クロコダイルを撃破した私は水びたしにした状態で捕縛し、
カジノの地下に戻った。
クロコダイルをヒーローだと思っている住民の方々にバレると面倒なので、
こっそりと、ね。
クロコダイルを倒した私を見ていたニコ・ロビンは、
大人しくついてきた。
何かを諦めたような顔をしているが、杞憂だよっと言って上げたい。
言わないけど。
そしてカジノの地下を探して海楼石の手錠を発見。
クロコダイルにはめた。
これで乗っ取りの準備完了だ。
クロコダイルは10分ほどで目覚めた。
結構本気で殴ったのに。
流石は歴戦の海賊。
タフだ。
「やってくれたなミス・ダブルフィンガー。
なにが目的だ?」
「ちょっとバロックワークスを乗っ取ろうかと。
賞金稼ぎの組織、欲しかったんですよね」
ため息をつくクロコダイル。
呆れているようだ。
「……考え直すなら今だぞ。
おれの見据えている目標はそんなもんじゃねえ。
それに、いくら賞金稼ぎの組織だろうと、大きくなれば政府が黙っていない。
お前が強いのは理解したが、世界政府を敵に回して勝てると思っているのか?」
「海に出た以上、そんなのは今更でしょう。
というか何で覇気を知ってるのに鍛えないんです?
あれだけ能力を鍛え上げたあなたなら、覇気さえ鍛えていれば、
私に後れをとることなんて無かったのに」
私の言葉に、明らかに怒気が膨らむ。
使えないはずの覇気を感じる。
おお、流石は七武海。
「覇気なんぞ、どれだけ鍛えたところで政府には勝てない。
白ひげですら海軍からは尻尾巻いて逃げる。
あんなに強い男ですら!
世界を変えられない!」
白ひげ憧れオジサンかよ。
しかし、世界を変えるねえ。
ずいぶん未来を見てやがる。
「なら、手っ取り早く古代兵器を手に入れちまえばいい。
おれは間違っているか?」
「間違ってないですね。
でも、多分手遅れですよ、それ」
そう、何も間違ってない。
世界を取るには古代兵器の力は必須だ。
でも、それ無理なのよ、多分ね。
「……なに?」
「さて、行きましょうか。
足を手配してもらえます?ニコ・ロビン」
クロコダイルをかつぐ。
屈辱そうな顔、美味しいです。
「構わないけど、
わたしの首が目的なのではなかったの?」
「あれは方便です」
ロビンには麦わらの一味に入ってもらわなきゃ困る。
海軍になんぞ渡すものか。
「見に行きましょう、歴史の本文を」
「「!?」」
驚愕する2人。
そりゃそうか。
国を取った後の最終目標だもんね。
「私の仲間が王から聞き出してくれたんですよ」
「そんな、どうやって!?」
「内緒です」
驚くロビン。
自分でも調べていたんだろうな。
でも、ウタウタの実のチートには勝てまい。
国王は巷で人気の歌姫の歌を聞いてる間に寝てしまって悪夢を観ていた、
傍から見ればそんなところだ。
歌を聞いた相手は問答無用でウタワールドに引きずり込むが、
選んで返すことは出来る。
王以外を返して、国民を人質にされる夢でも見れば答えるさ。
夢で良かった、と思ってるんじゃないかな?
「場所は首都アルバーナの地下聖殿【王家の墓】」
隠し通路の場所も開け方も聞き出している。
さあ行きましょう、
そう言った私の後にロビンは着いてきた。
でっかい動物に乗って移動し王都へ到着。
めっちゃ楽だな。
何日も歩いて移動してたのが馬鹿みたいだ。
「あー、遠かった。
やっぱり移動に使える能力欲しいですね。
ボス、空いてる悪魔の実ありません?」
「……」
無視された。
まあいいや。
王都に到着してから少し休み、深夜を待つ。
秘密の場所なので兵士は居なかったが、流石に白昼堂々入るのはね。
「ここに階段があります」
地下への隠し階段を開け、中へ。
荘厳は雰囲気の墓を進み、奥へ行くと、それは有った。
「これが……」
「ええ、歴史の本文です。
何が書いてありますか?」
ロビンは文章を読み、軽く目を閉じ、言った。
「……アラバスタの歴史が書いてあるだけよ。
古代兵器についての記述は」
「ワノ国」
「!?」
「そこにプルトンがある、って文章ではないですか?
