ヘロヘロが行く   作:ロアグリーン

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お待たせしました(・∀・)

エピローグになります。
いよいよ第一章も終わりです。

ここまで、読んでくれた皆様。
本当にありがとうございました(人 •͈ᴗ•͈)


ヘロヘロ、エピローグする。

夢を見た。

ゴブリンやオーガに取り囲まれ、大切な仲間が魔物の凶刃にバタバタ倒れていく夢だ。

起きて気付く、今見たものは夢でも、見た光景は現実だ。

 

血濡れた記憶が人の心に爪痕を残しても、夜が明ければ小鳥は囀り朝日は登る。

空の寒気に朝露が降り、しっとりと濡らされた草木に柔らかな陽射しが届く頃。

その一室のとある座席には、ベッドから身を起こしたばかりの少女が窓の景色を眺めていた。

 

民家と民家の間から広がる今日も今日とて変わらぬ景色にゆっくりと朝日が登っていく。

変わったものは心境ぐらいだ。

ほんの少しだけ夜が怖くて、朝日を見ると安心するようになった。

 

柔らかな陽射しを受ける草花が、穏やかな風に吹かれて僅かに揺れる。

蝶々がチラホラ宙を飛び、家畜のニワトリですら我が物顔で道端を歩く平和な光景を眺めつつ、湯を沸かすマジックアイテムで入れた白湯を口へと運んで。

ハー…と一つ。白い溜息を吐き出した。

 

溜息の理由は様々だ。

色々あった。

色々ありすぎて、どれが溜息の理由等といちいち絞りはしないが、胸の蟠りが溜息となって転げ落ちるのだ。

 

もう冒険者として活動していくことは出来ないかも知れないとか、今日にもヘロヘロが村を出ていくんだとか、都市に提出する調査報告書がいまいち進まないとか…。

数えだしたらキリがない。

 

『外的要因から来る恐怖は薬や魔法で治療が出来るんだけどね。内面から来る恐怖は容易には直せないんだ』

 

不意に先日受けた診断結果が脳裏を過る。

ローヴァもセランも、もう冒険者を続けて行くことは出来ないかも知れない。

身の丈を知った。…と言うのもあるだろうが、それ以上に魔物に対してトラウマを抱えてしまった。

もう満足に森に入れないそうだ。

 

一方、私はと言うと…。

と、自分の事を思い浮かべたその刹那。

 

カタンーー…。

と響く物音にこの心臓は飛び跳ねた。

呼応した身体はビクリと硬直して勢いよく振り返り、バクバクと暴れる心臓に手を添えて、少しばかり荒くなった吐息を吐き出し物音の方へと目をやれば、棚の上に立て掛けた本が倒れていた。

一気に脱力感に襲われる。

 

ほんの少しだけ臆病になった。

 

脱力感からテーブルに伏して頬をテーブルに押し当てる。

昨日から書きかけで止まったままの調査報告書が頬に押し潰されてクシャリとシワを作った。

 

「私も畑仕事学ぼうかなー」

 

あー…だの。うー…だの呻きながら、結局口に出たのはソレだった。

死んだ亡霊のような目で窓から外を眺めれば、シルフィーナの感情など露知らぬと言わんばかりに平和な光景が広がっていた。

 

小鳥は歌い。草花が揺れ、数羽のニワトリも自由気ままに闊歩する。

そんなニワトリに続いて後を追いかける黒い粘体が目に留まり、不意に『何をやっているんだか』と苦笑する。

そんなスライムとシルフィーナ目線が重なるのも間も無くの事で、ニワトリと戯れながら触腕を振ってくる彼の姿にクスリと笑って手を振り返す。

 

うん、少しだけ元気出た。

亡霊から人間へと蘇生したシルフィーナは頬杖突いてニワトリと戯れる呑気なスライムを傍観すると、再びペンを取って報告書に走らせる。

 

命あっての物種だ。

 

冒険者として活動することが出来なくなったとしても、冒険者として培った経験は健在だ。

きっとそれを他に活かす事は出来るはず。

 

そう思えばいくらか気分も軽くなる。

ならば最後の仕事になるかも知れないこの報告書はキチンとしっかり熟したかった。

だからシルフィーナは紙にペンを走らせる。

 

森に潜む魔物の5種族連合の事。

伝説に謳われるオーガロードの事。

そして嘗て魔神が振るったとされる武具の事。

…そしてそれに立ち向かったスライムの事。

 

そして、ピタリとペンが止まる。

あれ程の事態に遭いながら、誰一人欠けずに全員無事に帰還出来た理由が分からなかった。

むしろ、あれら全てが悪い夢だったのではないかと、今でも時々勘繰ってしまう。

 

そもそも、あの魔物達はいったいどうなったのか…。

当初、半狂乱に陥りながらも魔物達の事を村に伝えようと行動に移したのだが、それを一度阻止されている。

それも共に旅したヘロヘロとマイクにだ。

 

