君と夢見た明日へと ──トップウマドルを目指して☆── 作:キビタキ
がたごとと音を立てながら揺れる車内。汗ばむほどの日差しと熱気から遮断されたそこは、クーラーが効いていてとても過ごしやすい。
車窓からは新鮮味のある遠方の地が際限なく目に入ってくる。どうしても高揚感を抑えられず、旅行情緒に浸ってしまう。
もちろん、ここにやって来たのは遊び目的ではない。人知れず首を横に振って、明日の本番に思いを馳せる。
明日のレースはファル子にとってメイクデビュー以来の出走。すなわち二戦目である。
その舞台に札幌レース場を選んだのはミコアイサの件もあったが、現場主義を貫きたいという彼女の意向でもあった。
デビュー戦後の、今後の方針の打ち合わせでのことである。
「問題ですっ! デビューほやほやの駆け出しウマドルが、次にやるべきことといえば?」
「うーん、やっぱり色んなところに遠征か…?」
自信があったわけではないが、彼女なら多分そう考えると思っていた。
「ピンポ〜ン! さっすがトレーナーさん! 名付けて『徹底的現場主義! ライブでファンをゲットだぞ☆』作戦だよ☆」
ピースサインを決めながらドヤる彼女。
作戦名はともかく、彼女の言う通り、ファンや知名度を増やす手っ取り早い方法は出走して勝つことだ。
「それなら各地で一着を取っていこう。勝つためのトレーニングもこれから厳しくいくぞ」
「もっちろん☆」
「それと、勉強の方も頑張ろうな」
いたずらっぽく笑うと、彼女は案の定頬を膨らませてそっぽを向いた。もはやお約束となっているこのやり取りは、ファル子も半ば冗談と分かった上で演じている。
「ごめんごめん、ファル子が可愛らしくてついな…」
「もう…☆ トレーナーさんの、い・じ・わ・る☆」
ここまでがいわゆる"テンプレ"、いや、俺とファル子の間柄で言い表すなら、コーレスのようなものだった。
ふと、意識を現実に戻し右へと振り向く。そこにいるのは三人のウマ娘。
ミコアイサとの再会を兼ね北海道遠征へやって来たファル子。札幌記念に出走するため赴いたサイレンススズカ。大切な家族の待つ故郷へと戻ってきたスペシャルウィーク。まさに三者三様である。
無事に空の旅を終え、つい先ほど空港から札幌行きの電車に乗り込んだところだった。運良く全員が座れる程度には乗客はまばらだった。
単なる偶然か、座席の配置は飛行機の時と全く同じだ。俺を左端に、ファル子、サイレンススズカ、スペシャルウィークの並び順で横一列に座っている。
まるでトレセンの最寄駅から出発したかのような感覚にすら陥る。
(こんな偶然あるんだな…)
改めて、遠方の地で起きたこの状況に目を見張る。
もしこれが三女神様の仕業なら、きっと女神様のうち少なくとも一人は、かなりいたずら好きな性格なのだろうと思う。
ただ、何かが足りないような気がしたのは、きっと偶然ではない。それはレースに出走するウマ娘に必ずついてくるはずの者。
意外にも…いや、当然のことだろうか。飛行機の時からそうだったが、サイレンススズカのトレーナーの姿はどこにもなかった。
他のトレーナーや生徒に顔も名前も知られないようにしているというその人。それは遠征先のレース場でも同じようだった。
「スペちゃんの次のレースっていつ頃なの?」
「うーん…まだ確定じゃないですけど、来月くらいには出走してみようかってトレーナーと話してます」
「一勝はしてるんだし、焦らずゆっくり挑むといいかもね」
そんなことは微塵も感じさせない雰囲気で、相変わらず話に花を咲かせる私服姿の三人。たとえ遠方に来たとしても、その距離感は何ら変わることはない。トレセンで過ごす時と同じように、和気あいあいとした時間が過ぎていく。
とはいえ、行き先が異なるメンバーがいる以上、それも長くは続かない。
