。
ご近所には飴を、
邪魔者には鞭を
1096年09月21日。
◆エッグマンタウン・司令部司令官室◆
ワシの名はDr.エッグマン。
二つの星を股に掛けた大帝国を築き上げ、日々版図拡大のために邁進する世紀の大科学者じゃ。
エッグマンタウンが完成し前哨基地として稼働し始めたため、いよいよ本格的に他の国を我がエッグマンランドの支配下に置くための壮大なプランを開始することにした。
これまでの事前調査で諸外国の大まかな情報と情勢は把握しておる。
最初は移動都市とかいう奇妙キテレツ文明や猫耳だの馬尻尾だの生やした男が普通に歩いているのは何の冗談だとロボットからの撮影記録を見た際は我が目を疑ったが、ワシはこの程度では怯んだりはせん。
ワシの世界征服は誰にも止められないのだ!
……撮影班、大した事ではないんじゃがハリネズミの特徴がある人種はいたか?
『いなかった』?
『トゲなら雰囲気が黄色くて褐色のウニっぽいのがいた』?
何じゃそのテイルスとシャドウの合の子みたいな奴は。
ウニならまぁよい。
エッグマンタウンに最も近い場所にある国家は【ウルサス帝国】という名前の勢力だそうで、この大陸の北方地域を広範囲で支配下に置く奴らじゃ。
ワシを差し置いて帝国を名乗るなぞ片腹痛いわ。
さておき、このウルサスとやらは北方に広く勢力を持つ国家じゃがこの惑星の気候上生活圏の構築は容易ではないため各移動都市間は点と点の交流が主体といったところじゃ。
移動都市は突発的な【天災】を避けつつ過去の統計上【天災】の影響が小さい地域を選んで巡航するので、都市を繋ぐ主要地帯の線上にある土地は都市の移動部によって圧し固められ、一帯は丈の低い雑草以外生えていないまるでコンクリートのように硬くなる。
便宜上このルートを幹線道路と呼ぶが、幹線道路上に沿って移動しない町村やモービル等で移動するキャラバン式の町村がある程度でそれぞれがほぼ単独で完結しているような状態じゃ。
そう考えるとウルサスは、いや他の国も調べてみる限り似たようなものじゃが、国家とは移動都市による連合体と見るほうが正しいのかもしれん。
各都市の支配層である貴族の権限も強いようじゃしな。
利用言語はモビウスにおける【ホロスカ】地域の地方語に近い発音や文法をしており、それに加えて世界共通語のようなものを使っている。
そちらのほうもある程度はモビウスの言語に偶然にも似ておるから会話も読文も問題ないな。
ちなみにエッグマンタウンが完成する前のこの町は『タストント』といっておったようじゃ。
よし、最初の目標はエッグマンタウンに最も近い場所の【チェルノボーグ】として、偵察部隊と情報収集用の拠点を建てることにするかの!
チェルノボーグはホロスカ地域程は雪に閉ざされておらず、建築様式も北方気味ではあるが現代的な都市と言ってもいい。
我がエッグマンランドの新征服の第一歩としては及第点と言えるだろう。
チェルノボーグとやらよ、覚悟するがよいわ!