「その件ならもう心配いらないよ」

 

そんな言葉で宥められ、真相も結末も分からないまま渋々納得して今に至る訳なのだが、その弊害として報告書を前に頭を抱える毎日を送っている。

 

実のところ、ヘロヘロの活躍を知っているものはシルフィーナを除いて誰もいなかった。

何がどうなって解決したのかも分からない。

グロプとヘロヘロが二人で5人を運んできたと言う話だが、それ以外は誰一人知らされて居ないのだ。

だから全てがグロプの御手柄と言うことになっている。

少なくとも村の皆はそう思っている。

 

だからヘロヘロに対する心証は『取り敢えず害の無いスライム』程度だ。

グロプを英雄視する一方で、ヘロヘロにはそう言う扱いなのだ。

 

そしてそれはオランドルやセランやローヴァも変わらない。

ヘロヘロの凄さや勇敢さを認めようとしない。

ローヴァに至っては『やれ』だの『殺せ』だの言ってたじゃん!?…って思うが、肝心な部分が曖昧であんまり覚えて無いとか言う始末。

 

それが何となく気に入らなかった。

確かにヘロヘロは一見あんなだが、確かに平時はむしろ頼りないところが目立ってしまうが…。

それでも、あの時、オーガロードやトロールと言う化物相手に果敢に挑む彼の背中がどれほど心強かった事か。

そう。彼は非常時においては化けるのだ。

 

荷馬車の馬がそっと窓の外を横切る景色の向こうで、数匹の羊の後ろをピョンピョン跳ねるヘロヘロに熱い眼差しを向けた。

 

「シルフィーナさーーーん」

 

と楽しげに声を弾ませ触腕を振る彼にシルフィーナも再び笑って手を振り返す。

そして、再び白湯を傾け飲み干すと…。

 

「んもおおおお!!」

 

と言う鳴き声と共に牛の尻尾にしがみついて引きづられて行くヘロヘロを見てロケットの如く飛び出して行った。

非常事態だった。

 

「誰かー」

とか、

「助けてー」

とか、家畜と言う家畜を尽く脱走させてしまい、助けて欲しいけど怒られるのが恐いと言う子供みたいな感情が透けて見える様な中途半端な音量のSOSが聞こえて来たのはその直後の事である。

 

 

 

ーーー

ーー

 

時は少し遡る。

 

早朝。朝日も未だ顔を出さない寒空の下。

とある村の一角にて対峙する二つの異型がいた。

方や一方は数多の冒険者を石像に変えた恐ろしき魔物、コカトリス…ではなく普通のニワトリだ。

方や一方は地底に蠢く凶悪なる魔物、ジャイアント・スライム…ではなく普通の古き漆黒の粘体だ。

 

なんだ平和じゃん?

と思うかも知れないが、両者はそれなりに真剣に威嚇し合っていた。

40センチぐらいの身長を目一杯使い威嚇し合う両雄は正に龍と寅の争い…と言うより良くてマングースとマムシの争いではあるが、それでも譲れない想いを胸に気迫を込めて対峙する両雄に水を差すような者など誰も居なかった。

てゆーか、観客一人居なかった。

 

 

時は更に遡る。

 

 

古き友人を探す旅に出る。

ヘロヘロはそう決めていた。

切っ掛けはアインズ・ウール・ゴウンがこの世界に存在していると知った事。

もしも自分の知るアインズ・ウール・ゴウンがあるとするならば、モモンガさんはきっとそこに居る。

 

見知らぬ土地で今もポツンと一人、円卓の間で取り残されているとするならば…。

彼はきっと心細い想いをしているだろう。

 

一人、第6階層ぐらいで何故だか降っている雨の下、闘技場の柱の根本で野良犬の様に座り込んでいるかも知れないし。

過度なストレスから来る胃痛を薬で抑え、朝起きる度にごっそり抜けた髪の毛を見て絶望しているかも知れない。

そう思うと居ても立っても居られなかった。

 

ただオーガロードもアインズ・ウール・ゴウンの詳しい事を知っている訳では無かった。

結局分かった事と言えば存在すると言う事実だけ…。

ならば探しに行けば良いのだ。と、善は急げと言う言葉に従いグロプに打ち明けたのは昨晩の事。

 

「なんだ。相棒にはもう相棒がいたのか」

 

なんて言葉で鼻をすするグロプに背中を押され、決意新たにマイクや村長、そして共に旅したメンバーにも打ち明けると言う流れとなった。

 

寝床と食事のお世話になって置きながら、御返しも禄にせずに立ち去るのも申し訳ないと考え、必死な求職活動の末に仕事を貰ったのは昨晩の事。

鶏舎からタマゴを回収すると言う『初めての御使い』並にイージーな仕事を任され、意気揚々と戦場へと繰り出したヘロヘロは、程無くしてニワトリと鶏舎の外で対峙していた。

 

なんでそうなった?

