Sword Art Masked Rider   作:通りすがりの幻想

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第9話です。

あけおめです。

新年一発目の投稿、お待たせしました。

クリスマスに続いて、年越しもボッチでした。
元カノと過ごしていた中学時代が懐かしい…(遠い目)

大晦日から気温差にやられて風邪引いてました。
でも寝てるのも暇なので執筆しました。
結果。
また思ったより早く書きあがりました。

以上。






Ep.9 ソノ男、仮面の戦士につき

(カイタside)

 

俺はシリカに付き添って、「思い出の丘」へ向かった。

 

そこに生えると言われる、ビーストテイマーの使い魔を蘇生する事の出来る花、「プネウマの花」を入手する事が目的だ。

 

…だが、そうは問屋が卸さないとは、この事だろう。

 

花を手に入れた俺たちの前に、シリカを狙うプレイヤー、ロザリアが立ちはだかった。

 

カイタ「ロザリアさん…いや、オレンジギルド、「タイタンズハンド」のリーダーさん、と言った方がいいかな?」

 

俺はロザリアを煽りつつも、念のため確認を取った。

 

ロザリア「…へぇ、そこまで知ってたんだ。」

 

カイタ(…やっぱりか。)

 

思った通りだった。

 

この層に来る一週間前位に、キリトからある情報を得ていた。

 

その時は大して意味のない情報だったが、あの宿屋でロザリアを一目見た瞬間に、キリトの情報を思い出した。

 

そして、キリトから情報を補填してもらい、あいつがオレンジギルドのリーダーではないかという結論に至った。

 

シリカ「オ、オレンジ!?…で、でも、ロザリアさんのカーソルは、グリーンですよ!?」

 

確かに、ロザリアのカーソルは犯罪者を表すオレンジではなく、グリーンのままだ。

 

だが、それもオレンジギルド特有の単純なからくりによるものだ。

 

カイタ「オレンジギルドと言っても、全員が犯罪者カラーじゃない場合もあるんだ。グリーンのメンバーが獲物を見繕い、そいつのパーティーに紛れ込み、待ち伏せのポイントへ誘導する。典型的な手口だ。」

 

ちなみにこれは、キリトから得た知識だ。

 

カイタ「ついでに言うと、昨夜俺たちの会話を盗み聞きしてたのも、あいつの仲間って所だ。」

 

さらに補足説明をする。

 

シリカ「じゃ、じゃあ、ここ最近一緒のパーティーにいたのは…」

 

途端に俺たちを見ていたロザリアが声を上げる。

 

ロザリア「ええ、そうよ。たんまりお金が貯まる、狩り時を待ってたのよ。まあ、今日にでも殺るつもりだったけどね。」

 

ロザリアの口の端が上がり、イヤな笑いに変わる。

 

ロザリア「だから一番狙ってたアンタがパーティー抜けちゃったって聞いたときは、どうしようかと思ったわよ。でも、アンタが『プネウマの花』を探しに行くって情報が入ったから、こりゃ天からの恵みだと思ってアンタのところに一人派遣したのよ。」

 

カイタ「ついに本性表しやがったな。クズ野郎。」

 

俺はロザリアを睨みつける。

 

ロザリア「あーら、怖い怖い。…そういえば、剣士サン。あんた、アタシがオレンジのリーダーだって分かってて、その子に付き合ったのってどうして?本物のバカかしら?それともまさか、ほんとに体で誑し込まれちゃったのかしらぁん??」

 

…クズもここまで来ると哀れになってくる。

 

俺は、今にも短剣を抜いて飛び掛かりそうなシリカを抑えながらこう言った。

 

カイタ「はぁ…あいにくだがどっちも違う。俺はアンタを探してたんだよ。…正確には、アンタを探してたやつから頼まれて、アンタを探してたんだがな。」

 

ロザリア「はぁ?」

 

そして俺は怒りを抑えながら、キリトから聞いた情報を確認の意味合いも込めて暴露する。

 

カイタ「…アンタ、10日前に、38層で『シルバーフラグス』っつうギルドを襲ったみたいじゃねえか。ギルドのメンバー4人が殺害され、リーダーだけは命からがら脱出した。そのリーダーは毎日最前線のゲート前で、泣きながら敵討ちをしてくれるやつを探してた。実際俺もそいつは見たことある。」

 

ロザリア「…ああ、あの貧乏な、大した収穫も無かった連中ね。」

 

ロザリアがあくびをしながらそう返す。

 

……もうだめだ。抑えきれない。

 

俺は自分から殺気が立ち上るのを自覚しながらこう付け加えた。

 

カイタ「だが、リーダーは依頼を引き受けた俺の知り合いに、ある条件を出した。それは、そいつらを殺さずに、黒鉄宮の監獄に入れてくれ、というもんだった。…あんたに、あの人の気持ちが分かるか?」

 

ロザリア「知らないわよ。そんな事。ここで人を殺したって、ほんとにその人が死ぬ証拠なんてないし、第一、その状態で現実に戻ったところで、罪に問われるわけでもないし。」

 

途端に、ロザリアの目に、狂暴な光が宿る。

 

ロザリア「アタシはねぇ、正義とか、法律とか、そういった妙な理屈をこの世界に持ち込む奴が大嫌い。…あんたの巻いた餌に嵌ったのは認めるよ。けど、これを一人でどうにか出来ると思ってんの?」

