お待たせしました。
ヘロヘロ様、働きます。
「うわっ、すごーい」
女の子から褒められる。
「やるなお前ー」
女の子から褒められる。
「やるじゃないのさ」
お姉様から褒められる。
「うえっへっへ。いやまぁそれ程でも…あるんですけどねぇ」
そしてこの粘体である。
ヘロヘロがゼシリーエと愉快な仲間達の元で乾燥ワカメ宛らスープにぶち込まれて死の淵からV字復活したのは昨日の事。
ここでの仕事を頑張れば……と言う俗世的な理由で労働意欲を昂ぶらせたヘロヘロは現在、十代から二十代のピッチピチな娼婦達に交じってお店兼家のお手伝いに精を出していた。
雑巾を渡されれば、それを触腕にテーブルを拭き。
箒を渡されれば、それを触腕に居間を掃く。
そんなヘロヘロにラシュカもコルクレアもゼシリーエも『我が子に初めてお使いに行かせる親の心境』なのか、道具一つ持たせてコソコソ物陰から…あるいは堂々と背後から付けて来ては行動を見守り、何か一つ出来る度に褒めちぎった。
あんよが上手あんよが上手と煽てられるまま、仕事と言う名のお手伝いを次々とこなし、褒められる度に満更でもない様子で後頭部を掻きむしる。
それが30路のオッサンの末路だと思えばなかなかキツイものがあるかも知れないが、幸いにも今の彼の姿は40センチ程度のスライムだ。
周りの目線で言ったところ手頃なサイズの犬猫のようなものである。
世間的には犬猫どころか下水を徘徊するネズミやゴキブリと同類だが、細かい事はこの際気にしない。
「それを運んだら後で部屋まで来ておくれよ。頼みたい事があるんだ」
丁度、ミアと一緒にその日の洗濯物をせっせと運んでいる最中、通り掛かった食堂で帳面を片手にゼシリーエがそう声を掛けてきた。
先導するミアの足がピタリと止まり、大きな荷物を抱えたまま身体ごと振り返る。
「…薬だったら、私が塗るけど?」
「いいよいいよ。使えるものは何だって使うのが私の流儀ってもんさ。だいたいミアは働き過ぎなんだよ。…ちょっとはラシュカやコルクレアを見習ったらどうだい?」
「あの二人を見習うと経営破綻するんで」
帳面をパッタパッタ振りながら一蹴するゼシリーエの言葉をミアが尚も一蹴する。
「あー…」
等と嗚咽を上げて苦笑した。
思い当たる節はあるようだ。
酷い言われようだが、ラシュカとコルクレアは勝手に喧嘩を始めて勝手にノックアウトしている。
そもそもあの二人は午前中働かない事が多い、ラシュカはシャルカの面倒を見ている事が多いので已む無しな部分もあるかも知れないが、コルクレアにおいては午前中の仕事を放ったらかして悪魔召喚の儀式に没頭しやがっていた奴だ。
まぁそれはそれ。
「でも、あんたが働き過ぎなのは事実だろう?」
そう言い包めてゼシリーエはカウンターから身を乗り出した。
そしてミアの少し手前でチョコンと佇むマスコットみたいなヘロヘロを見下ろした。
少しだけたじろむヘロヘロを見て、ミアは何と無く蛇に睨まれたカエルを重ねる。
「…と言う訳さ。ちょいと薬を塗って貰いたいんだが、構わないかい?」
胸の襟を徐ろに引張り、肩と鎖骨の下を露出させたあたりで顔を出した傷跡がチラリと見えた。
「あ、はい。勿論です!!」
なんかこのカエル嬉しそう。
水を得た魚のように喜色を上げたヘロヘロの様子を見て真っ先にそんな事を思ったがミアだったが、必要とされる事が素直に嬉しいのだろうと納得した。
ーーー
ーー
ー
やっく、得!やっく、得!