並の人間なら理解に苦しむ現象だが、何のことはない。

ドアの開閉の際に、脱走の好機と捉えたニワトリが一羽逃亡を図っただけの事だ。

ドアを開けたヘロヘロの脇をスルリと抜け出して、鶏舎の外で真の自由を得んとばかりに羽ばたいたニワトリに、ヘロヘロもまた負けじと回り込む。

 

そして両者は対峙し、やがてゴングはけたたましく鳴り響いた。

 

巧みなステップで粘体の脇を抜けようとするニワトリに、ヘロヘロもまた俊敏に反応して触腕を伸ばす。

戦闘行為に分類されないニワトリとの戯れに、ユグドラシルのシステムも決して彼には微笑まない。

 

だがそれでもヘロヘロにも意地があった。

何時までも御荷物のままでいたくないと言う意地もそうだが、なにより家畜を逃して怒られたくないと言う彼なりに切羽詰まった事情がこの局面に来て吠えたのだ。

 

何時もであれば…。

触腕を掠めたニワトリがヘロヘロの防衛を突破し村周りの柵を誇らしげに越えた事だろう。

しかしこの時。

吠えた意地の分だけ天秤がヘロヘロへと傾いた。

笑いの神も彼の雄姿に空気を読んだ。

 

果たしてニワトリは触腕の中に収まり。

ヘロヘロは無事に捕獲を成し遂げた。

川魚との惨敗。

料理との惨敗。

肥溜め事変や会議等、様々な試練や屈辱を糧にヘロヘロもまた成長していた。

 

無事に捕獲したニワトリを抱き抱えながら、ヘロヘロは誇らし気に笑う。

余力も十分残しての捕獲だ。

その結果がヘロヘロの心にも余裕を生んだ。

その余裕が健闘虚しく敗れたニワトリに対する称賛に変わる。

 

「本気を出せば5分で終わっていましたが、10分持ったのはお見事です」

 

フッ…と、決め顔で鶏舎のドアを開け、脱走の好機と捉えた3羽のニワトリがヘロヘロの横を擦り抜ける。

果たして、鶏舎の外を自由気ままに闊歩する3羽のニワトリを呆然と見つめ、やがて彼は独り言のように呟いた。

 

「…後10分追加ですね」

 

そして、ああなった。

 

 

ーーー

ーー

 

「ヘロヘロさん!こっちニワトリ捕まえ…て、ちょおおお!一羽村から出てるヘロヘロさああん!!急いでー!!」

 

脱走したニワトリを鶏舎へと戻し。

 

「羊そっち行ったああ!捕まえ…うわわわ!ヘロヘロさん!倒れてる!なんか大事そうな壺全部倒れてるー!!」

 

脱走した羊を柵の向こうへ戻し。

 

「ふー。じゃあ私この子を馬小屋に戻してく…危ないから馬の後ろは」

「ヒヒーン!!」

「ヘロヘロさん飛んだあああ!!」

 

脱走した馬を馬小屋に戻し。

 

「これがラストおお!!」

 

と、脱走した牛を牛舎に押し込んで、ようやくブレーメンの音楽隊の脱走劇に終止符を打った。

予想外にハードな朝の運動に額の汗を拭いつつ、ふと横を見れば、同じように触腕で額の汗を拭うような仕草で溜息を吐くヘロヘロがいた。

 

「いやー。助かりました。一時はどうなるものかと。…本当にピンチでした」

「ヘロヘロさんのピンチってこんななんだ」

 

オーガロードの件はヘロヘロにとって何なんだろうと苦笑しつつ、シルフィーナはそっと門の方へと目を向ける。

そろそろ都市行きの荷馬車が用意されても良い頃合いだ。

そう思って眺めていると、案の定、馬小屋から馬を連れ出して行く農夫の姿が目に映った。

 

「そろそろだね」

「ええ。間もなくお別れですね」

「友達…探しに行くんだよね?」

「はい。モモンガって言うんですけど、知ってます?」

「…ごめん」

「ですよね」

 

ーーー

ーー

 

慌しく荷物を積み込む人の群れ。

着々と出発の準備は整っていく。

先程まで家畜と格闘した畜産エリアの一角。現在その場所にいるのはシルフィーナ一人だ。

ヘロヘロはいち早く農夫に呼ばれて行った。

都市の検問を擦り抜ける為の偽装について、色々説明があるんだとか…。

 

頃合いを見計らって村の正門に当たる東の門へと歩く中、シルフィーナの目は道中遭遇した人混みへと向けられた。

そこは訓練所として使用している村中央からやや南よりにある広場だ。

訓練所が騒がしいのはいつもの事だが、今日はどうも様子が違う。

訓練に勤しむ兵士の騒がしさと言うよりは、闘技場における観客の騒がしさだ。

 