 

その瞬間、木の陰から、たくさんのプレイヤーが出てきた。

 

大方、全員タイタンズハンドの構成員だろう。

 

その証拠に、一人を除いて全員のカーソルがオレンジになっている。

 

グリーンの一人は、俺とシリカの会話を盗み聞きしてた奴だろう。

 

シリカ「か、カイタさん、人数が多すぎます。早く逃げましょうよ…!」

 

シリカが震えながら俺に訴える。

 

それに俺は、シリカの頭をなでながら小声で答える。

 

カイタ「大丈夫だ。言っただろ。俺が逃げろというまでは、結晶を持ってれば平気だ。」

 

 

俺は盛大にため息をついてロザリアにこう言った。

 

カイタ「…お前バカか?脳みそに筍でも生えてんのか?俺がいつ、一人で挑むつったよ?」

 

ロザリア「あ?何言ってんのよ?」

 

…もう聞く事は聞けた。

 

カイタ「…先生、出番だぜ!!」

 

シリカ「え?」

 

ロザリア「なっ…!?」

 

キリト「…やっと見つけたぞ、ロザリア!」

 

俺の合図で近くで隠れていたキリトが、潜伏を解除して俺の隣に並び立つ。

 

カイタ「はーはっはっはっ!こんな事もあろうかと用意しといたんだ!

備えあれば嬉しいな☆ wwwww」

 

キリト「おい、その笑い方だとこっちが悪者みたいだぞ…」

 

すっかりツーカーの仲になった(と俺は思う)キリトが俺の態度に呆れてツッコミを入れる。

 

ロザリア「て、テメェ…待ち伏せとは卑怯だぞ!」

 

カイタ「へっ、おたくも物量作戦仕掛けただろぉが。」

 

シリカ「あ、あのぉ、カイタさん?この人は…」

 

カイタ「ああ、シリカ。紹介するぜ。コイツはキリト。俺なんかよりも断然強い、そして頼りになる…俺の相棒だ。キリト、この子はシリカだ。ビーストテイマーで、ここには彼女の使い魔を復活させるために来たんだ。」

 

キリト「よろしく。」

 

シリカ「は、はい。…あのぉ、キリト、さんはなんでここに…?」

 

キリト「ああ、実はな…」

 

実は昨夜、キリトとこんな会話をしていたのだ。

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

 

キリト「…どういう事だ?」

 

カイタ「お前この前、ギルド一つ壊滅させたっていう、オレンジギルドのリーダーを探してるって言ってたよな?」

 

キリト「ああ、そうだが…それがどうかしたのか?」

 

カイタ「…そいつってさ、もしかして、真っ赤な髪をカールさせた、イヤーな女か?」

 

キリト「そ、そいつだ、どこに居る!」

 

カイタ「まあ、落ち着け。そいつかもしれないってだけだ。…実は明日、47層の「思い出の丘」に行く事になってるんだ。俺の狙いが正しければ、奴もそこに現れる。そこでお前には、指定のポイントで待ち伏せをしていてほしいんだ。それで、俺が合図したら、飛び出してほしい。頼めるか?」

 

キリト「…分かった。じゃあ、丘の手前で隠れとくぜ。」

 

カイタ「…じゃあ、そういう事で。頼むぜ?」

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

 

シリカ「私が寝てる間にそんな事が…」

 

カイタ「ああ。という訳で、シリカ、ここはキリト大先生に任せていったん下がるぞ。」

 

シリカ「わ、分かりました。」

 

カイタ「…じゃあ、キリト、手はず通りに頼むぜ?」

 

キリト「ああ、カイタも、ちゃんとその子を守ってくれよ?」

 

「……キリト?カイタ?今あいつら、お互いをそういったか?」

 

その時、ロザリアのそばに控えていた一人のオレンジプレイヤーがそうつぶやいた。

 

「その恰好…盾無しの片手剣…。ま、まさか、<黒の剣士>…!?」

 

「そ、それにそっちは、青い目に、黄色と黒の剣…<仮面の戦士>か!?」

 

…ん?

 

<仮面の戦士>?

 

なんだってそんな名前が…

 

「ロ、ロザリアさん、こ、こいつら、ビーター上がりの、こ、攻略組だ!」

 

「黒の剣士は、単純な総合力はSAOトップクラス…仮面の戦士は総合力では黒の剣士には及ばないですけど、問題なのは彼のスキルっす!なんでも、異形の戦士に変身するとかいう噂があるんすよ!」

 

…おい誰だそんな噂流した奴は。

 

いや事実だけど。

 

カイタ(誰かに見られたのか…?)

