因縁の相手は階段   作:さくらいJAN

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43話 勝利と再会

○月〇日

 

 

 

 

あれから。

私史上最大の頑張りを発揮した戦いは終わった。

結果は私の勝ち。

だって逃げ切れたし。

カイドウの首に消えない傷を残せた自負もある。

ざまあみろ。

破傷風にでもなってしまえ。

 

まあ私の腕は片方千切れちゃったけどね。

左腕だしセーフセーフ。

覇気ってすごい。

血も止めれるし、痛みも耐えられる。

 

でもちょっとしんどいな。

消耗が激しい。

ここはどこだろう?

わき目もふらずに逃げたから分からない。

 

九里ヶ浜だと思うんだけどな。

見聞色で探りたいが、武装色で怪我を抑えているから、そんな余裕ない。

 

お玉が助けに来ないかなあ。

でももうすぐ火祭りだもんな。

つまり討ち入りだ。

お玉もすでに飛び出してるだろう。

 

これはまずいかも。

せっかく逃げ切れたのに。

ここで終わるのかな。

 

 

嫌だな。

 

 

 

 

 

・・・でもまあ、いっか。

あいつら助けれたし。

最強に一矢報いたし。

上出来上出来。

 

 

 

 

・・・うん?

あれは、、、

 

 

 

「おーい!

大丈夫かー!」

 

 

そこには懐かしい顔があった。

よかった。

助かった。

私は安心して目を閉じた。

後はよろしくね、エース。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

********************************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。

ここは、、、木造の部屋。ベッドの上。

ちょっと揺れてる。

船の中かな?

 

 

「おっ、目が覚めたか?

ひどい傷だったな。

カイドウとでもやりあったのかよい」

 

 

からからと笑うパイナップル。

じゃなくてマルコ。

 

なるほど。

エースはマルコ達と合流したか。

そりゃそうか。

 

 

「おーい船長!

くいなが起きたぞー!」

 

 

マルコが叫ぶとドタバタと音が聞こえ、エースが部屋に飛び込んできた。

おおっ、さっきは限界だったから分からなかったが、めっちゃ強くなってる。

え、これ私勝てるかな?ってくらい。

流石海賊王の息子だ。

言うと怒りそうだから言わないけど。

 

 

「無事でよかったなーくいな!

腕は安心しろ!ウチの海賊団はそういう負傷も多いからな。

良い義手があるぞ!」

 

 

言いながら義手を5本ほど取り出した。

怖いよ。助かるけどさ。

 

 

「で?誰とやったんだ?」

 

「カイドウです」

 

「マジだったのかよい・・・」

 

 

ちょっと引いてるマルコ。

ふふん、凄いだろ。

 

 

「負けたか」

 

「私の勝ちです。

守るべきものを守ったうえで戦略的撤退をしたので。

首に消えない傷も残してやりましたしね」

 

 

ちょっと早口だったかな?

ムキになったと思われたかも。

 

 

「はっはっは。

なるほど、確かにそれは勝ちだな!

今は取り敢えず休んでおけ。

知ってるかもしれんが、ルフィたちとこの国の侍がカイドウに喧嘩売るらしいぞ。

おれたちもルフィたちと一緒に仕掛ける予定だ。

動けるなら連れていくが、どうする?」

 

「行きます」

 

 

こうなったらとことんまでやってやる。

守りたいものも出来たことだし。

 

 

「そういえばエースが船長になったんですね。

おめでとうございます」

 

「なんだ、新聞は読んでないのか?」

 

「ワノ国には届かないんですよ」

 

 

おかげで原作知識以上のことが分からない。

世界から取り残されてるのだ。

カイドウは私にそういった情報を教えてはくれなかったからな。

 

 

「あー、なるほど。

おれたちも最近はバタバタしてたから新聞取れてないしな。

サボのやつ大丈夫かな」

 

「サボ?

革命軍のですか?」

 

「いや、こっちの話だ」

 

 

知ってるけど知らないふり。

サボとの関係だけ知ってるのは変だしね。

 

 

「おれはルフィと一緒にレイリーに鍛えてもらった後、

各所で潜伏していた仲間を探してたのさ。

一部の奴はティーチの野郎にやられちまってたが、無事再結成できた」

 

「なるほど。

ルフィくんも強くなってましたけど、それと同じくらい強くなったと」

 

「おれの方が強いに決まってるだろ!」

 

 

知ってる。

でも私が鍛えたルフィも強いぞ。

討ち入りの時にビビるが良い。

 

 

「白ひげ海賊団改め、エドワード海賊団。

おれたちはみんな親父の息子だからな、そういう名前にした。

それに、新しく強いやつも味方にできた。ウィーブルって言うんだが」

 