もしくはマリージョア?
万国……はないか、その石が彫られた時には無いし」
「……」
黙るロビン。
どうやら当たっているようだ。
やっぱりなあ。
そんな気はしてたのよ。
「その反応は、当たりかニコ・ロビン。
アラバスタに無いとはな。
しかも、……ワノ国か。
なんでてめえはそれを知ってる?」
「なんとなく、ですよ。
あなたが言ったように、
ロジャーや白ひげですら世界政府には勝てない。
ならば、島ごと吹き飛ばすという古代兵器を手に入れよう。
その思考は至極当たり前のものです」
そう、当たり前なのだ。
何回も海軍に負けたカイドウが新たな力を得るために動くのは。
ワノ国だからここに居座っている、とも言ってたし。
いやー、良かった良かった。
予想が当たって。
「……」
苦しそうな顔をするロビン。
自責の念かな?
知らない国が海賊に狙われる、という。
でも、それも手遅れ。
「そんな顔しなくてもいいですよ。
ワノ国がクロコダイルに支配されたり、
バスターコールがかけられる、なんてことにはなりませんから。
というか、その程度で落とせる国ではありません。
あの国を落とすなら、海軍総動員で仕掛けるしかありませんしね。
それでも勝てるかどうか……」
「なっ!?」
バスターコールの恐ろしさを知っているロビンは驚愕する。
でも、ねえ。
それでどうにかなるならとっくの昔にやってるわな。
「……百獣海賊団、
カイドウの本拠地か」
「流石に七武海のあなたはご存じでしたか」
でかラッキョウことゲッコー・モリアが戦ってるしね。
情報の共有はされているようだ。
「で?
行きますか?
止めませんよ」
「そういう手間を省くための古代兵器だ。
だが……クハハハ、当てが外れたな」
クロコダイルが疲れたように笑う。
「てめえの言いたいことは分かった。
それで?
バロックワークスを乗っ取って何をする気だ?」
諦めたような顔をするクロコダイル。
まったくもう、これだからオジサンは。
諦めが早いよ。
もっと頑張ろう。
「私の目的は赤髪です」
「……なに?」
カイドウがいるから諦めろ、と言った私が別の四皇を狙うと言う。
なんだそりゃって話だよね。
「別に首を取るつもりはありません。
あれはロジャーの船に乗ってた伝説の一人。
対等に交渉できるだけの戦力をつけて、情報を得ます。
ラフテルへの道について、ね」
歴史の本文のこととかDの意思とか諸々ね。
賞金稼ぎとして稼いで豪遊、は勿論するが、
それはそれとして知りたいよ私は!
ウタとの約束もあるしね。
「楽園で古代兵器を掠め取ってショートカット、なんてつまらないですよ。
一緒に目指しません?海賊王」
そう言って、私はクロコダイルに手を差し出した。
本当はそんなつもりなかったんだけど、
うなだれるクロコダイルが少し可哀そうで、つい言ってしまった。
まあこの世界で長いこと賞金稼ぎしてれば、
どうせなんだかんだ因縁つけられて賞金首だ。
だったら七武海の陰に隠れて稼ぎつつ、
海賊王の夢に協力してあげる方がクレバーだろう。
クロコダイルは少し迷い、手を取った。
交渉成立だ。
正直アラバスタ編で重要なのはロビンが仲間になる部分だしね。
インペルダウン編と頂上戦争でクロコダイルがいなくなるけど、
まあなんとかなるでしょ。
なんだったら麦わらと同盟組んじゃえば良いしね。
さーて頑張るぞ!
賞金稼ぎ組織【バロックワークス】が正式に発足。
ボスはシモツキ・くいな。
バックには七武海サー・クロコダイル
多くの能力者が所属し、覇気を使える人間も育成し、
楽園の海賊の多くをインペルダウンに送り込んだ。
そして、
「頭ァーー!!」
「なんだ騒々しい」
「あ、副船長!!
これ見てくれ!この記事!」
「あん?
バロックワークス?
クロコダイルが作った賞金稼ぎの組織ねえ。
それがどうした?」
「違うよ!
こっちだこっち!
この小さいほうの記事!」
「……これは!?」
最近になってビビが重要そうな感じですが、
主人公の知識はモモの助が大きくなる前くらいなので知りません。
まさかのクロコダイルルート。
ウタがヒロインのはずだったのに。