 

まあ、そんな事はどうでもいい。

 

俺はびっくりした顔でこっちを見るシリカを連れて、キリトの後ろに下がった。

 

一方、ロザリアはここまでずっとポカンと口を開けていた。

 

と思ったら、我に返ったのか、甲高い声で叫んだ。

 

ロザリア「ば、バカ言ってんじゃないわよ!攻略組がこんな中層をうろついている訳ないでしょ!?どうせ名前を騙った偽物だよ!」

 

「そ、そうだ!それに、攻略組って言えば、金やアイテムをたんまり持っているぜ!」

 

賊たちが一斉に抜刀する。

 

それを見ても、キリトは動じなかった。

 

ロザリア「…お前ら、かかれぇ!」

 

ロザリアの掛け声と共に奴らが一斉に飛び掛かり、キリトに攻撃を加える。

 

だが、やはりキリトは動かない。防御の姿勢すら取らない。

 

シリカ「か、カイタさん!なんで動かないんですか!?このままじゃ、キリトさんが…死んじゃいますよ!!」

 

今にも飛び出しそうなシリカを抑えて俺は言った。

 

カイタ「安心しろ。シリカ。キリトのHPゲージ見てみな。」

 

シリカ「…え?」

 

キリトは防御の姿勢すらとっていないので、攻撃を受け続けている。

 

━━だが、キリトのHPゲージは減っていなかった。

 

いや、正確には、減っている。

 

しかし、10秒ほど経過すると、たちまちゲージが右端まで回復する。

 

シリカ「え…えっ?ど、どういう事ですか!?」

 

ロザリアたちも異変に気付いたようだ。

 

「こ、こいつ、不死身か!?」

 

キリト「…カイタ、見ててどうだった?」

 

キリトが俺に質問してきた。

 

カイタ「まあ、10秒で400って所かね。」

 

キリト「ああ、大体それくらいだ。」

 

「な、なんだよ、何の話をしてやがる!」

 

キリト「何って、あんたら9人が10秒で俺に与えられるダメージの総数だ。俺のレベルは78、HPは14500、さらにバトルヒーリングスキルによる自動回復が10秒で600ある。何年かかっても俺は倒せないぜ。」

 

「く、くそ、だったら、もう一人の方を…!」

 

カイタ「ああ!念の為言っとくけど、俺はそれの上位スキルの、ハイバトルヒーリング持ってるから!…まあ、最近身に付けたから、熟練度はまだまだだし、回復量もキリトに及ばないけど、5秒で250は回復するぜー!」

 

「…な、なんだよ、それ、無茶苦茶じゃねえか…」

 

キリト「ああ、そうさ。たかが数字、されど数字。それが増えるだけで、ここまでの差がつく。それがレベル制MMOの理不尽さというものなんだ…!」

 

そうキリトが吐き捨てる。

 

その声に気圧されたように、男たちがあとずさる。

 

その時、戦況を黙ってみていたロザリアが、声を上げた。

 

ロザリア「ちっ、仕方ないね!おまえら、あれを使うよ!」

 

「で、でもボス、あれはいざという時以外使うなってお達しが…」

 

ロザリア「今がその「いざという時」でなくて何だっていうんだい!つべこべ言わずお前らも出しな!」

 

そう言って、ロザリアと他の奴らも、何かをストレージから取りだした。

 

この時、俺は、(どうせ大したもんは出てこないだろう。)と高をくくっていた。

 

 

 

 

 

【フォースライザー…!】

 

 

【レイドライザー!】

 

 

 

 

 

だから、この起動音が聞こえた時、自分の耳を疑った。

 

カイタ「…………………はぁ?」

 

キリト「…え?」

 

見ると、ロザリアや、奴の仲間が腰に何かを巻いていた。

 

カイタ(嘘だろ…なんであれをあいつらが…!?)

 

それは、この世界に無いはずの「滅亡迅雷フォースライザー」と「レイドライザー」だった。

 

「滅亡迅雷フォースライザー」は、ゼロワンの敵組織である「滅亡迅雷.net」の幹部4人が使用するベルトだ。あのドライバーは、ゼロワンシステムと違い、わざわざキーを認証(オーソライズ)する必要が無く、強制的にプロテクトを解除してデータを引き出す事で変身に使う。

 

「レイドライザー」は、同じくゼロワンに登場する、世界を股にかける大企業「ZAIAエンタープライズ」の日本支社「ZAIAエンタープライズジャパン」が秘密裏に作成した、いわば人間版フォースライザーといった所だ。(もっとも、人間でも、フォースライザーを使う事は出来る。装着時に、尋常じゃない痛みが襲うが。)ただ、フォースライザーと違う所は、プロテクトを強制的に解除するのではなく、疑似的な認証(オーソライズ)を実行するという事だ。

 

カイタ(というか、そもそもなんでここに!?)

 

そう、結局のところ、俺のゼロワンシステムと同じで、本来この世界にはあるはずのない物である事に変わりはない。

 

 

【ポイズン…!】

 

【ハード!】

 

 

俺たちが混乱してる隙に、奴らはプログライズキーを起動し、それぞれのベルトに装填した。

 

 

ロザリア「…変身。」

 

「「「「「「「「「実装!」」」」」」」」」

 

 

【フォースライズ…!】

 

【レイドライズ!】

 

 

【スティングスコーピオン! Break down…!】

 

【インベイディング!ホースシュークラブ! Heavily protected battle armor equipped with extra battle specifications.《大量生産されたバトルアーマーには追加のバトル仕様が装備されています。》】

 

 

そして、ロザリアは「仮面ライダー滅」に、グリーンの一人を除く他の9人は、「バトルレイダー」に変身した。

 

シリカ「な、何ですか!?あれ!」

 

キリト「…おい、カイタ、これって。」

 

カイタ「…こいつは、想定外だったな。」

 

キリト「…どうするよ。」

 

カイタ「…どうもこうもねえよ。選手交代だ。ここは俺が出る。シリカを頼むぜ。…あと、例の回廊結晶も、準備よろしく。」

 