上半身裸になったゼシリーエの身体にお薬ヌリヌリする妄想を膨らませながらヘロヘロは荷物を抱えてミアの後ろを追従していた。
踊りたい、歌いたい。
…と言うかミアに気付かれない程度で歌っているし、小躍りだってする。
食堂を抜け、少し通路を抜けた先の洗濯場には、既に先客の少女の姿がそこにはあった。
シーツや衣類を相手に一人格闘している一人の少女は山のような洗濯物を捌いては汚れと同時に汗を流す。
その顔には見覚えがあった。
確かラシュカに『リリちゃん』と呼ばれていたエルフの少女だ。
個性なのか事故なのか、耳の先端が途中から無くなっており、ツンと伸びた特徴的なエルフの耳を思うと少し痛々しい。
大きなタライと洗濯板を使いジャブジャブと衣類を洗うエルフの姿は冒険ファンタジーと言う種のジャンルに脳味噌を焼かれたヘロヘロからすれは少しシュールに映る。
エルフと言えば弓や杖を持って、悪魔やドラゴンと対峙する姿がお似合いだ。
偏見かも知れないが。
「リリベニース。これ追加」
「あ、はーい。置いといて下さい」
追加の仕事をドカリと乗せられながらもリリベニースと呼ばれたエルフの少女ははにかんだ笑顔を見せた。
一見微笑ましい光景なのかも知れない。
だが、何と無くだがその光景に現実世界でのトラウマが一瞬ビジョンとして重なった。
平日の残業。社泊。土日出勤…。
過労に次ぐ過労の末、ようやく帰れると思った矢先に「ここ、変更したから修正よろ」とプログラミングの変更内容を追記した資料の束を無遠慮に置くクソ上司。
それを思えばここの職場は天国だ。
そんなトラウマはさておき、ヘロヘロは少し後ろでリリベニースとミアとの世間話を見守った。
「最近はどう?」
とか、
「天気が良いから早く洗濯物が乾きそう」
とか、他愛のない会話に花咲かせる二人の少女を他所に暇を持て余したヘロヘロは少し室内を見渡した。
以外な事に中世ヨーロッパのような文明の世界でありながら、この世界には水道がある。
下水があるのだから水道があるのではないか…と言う予感はあったが、その正体はマジックアイテムだ。
この部屋に取り付けられた一見して蛇口のような何か、があり、それをリリベニースが弄る事で水が流れ落ちた。
ほへぇ…。
と間抜け面を晒して見上げるヘロヘロの視界に自慢気にニヤついたミアの顔が映り込む。
水道と言うシステムに驚愕したとでも思われたのだろうか、わざわざ覗き込んできたらしい。
「驚いた?ここ水道があるの」
「はぁ」
思わず生返事が漏れた。
水道があるとは思っていたが、名前もそのまま『水道』とは畏れ入る。
思えば、日本語が通じる事もそうなのだが、名称もそのまま現実世界と同じだ。
剣にせよ。服にせよ。お金にせよ。
文明を築く上で必要になった道具が生まれた事は分かる。
同じ道具が生まれたなら、同じ意味の名称が生まれる事は当然だ。
しかしその名称までも同じと言うのは不自然だ。
いっそこの世界の言葉は自分が理解できる言語に自動翻訳されてるのでは…と言う馬鹿げた仮説が頭に浮かんでは消えて行く。
それはそれとして。
驚いたと言えば驚いた。
しかし驚いたのは単純に水が出てきた事では無く、中世をイメージした割に文明が発達している事に対してだ。
ゲームや漫画に登場する冒険ファンタジーと言うものの大半は中世をイメージする。
何故なら剣や盾と言う勇者や騎士をイメージする装備と言うものは中世を代表する装備であるからだ。
しかし反面、剣や盾と言う武器は文明のレベルで言えば野蛮な部類に相当する。
で、あれば当然、生活の部分も本来なら野蛮で不衛生な部分が浮き彫りとなるはずなのだ。
だがこの世界には水道があり、トイレがあり、街には街灯まで立っている。
つまるところ、冒険者や衛兵が持つ武器は中世でありながら生活レベルは近世、下手すれば近代だ。
この、なんともチグハグなバランスをした文明レベルをヘロヘロは知っている。
ゲームや漫画で嫌と言うほど見てきた冒険ファンタジーの文明レベルなのだ。
ゴブリンやオーガと邂逅しておいて今更何言ってんだ感があるかも知れないが、冒険ファンタジーでの文明レベルなんてものは読者やプレイヤーのニーズに応えたからこそあの文明なのである。
剣や盾には憧れる。
でもその時代の生活レベルには目を伏せたい。
だからパッと見、中世ヨーロッパだけど所々近代の技術が導入されていたり都合の良い悪いで文明が上下する『なんちゃって中世』が成立しているのだ。
それが現実に起こってると言う事にヘロヘロは素直に驚いた。
ゴブリンやオーガなんてものは、なんだかんだ言っても生物だ。
進化の過程でそう言う生物が誕生してもなんら不思議は無いのである。
