先手必勝。
カイドウには武装色硬化した刀で斬る、なんて攻撃は効果ない。
ゆえにアバンストラッシュX改だ。
剃【爆】で接敵しつつ飛ぶ斬撃を放つ。
そして月歩と剃を組み合わせて背後に回り、背後から覇王色を込めた居合を放つ。
名付けて、
「覇王抜刀術[前鬼後鬼]!」
「オオオオオオオ!!」
カイドウが悲鳴を上げる。
効いてる効いてる!
「ゴムゴムのォ!怪鳥銃!!」
「神火[煉獄]!!」
「グアアアアアア!!」
怯んだカイドウに対してルフィとエースの兄弟攻撃がささる。
2人の攻撃は覇王色を纏っている。
カイドウは吹っ飛ばされた。
よし、まずは第一段階。
「隙だらけだよ小娘!
プロメテウス!ゼウス!」
ビッグマムが炎と雷で攻撃を仕掛けてくる。
しかし、その攻撃は赤鞘と打合せ済みだ。
「焔裂き!」
「忍法[避雷針]!」
「なにっ!?」
錦えもんがプロメテウスを裂き、ゼウスの攻撃を雷ぞうが防ぐ。
ホーミーズは強力だが、あくまで現象。
攻撃パターンは決まっている。
対策は簡単だ。
「ゾロ!」
「おうっ!」
ゾロと呼吸を合わせる。
事前に打ち合わせをした攻撃。
飛ぶ斬撃に極限まで覇気を込める。
打ち方は知ってる。
私は原作で、ゾロは実際に目にして。
「「覇国!!」」
「なにいいいいぃぃぃ!?」
猿真似だが威力は一級品のつもりだ。
ビッグマムは吹っ飛ばされた。
方向は鬼ヶ島の外。
「反発!」
「うおっ!?
今更岩なんて・・・まさか!?」
そしてキッドが駄目押し。
岩を吹っ飛ばしてマムにぶつけた。
復帰は不可能だ。
「まずい!
下は海か!
ゼウス助けろー!」
落ちながらマムが叫ぶ。
もちろん対策済みだ。
「キッド!ロー!」
「「命令するんじゃねえ!」」
怒りながらも動いてくれる2人。
いいね、船長じゃなきゃ勧誘するのに。
「シャンブルズ!」
「死なねえかもしれないが、閉じ込めることができるよなあッ!」
「うわああああ!?」
ローが能力でキッドをゼウスの近くへ。
そしてキッドが能力でゼウスを封じ込める。
「ママ~~!?」
「させるかっ!
ネコ!」
「おうよ!
飛ぶにゃあ!錦えもん!」
「焔裂き!!」
「・・・ッ!?」
助けに行こうと動いたプロメテウス。
しかしイヌアラシとネコマムシが協力して錦えもんを投げ飛ばし、対応した。
死にはしないがすぐには動けまい。
「ロー、下には?」
「問題ねえよ水雉屋。
うちの連中が海楼石を混ぜた網を持って待ち構えてる。
潜水艦の中で捕えるからそこの連中も手を出せねえ。
無力化完了だ」
「作戦成功ですね」
こうでもしなきゃビッグマムは無力化できない。
逆にこの展開なら倒せることは原作で証明済みだ。
これでカイドウは多勢に無勢。
勝利の時は近い。
「・・・随分手際が良いな。
まさかリンリンがこうもあっさりやられるとは」
カイドウが人獣型になり戻ってきた。
さすがはゾオン系。
回復が早い。
とはいえダメージの蓄積が抜けるわけじゃない。
消耗しているのは間違いないのだ。
「あなたが鬼ヶ島を飛ばしてくれたおかげですよ」
「それだ」
カイドウは私に八斎戒を向ける。
それって、なにが?
「おれはこの計画を誰にも話していなかった。
なのにお前はそれを知っていたかのような作戦を立てていたようだな。
なぜだ?」
「それは・・・」
原作通りとしか言いようがない。
みんなにはカイドウの部下から聞いたと話していたので疑惑の視線が。
こらこら、結果オーライだからいいじゃない。
「お前には何度も同じ疑問を抱いた。
麦わらの部下が上陸した時に斬った侍、あれはオロチの部下だろ?