キリト「分かった。気を付けろよ。」

 

そういってキリトと入れ替わる。

 

キリト「コリドー・オープン!」

 

キリトが回廊結晶を手に叫ぶ。

 

すると、結晶が砕け、代わりにゲートが出現した。

 

キリト「…コイツは依頼主のリーダーが全財産をはたいて買った回廊結晶だ。行き先が黒鉄宮に設定されてる。…最終通告だ。全員、ここに入ってもらおうか。」

 

ロザリア「…いやだと言ったら?」

 

キリト「その時は…」

 

カイタ「俺が全員まとめてぶっ倒す。」

 

シリカ「か、カイタさん、何を…!?」

 

滅(ロザリア)「あらぁ。今度はアンタが遊んでくれるの?…でも悪いね。アンタの遊び相手はこいつらだ!いくら自動回復でも、この攻撃力の前では焼石に水だろ!お前ら、やっちまいな!」

 

カイタ「…あいにくとそうでもねぇんだよ。」

 

【ゼロワンドライバー!】

 

滅(ロザリア)「なっ!?それは…!?」

 

カイタ「そんな物ちらつかされちゃあ、手加減は出来ねぇな…悪いが速攻でケリを付けさせてもらう。」

 

【ジャンプ!】

【オーソライズ!】

 

上空から、データで転送されたホッパーライダモデルが降ってきた。

 

シリカ「え、ええ!?ば、バッタァァ!?」

 

カイタ「…変身!」

 

【プログライズ!】

【ライジングホッパー! A jump to the sky turns to a rider kick.(空へのジャンプはライダーキックに変わる。)

 

「な、何だ、こいつ!」

 

カイタ「俺は《仮面の戦士》…またの名を、仮面ライダー……ゼロワン!それが俺の名だ!」

 

すぐさま俺も、仮面ライダーゼロワンに変身した。

 

シリカ「ええええぇぇぇぇ!!か、カイタさんも、変身したぁぁぁ!!」

 

キリト「…おぉ、カッコいいな…」

 

後ろで、シリカが驚き、キリトが感嘆の声を上げている。

 

…そういえば、キリトは俺の正体を知ってるとはいえ、間近で変身を見たことは無かったか。

 

やはり男の子の琴線に触れるものがあるのだろうか。

 

滅(ロザリア)「…ふ、ふん!所詮姿が変わったところで同じ事!やっちまいな!」

 

ロザリアの合図で、バトルレイダーが飛び掛かってくる。

 

【アタッシュカリバー!】

 

カイタ「そらよっと!」

 

「ぐあっ!」

 

だが、俺はその突進を、アタッシュカリバーで難なく捌いた。

 

カイタ(…とは言っても、相手は人間なんだよなぁ。)

 

そう。通常のマギアであれば、ライダーキックをぶち込めば簡単に倒せる。

 

だが、今回の場合、普通にライダーキックを放ってしまうと、装着者にまでダメージが入り、最悪死に至る可能性があるかもしれない。

 

なので、攻撃を与える箇所を、レイドライザー本体に限定する必要がある。

 

ベルトが破損すれば、無傷で変身を解除させる事が出来ると思ったからだ。

 

…無論、それは俺も同じ事だが。

 

カイタ「はあぁぁぁっ!」

 

まずは、ホリゾンタル・スクエアで4体のベルトを破壊。

 

カイタ「か~ら~の~!」

 

【ブリザード!】

【(ガシュン) Progrise-key confirmed. Ready to utilize.】

【ポーラーベアーズ、アビリティ!】

【フリージング!カバンストラッシュ!】

 

硬直が解けたあと、立て続けにフリージングカバンストラッシュを発動し、こちらに向かってくる4体を氷漬けにした後、すれ違いざまに腰の辺りを切り裂いてベルトを破壊。

 

カイタ「これで…ラストォ!」

 

そして、驚きで動けない最後の一体の眼前に迫り、これまた最近身に付けた、片手剣の単発重攻撃「ヴォーパル・ストライク」をゼロ距離でベルトにぶち込んだ。

 

その間、1分にも満たない出来事だった。

 

俺に襲い掛かろうとしたバトルレイダーたちは、一人残らずベルトを破壊され、地面に転がった。

 

滅(ロザリア)「う、嘘だろ…」

 

シリカ「い、一瞬で…」

 

カイタ「あとはテメェだけだ…ロザリア!」

 

ロザリア「くっ…」

 

カイタ「おらああ!!」

 

俺は大きく飛びあがり、太陽を背にして、カリバーを振り下ろした。

 

そして、ロザリアまであと数メートルといったところで、

 

 

ロザリア「…な~んてね。」

 

【アタッシュアロー!】

【アローライズ!】

 

 

奴がウェポンを展開し、俺にターゲットを定め、弓を発射した。

 

カイタ「っ!?」

 

すんでの所で俺はカリバーで弓を弾いた。

 

だが、その時に発生した埃で、ロザリアを見失ってしまった。

 

カイタ「くっ…どこだ!」

 

ロザリア「あらぁ~?どこ見てるのぉ?」

 

(バンッ!)