「スペちゃんとは札幌駅までかぁ…」
「実家は札幌より向こうなんです。このまま一緒にいられたら最高でしたけど…」
「分かっていたことだけど、寂しくなるわね…」
もう間もなくスペシャルウィークとはお別れだ。札幌駅で降りず、そのまま乗り換え先の別の駅まで向かうとのことだった。
ファル子が身を乗り出すようにして二つ隣の少女へと問いかける。
「実家には春のファン感謝祭に来てくれてたお母さんが待ってるんだよね?」
「ですです! 帰ったらまずお母ちゃんと色々話して、お墓参りして、東京のお土産をご近所さんに配ってきます!」
楽しげに予定を語る彼女の持つ旅行カバンは、全員の中で最も大きい。おそらく東京のお土産がたくさん入っているのだろう。
「それと、お母ちゃんですけど、先輩にとても感謝してました!」
「えっ、どういうこと…?」
戸惑いの声を漏らしたファル子へと、焦茶色の髪の少女は笑顔でまくし立てる。
「一つはダートリレーのアンカーのことですね…! 先輩のおかげで桃花チームが優勝できたんだって。もう一つはドトウさんと仲良く過ごせるようにしてくれたこと…あっ、高架下のライブに出させてくれたことも!」
両手をぽんと合わせながら、その目をきらきらと輝かせている。
続き、頬を人差し指でかきながら申し訳なさそうにする。
「電話で先輩のことを話したら、お礼を伝えておいてくれって言われたんです。お母ちゃんの話をしてちょうど思い出しちゃったから…今さらでごめんなさい…!」
「ううん、わざわざ伝えてくれてありがとう☆ スペちゃんは大切な後輩で親友だもん。気にしなくていいよ☆」
「いえいえ、いつも先輩にはお世話になりっぱなしですから。いつか私も先輩のお役に立ちたいです…!」
言い終えて、ぴくりと動いた耳と波打った尻尾。何か良いことを思いついたジェスチャーに見えた。
「そうだ! 明日はお二人の観戦に」
そこまで言ったところで、それを遮るように先輩が口を開いた。
「ダメダメっ! せっかくの帰省なんだからお母さんや故郷の人との時間を大事にしなきゃ☆」
駄目を押すように朱色の髪の少女も続けた。
「そうね。スペちゃんの気持ちは嬉しいけど、帰省中は家族と一緒に過ごすべきじゃないかしら」
相次ぐ同様の意見に、明るさが取り柄のスペシャルウィークもたじたじとしてしまっていた。
「そ、そうですよね…また別の機会があったら見に行きますね…!」
ほっと胸を撫で下ろした様子のファル子。
そんな時、車内アナウンスと共に電車がそろそろと減速し、目的地の一つ前の駅に停車した。開閉音と共に扉が開くと、むわっとした熱気が車内の冷涼さと入れ替わるように入り込んでくる。もうすぐあの灼熱の外界に飛び込まないと行けないと思うと、少しばかり気が滅入った。
一方、人の入れ替わりはほとんどない。おそらく乗客の大多数が次駅で降りるのだろう。
扉がゆっくりと閉まり、電車は再び動き出した。
もうすぐ別れの時が訪れるのだなと、背もたれに上半身の体重を預けた瞬間、不意に袖を引かれた。
「トレーナーさん、ちょっとお願いがあるんだけど…」
サイレンススズカとスペシャルウィークが話している横で、俺にしか聞こえない小声を発したファル子。
いつになく思い詰めた表情をしている。何か大事なことを打ち明けようとしてることは、容易に感じ取れた。
口に手を当て、そっと俺へと耳打ちする。
「スペちゃんのお母さんに会いに行けないかな…?」
「…どうしたんだ、急に」
同じく小声で答える。向こうの二人に勘づかれないよう、無表情を装いながら。
本来であれば、このまま札幌レース場へと向かい、明日に備えて軽いトレーニングや調整を行う予定だった。ただ、それは強制ではなく任意なので、スルーしても別に問題にはならないが…。
(サイレンススズカも札幌レース場に行くのにな…)