火を吹くドラゴンだって同じ事。
現実世界には電気を発する魚もいれば光を放つ虫だっていたという。
科学は人の専売特許と思われがちだが、化学変化を真っ先に利用して生態系を築いてきたのは人間以外の生物だ。
進化の過程でその必要に迫られたなら火を吹くカエルが誕生した可能性もあっただろう。
しかし、水道や街灯等と言った近代の技術が導入されているような国の中で、最も重要なはずの軍事技術が中世止まりなんて言う事はどう考えても不可思議だ。
魔法があるから科学が発展しなかった等と言う設定はよく聞く話だ。
魔法が万能であり科学が入り込む余地が無かったと言うならば納得は出来る。
魔法が誰にでも使えて、尚且つ生活、軍事、医療、娯楽を支えられる程に万能なら科学は確かに進歩しないだろう。
だが、そんな世界で剣や槍等と言う原始的な兵器が現役で軍事を支えていると言うのは流石に有り得ないだろうとヘロヘロは考える。
とはいえだ。
『そうはならんやろ!』と異を唱えたところで『なっとるやろがい』と言われてしまえば返す言葉が無いのが現実だ。
自己完結するヘロヘロの手前。
ふと我に返って見上げれば、何処と無く自慢気に胸を張って語るミアの顔がそこにある。
「生活魔法とは言え、マジックアイテムは高価だからね。水道がある個人の家は勿論、お店だってそんなに多く無いよ。スラム街ではここぐらいかも」
申し訳ない事に大半聞いていなかったが、高価なマジックアイテムを使っている事は理解した。
マジックアイテム自体が高価だと言うニュアンスにも聞こえたが、流石にそれは無いだろう。
ユグドラシル基準だが、マジックアイテムなんてものはピンキリあって当然であり、ピンは兎も角キリのアイテムなんて価格の付けようが無いゴミアイテムなのだから。
――ゴブリン将軍の角笛とか…。
ーーー
ーー
ー
リリベニースが洗い終えた洗濯物を籠に入れ、今度は二階のバルコニーまでミアと一緒に運んで行く。
水を吸った衣類は重い。
大きな籠に詰め込めるだけ詰め込んだ荷物は本来華奢な少女が運ぶには不釣り合いな重量だ。
「ふんっ」
と気合を入れて荷物を担ぎ、フラフラとおぼつかない足取りで先導するミアの後ろをヘロヘロは黙って追従する。
「……」
そんなヘロヘロの担ぐ荷物の籠は小さい。
ミアに比べて一回りも二回りも小さな荷物だが、これはヘロヘロ用に見繕ってくれた荷物だからだ。
正直な処ヘロヘロにとってこの荷物は軽過ぎる。
筋力の無いスライムとは言え100レベルの前衛職であるヘロヘロならばあの程度の荷物一人で運べる。
そもそもアイテムボックスに入れてしまえば重量など問題にもなりはしない。
にも拘らず、こうして小さい荷物を抱えてミアの後ろを追従するのは、なんだかんだヘロヘロは自分の能力を隠しているからだ。
かわいいペット枠と言う皆のイメージを崩したくなかった。
何と無くタイミングを逸した。
自分の行動を肯定する理由は多々あるが、その中でも最もしっくりくる理由は恐らく『怖がられたく無かった』からだろう。
愚鈍な自分でもいい加減気付く。
恐らくだが、自分の立ち位置はこの世界の中で強者にあると言う事に。
荷物を抱えて背中を向ける華奢な少女を呑気に追従しているが、その気になれば殺せる。
それだけの能力とスキルを備えている。
そんな自分に背中を向けていられるのも、無力で無害なスライムだと太鼓判を押されているからだ。
言うなれば自分達より弱い生き物だと思われているからだ。
その認識がこの荷物に現れている。
だからヘロヘロはそんな感情などおくびにも出さず何食わぬ顔で荷物を運ぶ。
重たい荷物を運ぶ労働で流れた汗を吸い、うっすらと透けた背中とか、階段の登り降りの際、追従する少女を高さ40センチのローアングルから見上げた視界とか。
正直大好きだが、そんな感情などおくびにも出さず何食わぬ顔で荷物を運ぶ。
ーーー
ーー
ー
運搬の仕事を終わらせ、ゼシリーエの個室を開ければ、そこに彼女の姿はあった。
個室を開ければ…なんて表現は比喩だ。
正確にはノックした後、ドアと床の隙間からニュッと室内に侵入する。
触腕を伸ばせばドアノブに届かない事も無いが、スライムであるヘロヘロはドアを開けるより隙間から入り込む方が遥かに容易い。
当然ノックは必要だ。
マナー的な意味合いもそうだが、これをしないとそもそも入室したこと気付かれない。
何気無く振り向いて黒いスライムが侵入していたらビクっとするだろうし最悪悲鳴が上がる。
「ああ、よく来たね」
今回はそんな事も無く、入室したヘロヘロをゼシリーエが出迎える。
ベッドに座り、土色の壺を側の棚に置き。