何事かと眺めていると、キィーーン…。と響く金属音に続いて飛んできた剣が頭上から足元に落下する。

ヒヤリとしたものを感じつつ、顔を上げれば薙刀を振り上げたサティアと対峙するオランドルの二人が広場の中心に立っていて、鞘から剣が抜かれている癖にその手に剣が握られていない所を見るにサティアに戦いを挑んであっさり弾かれたのだろう。

 

「一本それまで!」

「おおぉぉ」

 

審判らしき農夫が手を上げ観客からはどよめきが上がる。

 

「いやー。やっぱすげーなあんた。完敗だわ。プレート無いけどワーカーかい?」

「薬師助手ですけど」

「もったいねーな、それだけの腕がありゃ…」

 

シルフィーナは足元から剣を引っこ抜き、サティアを称賛しているオランドルに向けて極寒の表情でジト目を向ける。

やがて、それに気付いたオランドルの顔も急激に青ざめ、会話の途中、言い淀む。

 

「危ないんですけどー」

「わりぃわりぃ」

 

溜息を一つ吐いて、頭を掻きむしりまくって謝罪するオランドルへと剣を手渡す。

後ろの方ではサティアがテヘペロっと舌を出して頭をコツいたりしていた。

 

森から生還して以降、オランドルとサティアは良く共に訓練をする中だ。

リーダーとして今回の件では思うことがあったのだろう。

人一倍責任感が強い人物だからこそ、現状での力不足を実感して訓練にも熱が入っていた。

…尤も、訓練でなんとかなるレベルの事件では無かったのだが。

 

「で、報告書の方はどうだ?」

「あんまり」

「そうか、わりぃな全部押し付けちまってよ」

 

オランドルはそう言うがコレは仕方がない。

今回の事件を一番憶えているのはシルフィーナだ。

…と言うか、肝心な所はシルフィーナしか見ていない。

 

「て言うかよ、見たまま書いたんじゃ駄目なのか?分かるところだけとかな」

 

まぁそうなのだが…と、シルフィーナは考える。

それが出来ないのは話しが余りにも大きく荒唐無稽だからだ。

5種族連合もそう。

伝説のオーガロードもそう。

魔神の武具だってそう。

それらが村を襲おうと企てていた事もそう。

全てが全て、普通に見れば目ン玉飛び出んばかりの一大事なのだ。

そんなものをてんこ盛りにして作った報告書を読み返す度に吐きそうになる。

こんなものを提出しないといけないと思うと胃に穴が空きそうなのだ。

だから、ちょっとずつオブラートに包む表現をして修正しているのだが、それも遅々として進まない。

 

苦虫でも噛み潰したような顔になったシルフィーナを見て、オランドルもまた苦笑いで返す。

 

「ま、期限にはまだ余裕あるんだし、気楽にやろーや」

 

と、肩を叩いて励ました。

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

木箱や樽が並んだ荷馬車が門の手前で鎮座する。

荷台の上。並んだ樽の中の一つ、上蓋の外されたソレがヘロヘロの為に用意された特等席だ。

中には先客として控えめに詰め込まれた野菜が入っている。

 

何もイジメにあっている訳ではない。

 

何だかんだ言ってもヘロヘロは魔物でありスライムだ。

このまま行っても検問で弾かれる。

その為、検問を無事通過するための偽装であった。

 

荷馬車を眺めるヘロヘロが振り返れば、そこにはヘロヘロを取り囲むように並んだ人々の姿がある。

都市へと旅立つヘロヘロを見送る面々だ。

グロプにマイクにサティアにシルフィーナ等、冒険者救出大作戦のメンバーは勿論の事。救出された冒険者の面々に、農夫の皆、更にはクラリスやボール遊びで遊んだ女の子の姿まで勢揃いであった。

 

「済まねぇな。流石のオイラも都市までは行けねぇ」

 

申し訳無さそうにグロプは言う。

何処かションボリと俯いた様子は、彼なりに同行しようか悩んだ末のものだ。…ヘロヘロには何となくそう思えた。

 

「グロプさんは、この村をお願いします」

 

慰めている訳では無い。

ヘロヘロは自分の都合で抜けるとは言え、人と魔物との人魔協定は健在だ。

彼にはそれを守って欲しかった。

 

「そうだな。…ああ、任せとけ相棒」

 

そんな気持ちを察したのかどうなのか…。

ニンマリと笑いかければ、暗い影を落としていたグロプの顔にも陽射しが差し込んだように笑みが戻る。

 

お互いに別れの挨拶は済んだと判断したのか、少しの沈黙が流れるそのタイミングを見てマイクが一歩踏み出した。

 

「個人的にはもう少し君を観察していたかったところなのだが、いやはや、残念だよ」

「私は観察対象なんですか?…まぁ良いですけど」

 

肩を竦めてマイクは言う。

ヘロヘロの苦言もなんのその、トコトコとヘロヘロの側まで歩み寄ると懐から布袋を取り出しヘロヘロの触腕に握らせる。

ヘロヘロは握った布袋をマジマジと眺め、そっと中を覗き込めば、キンキラキンな硬貨がこんにちわ。

10枚の金貨がそこに並んでいた。

 