彼女との同行を蹴ってまで、スペシャルウィークについていきたいと望むことに驚いていた。そこには、ファル子なりの大切な理由があることは確かだった。
担当ウマ娘との秘密のやり取りは続いた。
「スペちゃんね、この前言ってたの。こっちではウマ娘が周りにいなかったから、トレセンで友達いっぱい作るってお母さんと約束したんだって」
耳を上下させながら、どこか心配げに、それでいて優しげにささやいた。
「だからね、私が顔を出してあげたらきっと喜ぶと思うの…☆」
「それはそうかもしれないけどな…」
それとなく難色を示すが、ファル子は遠慮することなく言ってのけた。
「それに、私の方こそスペちゃんにいつもお世話になってるって直接伝えたいの。今日わがまま言った分は明日頑張って取り返すからさ…お願い…!」
こちらを射抜かんとするほど凛とした眼差し。担当ウマ娘にそんな真剣な目をしてお願いされたら、無下にできるわけもなかった。
「ああ、分かった…でも無理そうな雰囲気だったらすっぱり手を引くんだぞ」
満面の笑みで頷いたファル子。
スペシャルウィークが少しでも困ったり渋ったりしたら諦めさせよう、そう考えていた。
頃合いを見計らって、つややかな栗色の髪の少女は快活な声を響かせた。
「ねぇ、スペちゃん。もし迷惑じゃなかったらなんだけど」
「…何ですか?」
先輩の改まった態度と神妙な面持ちに身構える後輩。
いつもと変わらぬ朗らかな声とはいかないまでも、ファル子は明るく振る舞いながらおそるおそる問いかけていた。
「このままスペちゃんについてって、お母さんに挨拶してもいいかな?」
聞いた途端、スペシャルウィークは口をあんぐりさせて固まった。間に挟まれたサイレンススズカも、少しばかり目を見開いて意外そうな反応を見せている。
あまりにも突然すぎるお願いだし、さすがに無理があり過ぎたか…そう思った時だった。
「本当ですか…!?」
両手をぱちんと合わせて、それは彼女が時折見せる喜びやひらめきのポーズ。
青紫色の瞳をきらきらと輝かせて、その顔は内面からあふれ出る嬉しさをこんこんとたたえている。
「お母ちゃんに友達を紹介したかったんです! ファン感謝祭の時はばたばたしちゃってできなかったから…先輩が来たら絶対喜んでくれると思います!」
まさに大歓迎といった反応がそこにはあった。
次のタイミングで困惑の色を見せたものの、それはこちらを案じてのことだった。
「あっ、でも本当に良いんですか…? 明日レースがあるのに…」
「大・丈・夫☆ 挨拶するだけだから。ね? トレーナーさん」
「ああ、スペとお母さんが迷惑しないなら…」
念押しでスペシャルウィークを見ながらそう言ったが、彼女は「迷惑なんかしません!」と元気良く答えた。
ふと、その会話に挟まれた朱色の髪の少女へと、ファル子は声をかけた。
「スズカちゃんは…もちろん無理だよね」
「そうね。個人的にはついていきたいけど、私はレース場でやらないといけないことがあるし…トレーナーに無断ではさすがに…ね」
眉を八の字にして残念そうにしていたが、彼女の状況を考えれば断るのが当然だった。
彼女の出走するのは重賞競走。手を抜いて勝ち抜けるほど甘くはない。
この時点で多少なりとも夏合宿や移動の疲れもあるだろう。それにこの暑さだ。コンディション調整は非常に大事になってくる。予定外のことを組み込む余裕などあるはずもなかった。
その観点からいえば、ファル子も予定通り札幌レース場へと向かうべきだった。明日のレースで一着を狙うならば、なおのことだ。
(でも…それじゃ多分、駄目な気がする…)
直感が理屈を否定する。
ファル子の申し出を認めたのは、それが彼女の目標や夢にとって、とても大事なことのように思われたからだ。