そしてチョイチョイと手招きをした。
「こいつを背中の傷に塗ってもらいたくてね」
「お安い御用でーす!」
ぐっへへへ…とかわいいペットはおよそしないであろうオッサン丸出しな笑みを張り付け、揉み手で棚の壺に貼り付いた。
それを見届けゼシリーエが上の服を脱ぎ捨てた。
あきらかな美女であるゼシリーエの色気を帯びた行動に俗世を通り越して邪な想いでニヤけるヘロヘロの煩悩は。
次の瞬間、露わになった生々しい古傷の前に跡形も無く四散した。
胸、腕、背中…。
ざっと見ただけでも無数に浮かぶ古傷の数々。
それに圧倒されヘロヘロは言葉を失う。
「酷い傷だろう?」
圧倒されたヘロヘロの様子に気が付いたのか、背中を向けるゼシリーエは問掛ける。
その頭は依然、後頭部を向けたまま。表情が見えないその視線からでは彼女の感情を窺い知るには及ばないが、それでもその声色は穏やかだった。
「何時もはミアとかに頼んでるんだけどね。気丈に振舞っても堪えるのさ」
誰が何に対して…。
なんとも解釈に困る言葉を吐き出すゼシリーエ。
とは言え、ヘロヘロもそれにツッコミを入れる程野暮でも無かった。
なんと答えて良いのか分からず、ヘロヘロは黙って彼女の言葉の続きを待って数秒。
「――!」
突然ヘロヘロは我に返る。
今すべきことを思い出し、慌てて壺の中へと触腕を伸ばした。
ヌメリとした軟膏のような感触が触腕を伝う。
軟膏のような…と言うか、軟膏なのだろう。
鼻にツンと来る薬草の匂いがたちまちヘロヘロの鼻孔を刺激した。
それをゼシリーエの背中に塗った。
「そーいや。スライムの粘液?…てのは、傷口にどうなんだろうね。今更だけどさ」
ヘロヘロの心情など露知らず。
ゼシリーエはゼシリーエでそんな事に疑問符を浮かべて顎を触る。
傷口における衛生管理は大切だ。
そんな事は百も承知だ。
スライムがゴキブリやネズミと同類だと言うならば良くは無いだろう。
ユグドラシルプレイヤーであるヘロヘロの粘液に雑菌等が最初からいるとは思わないが、そうは言ってもこの世界に来てから野宿や裏路地での生活の中で細菌が繁殖した可能性は否定出来ない。
だがそんな事はどうでも良かった。
「その傷、何があったんですか?」
堪らずヘロヘロが問い掛ける。
触れて良い内容なのか…。
そんな疑問符が一瞬、頭を擡げるが、かと言って吐いた唾は飲み込めない。
「そうだねぇ。勲章って奴さ」
「昔、冒険者をやっていた名残り…て、奴ですか?」
軽い冗談混じりに思いついた事を口にして…瞬間、ブハッ…とゼシリーエが吹き出した。
余程的外れな返答だったのか「いいね」とか「採用」とか、ケラケラ笑いながらゼシリーエは茶化す。
そして一頻り笑った後、少し悩む素振りを見せたかと思うと、突然。
「彼女等に刺されたのさ」
余りにも予想外な言葉を吐き出した。
「え、彼女?」
「ミアとかコルクレアとか、ここにいる連中だよ」
「えっと、女性の喧嘩ってもっとこう…ネチネチしたものかと思ってました」
「何言ってんのさ。スラムの女は恐ろしいんだよ」
何とか絞り出した返答に、間髪入れずゼシリーエは茶化す。
そして。
「…まぁ、色々あったって事さ」
バツが悪そうにそう続いた。
「……」
会話が途切れ、少しの静寂が訪れる。
こういう時、何かしら話題を振った方が良いのかも知れないが、都合の良い話題は頭に浮かばない。
「さて、次はあんたの番だよ」
「はい?」
「あんた。どっから来たんだい?下水から這い上がって来た訳じゃないんだろう?」
「あー。えーと私は」
自分の話題であれば話せる。
何処から来たのか、自分は何者なのか。そう言う素性を話そうとして内容を考える。
異世界から転移してきた人間で、30路の独身、貧困、彼女無し、女性の身体なんてゲームやアニメぐらいでしか見たことも無いキモオタでーす。
――なんて言えるかボケェ!!と自分の後頭部を脳内でぶん殴る。
そこまで話す必要は無いのだろうが、話しの流れで言わざるを得ない状況になる事は否定出来ない。
今、自分が人間の男性だとバレるだけでも問題なのだ。
上半身裸になってお薬塗ってもらっている相手が実は彼女もいないキモオタ系童帝おっさんだと知ったら絶対に幻滅するはずだから。
『えっ?』て嫌悪感丸出しにした顔を向けられた瞬間には確実に精神が崩壊する。
だからヘロヘロは思わず口を噤んだ。
戸惑ったように黙り込み、気不味い沈黙がその場を流れる。
「…訳ありか」
そんな独り言のようなボリュームの声が僅かに聞こえたと思ったその刹那、背中を擦る触腕から、その感触が遠退いた。
それに気付いて見上げれば、向き直るゼシリーエの身体がそこにある。