「これ…」

「金貨10枚」

 

金貨10枚と言われて思うことは特にない。

あえて言うなら『ユグドラシルとはやっぱり違う通貨だなー』と言う素朴な感想ぐらいだ。

 

その程度に考えていたのも束の間。

どよめく周囲の空気を感じて無い心臓が一つ飛び跳ねた。

 

『えっ?えっ?』とキョロキョロ辺りを伺い、破顔する彼等の様子を見て途端に金貨が札束に見えてきた。

何処からかヒュー…と口笛まで聞こえた。

 

震える触腕の上に鎮座する布袋の中の金貨に目を落として恐る恐る問い掛ける。

 

「えっと、ちなみに…。これでどれだけ生活出来ます?」

「質素に暮らせば3ヶ月…」

「10ヶ月は生活出来ますね」

 

マイクの返答に被せてサティアが答える。

貯金も禄に持てない貧困層にとってはほとんど年収みたいなものである。

奨学金と言う名の借金さえ無ければ話しは別だが、御多分に漏れずヘロヘロも貯金は無い方で、一度にこれだけの大金を手にした事など今まで無かった。

 

だからこそマイクが眩しく見える。

何なら後光すら見て取れる。

これがこの世界の勝ち組の力かと、マイクの懐のデカさをマジマジと感じ、『そりゃ10代の美少女に慕われるのも頷けますわ』とか思った矢先。

 

「人間の都市で情報を集めるなら人間の通貨が一番だろう。なに、餞別って訳じゃない。先行投資さ。いずれ返しておくれ」

 

そんな事を言う。

 

「…返せるアテが無いんですけど」

 

乾いた笑顔で訴えた本音は見事にスルー。

奨学金と言う首輪で歯車を強要された現実世界に続いて、こちらの世界でもマイクと言う勝ち組の歯車となるかも知れない。

 

いっそ同じ金貨ならユグドラシル硬貨もワンチャン使えないかなと脳裏を過るが、その提案は2秒で投げ捨てた。

あちらの世界で言うところの、異世界の紙幣を持って銀行へ行くようなものである。

生憎そんな度胸は持ち合わせていなかった。

 

先行きの不安を抱えつつ、ヘロヘロは受け取った布袋をアイテムボックスに詰め込んだ時。

マイクの横でジーっと見詰めるサティアの目線に気付きヘロヘロも顔を上げる。

 

「都市に行くなら衛兵や冒険者、それからワーカーには注意して下さいね。スライムはある意味人間と共存する魔物とは言え最悪討伐されかねませんので」

「あ、はい」

 

互いの目線が合わさるや否や、ついでとばかりに忠告をしてペコリと軽く会釈した。

それに合わせてヘロヘロも会釈する。

 

「あー。ワシからも少し良いかね?」

 

と、前に出たのは村長だ。

ヘロヘロも気を使って然りげ無く村長へと近付くと、落ち着いた声が出迎える。

 

「ヘロヘロ君。また何時でも遊びに来なさい。我々は何時でも君の帰りを待っているからね。その時は友達も連れて、是非」

「はい、その時は是非」

 

村長の目は馬車を捉える。

 

「いいかね?あの馬車は最寄りの都市まで向かった後は商会の倉庫で荷卸をするはずだ。それからはこっそり抜け出して自由に行動すると良い。その都市で情報収集するも良し、他の都市を転々とするも良し」

 

だが村長はそこで表情を変えた。

先程までが慈愛溢れる菩薩の顔とするならば、ついで見せたのは修羅の顔だ。

ガシッ…とヘロヘロの肩的な箇所を掴むと、貫禄ある権力者の眼光と声を持って押し潰す。

 

今のヘロヘロは村長より強い。だが、だからといって村長の圧が怖くないかと問われれば別の話しだ。

例えば会社の会長がヨボヨボの老人だとして、会長の叱咤に怯える若手の社員も、リングの上でタイマン張ってボコボコにされるとは思わないだろう。

そんな感じ。

 

「だが、帝都アーウィンタールだけは絶対に行くなよ。あそこだけは警備の質が段違いだ。景観だって力を入れている。野良のスライムが町中に紛れ込んだとあっては立ち所に処分されるかもしれん。だから行くなよ?いいか?絶対だぞ!?」

「…はい」

 

村長の迫力にタジタジになりつつも、ヘロヘロは何とか返事を絞り出す。

そんなヘロヘロの返事を聞いて、村長は目の熱を落とすと「ふぅ」と一言溜息を吐いた。

修羅から菩薩へと切り替わる。

 

「…少し熱くなったが、まぁ帝都宛の荷物に紛れ込まない限り大丈夫だろう。文字さえ読めれば避けれる筈だ。…文字は読めるのかね?」

「あ、はい。それはもうバッチリ読めます」

「ほー。相棒文字読めるのか?人間の文字は流石にオイラでも読めねーな」

「ふふ、私はこう見えて中卒ですよ?」

 