 

カイタ「ぐあっ!」

 

俺がロザリアを見失っている隙に、奴は俺に向けて弓を連続発射。

 

数発が俺に命中し、ゲージが1割ほど減った。

 

カイタ「くそっ、ならこれで…!」

 

【ファング!】

 

俺は「バイティングシャークプログライズキー」を起動した。

 

【オーソライズ!】

【プログライズ!】

【キリキリバイ!キリキリバイ!バイティングシャーク! Fangs that can chomp through concrete.(その牙はコンクリートをも嚙み砕く。)

 

カイタ「はあっ!」

 

俺はゼロワンのハイブリッドライズの一つ「バイティングシャーク」にフォームチェンジした。

 

その後すかさず、こちらに向かって放たれた弓を、腕部に形成された「アンリミテッドチョッパー」で全て切り捨てる。

 

ロザリア「へぇ、なかなかやるじゃない。…だけどぉ、」

 

 

「後ろがお留守だったようねぇ!」

 

 

カイタ「!?」

 

完全に油断していた。

 

俺が弓に気を取られている隙に、ロザリアが背後に移動していた。

 

カイタ「しまっ…!」

 

【(ガシャン)】

 

ロザリア「今頃気づいても遅いんだよぉ!くたばりなぁぁぁ!!!」

 

【(ガシャン)スティング!ディストピア!】

 

(ガアアン!)

 

カイタ「がはっ…!?」

 

ロザリア「おおおおおらあああ!!!」

 

カイタ「ぐあぁぁぁぁっ!!!!」

 

仮面ライダー滅のライダーキック「スティングディストピア」が、俺の背中にもろに命中、あっけなくキリト達の方へ吹っ飛ばされた。さらに、その際のダメージで、強制変身解除され、生身に戻ったばかりか、俺のHPが残り5割を切っていた。

幸いだったのは、ベルトへの直撃は避けられたところだ。

 

キリト「カイタっ!!」

 

シリカ「カイタさん!!」

 

キリト達が駆け寄ってくる。

 

ロザリア「あはは!仮面の戦士っていうから、どんな力か期待してたけど、所詮はこの程度だったって事ねぇ!…このままアンタを倒して、アタシがアンタを越えてやるわ!」

 

カイタ「ぐっ…」

 

今回ばかりは厳しいか。そう思った。

 

が、

 

カイタ(ん?)

 

直後、強制変身解除したと同時に出たウィンドウを見て気が変わった。

 

そこには、

 

 

『スキル《仮面ライダーゼロワン》の熟練度が500になりました。EX(エクストラ)スキル「シャイニングホッパー」が使用可能になりました。』

 

 

と書かれていた。

 

カイタ(……まじで?)

 

もしかすると、勝てるのではないだろうか。

 

…だが、相手はゼロワンでも屈指の実力を誇るライダー。

 

もし失敗すれば…。

 

いや、そんなことは無い。

 

回復ポーションを飲んだ俺は、ロザリアに言い放つ。

 

カイタ「…お前じゃ勝てない。」

 

ロザリア「…あ?」

 

恐れるな。

 

俺は仮面ライダー。

 

いつでもその限界を超えてみせる…!

 

カイタ「俺を越えられるのは…ただ一人!」

 

【シャイニングジャンプ!】

 

カイタ「俺だ!」

 

【オーソライズ!】

 

俺はキーを展開し、頭上に掲げた。

 

そこに、一筋の光が差し込み、円形のゲートが出現。

 

そのまま、鍵を回して開ける要領で、キーを回すと、さながらオンブバッタの様に、ライジングホッパーのライダモデルを背中に乗せたシャイニングホッパーのライダモデルが出現した。

 

俺はそのまま腕をクロスし、叫び、キーをドライバーに装填した。

 

カイタ「…変身!」

 

 

 

【プログライズ!】

 

The rider kick increases the power by adding to brightness!(ライダーキックは輝きを纏って強くなる!)

 

【シャイニングホッパー!】

 

When I shine,darkness fades.(俺が輝く時、闇は消える。)

 

 

 

かくして俺は、ゼロワンの強化形態である「シャイニングホッパー」に変身した。

 

シリカ「あ、あれ?なんか、さっきまでと違う…?」

 

ロザリア「なによ。少し変わっただけじゃない。…もう飽きたわ。」

 

【(ガシュン)ポイズン…!】

 

ロザリア「だからさぁ…」

 

【(ガシュン) Progrise-key confirmed. Ready to utilize.】

【スコーピオンズ、アビリティ!】

 

ロザリア「さっさと死ねぇぇぇ!!!!」

 

【スティング!カバンシュート!】

 

いくつもの矢が分裂して襲い掛かってきた。

 

シリカ「か、カイタさん!逃げてください!こんなの避けられませんよ!」

 

確かに、避けられないだろう。

 

…さっきまでの俺なら。

 

カイタ「…行くぞ」

 

俺は意識を集中させた。

 

すると、ゼロワンのスーツ頭部にある、「ホッパーマスク」の視覚装置「ホッパーアイ」に、様々な俺の(・・)行動パターンが表示される。

 

カイタ「…逆算、終わったぜ?」

 

(シュンシュンシュンッ!)