二つの乳房を晒したその姿で、ゼシリーエはやたら真面目な顔で見下ろしていた。
「野暮な事を聞いたね」
何かを察したであろう彼女は目を伏せ、そして次の瞬間にはその手がヘロヘロの頭まで伸ばされた。
まるで子供を慰めるような優しい手付きで頭を撫でる。
「気にする事じゃないさ。素性の明かせない連中なんてここにゃ五万といるんだ」
「……ごめんなさい」
それを聞いてなお、ヘロヘロは謝罪した。
謝罪するしかなかった。
盛大に勘違いされてる気がしたが、だからといって本当の事は話せない。
「あたしらも、今じゃこんなスラム街で身体を売る程、落ちぶれてはいるけどね。元はこれでも貴族だったのさ。みんなそれなりに重いもの抱えて――」
良い話になればなるほど、良い雰囲気になればなるほど、そのギャップに居た堪れなさが湧き上がる。
申し訳なさすぎて死にたくなってくる。
「ーーそうだろう?ヘロヘロ」
不意に問い掛けられ、ヘロヘロは真っ直ぐにゼシリーエを見詰めた。
そして思わず声に出す。
「ゼシリーエさん」
「ん?」
尚も優しい目を向ける彼女を見詰め。
「…辛かったです」
倍プッシュだ!!とヘロヘロの中の勝負師が吠えた気がした。
ーーー
ーー
ー
アインズ・ウール・ゴウン魔導国。
エ・ランテルの居城。
「――それではアインズ様の勅命に従い、準備が整い次第出立いたしんす」
その言葉を最後に、ゴスロリ衣装の少女。シャルティア・ブラッドフォールンを呑み込んだドアは閉まる。
静まり返る執務室に、残された人物は偉大なる支配者であるアインズと、アインズ付き当番であるメイドのみだ。
アルベドはいない。
彼女には彼女の仕事があり、現在その準備に取り組んでいるはずだからだ。
アインズは静かに王座…と言うか室長の椅子にどっかりと座り、シャルティアを呑み込んだドアを睨んだ。
賽は振られた。
先程シャルティアに命じた内容を思い出し、一抹の不安を覚えながらも、最善であるはずと口の中で転がした。
「帝国に空港を造る…か」
事の始まりはアルベドにそう進言された事だ。
フロストドラゴンを使った空輸の計画は元々アインズが発案した新しい計画だ。
ひょんな事から使役することになったフロストドラゴンだが、それを有効活用しようと画策し、そして今の計画に落ち着いた。
一番良いのはナザリックの強化に繋げられる事だが、レベル50にも満たないフロストドラゴンを防衛に充てたところで焼石に水だ。
ならば如何にしてナザリックの利益に繋げられるよう有効活用するか無い脳味噌をカランコロンと捏ねくり回して搾り出したのが空輸計画だった。
陸輸に比べて運べる量は限られるだろうが、その運搬速度は比べるまでもない。
魔導国から帝国まで馬車を使って4日は掛かるその距離を、ドラゴンであれば一日で辿り着く。
その速さはメッセージを過信しないこの世界では重要だ。
まずはナザリックで空輸の実験を行い、後々は魔導国の輸送機関として国を富ませる柱とする予定だ。
輸送機関における事業。
そしてルーン武器の特産品化と言う二つの大きな収入源を軌道に乗せる事が出来れば、国としてやっていける筈である。
…と、言うかやって行けなきゃ困るのだ。
さもなくばまた以前のようにモモンの収入でリザードマンの村の運営やセバスの活動資金のように支えてやる必要がある。
そして流石のアインズも分かる。
そんなの無理だと。
金銭的な額としてもそうだが。
魔導王に仕えているはずのモモンが王都で出稼ぎのような真似をするのも気が引ける。
万が一にも顔見知りの人物とばったり出会そうものなら気不味い事になるのは間違い無い。
絶対嫌だ。
だからこそ魔導国の運営は失敗出来ない。
国の管理をアルベドに一任しているから大丈夫だとは思うが…。
それでも物資の不足など明らかになった事もあり、心配が無いかと言われたら嘘になる。
だからルーン武器の特産品化など、アインズなりにこっそり貢献しようと努力しているのだ。
そんなこんなで計画を進めるアインズに、今朝、アルベドが進言した事が帝国内部に空港を造ると言うものであった。
アルベド曰く。
フロストドラゴンは飛翔時に周囲の人や物を吹き飛ばす恐れがあり、流通の多い帝都の前で飛翔しようものなら人的被害を出すことは必至。
しかし人気の無い離れた場所では手間が掛かり過ぎる上に速さにおけるメリットを損なう事になる。
そこで帝国内部に空港を作ることで安全に飛翔・着陸が出来るようにしよう…と言うのが今回の進言の内容だ。
その進言にアインズは大いに納得した。
大気汚染が深刻化し、安全にフライトが出来なくなった現実世界では空港と言う施設も過去の遺物だ。