 

ウィーブルか。

原作ではよく分からないキャラだったが、

滅茶苦茶強いことは知ってる。

 

 

「まあ今回は私用みたいなもんだし、

おれとマルコ、イゾウ、あと数人で来たんだけどな。

他の連中には別に任せてることもあるし」

 

 

なるほど、原作+エースといった感じか。

全員で来てくれたら楽勝ムードだったのに。

それでも心強いけど。

 

あ、そうだそうだ。

取り敢えずさっきの連中に無事だって伝えなきゃ。

まーた特攻とかされても困るしね。

 

 

「エース、お願いがあります」

 

「ん、なんだ?」

 

「この国にはこんな私を慕ってくれている人がそれなりにいます。

彼らに私が生きていることを伝えて欲しいのです。

報復で特攻されてしまっては彼らの命が無駄になります」

 

「なるほどね。

分かった。ウチの連中に任せてくれ。

そいつらに特徴はあるか?」

 

「百獣海賊団のメンバーで角が一本の人達とワノ国の国民ですね。

九里にいると思います」

 

「つまり九里に居るやつほぼ全員だな。

オーケー、任せとけ!」

 

 

ふう、取り敢えずこれで一安心。

この世界の人はかなりタフだし、カイドウも今はマムの件とか忙しい。

私がオロチとその手下、大看板も全員倒したから人手も足りないだろう。

弱いやつらに構ってる暇なんて無いはずだ。

 

 

「そういえばエース、お玉には会いましたか?」

 

「ああ、会ったぞ。

まだまだ子供だから連れていけないけどな」

 

「彼女の能力はスマイルの能力者にも効きます」

 

「なに?」

 

「私が鬼ヶ島のスマイルの能力者、

ギフターズの全てに彼女の作ったきび団子を食べさせています。

彼女が号令すれば、彼らがすべて味方に付きます」

 

「なるほどな。

だが危なくないか?おれはカイドウを倒したいから守ってる余裕はないぞ」

 

「マルコがいるじゃないですか。

誰かを守るならこれほど心強い男はいませんよ」

 

「ははは、そんなに褒められると照れるよい」

 

「確かにな」

 

 

現状の戦力分析をしてみよう。

討ち入りに参加可能な場合は○、撃破済みの場合は×だ。

 

・百獣海賊団&オロチ勢力

カイドウ○

キング×

クイーン○

ジャック×

飛び六胞○

ナンバーズ○

ギフターズ×(裏切る為)

オロチ×

侍衆×

御庭番衆×

ビッグマム○

 

・討ち入り勢力

赤鞘○

麦わらの一味○

ハートの海賊団○

キッド海賊団○

エドワード海賊団○

霜月水雉○

ヒョウ五郎率いる侍たち○

ヤマト○

 

 

こんな感じかな。

原作通りマルコが蹴落としてくれてるなら、

ペロスペローはワノ国に上がって来てないだろう。

カイドウは原作通り袋叩きにしなきゃ勝てない。

赤鞘、ルフィ、ゾロ、ヤマト、私、エース

ここら辺で袋叩きにする必要がある。

 

そうなるとビッグマムが邪魔だな。

何とかして早期退場願おう。

作戦を考えなきゃ。

 

飛び六胞は原作通り麦わらの一味に何とかしてもらおう。

でも、うるティとページワンはしんどいか。

少し手助けして消耗させなきゃな。

 

クイーンはサンジに任せるとして、

ナンバーズはギフターズと侍たちでなんとかなるかな?

念の為見かけたらぶっ飛ばしておこう。

 

うーん、

結構頑張ったけど、まだまだしんどいな。

そもそもカイドウビッグマムって並びが反則なんだよな。

 

あ、そうだ。

CP0はどうなったんだ?

確かオロチと取引に来てたよな。

オロチは斬ったが、武器が必要な状況には変わりない。

 

あいつらもきな臭い。

フーズ・フーの話を聞いてサイファーポールは余計嫌いになった。

ワノ国から追い出したい。

覚えておこう。

 

 

さて、討ち入りに備えて体を休めるか。

義手の使い方も覚えなきゃだしな。

 

 

「それじゃあ私は寝ます。

討ち入りの時に起こしてください。

あと、肉も置いといてください」

 

「おう、またな」

 

「ゆっくり休むんだよい」

 

 

私は寝た。

ぐう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




隻腕女子になりました。
空の境界で両儀式がアイスを食べるシーンが好きです。
足でカップを固定して食べるとこ。めっちゃ可愛い。

エースが強くなって再登場。
なんとなくウィーブルくらいなら懐柔しそうだなと思ったのでそうしました。


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