後輩やファン、その一人ひとりを大事にすること。それこそがファル子をファル子たらしめている。それを否定することは、彼女のアイデンティティを奪ってしまうこと…そんな風に感じたのだ。
『間もなく札幌、札幌です』
車内アナウンスが札幌駅到着を予告する。他の乗客たちも色めき立ち、扉へ意識を向けたり近づいたりしている。
「ここで一旦お別れね」
静やかにそうつぶやくと、サイレンススズカはすっくと立ち上がった。次いで、体を伸ばしながら頭を左右に振ると、さらさらとしたロングヘアがあでやかに波打つ。
ホームへと侵入していく電車。北海道を代表するその駅は、トレセンの最寄り駅よりも遥かに大きく、行き交う人も多い立派なターミナルに見えた。
「スペちゃん、お母さんとの時間を大切にね。先輩はまた明日ね」
その一言が合図になったのか、おもむろに開く扉。吸い込まれるように人々が外へと放出されていく。
「明日のレース頑張ってください!」
「また明日ね〜☆」
小さく頷いて、人混みに紛れながら降車するサイレンススズカ。すぐには改札に向かわず、ホームからこちらの様子を窓越しに窺っている。
乗降がひとしきり続いた後、扉は再びゆっくりと閉まる。
窓の外で涼やかな微笑みを浮かべている彼女。緑色の耳カバーをした小さめの耳が、ぴくぴくと揺れている。
徐々に離れていくお互いの姿。それぞれ見送り見送られながら、三人のウマ娘たちは手を振り続ける。
北の大地、夏の一時。それはきっと、いつもと何ら変わらない友人同士の日常風景に違いなかった。
──
晴れ渡る札幌市内。その都市の名を冠する駅構内を、一人のウマ娘が歩いている。
冷房の効いていた車内から一転。一度外に出れば、じっとしていても汗をかくほどの熱量と空気が押し寄せてくる。吹き出すそれをハンカチで拭いながら、朱色の髪の少女は改札へと向かっていた。
その時、突如としてスマホが着信音を奏でた。反射的に手に取ったその画面には『トレーナー』と表示されている。
通話ボタンをタッチしてさっと顔に近づける。
「もしもし」
『もしもし…今話しても大丈夫か?』
彼女の耳に届く男性の声。
「ええ、大丈夫です」
静かに答えながら、他の通行人の妨げにならないよう通路の端へと寄る。それは通話に専念するためであった。
『ということは、今は君一人か?』
「そうですね」
『そうか…やはりファルコンはスペに同行したんだな』
スマホを当てていない方のウマ耳が、ぴくっと半回転した。
「こうなることが分かっていたんですか…?」
『伊達に"何百回"と見ていないさ。あの娘の考えることはだいたい分かる。自分のことなんてそっちのけ、ああ見えてかなり献身的だからな』
自信に満ちた声が漏れてくる。スマホの向こうにあるトレーナーのしたり顔。サイレンススズカには確かにそれが見えていた。
『レース場にはもうそろそろ着く頃だな』
「ええ、ついさっき札幌駅に到着したので…」
『無理せずタクシーを使えよ。暑いから熱中症には気をつけてな』
「お気遣いありがとうございます。そうします」
レース場へはどうやって行くか迷っていた彼女。ウマ娘の足ならば、目的地まで気長に歩いても三十分とかからない。気温が高くなければ散歩がてら徒歩で向かったかもしれないが、トレーナーの言う通り、この炎天下ではタクシーの方が賢明に彼女には思えた。
『レース場に到着したら、君の判断で構わないからいつも通り頼む』
「はい、もう目星はつけています」
『そうか…まぁ、あの娘しかいなさそうだしな。それと、ファルコンのことも気にしてやってくれ。君を札幌記念に出走させた理由の半分はそれだ。あの娘がダートに挑むなんて、これが最初で最後になるかもしれないからな…』
「分かりました。私もファルコン先輩には何とか勝ってもらいたいって思ってますから…」