とはいえ、ゲームの世界では普通に出てくる飛行機や空港と言うものぐらいは知っている。
元は中世ヨーロッパをイメージしていたユグドラシルでも度重なるアップデートとタイアップの結果、セーラー服から戦車や戦闘機…挙げ句の果てにはパワードスーツまで出てきている始末だ。
最早時代背景など無いようなものだが、当然、空港と言う施設もユグドラシルに存在した。
しかし、最早そんな現実世界に住まうプレイヤー達に『航空力学』の何たるかを問うのは敷居が高かったららしく。
ユグドラシルの世界の飛翔など全て『フライ』によって行われていたし、空港なんてものは最早戦闘機にバフ効果を与える為の装置でしかなかった。
そんな事もあり、空輸の計画を立てたアインズも空港と言う存在は見落としていたのだ。
空輸の事業を始めた結果、吹き飛ばされた人馬や貨物の弁償を帝国から請求されると言う悪夢を想像したアインズは感情が顔に出ないこの身体に安堵しつつもアルベドの進言を受け入れた。
ここまでであれば良くある事だ。
駄目な主人の立てた計画を優秀な部下が訂正しただけの何でも無い日常だ。
しかし、問題はここからだった。
帝国の使者にアンデッドを遣わせようとしたアインズをアルベドが止めたのだ。
そしてアルベドは言う。
「その役目をシャルティアに任せてみては如何でしょう?」
普段と変わらぬ真面目な顔で進言するアルベドにアインズは本気で驚いた。
普段、本妻がどちらか…と言う理由で争っているアルベドが后仇とも言えるシャルティアを薦めたのだ。
理由としては以下のものだ。
一つは、フロストドラゴンの管理はシャルティアの管轄であり、それに関する空港の建設もシャルティアに一任する事は道理である事。
一つは、特使として派遣する今回の任務で『血の狂乱』による暴走が起こる可能性は極めて低く。
今後の為にも、シャルティアが外部に出て命令を実行出来るかどうかをテストする必要がある事。
そして最後に、シャルティアの所有する『ゲート』は遠く離れた場所に一軍を送り込めるものであり、シャルティアを特使として各国に派遣出来れば同時に周辺国を支配する布石を打つ事が出来る事。
これらのメリットを語られアインズも頷いた。
理解できない話では無かったし、何よりアインズ自体、シャルティアをもっと有効利用出来るようにしたいとは思っていたのだ。
そこに一抹の不安を覚えるのは、単純に過去、洗脳されたシャルティアを自らの手で殺した事実がトラウマとなっているからだ。
しかし。
「…信じる事も重要だな」
アインズは小さく口の中で言葉を転がし、ギルドメンバーの中でも特に仲の良かった友の姿を幻視する。
シャルティアを遠くへ派遣する事に対する不安はあるが、それよりも信じたいと思う気持ちが勝った。
勿論、保険は打ってある。
これもアルベドの進言によるものだが、いざシャルティアが暴走したとしても対処が出来るように手配をさせてある。
正確にはアルベドが密かに同行し監視する計画だ。
シャルティアの監視の為に守護者統括が同行するのは過剰かも知れないが、確かにいざシャルティアが暴走すればアウラでは手に余る。
それに対し、防御特化のアルベドならば時間は稼げるだろうし、いざとなれば例のドリームチームがある。
そしてアインズは静かに俯き、突然、眼窩の火を激しく燃やした。
そしてメッセージを発信する。
「パンドラズ・アクター。お前にナザリックに戻る機会を与えよう。アルベドが不在の間、アルベドに代わりナザリックを管理するのだ」
信じる信じない以前に、アルベドの代わりは自分じゃ絶対に無理だから。
ーーー
ーー
ー
ナザリック地下大墳墓。
その地上部にあるログハウスの前に、黒いメイド服を着た金髪の美女が立つ。
墳墓にログハウス、そしてメイドと言うなんともチグハグな組み合わせをした光景だが、それにケチを付けるような人の姿はここに無い。
尤も、『墳墓にメイド』と言う組み合わせにケチを付けた人物は過去にいて、それはそれで悲惨な末路を迎えた訳なのだが…。
それは兎も角。
そんなログハウスの前に、突然なんの前触れも無く黒い戦士が降り立った。
やや上空に出現したソレは地面に着地。上空に僅かな砂埃を舞い上げた。
その突然の光景にも拘らず、金髪の美女は驚いた様子も無く黒き戦士に目を向ける。
通常であれば驚いても可笑しくない光景だが、恐怖や焦りを抱かない理由は誰の目にも明らかだ。
何故なら、その姿は紛れもなく英雄のそれだ。
周辺国にその名を轟かせたアダマンタイト級冒険者の一人、漆黒の英雄『モモン』の姿だった。
しかし次の瞬間には別の『何か』に変わっていた。
派手な軍服を着た卵のような頭をした『何か』。