 

シリカ「え!?」

 

キリト「は、速いっ…!」

 

ロザリア「…は、はぁ!?ぜ、全部躱した、だと…テメェ、何しやがった!」

 

カイタ「…言っただろ。『逆算』って。」

 

実は、これらは全て、シャイニングホッパーの能力によるものだ。

 

シャイニングホッパーの最大の特徴。

 

それは、額部分に搭載された演算処理装置「シャイニングアリスマテック」だ。

 

この装置は、敵をラーニングする事で行動を予測して、約25000通りの対処パターンを算出、その中から最適解をわずか約0.01秒で導き出す事が出来る。

 

早い話、敵が取ろうとする行動をその直前で逆予測し、別の手を打つ事が出来るという事だ。

 

これを利用し、ロザリアが放つ弓の弾道を予測し、それを避けるルートを導きださせた。

 

ロザリア「な…何だと…」

 

カイタ「おら、よそ見してる場合か?」

 

(シュンシュンシュンッ!)

 

ロザリア「なっ、ぐあああ!!」

 

俺の攻撃速度についてこれず、ロザリアが盛大に吹っ飛ぶ。

 

が、やはり変身解除とまではいかないようだ。

 

カイタ「これで…終わりだ!」

 

俺は、ドライバーのキーを押し込んだ。

 

【シャイニング!インパクト!】

 

カイタ「はああぁぁ…おらああぁぁ!」

 

一瞬でロザリアに詰め寄り、空に打ち上げる。

 

そこから、シャイニングホッパーの機動力を生かして、空に舞い上がるロザリアに連続でライダーキックをお見舞いする。

 

そして最後に、ロザリアの移動地点に先回りして、

 

 

カイタ「こ れ で も く ら え ぇ ぇ ぇ ぇ !」

 

 

ロザリア「ぐはああああぁぁぁ!!!」

 

スタンプを押すが如く、奴の体にとどめの一撃を叩き込んだ。

 

そのまま、地面に落下し、地面にはクレーターのような物が出来上がっていた。

 

その瞬間、ロザリアの体に電流が走り、スーツが砕け散るように、変身が強制解除された。

 

見ると、俺の足は奴のベルトに食い込んでおり、完全に破壊されていた。

 

ロザリア「う…ぐ…」

 

カイタ「…ったく、手間かけさせやがって。」

 

俺は、シャイニングホッパープログライズキーをドライバーから抜いて、変身を解除しながらつぶやいた。

 

シリカ「…か、カイタさん…すごかったです…」

 

キリト「……ロザリア、神妙にしてもらおうか。すでにあんたの仲間は黒鉄宮へいったぜ。」

 

離れていたキリトとシリカが近くにやってくる。

 

ロザリア「く、くそ…アタシは行かねぇぞ…!」

 

カイタ「へっ、往生際が悪いな…!」

 

俺は片手剣を取り出し、ロザリアの顔面にかざす。

 

ロザリア「…やりたきゃやれ。言っとくが、グリーンのアタシを傷つけたら…!」

 

その挑発に、俺は冷たく切り返す。

 

カイタ「…あいにく、俺はソロだ。一日二日オレンジになるくらい、どうって事ない。」

 

俺は、ロザリアの首元へ向け、剣を振り下ろした。

 

 

(シリカside)

 

ロザリアさんが斬られる所を想像して、あたしは目を瞑る。

 

…だが、斬撃音が聞こえない。

 

そっと目を開けると、地面にへたり込むロザリアさんの首元の、わずか数ミリ手前で、剣は止まっていた。

 

カイタ「…なーんてな。」

 

カイタさんが笑いながら剣を引く。

 

カイタ「お前みたいなクズを斬った所で、俺の剣が汚れちまうからなぁ…。」

 

ロザリアさんがほっと息をつく。

 

カイタ「……失せろ。」

 

ロザリア「…へっ?」

 

その瞬間、背筋が凍った気がした。

 

カイタさんから、言い知れない殺気が立ち上ったからだ。

 

あたしは思わずキリトさんの背中に隠れた。

 

カイタ「俺の気が変わらねぇ内に……」

 

「とっとと消えな……!!!」

 

ロザリア「……ぃ」

 

カイタ「…あ?」

 

ロザリア「……甘いなぁぁぁぁ!!!」

 

その瞬間、ロザリアさんが隠していた短剣でカイタさんに飛びかかった。

 

シリカ「カイタさんっっ!!」

 

カイタ「…………」

 

(すっ…)

 

カイタさんの頬に赤い傷のエフェクトが入り、ロザリアさんのカーソルがグリーンからオレンジになった。

 

カイタ「シリカ、耳と目ぇ閉じてろ。」

 

 

「ここから先は、お前が見聞きしていいもんじゃない。」

 

 

シリカ「…えっ?」

 

 

(キリトside)

 

カイタがシリカに耳と目を閉じろと指示して、彼女は困惑しながらそれに従った。

 

キリト(…何する気だ?)

 

と、その瞬間、

 

(ブオンッ!!)

 

F1カーみたいな音が響き、カイタがロザリアの背後に回った。

 

ロザリア「なっ!?」

 

(ズパンっ!!)

 

ロザリア「がはっ…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

 

キリト「っ…!」

 

一瞬でロザリアの右肩が切り落とされた。

 

このままではカイタがオレンジに…

 

と思いかけて、彼のカーソルが変わらない事に気づいた。

 

原因はすぐに分かった。

 

キリト(そうか…!ロザリアはグリーンのカイタを傷つけた、だからカーソルが変わった。だが、カイタが攻撃しても、すでに犯罪フラグが立っているロザリア相手では、カーソルが変わる事は無い!)