何で知っていた?オロチはおれにすらその正体を言わなかった」
今度はお菊を筆頭に赤鞘からの視線。
ああ、私の秘密が。
いや信じてもらえるわけないから話さないけど。
しかしそうか、疑われてたのか。
知らんかった。
「そもそも、だ。
2年前、お前は明らかにドフラミンゴを狙っていた。
表向きは七武海で国民に愛されている王のあいつをだ。
それは海軍時代にあいつがおれと取引している情報を掴んだのかもしれねえ。
だが、なぜ単身で上陸した?
あいつがお前を攻撃できない理由、工場の存在を知っていたのか?
それともあいつの生命線である能力者の存在を知っていたのか?
そしておれに捕まった後も常におれを仮想敵として鍛えていた。
大看板の地位も望まなかったな。
おれに負けてそんな根性がある奴は少ない。
関心していたが、覇王色を纏ってみせた後も寝込みを襲ったりはしなかった。
つまり1人でおれに勝つつもりは無かったわけだ。
しかし、ウチの連中に謀反を誘いもしなかった。
どういうつもりだと思っていたが・・・、
この光景だ」
そう言って、カイドウは目の前の光景を見渡す。
赤鞘九人男、麦わらのルフィ、海賊狩りのゾロ、ユースタス・キャプテン・キッド、元七武海トラファルガー・ロー、最強の血筋ヤマト、そして白ひげ海賊団を継いだ男ポートガス・D・エース。
集めに集めた最高戦力。
これだけのメンツがいればもう一度頂上戦争だって仕掛けられる。
「お前は強い。
さっきの攻撃を受けて、麦わらも火拳も強いことは分かった。
おれとやり合えるやつなんてそうは居ない。
キッドもトラファルガーも厄介だ。
ヤマトもおれの息子だ。
おれほどではないが、強いことは言うまでもねえ。
おれは、ここで死ぬかもしれねえ」
カイドウが目を閉じる。
みんなが大人しく話を聞いている。
赤鞘たちにとっては仇だってのに。
これがカリスマってやつか。
「冥途の土産に教えてくれよ。
お前は・・・未来から来たのか?」
おお、もう・・・。
これは正解でいいだろ。
凄いなカイドウ。
「・・・ええ、その通りです」
私の答えを聞いて、一番驚いたのがゾロだった。
まあそりゃね。
幼馴染が未来人って聞いて驚かない人は居ない。
でも安心してくれ。
禁則事項は無いから。
もうこっから先の展開なんて知らないしね。
「ウォロロロロ、やっぱりか。
悪魔の実か?」
「いいえ。
原因は私にもよくわかっていません。
気づいたら赤子に戻ってました」
「そうか。
そんなことが起こりえるとはな。
ウォロロロロ、まだまだこの世界には未知が多い」
そうだね、不思議だね。
そんなチート状態だったのに腕をもがれちゃったんだよね。
まったくもう。カイドウマジ厄介。
「おれは死んでいたか?」
「さあ?
私が知っているのはここまでです。
何を隠そう、この鬼ヶ島で死んで戻ったんですよ。
まあその時の私はここまで強くなかったのでキングにあっさり殺されましたが」
嘘だが。
まあ漫画で読んでてここまでしか知りません、ってより信憑性あるだろ。
周りのみんなもなんかしんみりしてるし。
今後はこの設定でいこうそうしよう。
「・・・ウォロロロロ、無駄なことを聞いた。
例え知ってても言う訳ないか」
言って、八斎戒を構えるカイドウ。
問答は終わり、というわけだ。
本当に知らないんだけどな。
まあいい。
こっちはカイドウ一人倒せばいいわけだから、出し惜しみ無し!
トドメは私じゃなくても良いしね。
さあ行くぞ!
エースの技は小説版の技『神火[不知火]』の進化版オリジナル技です。
鬼滅の炎の呼吸壱ノ型が不知火だったので玖ノ型の煉獄を進化版としました。
忍法避雷針はオリジナル。
でも分身ができるならそれくらいできると思います、多分。