特にズレてもいない軍帽を被り直すように鍔を握り、そして感情の読み取れない黒点のような目をメイドに向けた。
一時の安堵も束の間、不気味と言う言葉を体言したような『ソレ』の出現に、並の人間なら驚愕のあまり逃げ惑うか、腰を抜かすかのどちらかであろう。
――が、依然としてメイドの様子に変化は無かった。
いや、それどころか好意的に微笑んだ。
「お待ちしておりました。パンドラズ・アクター様」
その瞬間、異型は動く。
まるでエモノの声に呼応したオーガの如く、突然派手な動作で片手を振り上げた。
――が、その振り上げた手で彼女を襲う訳でも無く。
もう片方の手は胸を抑えている。
それが何らかのポーズの類いだと認識するや否や、ババッと更にポーズが変わった。
「おおぅ、これはソリュシャン。ご苦労様です」
そしてめっちゃ軽快に喋りだす。
周辺国に名を轟かせた漆黒の英雄の姿から、不気味な異型へと変貌する何かのホラー映画のような雰囲気は、彼特有のオーバーアクションと喋り方により『火垂るの墓』の蛍よりも儚く散り、創造主すらも「うわっダッサいわぁ」と蔑むダサさとウザさにより妙な空気に成り代わる。
――が、それでもなおメイドの様子に変化は無かった。
彼女は誇り高き戦闘メイドの一人、その中でも『出来るメイド2大巨頭』の一角、ソリュシャン・イプシロン。
出来るメイドなのである。
それはそれとして、ソリュシャンは何処からともなく宝石箱のようなものを取り出すと、パンドラズ・アクターに差し出すように開いた。
そこに収められていた指輪が顔を出す。
「どうぞ、御方の指輪です」
「ありがとうございますソリュシャン!これで私は、再び宝物殿のマジックアイテムを磨く事が出来ます!!」
パンドラズ・アクターが礼を述べ、御方の指輪を手に取った。
それはリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン。
ナザリック内部を好きに転移出来るようにするアイテムであり、彼の目的である宝物殿に行くには絶対に必要なアイテムだ。
しかし、その直後、転移しようとするパンドラズ・アクターは『何か』に気付いて動きを止めた。
ナザリックの誇り高き戦闘メイドである彼女なら絶対にしないであろう半開きのドア。
本来なら捨て置くであろうほんの些細な違和感の先で本来居るはずのない人物の姿を目にしたからだ。
漆黒のボールガウンとボレロガーディアン。頭には大きなリボンの付いたヘッドドレスと言うゴスロリを思わせる衣装を纏った美しい美少女。
それが優雅に椅子に座って本を読んでいた。
そんな、どこか不思議の国から迷い込んだような幻想的な少女の姿は、お淑やかにして聡明な人物を思わせる。
――が、そんな事は無かった。
読書を楽しんでいるはずの目線は1ミリも文章を追っておらず、それでいて時折、チラッ…チラッ…とパンドラズ・アクターの様子を窺っているのだ。
声を掛けられる事を期待している様子がありありと分かる彼女の様子に、パンドラズ・アクターは何処かげんなりした様子でドア越しにシャルティアを見詰め、思う。
『やらかし・ブラッドフォールン』と。
至高の御方に命名された尊い名前を貶す行為は大罪だ。
しかしコイツは自身の創造主であるアインズ様に多大な迷惑を掛けた張本人だ。
正確に何があったかは聞かされていないが、ワールドアイテムを持ち出すほどの一大事になった上、5億枚もの金貨を消費する事になったのだ。
せめて心の中でぐらいは許して欲しかった。
とは言え、声を掛けられる事を期待してそうな彼女の様子に、無視して転移する。…等と言う選択肢は無かった。
基本的にパンドラズ・アクターは紳士だ。
更に言うなら、シャルティア・ブラッドフォールンは階層守護者であり領域守護者である自分よりは立場が高い人物だ。
そう言う目上の存在を目にして挨拶も無しに消える程腐ってはいない。
「失礼」
パンドラズ・アクターはソリュシャンに背を向け、ドアノブを掴んだ。
「失礼します」
そしてドアを開け放つ。
当然だが中にはシャルティアがいた。
二人の下僕、ヴァンパイア・ブライドを左右に立たせ、本人は優雅に本に目を落とす。
そしてシャルティアは今気づきましたとばかりに顔を上げた。
ヴァンパイア特有の赤い瞳がパンドラズ・アクターを捉え、そして微笑む。
今日はすこぶる機嫌が良さそうだ。
「これはパンドラズ・アクター。奇遇でありんすね」
「ええ。シャルティア様。どうしてこちらへ?」
質問するや否や待ってましたとばかりにシャルティアは目を細めた。
読んでいた本を隣のテーブルに置き、向き直る。
それだけの動きでありながら、非の打ち所が無い程の美少女である彼女の動作は優雅でいて華憐だ。