 

ロザリアは肩を切断された痛みで悶絶している。

 

この世界では、肩の切断などは、部位欠損として扱われ、数分経てば生えてくるし、痛みも現実ほどではないと聞く。だが、それでもやっぱり斬られれば痛いものは痛いのだろう。

 

カイタ「……バカが。言っただろ。“気が変わる前に消えろ”って。……まあいい。要件を一つ思い出したからな。」

 

カイタに表情は無い。

 

カイタ「……テメェらが犯した罪は今更言うまでもねぇ。さっさと黒鉄宮に行って反省してきな。」

 

代わりに、ロザリアに剣を突きつけて、こう言った。

 

カイタ「…だが、あれ(・・)はどこで手に入れた?」

 

…凍えるような殺気と共に。

 

カイタ「…あれは、テメェらみたいな、何の目標もなく、だらだらと殺人で暇を潰すようなクズが使っていいもんじゃない。」

 

あれとは、ロザリアが使っていたベルトだろう。

 

おそらく、カイタの言う「仮面ライダー」とやらに関係する品なんだろうが…

 

ロザリア「そ、そんなのアンタには関係な…」

 

(ザンッ!)

 

ロザリア「がああ゛あ゛あ゛っ!!」

 

さらにカイタが左腕を切り落とした。

 

カイタ「あいにくと、関係大ありなんだよ…!」

 

ロザリア「や、やめろ…来るな!」

 

カイタ「…どうする?洗いざらいしゃべれば、ゲームクリアまでは五体満足で生きていられるぜぇ?…ブタ箱の中でな。」

 

ロザリア「……ひ、ひぃ…!!」

 

カイタ「さあ、選べよ。自由か…命か。」

 

カイタがロザリアの首元に剣を突きつける。

 

キリト「か、カイタ…もうそれくらいで…」

 

と、動こうとしたが、体が言う事を聞かなかった。

 

カイタ「5…4…」

 

カイタが指を出してカウントダウンを始めた。

 

まずい。このままじゃ、あいつは本当に…

 

カイタ「3…2…」

 

やめろ…やめろ。お前はそんな事をしたらいけない。

 

カイタ「1…ぜr」

 

 

ロザリア「助けてくれ!!!」

 

 

カウントが0になる寸前、ロザリアが悲鳴を上げた。

 

ロザリア「わ、分かったよ。あんたの質問に答える。牢屋にも行くよ…!」

 

カイタ「…話すんだな?」

 

ロザリア「なんでも話すよ!だから…!」

 

あのロザリアが見る影もなく、カイタに泣きついている。

 

カイタ「よーし!それじゃ、話してくれ!」

 

途端に、さっきまでのカイタの殺気が消え、いつもの雰囲気に戻った。

 

ロザリア「…あのベルトは、私らの雇い主が渡した物だ。」

 

カイタ「…雇い主?誰だ?カーソルは?」

 

ロザリア「詳しくは分からない。…ただ、カーソルはオレンジだった。」

 

キリト「…まあ、そうだろうな。」

 

ロザリア「…それから、こうも言っていた。」

 

 

「革命を始めよう。…俺たちがゼロから立ち上げ、イチから始めた。」

 

 

カイタ「…っ!?」

 

キリト「…革命だと?どうせろくな事じゃねぇな…なあ、カイタ?」

 

カイタ「………」

 

キリト「…カイタ?」

 

カイタ「…っ、あ、ああ、スマン。ちょっと考え事を…」

 

ロザリア「あたしが知ってるのはこれだけだ…ちゃ、ちゃんと話したぞ?だ、だから命は…」

 

カイタ「…はっ、さんざん人を殺したテメェが命乞いたぁ、面白い冗談だ。」

 

ロザリア「ひっ…!」

 

カイタ「安心しろ。俺は約束は守る主義だ。…という訳で、ほら、きりきり歩いた!」

 

カイタはそう言って、俺が展開した回廊結晶のゲートに指をさした。

 

ロザリア「わ、分かったよ…」

 

そう言ってロザリアがゲートに入り、彼女の体が消えると同時にゲートも消えた。

 

カイタ「…キリト、もうシリカの目を開けさせてもいいぜ。」

 

キリト「あ、ああ…」

 

そして、シリカの肩を叩いた。

 

 

(シリカside)

 

キリトさんに肩を叩かれ、目を開けた。

 

そこに、ロザリアさんは居なかった。

 

シリカ「あ、あのう、ロザリアさんは…?」

 

カイタ「ああ、あいつなら、黒鉄宮に送ってやったぜ。」

 

シリカ「そ、そうですか…」

 

すると、カイタさんが頭を下げて言った。

 

カイタ「…シリカ、すまんかった。お前を囮にするような真似をしてしまった。」

 

シリカ「い、いいえ…」

 

あたしは、そう答えるしかなかった。

 

キリト「…じゃあ、俺はこれで。依頼の報告に行かねぇとな。シリカ、気を付けて帰れよ。」

 

カイタ「ああ。キリト、お前のおかげで助かったぜ。」

 

シリカ「はい。キリトさん、ありがとうございました。」

 

 

その後、宿屋につくまで、あたし達は無言だった。

 

宿の部屋に入ってからも、カイタさんは夕日の差し込む窓辺に寄り掛かっていた。

 

