星の王は果てへ臨む   作:龍覇

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第6R

トレーニングは順調に進んだ。

メイクデビューで出るレースはマイルの芝。

スピードとパワーを主に上げた。スピカのメンバーは快く、トレーニングに付き合ってくれた。

しかし問題がひとつある。

ウイニングライブ。

結局ダンスは間に合わなかったのだ。

ズーン…

「だ、大丈夫だよ。筋良かったし」

「もうどうにでも……ん?」

ひとつ思い出した。

ミスターシービーはあの時どうしただろうか。

「もう自由に踊るわ」

「ええ…」

そんな悟りに至れば、あとはもう簡単だった。

 

 

 

 

パドック。

私は、1番人気を貰っていた。

「1番人気、三番、ステルラレックス!」

その声に導かれるように入っていくと、どよめきが走る。

「えっ、白い…」

「芦毛じゃなくて…白毛…?」

「あの子速いの…?1番人気だけど…」

観客にどよめきが走る。

白毛の認識は思ったよりも冷たいのだ。

「レックスさーん!頑張ってくださーい!!!」

どよめきの中に、スペ先輩の声が聞こえた。

次々とスピカのメンバーの声も上がる。その様子に、思わず笑みがこぼれる。

「……」

すう、と息を吸う。

「私の名はステルラレックス!このレースに勝って、クラシック三冠を掴み取る者だ!!!」

ザワザワとどよめきが走る。

「私の走りを見て信じるといい!私は走れると!!」

そして後ろに翻す。

「す、すげえ…気の強い子だな…」

「でもなんかあの子強そう」

「期待してみてみるか…」

観客に期待が走る。

 

 

 

ゲートに入る。共に走るウマ娘達は、困惑した目でこちらを見る。

「全員、ゲートに入りました。」

ガコン

ゲートが開かれた。

「一斉に綺麗なスタートをきりました」

「誰が最初に抜け出すか注目しましょう」

実況の声が耳に届く。

今回は先行の少し後ろ。差しまではいかないが、先行の集団より少しだけ後ろの位置に付けた。

レースは特に何も無く進んでいく。だがそれでも私の威圧に負けて後ろに、ジリジリと下がっていく。

「なんと、ステルラレックス以外、逃げ、先行で進んでいた全員がかかっている!」

「これはどういうことでしょうか」

「ステルラレックス、悠々自適に進んでいく」

第4コーナーカーブ。

差し、追込のウマ娘達が追い上げていく。

逃げ、先行のウマ娘はあっという間にバ群に沈んだ。その光景もまた、異様であり、沈むとしても全員はいないはずだったのだ。

だが、そのスパートをかけたウマ娘たちは、かかってしまった。

これには、会場の誰もが、驚きを隠せない。

そして、それを最前席で見た人は呟いた。

「あれは怪物だ…」

「そりゃあ後ろの子達耐えられないだろ…」

「ふっ!!」

そして最後のダメ出しと言わんばかりに、レックスはスパートをかける。

それはもう大差。

差をさらにグングンと広げていく。

後ろのウマ娘達は、諦めてしまっていた。

それもそのはず、喧嘩を吹っ掛けた、レースに出ていたウマ娘でさえも、心が折れるレベルなのだ。

レースの経験のない子たちは、怖くて怖くて、泣き出してしまいたかった。

これはもう蹂躙。

星の王は、初陣を蹂躙しておわったのだ。

あのレースのあと、走りきったウマ娘たちは立てなくなっていたし、トレーナーに泣きつく子もいた。

全員立てない中、私一人だけ、立っていた。

観客は、呆然としていた。あっさりとその概念を打ち破った私に。

それは、暴君にひれ伏す平民の図。

そんな中、私は、チームのみんなにピースをしていた。

 

 

 

 

ウイニングライブ。

あの後、ウマ娘達はダウンした。圧に負け、暫く立てなかったため、実質私のソロライブだった。

「………」

曲は完全に自由になった。

いきなりと言われても、思いつくものでは無いのだ。

なので、得意な軽業を披露した。それらしい音楽に乗せて。

パチパチと拍手がなる。

玉乗りして、ジャンプして。

(…これ怒られるわよね)

勘弁してくれ、歌を練習してなかったのだから。

せめて皐月賞までにはwinning the soul完璧にしてくるから。許して。

あ、朝日杯フューチュリティステークスが先だから、先にENDLESS DREAMが先ね。

なんとか軽業を終えることが出来た。

後日、新聞にてウイニングライブで軽業を披露する、チームスピカのメンバーとして大々的に取り上げられることになった。

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