The great Great GREAT Doctor is Me ! 作:東京<アズマ キョウ>
KT-02作中に出てきた単語の解説、つまり完全なる蛇足。
本当は最上部のTips枠に収めるほうが良いかもですが、多分この用語はこの話以降出る見通しが全くないのでこちらに掲載します。
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【ネスト社】
空色のロゴを持つこの会社は本業が実は武器開発ではなく酪農という変わった経歴を持っており、今は名を馳せる武器産業も当初は生産加工した食肉製品・乳製品・皮革製品をクルビア外に輸出する為の自衛手段でしかなかった。*1
だがネスト社が参加したあるコンボイに野盗集団が襲撃してきた際、コンボイ防衛に最も成果を出したのがネスト社のバリスタであった。
ネスト社は牧場を狙う肉食獣や感染生物を撃退する時にバリスタを用いており運用ノウハウの量があった。
加えて源石の影響で錯乱した野生動物の駆除や興奮して暴走した家畜の鎮静なども経験していた。
こうした要素が噛み合った結果、野盗の群れは無論のこと彼らが切り札にしていた炎のような気性で知られる巨大猛火牛は麻酔玉でコンボイに爆進する前に爆睡して無力化したため何も被害を出すことなく制圧された。
この一件からネスト社に使用しているバリスタの発注先に関する問い合わせが同業者から殺到し、更にそれらバリスタの全てが自家製産であることが判明したため今度は製造販売についての問い合わせが湧き上がり、後にネスト社の新たな看板となる武器開発部の誕生となった。
ネスト社製の主な用途は非殺傷制圧、又は大型動物の狩猟だ。
開発コンセプトとして『新入社員でも扱いに苦労しない』よう部品が組まれていることから設置や操作が大変楽にできるためバリスタ入門からベテランまで愛用者が多い。
他にも湖沿いの生活者向けに対水棲生物バリスタや、取り扱いにライセンスや免許が必要になるが捕鯨砲といった重バリスタも製造している。
なおネスト社は事業部の知名度に偏りが大きいことでも有名で、クルビアにあるネスト社の地元から離れれば離れるほど酪農家というイメージが薄まり、逆にバリスタ製造メーカーというイメージが強まる傾向がある。
ジョークには
「ネスト社のバリスタを愛用する田舎のウルサス人がネスト社の本家ロゴを見て『ネスト社の鳥にミルク缶を持たせた模倣品があるのか』と言った」
というものがあるほど。*2
なので地元雇用とクルビア外雇用の社員はお互いが自社の事業部を正しく認識していないという齟齬がおきたりもする。
こういった現象は極東の楽器製造と個人用バイク製造を手がける企業が利用者にそれぞれ手がけていることに気付かれなかった例に似ているだろう。
【イブリース社】
創業者であるラテラーノ出身のサンクタ人が
「Fire Flush Fear Funtastic◎ !(火力は恐怖をぶっ飛ばす、ぁあ最っ高の二重丸!)」
と言った時の頭文字が真っ赤なロゴの由来という伝説が語り継がれている製造メーカー。*3
イブリース社の製品は火力を重視した設計で知られている。
会社に取引先からの譲渡品が一台あったため輸送任務にて持ち出して使用したことがある某トランスポーター勤務のサンクタ人曰わく
「流石のあたしでもイブリース並の火力はいらないわ。偶に肩凝りとかストレスの解消とかでぶっ放してみたくなるけど」
と、その火力主義は会社の代名詞になっている。
例としてイブリース社を代表する製品ブランドに『ディアナ』シリーズが挙げられるが、製品コンセプトは
「No One Stand《誰も前に立つんじゃねぇ》」*4
で、このシリーズは圧倒的な面制圧を主眼としたバリスタだ。
特に知名度が高いのは『シルヴィア』と名付けられたバリスタで、これは『前方の射程圏に向けて円状に鉄釘をバラまく』という強烈な代物である。
過去の運用履歴では暴走して押し寄せてくる大量のハガネガニの群れを一掃した実績があり、火力面については他の民間製バリスタと比べてもトップクラスだ。
因みに『ディアナ』シリーズのネームシップたる『ディアナ』は鉄釘ではなく小型鉄球の詰まったボールを同じく大量にバラまくため、発射先の地面はまるで月面のようにクレーターだらけになる。勿論発射費用がかなりの高額になるためケースの中身を粘土玉とか木製弾といった安価なものに変えた廉価版も販売されている。*5
こうした逸話が示すようにイブリース社製のバリスタは高火力高制圧で抜きん出ているが欠点として先にも触れたがバリスタ矢を大量に使うことから消耗品費用が高い。
廉価版でも平均的なバリスタ矢費用と比べ高額になるため利用者としてはあまりバリスタのトリガーを引きたくないのが実情である。*6
そして制圧力は先の通りお墨付きでイブリース社も製品プロモーションを積極的に実施しているため野盗側もイブリース社のバリスタの恐ろしさは耳にしていることが多い。
鉄板を仕込んだ幌馬車や量産品の車両程度なら鉄釘が貫通することも知られているため野盗にとっても撃たれたくない代物だ。
そのことから
襲撃「イブリースの引き金を引かせるな」*7
防衛「イブリースの引き金を引かせるな」*8
と各陣営が奇妙な意見の一致を見せることがある。
因みに高額有料だがイブリース社では社内見学を実施しており、一番人気が『シルヴィア』の試射体験である。
参加者の多くがその迫力に圧倒され、購入を検討したり再度見学会を申し込んだりと人気コンテンツになっている。