◆◆◆
1096年9月22日。
◆チェルノボーグ郊外・空き家→エッグマンランド秘密基地◆
チェルノボーグに空から侵入後、ワシはめぼしい所にあった空き家の地下を利用してエッグマンタウンの秘密基地を設営することにした。
内部に設置するのはエッグマンタウンとチェルノボーグを繋ぐワープステーション、粉塵などを除染するためのクリーンルーム、ロボット達とのやり取りをするための通信用施設になる。
空き家を入手するのにロボットに現地住民との交渉を任せるのは流石に無理があるため、ワシ自らチェルノボーグの不動産屋に訪問して郊外にある空き家を貸すよう依頼した。
本当なら買い取ってしまうのが手っ取り早いのだが、不動産物件の譲渡はこの都市の法律上制限があり、また手続きがいろいろと面倒なので賃貸ということにした。
有無を言わさず使ってしまってもよかったが、侵入して早々に現地警察に目を付けられるのも何かと厄介じゃしの。
この惑星の大気については不明な点があるので新たに作成した防塵ヘルメットで店に入ったのじゃが店主の奴がジロジロとワシを見てくるのは些か億劫じゃった。
まぁそやつにはワシが【Ee】を作った際に規格外となった宝石や【アーク】付近の隕石を掘削した際に産出した金のインゴットを見せてやると掌を返してもてなしおったがな。
こういう輩は判りやすくて扱いやすい。
おまけで静かにしておいてくれと大きめの人工宝石を懐にいれてやると店を出る時は貴族を送り出すかのように深々と腰を曲げておったのが可笑しかったわい。
ついでに空き家の近くに旨いカフェレストランがあるとも言っておったな。
悪くない商談じゃった。
空き家を入手したので早速設備の建設に着手する。
先ずはワープステーションからじゃ、これについては潜入時に随伴させた駆逐艦に部品を一式詰め込んであるから組み立ててエネルギーを通せば稼働する。
ステーションが完成すれば後はエッグマンタウンから秘密基地に直接物資が運べるようになる。
移動や通信といった他の機能は持ち込んだエッグモービルで代用は可能じゃからな。
空き家に併設されておる納屋を改造してエッグモービル格納庫兼秘密基地のロボット出入り口にする。
ワシは空き家のほうを除染後プライベートルームに改築するとしよう。
◆◆◆
1096年9月24日。
◆チェルノボーグ・エッグマンランド秘密基地◆
丸二日掛けて我がエッグマンランドの秘密基地とワシの別荘が完成した。
外見はまだ一軒家のままじゃが、内装はワシならではのオリジナルデザインに加えて仮に此処の敵対勢力に襲われた時でも万全の状態で迎撃出来るようにしてある。
もしコソドロが入れば瞬く間に蜂の巣……だと片付けるのが面倒じゃな、痺れさせて都市の外に放り出せばよいか。
ワシの発明品で空気中の源石や粉塵、細菌類を除去し【アーク】の環境に近い状態を再現した無菌処理化室も順調に稼働している。
動力源には【カオスエメラルド】や合格した【Ee】には及ばないもののバッテリーとしては充分使える人工エメラルド(以後バッテリーエメラルド:【Be】と呼称する)を利用している。
他にも母星モビウスではお馴染みのノーマルバリアの仕組みを参考に、源石由来のエネルギーをバリアで防いで妨害し無効化する機能も搭載した。
流石に携行型にはできずに部屋一つ分の装置が必要になったが、地下に作るのでいくら拡げても問題あるまい。
これを
『
これで秘密基地の中では源石武器やこの惑星独自の技術である『アーツ』とやらへの防御は強固になったわい。
秘密基地建設の合間に偵察ロボットを用いて情報収集させておったが、此処の都市は貴族階級と平民階級、それと【感染者:源石由来の疾病に罹患した者】階級に別れておる。
いや、感染者については階級違いというよりも追放扱いといったほうが正しいか。