突然会話に割って入ったグロプに対して、ヘロヘロはグロプへ向き直るなり得意気に笑う。

翻訳機能があろうが『中卒』と言うこの世界では翻訳の使用が無い言葉の略語は伝わらず、「何だよそれ」と言わんばかりの半目が帰ってきたが気にしない。

 

「おほん」

 

と、咳払いに慌てて村長へと向き直る

 

「まぁワシからは以上だ。達者でな」

「はい。村長さんも、お元気で」

 

村長は下がりヘロヘロもまた初期位置へと戻る。

そしてチラっとシルフィーナの顔へと目を向ければ、真っ直ぐに向けられた彼女の熱い視線とぶつかった。

そして次の瞬間、居ても立っても居られないとばかりに彼女は列から飛び出した。

 

「ヘロヘロさあああん」

 

弾丸の様に駆けたシルフィーナはヘロヘロの前で座り込み、触腕を両手で掴むとブンブンと上下に揺らした。

 

「ヘロヘロさんの事、ぜーったいに忘れないからねー」

 

 

 

ーーー

ーー

 

馬車の荷台に揺らされながら、ヘロヘロは一人樽の中で触腕の感触を振り返る。

少しタコのような硬さもあったが、それでも女の子らしい柔らかさのある小柄な手の感触だった。

 

あるかも分からないアドレナリンが脳内で無限分泌される感覚を覚えながら、グッパ、グッパと触腕を閉じて開いて、掌の感覚を脳内永久保存する。

 

そしてアイテムボックスから布袋を取り出すと、中に並ぶ金貨を眺め、それが10ヶ月分の生活費だと考えると思わず無い口角が釣り上がる。

…と言うか普通に「うひっ」と笑い声が漏れた。

 

「私は…。リア充になってしまいました」

 

身体中に湧き上がる歓喜に身をプルプル震わせて、誰の目も無い事を良い事に、『うっひょおおおお!!』と、奇声を発して小躍りを始めた。

それは傍から見れば、荷台の一つの樽だけがガタガタ揺れる奇妙な光景であったものの、その光景を前に不思議がる人間の目も無ければ、ガタガタと揺れる音に勘付く耳も無かった。

ただ馬車の先頭で運転をする御者だけが、荷台からガタガタ揺れる音を聞いたかも知れないが、馬車が走れば荷台は揺れて当然だ。

それぞれの荷物が奏でる雑音に混じって聞き流された。

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

ヘロヘロを乗せた馬車が地平線の向こうへ消えて、村には村の冒険者には冒険者なりの事情が顔を出す。

命が助かりめでたしめでたしとは行かないのが現実だ。

 

「さて、俺達もどうするか考えないとな」

 

冒険者を代表してオランドルが言う。

森に入れなくなったローヴァを連れて活動することは不可能だ。

いや、それを言うならセランだってそうだろう。

 

「…ごめん」

「…すみません」

「馬鹿、謝んなって。しゃーねーって、命あるだけ良しだろ?こう言うのは」

 

冒険者として活動が出来ない以上、解散してそれぞれがそれぞれの生活を始める事になる。

戦えるオランドルはまたメンバーを集めて再出発。ローヴァとセランは故郷に帰って親元で暮らすのだろうか?

それかいっそ付き合いのあるこの村でお世話になるか、のんびり畑仕事も良いかもしれない。

 

「グロプ君から安全な散策エリアの確立を図る際にも君達の力は是非とも欲しかったのだが…」

 

それが残念なのは村長も一緒だ。

散策エリアの確立を図るにも人間の同行者が必要だ。

実際にそれが安全であるかどうか確証が持てるまで、採集に向かうのが身を守る術を持たない村人と言う訳にもいかないだろう。

なんにせよ冒険者である彼等の力は必要だった。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ、あの森の奴らはマジでやべー連中だったんだ。…正直、生きて帰れただけでも奇跡なんだ。だからよ。あまり期待しないで欲しい。本当はよ。もっと安全なところに移りたいぐらいでよ」

 

グロプの言葉に村長は思わず「そんな…」と落胆を口にした。

村には村の事情がある。

森の恵みに肖れなければ、いずれは物資が底を突いて痩せ細る。

安全に森の採取が出来ないとなると、最悪唯一の薬師であるマイクですらも出ていくと言い出すかも知れない。

そんな最悪なシナリオを想像したそんな時。

 

「ちょっと待ってくれ、それは困るよ」

 

突然マイクが冒険者達の、そして村長とグロプの会話に割って入った。

 

「せっかくオランドル君達冒険者に任せたい仕事も森での採取の協力者も用意したと言うのに、解散されたり移住されると僕としても困るね」

 

村唯一の薬師であるマイクの苦情に村長は顔を青ざめながら「あわわわわ」と擬音が似合いそうな程あたふたした後、マイクの両肩を盛大に掴んだ。

 