通路の壁にもたれながら、彼女の瞳はひっきりなしに行き交う通行人を映し出していた。無機質な冷たさが背中を通じてひんやりと伝わってくる。
その冷涼さは彼女の火照った体に心地良さをもたらすと同時に、心の中では寂しさ、空しさ、切なさへと姿を変えるのも、また事実であった。
まるでそれを感じ取ったかのように、スマホの向こうにいる男性は声をすぼめた。
『いつもすまないな…君にはいつも損な役回りを与えてしまって』
「いえ…これが私のできる最大限のことですから。本来なら他のトレーナーの力になるべきことは分かっています」
『……』
「でも、あの一件以来、私が表立ってトレーナーを持つことはできなくなりました。全て私の失敗が招いたことです」
落ち着いた声で、サイレンススズカは過去の過ちを嘆いていた。
電話では伝えられないことはあまりにも多い。悔しげな表情、だらりと萎えた両耳、ぶらんと垂れた尻尾。電話の相手には決してそれは伝わらない。
発するその声からしかお互いの機微を感じ取ることができない通話は、余計な感情を抱かせない分、どこか儚くもあると、朱色の髪の少女は内心気を落としていた。
『あれはスズカのせいじゃないさ…どうか自分を責めないでくれ…』
それでも、トレーナーは感じ取っていた。電話の向こう側で、沈痛な面持ちをしているサイレンススズカの姿を。
身を案じ、優しく声をかけることしかできないことにもどかしさを感じながら、おもむろに切り出す。
『…この前たづなさんから聞いた。退学も辞さないって相談したそうだな…』
「ええ…最悪はそれも覚悟しています…」
『誰もスズカの退学なんて望んじゃいない。それだけは分かってほしい』
力強い口調に、尻尾がびくっと反応した。
サイレンススズカ自身も、それで解決するなどとは思っていなかった。ただ、取り返しのつかない事態を誘発してしまったことは事実であり、そこから逃げ出したい思いは確かにあった。
悔やんでも悔やみきれない感情のやり場を、彼女は見つけたかった。
「こんな私でも、誰かが必要としていますか…?」
それはトレーナーへの問いかけというより、半ば自問自答だった。
数多のファンに囲まれ、太陽のような輝きを放つサイレンススズカ。それは同じ道を目指すウマ娘たちにとって、まさに憧憬の存在。
過去の過ちがそれによってもたらされてしまったことを、彼女はひどく悔いていた。
『たくさんいるさ。ついさっきまで一緒にいただろう?』
「ファルコン先輩とスペちゃんですか…」
『ああ、特にファルコンは君が来てから目の色が変わった。あれならきっと夢を叶えることも…』
「先輩が私に憧れていることは知っています。でも、その憧れがもし…」
そこまで言いかけて、彼女は思わず口をつぐんだ。言い淀んだ理由を、トレーナーはもちろんよく分かっていた。
『心配いらないさ。ファルコンには彼がついてる。トレーナーとしては未熟だが、正しい方向へと導いてくれるはずだ。そのために、スズカも協力してあげてくれないか』
「分かりました…まだお役に立てるのなら、これからもいさせてください」
『その調子だ。大丈夫、スズカのおかげで立ち上がれた生徒はたくさんいる』
それは紛れもない事実だった。そしてこれからも続くはずだと、トレーナーは信じていた。
『それに、待ち続けるんだろう? 君にとってかけがえのない、記憶の中に眠る"憧れのトレーナー"を』
「ええ…もし許してくれるのであれば、待ち続けます。ずっと…」
静やかに、そして涼やかに彼女は言った。
苦難の先に待っているであろう、慕わしいあの人と巡り合う瞬間。
彼女は改めて決意した。自らがここにいる目的、それをいつか必ず果たすために。
お疲れ様でした。
スペちゃんの実家の場所は、アニメで登場した最寄り駅のモチーフとなった駅周辺…と考えて書いてます。