疾病、【鉱石病】患者だと判った者は喩え貴族であろうと隠蔽しきれなければ貴族街から追放される程にその立場は悪く、平民ならば尚更じゃ。
無知じゃな。
調べた限り、【鉱石病】は確かにこの惑星では不治の病であり、いずれ死に至る病であることは認めるが出血熱のような短期間で死ぬような病でも病痘のような感染力の高い病ではない。
QOLを下げることや末期には爆発して周囲に源石を撒き散らすとかいう異常なプロセスを持っていることは脅威的であるのも間違いではないが、それでも対策を講じる時間がないわけではない。
発病から死亡までの時間が長いのだ。
IoT技術が発展しているこの惑星なら完治は無理でもある程度の対策は取れるじゃろうに。
そもそも都市のデータベースにアクセスした限りでは古代から【鉱石病】の症例が文献に記されておったようだし、昨今急速に罹患者が増加した様ではあるが、情報蓄積と分析の技術が向上している現代ならばむしろサンプルデータが増えたことを基に予防策や病気の進行を抑える手段の研究を進めるべきじゃ。
よくワシが来るまでに文明が滅亡しなかったものだと感心してしまう。
どうせ不勉強な輩だの対策費を惜しむ輩だのが音頭をとって追放政策を採っているのじゃろう。
そのせいか、いわゆるスラムでは何やらきな臭い雰囲気が漂っておる。
近い内に一悶着あってもおかしくない。
スラムの感染者連中が暴発して政治家に突っかかるのはどうでもよいが、ワシの秘密基地に累が及ぶのは今暫く避けたい所じゃ。
エッグマンタウンに輸送しておいた備蓄食糧を此方にまわさせてガス抜きさせるとしよう。
こうなると農業プラント及び畜産プラントの稼働も急がねば。
やはりワシのような偉大な科学者こそがこの都市の、いやこの惑星の支配者とならねばならんようじゃ。
◆◆◆
1096年9月29日。
◆エッグマンタウン司令部司令官室◆
エッグマンタウンから輸送した食糧をスラムに運搬して配給する慰撫活動は効果を発揮しているようじゃ。
持ち込んだのはエネルギーバーとミネラルウォーター位だが、スラムの連中にとって当座の食い物があるだけでも遥かにマシという有り様だったので言うことを聞かせるには楽でいい。
最初はスラムの顔役だの何だのが縄張り意識でワシに文句を言いにきたが、そんなせせこましいプライドなぞワシのロボット達と現に鎮座する食糧を前にすれば無いも同然よ。
ワシのほうもただ近くに居ることを黙っていればいいという条件のみを提示したため顔役にとっても都合の悪いことではなかったからの。
ワシのロボットに食糧を顔役のところへ持って行かせればあやつの面子も立つじゃろう。
後はお互い知らぬ存ぜぬの関係でおしまいじゃ。
……浮浪児の一部がおこぼれ目当てにワシの秘密基地付近に屯し始めたり、欲深い輩がもっと食糧を寄越せとロボットを付け回したりしたのは予想外じゃったが。
あの顔役、確かに自分からは知らぬ存ぜぬを示しているがそれ以外の連中がどうなろうと知らぬ存ぜぬということにしおったな。
まぁよい、許容範囲じゃ。
破落戸については叩き出したし、浮浪児については見所のある奴らは噂を集めたりロボットを磨いたりするのを条件に飴玉をくれてやったら喜んで働きおったからな。
中には無気力で陰鬱ながら地頭はいいのか、ワシの指示を理解して他の浮浪児に内容を説明する役回りになった子供もいる。
功績次第では小間使いにしてやってもいいだろう。
……閃いた。
ワシは『ECR』に源石エネルギーに反応してアーツ攻撃を無効化する機能を搭載したが、【鉱石病】患者の持つ源石部に『ECR』がどういった反応をするのかまでは確認出来ていない。
試運転や動作確認の実験時にはオリジムシ(イシツムリの現地語名)と二対のハサミと四脚を持った矢鱈と硬い大型の昆虫(現地語では『ハガネガニ』と言うらしい)をルームに入れてみたが特に影響はなかったように見える。
いや、若干動きが鈍ったか?