「マイク君!気持ちは分かるが、落ち着いて考えてくれ」

「その採集の協力者ってオイラの事じゃねーのか?」

 

村長の説得に続くように投げかけられたグロプの質問。

それを耳にして村長もようやく『そういえば』と、グロプとマイクを交互に眺めた。

 

「勿論違うよ。ヘロヘロ君の代わりにグロプ君をサポートしてくれる協力者だよ。既に依頼は出しているから…早ければ今日にも来るかも知れないが」

 

疑問符を浮かべて首を傾げる面々を他所に、マイクは何故か門とは正反対の方を眺める。

そっちにあるのは森だ。

森である。

そんな所から人が来るはずも無い事は誰でも分かる。

森の魔物じゃあるまいし、もしもそんな奴がいたならわざわざ村を半周グルっと回って来た変わり者か狂人だ。

なのに現実は小説より奇なりと言うべきか、『スタンバってました!』と言わんばかりに、村の真ん中をノッソノッソと歩く人影があった。なにやり巨大な樽のようなものを担いでいた。

 

「お、噂をすれば何とやら」

 

予定よりも早い到着に嬉々として手を振るマイクを他所にその場にいる全員の顔が引き攣った。

何故ならその人影は人間にしては明らかに巨大で、邪悪を思わせる身体のフォルムは明らかに人のソレでは無く。

まるでオーガを一回り大きく魔改造したかのようなその姿は、比喩でも何でも無く普通にオーガロードだったから。

 

「頼まれていた鉱物だ。誰もいないから勝手に上がらせて貰ったぞ!」

「いやぁ、流石ダージュン君。仕事早いね」

 

ローヴァもセランもフラっ…と身体を残して意識は遠い世界へ旅立って、グロプは脱兎の如く門を抜けて走り去り既にその背中は向こうの方で小さくなっていた。

 

「うおおおお!!なんだこの化物は!!」

「……!」

 

オランドルは叫びながら剣を抜き、サティアも対象的に無言で薙刀を構えて詰め寄った。

のも束の間、二人の武器の刀身はオーガロードの二本の指に挟まれビタリと止まる。

手放した樽が地面に着地しガシャンと音を立てた。

ピクリともしない武器を両手に四苦八苦するオランドルとサティアを他所にオーガロードはマイクへと顔を向けて抗議する。

 

「おい、マイク。どう言う事だ?俺が顔を出しても問題が無いのでは無かったのか?」

「照れてるだけだよ。女の子なんだから察してあげなよ」

「なんだ。照れてるだけか」

「単純かっ!?」

「うおおお!なんだコレ!?びくともしねぇ」

 

サティアもオランドルも武器を引き抜こうと綱引き状態だ。

しかしそんな努力もなんのその、薙刀も剣も二人の武器はピクリともせずオーガロードの指の間に挟まれたまま動かない。

 

「ど、どう言う事だね?マイク君。彼は一体何なんだね?」

「紹介します。村長。オーガロードのダージュン君と言って、この森の広範囲を支配下に置いていた当主です。今回グロプ君のサポート役として採用しました」

「一体いつの間に」

「うちのサティア君が目覚めた日の昼過ぎぐらいですかね、何度か森に入って交渉しました」

「いないと思ったら!入ったんですか!?森に」

「そうだよ」

「護衛は!?」

「勿論付けたさ。サティア君が病み上がりだから代わりをね」

そう言いながらマイクは親指でオーガロードを指差し、オーガロードはフンスと鼻を鳴らして胸を張る。

 

いやそれから身を守る護衛だよ!と言う言葉を飲み込みサティアはマイクに詰め寄った。

指に挟まれた薙刀はそのまま手放して。

 

「分かってるんですか?あの森にはトロールとかオーガの連合が健在なんですよ!?」

「彼がそれのボスだよ?」

「だ、だったら尚更!こいつに襲われるかも知れないじゃないですか!?」

「え、襲うのかい?ダージュン君」

「襲わないな」

「襲わないってさ。サティア君」

「馬鹿なんですかああ!?…知ってましたけど!」

 

頭を抱えてサティアは吠える。

そんな彼女を他所にマイクはオーガロードの横で樽の中に入った鉱物の検分を始めた。

樽の中一杯に積められた鉱物はどれも粗削りであり、鉱物…と言うより鉱物の含まれる岩石を砕いて持ってきたに近いそれは、まだまだ削り出しが必要だ。

とは言え、それは想定内だ。

下手に貴重な鉱物を削り出して傷付けるぐらいなら岩石ごと持ってきて、削り出し自体は得意な人物に任せれば良いのである。

例えばそう。採集ばっかりやってきた冒険者とか。

 

「ふむ、やはり僕では鉱物の見分けは難しいね。オランドル君。この岩石から鉱物だけを取り出したりは出来るかい?」

「あ?ああ、勿論だ。鉱物の鑑別ならローヴァが得意だぜ。こう見えて採集依頼の経験は豊富だからな」

「それは良かった。村長、鉱物はまだまだ豊富にあるそうなので、この手の荷物が今後バンバン届きます。手の空いた村の農夫も集めて、鉱物の削り出しを行いましょう。監査役として彼等を推薦します」