あたしは、心を決めて口を開いた。

 

シリカ「…行ってしまうんですか?」

 

カイタ「…ああ。キリトの奴もそうだが、俺も2日ほど前線から離れちまったからな…早いとこ戻んねぇと。」

 

シリカ「…そう、ですよね…。」

 

本音を言えば、連れて行ってほしかった。

 

だが、今日の戦闘を見て、自分と彼には、努力だけではどうにもならない壁がある事を思い知ってしまった。

 

それに、彼のあの力を必要とする人は大勢いるだろう。

 

シリカ「……っ。」

 

思わず泣きそうになる。

 

すると、まるであたしの心を読んだかのように、カイタさんが頭を優しくなでてきた。

 

カイタ「そうしょげるな。キリトはああ言ってたし、俺も奴の考えには賛成だ。でもな、レベルやステータスなんざ、ただの数字、幻想だ。それよりも大事な強さってのがあるんじゃないかって、俺は思う。」

 

そして、初めて会った時の、あの微笑みを向けてくれる。

 

カイタ「…いつか、現実でも会おう。約束だ。」

 

シリカ「…は、はい!」

 

なぜか、心が温かくなる。

 

彼のその言葉で、また頑張れる気がする。

 

カイタ「…それじゃ、ピナを呼び戻してあげよう。花の雫を掛ければ、復活するはずだ。」

 

シリカ「…はい。」

 

あたしは、ストレージから花を取り出した。

 

シリカ(ピナ…。いっぱい、い~っぱい、お話してあげるね。…今日の冒険の話を、ピナを救ってくれた、あたしを守ってくれた、あたしのたった一日だけの英雄(ヒーロー)さん…「仮面ライダー」のお話を…。)

 

そう思いながら、あたしはピナの心に、花の雫を掛けた。

 

 

 

 

(カイタside)

 

ピナの心に雫が垂れるのを見ながら、俺はロザリアの証言について考えていた。

 

俺が手に入れたゼロワンシステム以外に、この世界にあるはずのない「滅亡迅雷フォースライザー」や「レイドライザー」のシステム。

 

そして、ロザリアにフォースライザーを渡した依頼主が言った「ゼロから立ち上げて、イチから始めた」という言葉。

 

俺にはそれの言葉が「ゼロワン」を指しているように感じられた。

 

それが意味するのは━━━。

 

 

カイタ(まさかとは思うが…茅場のバックに絡んでるのか…?ZAIAが…)

 

 

 

世界を股にかける「ZAIAエンタープライズ」の日本支部は、飛電インテリジェンスの買収を企んでいた。

 

さらに、ゼロワンでの全てのはじまりの事件「デイブレイク」を引き起こした元凶でもある。

 

 

カイタ(何か…やばいのが動きだしている気がする…)

 

 

俺は、不安と共に、そう思わずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(レンコside)

 

???「やっと…やっと…!」

 

レンコ「ふう…終わったぁ…!お疲れ様、アスナ!」

 

アスナ「ええ!レンコもね!」

 

私はたった今、アスナと、アスナの親友と一緒に、あるクエストをクリアした所だ。

 

そのクエストの報酬は、大きな水車が付いたプレイヤーホーム、それも職人用だった。

 

というのも、そのアスナの親友は、職人クラスで鍛冶スキルをマスターしているのだ。いわば、私たち攻略組とは違った方面からアインクラッドを攻略していると言える。

 

???「二人とも、本当にありがとう!」

 

アスナ「ううん、リズが頑張って作った剣の想いが届いたのよ!」

 

レンコ「そうですよ!この家は、リズベットさんがここまで毎日頑張った結晶です!」

 

???「もう、二人とも…大げさなんだから…」

 

レンコ「ねえ、早速、装備をメンテナンスしてくれるかな…?お客第一号として!」

 

アスナ「あっ!レンコずるい!私が一番になろうと思ったのにー!」

 

???「あはは!焦らずとも、ちゃんと二人まとめて見てやるわよー!!」

 

そして私たちは店に向かって歩きだした。

 

???「…と、その前に…これ言わないと、始まらないわね…!」

 

そして、振り向いた彼女は高らかに言い放った。

 

 

 

リズベット「リズベット武具店、ただいまより開店です!」

 

 

 

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

Sword Art Masked Rider

 

「なにすんのよこのーっ!」

 

新たなる剣への道

 

「はいはい、さいですか…(ぼそっ)メンドクセェ…」

 

鉱石を探し求め、

 

「ブレスよ、避けて!」

 

いざ、ドラゴンどドンパチ!?

 

次回、『鍛冶屋のカノジョと鉱石と』

 

 

「…俺はこの手が届くなら、必ず救う主義なんだ。たとえ、それで自分が死んでも。」

 

 

 

 

 




新年一発目の投稿、いかがだったでしょうか。

…書きながら、クズクズ言われるロザリアを少しかわいそうに思った。

まあ、原作よりイヤな奴になるようにしちまったからな。シカタナイネ。

あと、言い忘れてましたが、熱に浮かされながら書いたので、いつもよりおふざけ要素マシマシです。

お気に入り登録していただいた、ゴリラバルカンさん、Stringsさん、ありがとうございます!
ゴリラバルカンさんには、☆9評価もしていただきました!

それでは、また。

今年もよろしくお願いします。
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