弱ったというよりも力が抜けた、という様子ではあったが。
仮に源石部に何らかの影響を及ぼすのであれば、脅威的なアーツ技術者もいるという【鉱石病】罹患者は『ECR』に入るだけで鎮静化できるかもしれない。
まずは実験じゃな。
あやつら塵まみれじゃから風呂に浸からせた上で『ECR』に放り込めば簡単に従うじゃろう。
ついでに未知の病原体を持っておるやもしれんし、いい機会じゃから纏めて除染してやるか。
フッフッフッフッフ、我が『ECR』がどのような効果を発揮するかが楽しみじゃわい。
◆◆◆
1096年10月02日
◆エッグマンタウン司令部司令官室◆
秘密基地の警備係をしているロボットから報告としてリアルタイムのムービーが送られてきた。
秘密基地の近くに住み着いておった野生のオリジムシの群れに現地住民が襲われておるようじゃ。
現地住民のほうはこの惑星の独自技術『アーツ』で抵抗しておるようじゃが多勢に無勢、凄い勢いで鞄をかじられておるらしい。
なるほど、あの辺りにオリジムシの巣があるようじゃな。
オリジムシはエネルギー波に対する正の走性を持っているようで時折エッグマンタウンのリアクターに向かってにじりよってくることがある。
その時はリアクターのエネルギー波よりも更に強い走性を齎す源石の塊を囮にすればすんなりそっちに移動するので、実験に必要な分を除いてオリジムシは追っ払っている。
じゃが追っ払うのに無闇にビーム銃を使えば走性が刺激されるかもしれんから実弾銃を使わねばならんのが億劫で堪らん。
この基地についても何処からともなくわいて出てくるオリジムシに辟易としておったが巣の場所が判ればあとは駆除するのみじゃ。
しかしあの現地住民も運がない…ややっ、あ奴気絶してしまいおった。
オリジムシのほうはまだ鞄の中身に気を取られておるようじゃがいつ気が変わるかも判らん。
……世話の焼ける奴じゃが助けてやるか、見て見ぬ振りというのも夢見が悪いからの。
【Be】の出力を増加させてオリジムシを引き付け、鞄から剥がれた所で警備係に駆除させてから気絶した現地住民を救助、『ECR』に収納する。
◆◆◆
1096年10月02日。
◆エッグマンタウン秘密基地司令官室◆
現地住民が目を覚ました。
薄緑がかった長めのシルバーブロンドにモノクルをつけた熊耳の少女は『ECR』に据え付けたベッドに寝かしていたが、目が覚めるなり看病担当のロボットに向かってアーツ攻撃を放ちおった。
どうやらとっさにオリジムシとの戦いの続きをしてしまったようじゃが、
どうやらワシの立てた仮説は一定の効果があるようじゃな。
ワシはこの惑星特有の技術である『アーツ』がどのようなプロセスを経て発動しているのかを分析してみた。
アーツは使用者の持つ素質に左右され、源石を素材とする道具を用いると効果が倍増するという性質がある。
さながら魔法使いと杖のような関係で、現地住民達は
『アーツは使用に得手不得手があり、源石の道具が無ければ効率良く扱えない』
と思っておるようじゃ。
じゃがワシのような天才科学者の目を以てすれば違う視点が見えてくる。
そもそも前提が違うのではないかと。
『
理由は単純、それは異星人たるワシが使えないからじゃ。
そしてこの惑星の現地住民がアーツを次第に使えるようになるのは
『大気中のごく微量の源石粉塵を血中に取り込み続けたから』
とワシは考える。
この惑星の医療系データベースにアクセスしてみる限り源石に接触していない非感染者であっても血液中に源石由来の成分が検出されることを考えれば、源石成分を日常的に体内へ吸収していることは明白じゃ。
詰まる所、この惑星における【鉱石病】とは体内蓄積した源石成分が一定のレベルに達することで発病する風土病という結論になる。
この惑星の医療機関が【鉱石病】の治療に躍起になっているようじゃが、【アーク】レベルの無菌状態でなければ体内の源石を不活性化するのは不可能じゃろうな。
さて、未だ混乱しているようじゃが現地住民がひとまず武器を振り回すのをやめたな。
それでは我がエッグマンランドの主たるワシの姿を見せつけるとしようか。
◆感想や改善点などございましたら是非お願いします。