「わ、分かった。しかしこれで村も少しは潤うかも知れないな…。希望が持てたと言うか」

「何言ってんですか、この品薄の時期に鉱山まるまる手に入れたようなものです。物流がひっくり返りますよ」

 

和気藹々と今後の展望を語り合うマイクやら村長やらオランドルやらを他所に、シルフィーナは一人、頭を抱えて身を震わせる。

 

森の中には村を襲おうとする危険な魔物達が5種族もの魔族連合となって結束しており、そのボスは伝説に謳われるオーガロードで、そのオーガロードは恐ろしい力を秘めた魔神の武具を持っていて、自分達冒険者は魔物達に囚われ死にかけて…今では仲良く村人達と一緒に村の将来について語り合っています。

何書いてるか分からないでしょうが、私だって何書いてるか分かりません。頭がどうにかなりそうです。

 

後日提出する報告書の内容を心の中で読み上げて、都市の役人に提出している光景を幻視する。

…て言うかこんなもの。

 

「提出出来るかああああ!!」

 

八つ当たりに近い怒りの咆哮を上げて、下書き用のノートをオーガロードの顔に投げ付ける。

クリティカルヒットした。

 

「ああああー!!もう!!無理いい!!」

 

頭を抱えるサティアの真横で仲良く頭を抱えて発したシルフィーナの魂の咆哮は、遠い草原を走る馬車の方まで聞こえたとか聞こえなかったとか…。

 

 

……

……

……

 

 

オランドルと村長が樽の鉱物を眺めて、今後の仕事について相談し合う中。

サティアとシルフィーナが頭を抱えて嘆く中。

そっとマイクはオーガロードに問い掛ける。

 

「…ところで。良かったのかい?わざわざグロプ君を森の盟主に抜擢なんてしてさ」

「当然だ。我が主の相棒であり対等の存在とあらば、彼を置いて適任者はおらんだろう。なによりそれが我が主からの命令だ。…なに、まだこの森の全てを支配下に置いた訳では無いが、時間の問題だ」

「ほう。魔物はもっと強さを重んじるものだと思っていたよ。君の言う主は兎も角、グロプ君は君より遥かに弱いだろう?」

 

それを聞いてオーガロードは笑う。

クツクツと、堪えられないように腹を抱えて笑った。

 

「我が主の前ではどんぐりの背比べも良いところだ。それなら別の能力が秀でている方が我等としても村としても、そちらの方が良いだろう?」

「ふーん。なるほどね」

 

納得いったとマイクは門の外をぼんやりと眺める。

もうその景色の中に、馬車に乗っていったヘロヘロの姿も逃走したグロプの姿も見えないが、前者は兎も角、後者はそのうち戻って来るだろう。

その景色を眺めて分かるのは、良い天気だと言う事ぐらい。

 

こうして村の平和は守られた。

そこに転がる冒険者や頭を抱える若干二名、そして逃亡したグロプの胃腸の平和は遠くとも、とりあえず今日の天気が良いから良しとしよう。

どうせ村の皆も彼等の計画など知りはしないのだ。

ならば知らぬが仏。

もともとグロプやヘロヘロを受け入れた村なのだから、オーガロードや森の魔物達を受け入れるのも時間の問題だ。

 

後は森に住む彼等に食料の供給さえ滞らなければ、村も森も平和にやっていくだろう。

それに関しては、溢れた鉱物が解決してくれる。

別にこの帝国において、食料まで品薄と言う訳では無いのだから。

勿論鉱物だけじゃない。

今まで手に入らなかった希少な薬草、その地に眠ったマジックアイテム。様々な可能性を考えれば無限大だ。

 

この村の明日は明るい。

 

「まぁ。めでたしめでたしって所かな」

 

 

 

ーーー

ーー

 

これは至高41人の中の、とある粘体の物語。

こうして歯車は回る。動き出す。

 

異世界転移でギルド、アインズ・ウール・ゴウンから逸れた至高の御方は、嘗ての友との再開を目指して旅に出る。

 

それはきっと、波乱万丈な一人旅。

それでもアインズ・ウール・ゴウンの存在を知った彼は行く。

この旅の先、友であるモモンガさんとの再開を信じて。

 

 

今…。

 

ーーーーーヘロヘロが行く。

 

第一章 完




温かく村人達に見贈られ、意気揚々と村を発したヘロヘロは都市へ向かう。

しかし、ヘロヘロは知らなかった!!
この世界の言語は翻訳されているだけで、文字は日本語じゃあ無い事を!!

絶体絶命のヘロヘロは無事に帝都アーウィンタールを回避する事が出来るのか!?

それでは次章、帝都アーウィンタール編をお楽しみに(・∀・)

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