因縁の相手は階段   作:さくらいJAN

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36話 辻斬り

○月○日

 

 

 

 

ただ今どのタイミングで裏切ろうかを検討中。

 

お玉の村をドレイクが襲うのを防がなかった(というか立場上無理)ので、

原作通りルフィはお玉と出会う可能性が高い。

でもその後おこぼれ町行くかな?

水は私が浄化したし、お玉が付いていく必要は無い。

美味い物を腹いっぱい、という訳では無いが、飢えてはいないはずだ。

 

あと、九里に限った話だが、オロチに好き勝手させてない。

民衆の扱いも精々現代の少しマシなブラック企業の社員くらいのもんだ。

衣食住眠に困るようなことは無い。

 

つまり原作通りに進まないので、ゾロ達の所在を掴むのが困難になる。

なら早めに接触した方が良い。

彼らが島に到着して最初に行くのは旧おでん城だろう。

拠点だし。

そこで待ち伏せしようかな。

始末した方が良い奴も居るしね。

 

 

という訳で島に到着するタイミングを知らせる目が必要だ。

私はとある人物に会いに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○月〇日

 

 

 

 

 

 

 

とうとう来たらしい。

彼女の使いが知らせに来てくれた。

さーて、頑張るぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ロロノア・ゾロ視点】

 

 

 

 

 

ルフィたちと別行動になってから数日。

おれたちはワノ国に到着した。

錦えもんたちの情報のおかげで無事入国もできた。

まさか鯉にロープを張って昇るとはな。

 

その後は既に崩れた城、おでん城跡という場所を拠点にした。

ワノ国に向かう船の途中でカン十郎からワノ国の歴史を聞いた。

変に同情する気はねえが、やる気はでた。

 

身を隠して情報収集をするという作戦を聞いていると、

何か小動物が斬られたのを感じた。

おれは刀を抜き、警戒する。

 

 

「おい、誰かいるぞ」

 

「む?急に何、をっ・・・!?」

 

 

爆音が聞こえた。

だが、その前におれは襲撃者に気づいた。

 

音より先に斬られたからだ。

おれがではない。

 

おでんの従者。

ドレスローザから一緒に旅をしてきた男。

カン十郎だ。

 

 

「カン十郎!?」

 

 

錦えもんが斬られたカン十郎に駆け寄る。

無理だ。

助からない。

首が断たれている。

 

この国に居るかもしれないとは思っていた。

恐らくカイドウに捕まっているだろうと。

 

だが、最悪の想像が当たってしまった。

あいつがカイドウの部下になっていて、更に強くなっていたのだ。

おれの目の前には二年前から変わらない、おれより強い女が立っていた。

 

 

「おいそこの侍!早く逃げろ!」

 

「ゾロ殿!?」

 

 

武器を構える錦えもんと雷ぞうとイヌアラシを抑える。

名前を呼ぶわけにはいかねえ。

おれたち海賊の侵入がバレるのは良い。

だが、こいつらの存在はギリギリまで隠すべきだ。

カン十郎が斬られた以上、バレている可能性も高いが、隠すに越したことはない。

 

それに、見聞色で測らなくともはっきりと分かる。

目の前の女との実力差が。

こいつらに助けてもらったところで勝てねえ。

無駄に犠牲が増えるだけだ。

 

 

「てめえらもだ!

さっさと逃げろ!

こいつの懸賞金は15億越え!

ドフラミンゴの奴よりも強い!

こんなところで死ぬわけにはいかねえだろ!」

 

 

おれの言葉を理解したのか、錦えもんたちは拳から血を流しながらも、

カン十郎の遺体を担いで撤退した。

ウソップたちも即逃げた。

判断が早くて助かる。

 

 

「変わったなくいな。

人の下について殺しをやるようになったか」

 

「私は何も変わらないよ。

強くはなったけどね。

・・・そうだね、私に勝ったら考えを教えてあげる」

 

「そうかよッ!」

 

 

おれはくいなに斬りかかった。

しかし簡単に受け止められる。

そして、返しの一撃で吹っ飛ばされた。

受け止めたはずなのに、体の芯が痛む。

 

速さも力も能力も覇気も、桁違いに強くなってやがる。

勝てるか分からない上に、ここは敵地。

 

応援が来たら厄介だ。

おれは黒縄竜巻で隙を作り、その場を離れた。

 

・・・追ってこないようだ。

チッ、舐めやがって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【バオファン視点】

 

 

 

 

 

「ああ、そうか。

よくやった、その剣士を追え。

殺すなよ?おれの前に連れてこい。

そいつは使えそうだ」

 

 

カイドウ様が電伝虫を切った。

誰からだろう?

わたしの視線に気づいたのか、カイドウ様が教えてくれた。

 

 

「水雉からの報告だ。

麦わらの一味が上陸したらしい。

やつらと接触していた侍を一人殺ったそうだ」

 

「へー、さすが水雉さん。

仕事が早いですね~~」

 

 

水雉さんは1年前くらいに酔ってカイドウ様と互角に戦ってた。

めっちゃ強いのだ。

心強いな~~。

 

 

「・・・そうだな」

 

 

なのにカイドウ様はどこか思案顔だ。

どうしたんだろう?

 

 

「バオファン、水雉に監視を付けろ」

 

 

「え~~!?

いいですけど、なんでですか!?」

 

 

敵を倒したのに監視?

なんで!?

 

 

「あいつは白ひげと海軍の戦争で麦わらを助けている。

それに東の海出身だ。麦わらと同じな。年も近い」

 

 

「それだけですか~~?」

 

 

「ああ、念の為だ」

 

 

「わかりました~~」

 

 

カイドウ様は心配性だな~。

まあいいや。

 

 

「でもわたしの能力はそんなに遠くは無理ですよ~~?

水雉さんめっちゃ速いから見逃しちゃうかも~~」

 

 

「ああ分かってる。

・・・そうだな、あいつが鬼ヶ島に居る間だけでいい。

他の連中を勧誘して反乱を起こそうとしていないかだけ見ておけ」

 

「わか~りました~~!」

 

 

反乱かあ、そんなことあるのかなあ?

確かにカイドウ様と互角に戦ってたけど、最終的には負けてたし。

カイドウ様の強さはみんな知ってるしなあ。

 

水雉さん優しいしなあ。

この前お団子くれたし~。

 

それにウチには飛び六胞も大看板も居る。

最悪の世代の連中と組んだからって勝てるとは思わないけどね~~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




斬られた小動物は雀です。
奴が書いた物ではありません。
主人公が勘違いして斬りました。
可哀そう。

カン十郎はここで死にました。
絵ではありません。

本当ならゾロの片目どうしたの?って聞くとこですが、
原作で答えが出てないので書きませんでした。
分かったら追記しようかな。

-追記-
原作ではイヌアラシとモモの助は遅れて上陸しますが、
本作ではなんらかのバタフライエフェクトでモモの助とイヌアラシもゾロ達と一緒に上陸したということでお願いします。
勘違いしたままプロット組んじゃったので変更できないです。
すいません。


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