因縁の相手は階段   作:さくらいJAN

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29話 大名のおしごと

○月〇日

 

 

 

 

はいどーも、ワノ国大名の霜月水雉です。

立場的には居眠り狂死郎みたいな感じだ。

とはいえオロチの部下ではない。

私に命令をするのはカイドウのみだ。

百獣海賊団の面々は私に会うと畏怖と尊敬を込めたような視線をくれる。

ここでは強者こそ正義、ということなのだろう。

 

流石にキングとクイーンは睨んでくるけど。

まあ状況次第では勝ち負けひっくり返る程度の差だし、そこはしゃーないか。

 

 

ちなみにどこの大名かと言うと、九里だ。

そう、おでんが平定したあの九里である。

 

現在九里は私が支配しているのだ。

ドレスローザを支配しようとしていたのに、まさかこうなるとは。

 

元首都ということでおでん城跡もある。

というかこれっておでんの再来みたいにならない?

姓も霜月だし。

有名な家系なんだよね?

 

おかげでオロチにめっちゃ目つけられてる。

桃源農園も私に任されたしね。

気に入らないんだろう。

 

まあどうでもいいけど。

あくまでワノ国のトップはカイドウ。

 

カイドウの言うことを聞いとけばいいのだ。

 

 

なんかこう、海軍と違って正義がどうだとか押し付けてこないし、

陰口も言われないし、みんなリスペクトしてくれるし、

思いの外居心地良い。

 

九里の人達の暮らしを多少マシにしたい、という要望も、

敵対する海賊を狩ればその分だけ報酬として許すと約束してくれた。

 

話分かるじゃん。

目の前にいる虐げられる弱者とかちょっと心の負担だ。

遠いどこかならどうでもいいんだけど。

 

 

さて、どうせなら桃源農園を広くしたい。

多少品質が落ちてもいいから土壌が悪い部分にも広げるのだ。

そうなると、おこぼれ町の人間を、もっと使える労働力にしたいし、数も増やしたい。

よって多少は食えるようにしてやらにゃいかん。

農業は戦争だ。

ヘロヘロじゃあ戦力にならん。

どうせ虐げるなら飯抜くより、たくさん食わせてキツイ労働させた方が良いに決まってる。

 

オロチは恨み先行だからそういうことできないのかね。

まあ私には関係ない。

よーし、頑張るぞ!

 

 

あ、先にお父さんからのサブクエストを達成しとかなきゃ。

危ない危ない。忘れるとこだった。

 

 

 

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

 

 

酒天丸を勧誘してこいと言われた。

あー、赤鞘のね。

なんかジャックと引き分けたんだっけ。

 

どうしよっかな。

百獣海賊団は結構居心地いいんだけど、どうせカイドウ負けるしね。

 

ルフィが来た時には加勢しようと思ってる。

ゾロも居るし。

 

だから赤鞘は削りたくない。

でもカイドウにはわがままは通じないだろう。

殺されないまでも腕の一本くらい取られる可能性はある。

 

仕方ない。

カイドウ本人が行かないということはそこまでの優先度じゃあないはずだ。

適当に戦って逃がそう。

 

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

酒天丸結構強くてびっくりした。

赤鞘ってみんなこんな強いの?

いや、20年飛ばされた組はそうでもないはずだ。

じゃないとこのレベル9人を一蹴するカイドウが化け物すぎる。

あと、赤鞘9人を超える実力を持ってるだろう2年後ルフィも化け物だ。

それと対等なゾロも。

今の私じゃ勝てないな。

 

修行は怠らないようにしないと。

ゾロに一撃でのされるのだけは駄目だ。

私のプライドが許さない。

 

 

結局、1日ほど戦ってから逃がした。

カイドウには断られたから殺そうと思ったけど逃げられたと報告。

嬉しそうに笑ってた。

本当に侍好きだな。

 

 

 

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

 

寝ていたら襲われた。

夜這いじゃなくて暗殺の方ね。

寝ながらも見聞色で察知して手刀でスパッと。

残念、私は刀が無くても戦えるのだ。

 

灯を付けて下手人を見ると忍者の恰好をしてた。

十中八九オロチの刺客だろ。

良かった。

酒天丸が異常なだけで、他はこんなもんか。

 

モノとなってしまった彼をオロチの城へ運んでオロチに投げつける。

お前の手下か?と聞くと違う、とのこと。

 

私の主はカイドウであってお前じゃない。

次同じ真似をしたら殺す、と言うとヤマタノオロチスタイルになった。

 

いやいや、そこらの一般人ならともかく私にそんな脅し通じると思うのか?

むかついたのでアッパーで50mほど吹っ飛ばした後、獄炎嵐を見舞おうとすると、

頭の長い、えっと、忘れたけど妖怪みたいなジジイが生意気にも防ごうとしてきたので全力の覇気を込めた流桜でぶっ飛ばした。

ワノ国はみ出て海に落ちたかもな。

ざまあない。

今の私を止めたきゃカイドウ連れてくるかバリバリの実持ってこい。

 

そんで、オロチは無事爆炎で黒焦げになった。

原作の描写的に命が複数あるし、殺しても大丈夫だとは思うが一応は加減した。

 

さて、報復は終わったので帰るか。

完全に委縮したオロチをしり目にその場を去る。

 

ちなみにちゃんとカイドウにも報告した。

暗殺されそうになったから現実を教えてやった、と。

カイドウは笑ってた。

なんかいつも笑ってるなこいつ。

しかも酒臭いし。

まあいいや、上司が常に上機嫌ってのは良いことだな。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

 

 

 

カイドウの部下になってから3ヵ月。

最初の方は付いてた監視も外れた。

 

よく考えたら監視的にはオロチぶっ飛ばすのは大丈夫だったんか。

あくまで裏切るか逃げるかを監視してたってことだな。

まあ裏切る気はないし、逃げる気もない。

 

せっかく作った船は壊されちゃったし。

あれがないと新世界を一人で航海とか無理。

 

万が一グランドラインから出れて逃げ切れたとしてもカイドウに狙われてるとか

ストレスでぐっすり寝れない。

どうせルフィに負けるんだし、大人しくルフィを待った方がマシなのだ。

 

という訳で今日も真面目にワノ国を統治して、偶に遠征して敵対する海賊を狩る。

あと2年はこの繰り返しだ。

飽きそうだが我慢我慢。

ワノ国の人に感謝される娯楽に没頭しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ドレスローザでの大暴れが海軍にバレていたのでくいなの賞金額は15億9170万ベリーに上がりました。
カイドウと大看板は金額を把握してますが、くいなは把握してません。
また、カイドウに敗れたことは知れ渡ってますが、その後ワノ国に引っ込んだので消息不明です。ゾロは心配だろうね。



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