【知久環組】
炎国と極東を厚く隔てる山脈の中にある霊峰『狐狗狸山』に神社を構える宗教組織【
山号:狐狗狸山繁茂社、神体:知久環大明神。
緑色のロゴは繁茂社の家紋と同じであり、かつて繁茂社を建立したとある三人の僧侶が各々の家紋*9を環状に並べ『三家に貴賤なし』と定めたことに由来する。
三家はそれぞれヴァルポ・ペッローと『ラクド』という種族が連ねているがラクド族については極東外にあまり出ることがないらしく謎が多い*10。
主にヴァルポ族が外渉を、ペッロー族が防衛を、ラクド族が生産を担当している。
知久環組事業は多岐に亘り家財や生活雑貨の伝統工芸品や薬草茶、茶菓子や山菜料理などを手がけているが、異色なことにバリスタも取り扱っている。
何故宗教組織が母体の知久環組がバリスタを手がけているのかと言えば則ち極東の戦乱と言う環境故の自衛手段に端を発する。
極東ではその地の覇者たる『将軍』家がお家争いで弱体化したため、次代の覇者を巡る戦乱が勃発し今に至る。
各地の領主はおろか一部の寺院神社すら野望を掲げて参戦していたこともあって寸土であろうと相手の領地を奪い合う過酷な環境になった。
一方繁茂社は覇者への野心がなく、また日々の糧も『狐狗狸山』で賄えることから社領拡張の必要もなかったため領外の抗争に対して不干渉の立場をとっていた。
しかし繁茂社領の近隣にある領地が戦乱で荒廃し流民が発生、繁茂寺は社領に逃げ込んできた流民達の世話をするようになるがこれを流民元の領主が難癖を付け、繁茂社が領主に降るよう命令した。
社領として独立している上謂われのない難癖から来た要求を断った繁茂社と領主の間で対立が起き、領主側が繁茂社を襲撃する戦が始まった。
領主には繁茂社以外にも敵対勢力がいたため手早く彼らを降伏させようと速攻をかけたものの、領主の誤算は繁茂社が予想を遥かに上回る程に強かったことだ。
外患を前に結束した繁茂寺は三種族の得意分野を活かして領主を迎撃、弱卒と侮っていた領主勢を返り討ちにした。
この時に活躍したのがペッロー族僧兵と用いられたバリスタであり、知久環組のバリスタ事業の萌芽となったのである。
知久環組で知られているバリスタ『山嵐』の特徴は軽く飛距離が優れている点にある。
『山嵐』には『狐狗狸山』に自生する竹が用いられているが、軽さに反して頑丈、また繊維質が滑らかで『水に落とせば水面を滑る』と言われるほどに摩擦力が軽い性質を持つためか特に空気抵抗が小さく、本体の軽さもさることながらバリスタ矢は風のように飛ぶと評価されている。
一方で鉄の鏃をつけると全体のバランスが悪くなるためバリスタ矢の先に刃がつけられず火力としてはかなり低い。
尤も竹の切り先を鏃としたバリスタ矢は竹の頑丈さと速度も相まって並の布装備や薄い鉄板なら貫通することも可能なので油断は禁物である。
加えて竹の節と節の間にある空洞に催涙粉や痺れ粉を封入できるため着弾先で粉を飛散させたり雨に混ぜて降らせたりと応用力は他に引けを取らない。
『山嵐』本体も重ねた竹材を締め付ける針金や弦を張る両端以外には金属を使っていない。
なんとなれば強力な接着剤と幌のような頑丈さのある布があれば修理できてしまうので辺境の開拓村などでは『山嵐』本体のみを導入し、バリスタ矢は自作して運用するといった所もある。
知久環組が国外進出した理由は信者の商人が国外にて商売をする際に繁茂社の『山嵐』を売ってくれという要望が伝えられ、
「使い方の指導はどうする?渡して仕舞いでは据わりが悪いが、一番指導できるのは僧侶だぞ?」-ペッロー族
「せやねぇ、修理や矢弦などの手配は『狐狗狸山』からするにゃあ遠かない?」-ラクド族
「じゃあ商人さんらの近い所に繁茂社の出店建てたらどうです?信者さんの中には商人さんや極東の同郷人と同じで外で働いとる人もいるさかい、そういう人らのためにもなるんとちゃう?」-ヴァルポ族
こうして極東の外に知久環組が設立されたのである。
因みに創業の逸話通り知久環組ではバリスタ事業の他に極東風料理や生活雑貨を販売する事業も行っているため知久環組の出店では普通の買い物や食事ができるようになっている。
他にも知久環組の組員になった僧兵が『山嵐』利用者の護衛にあたったりコンボイに随行して極東風料理の屋台を開いたり按摩や薬草による簡易的な医療営業などしたりして活動しているのでトランスポーター界隈からは『何が本業なのかよくわからないが何時の間にかあの緑のロゴが輸送車のそばにいたりする』という評価をされている。
「顧客の持つ3つのF(Faith・Fortune・Freedom)を我々の持つ1つのF(Fortitude)で繋ぎ合わせ、二重に守ることを表している」
としているが、初代社長が共同経営者と社名を登録するにあたり頑なに譲らなかったとされる名称がとある地域で信じられている悪神のものだったり後述する製品が非常にトリガーハッピーな仕様だったりするため伝説は暗黙の事実として受け止められている。
「市場に与えるインパクトを狙って先に『ディアナ』を発表し、次に『シルヴィア』や廉価版などの実用的な製品を展開した」
としているが、初代社長が鉄球の『ディアナ』一本で展開したいしたいとゴネた所を共同経営者が『ディアナ』で使われる鉄球弾で物理的に黙らせたとされ、
「今度『ディアナ』の設計でふざけたことを言ったらマガジンケースのほうでぶん殴る」
と諫言したため、先の『シルヴィア』や廉価版が日の目を見たという伝説がある。
◆本編でまず間違いなく出番のない設定でも考えるのって楽しくありませんか?