しかし置いた本の表紙である『ひらめきまくり!謎解きクイズ50選』と言う、なんとも優雅さの欠片も無いタイトルが彼女の印象を良い具合に台無しにしている。
しかしそんな事など何処吹く風とシャルティアは優雅に微笑んだ。
「アインズ様の御命令で、帝国へ行くことになりんした。よって馬車の準備が整うのを待っていんす」
「おお、シャルティア様が帝国に!?」
「ええ、アインズ様の御計画で帝国に空港を造らせる予定でありんす。なので、皇帝に直接命令しんす。妾はその特使に選ばれた訳でありんすぇ」
大役でありんすっ!と鼻を鳴らすシャルティアに対して『あー。子供のお使いですね』と心の中で吐き捨てた。
帝国は現在アインズ・ウール・ゴウン魔導国の属国にある。
属国の立場にある帝国が宗主国である魔導国の要求を突っぱねられるハズがないのだから、こんなものは誰が行ったところで難航しない。
増してやその程度の要求を。
しかし、そんな感想を素直に口にすればシャルティアとしても面白くは無いだろうし、パンドラズ・アクターとて仲間同士の諍いなど望んではいない。
だからこそ彼はそんな感想を胸の奥に隠し、褒める。
「それはっ!すっばらしぃいい!!是非とも手柄を立ててください!!」
あたかもそれが大役であるかのように、驚いた仕草で褒めちぎる。
シャルティアもシャルティアで満更でもない様子だ。
これまで失敗のリスクもないゲート要員として日陰の日々を送っていた彼女が、ようやく日の目を見た瞬間だ。
気持ちはまぁ分からない事はない。
…例えそれが子供のお使いであったとしても。
「して、主はこれから何方へ?」
鼻高々といった様子で胸を張るシャルティアも話の流れでパンドラズ・アクターに問掛ける。
瞬間、彼の機嫌のバロメータはググッと上昇した。
パンドラズ・アクターにとって今回の命令は吉報だ。
ナザリックに仕えるNPCにとって至高の御方に仕える事こそ至福であり、御方の命令自体が吉報ではあるのだが、それが自分の為に配慮されたものであるなら望外の喜びだ。
以前から要請…この場合は御願いに近いが、ナザリックの管理をアルベドから引き継ぐ事と並行して、宝物殿に戻る御許可を頂けたのだ。
これで機嫌のバロメータが上昇しない訳がない。
そんな彼の機嫌を代弁するかのように、ババッバ!…とその手足を踊らせた。
「私は!これより宝物殿に籠もり、マジックアイテムの品々を磨く予定です!!」
これでもかと見せ付けた決めポーズ。
意気揚々と応えたパンドラズ・アクターの返事を聞くや否や、シャルティアの表情が変わる。
「あら…。そう」
その憐憫の情を思わせる眉の傾きに、パンドラズ・アクターの脳裏はポンッと副料理長の顔を生成した。
『これだから女性は!』
と、憤怒する副料理長を思い浮かべ、何と無く今なら一緒に美味しいお酒が飲めるかも…等と考え、シャルティアを見やった。
しかし、それはそれとしてパンドラズ・アクターはシャルティアに嫌悪感や憎しみが有る訳でも無い。
憎めない奴…と言うのが正しいのか。
理由は自分ですら定かではないが、かなり好意的な感情を抱いている程だった。
『お前は、ひょっとするとシャルティアとは気が合うかも知れないな』
ふと、パンドラズ・アクターはそこでアインズ様が仰られた言葉を思い出す。
ツアレと言う人間の娘を保護した後の事だ。
あの日、妙に機嫌の良かったアインズ様がパンドラズ・アクターを見るなり溢した言葉がソレだった。
当時は何と無くで流した言葉だったが、今となっては的を得た言葉だったのだと理解ができる。
流石はアインズ様。そんなところまで私達の事を御見通しとはーー…。
創造主の彗眼に敬意を念を懐きつつ、パンドラズ・アクターはログハウスを後にした。
指輪の効果で宝物殿へと続く通路へと移動した彼は、ふとその時に考え至る。
普通に考えて帝国へ向うシャルティアがログハウスにいる必要は無い。
それもわざわざ本を読んで(なかったが)まで時間を潰す必要は無いのだ。
ひょっとするとシャルティアも自分がエ・ランテルから戻ってくる事を知って待っていたのかも知れない。
そんな推測が生まれるが…。
まさかな。と彼はその推測は投げ捨て、宝物殿へ向かった。
今回の捏造。
水道…を模したマジックアイテム。
帝国における水道事情は想像です。
王国よりも魔法が発展している帝国は街灯など、生活環境を向上させるマジックアイテムが存在してるので、一部民間にも流通していると解釈。
生活魔法とかあるし。
そろそろ、帝国や八本指にもスポット当てていきます。
それに伴い、不穏な雰囲気強くなるかなーと思います。