Sword Art Masked Rider 作:通りすがりの幻想
前回の続きです。
…多くは言いません。
では、どうぞ。
そして、スープを食べ終わった俺たちは、俺が持参してた寝袋を敷いて寝る準備をした。
こちらもキリト大先生一押しの品だ。断熱効果はもちろんのこと、対アクティブモンスター用の
リズベット「…ねえ、カイタ。聞いてもいい?」
寝袋に入ってしばらくすると、リズが口を開いた。
カイタ「…どうした?」
リズベット「…なんであの時、あたしを助けたの?」
カイタ「………」
リズベット「あの時、あんたが助かる保証なんて、どこにも無かった。いや、そもそも、死んじゃう確率の方が高かった。…なのに、なんで…?」
俺は少し考え、答えた。
カイタ「…助けを求めている人の盾になって守れるなら本望だ。それがリズみたいな女の子なら、なおさら、な。」
リズベット「…ほんとバカよね、あんたって。そんな考えしてる奴、見た事無いわよ。」
カイタ「…そうか。」
(リズベットside)
なぜ自分を助けたのか。
あたしのその問いに、彼は少し間をおいて答えた。
リズベット「…ほんとバカよね、あんたって。そんな考えしてる奴、見た事無いわよ。」
だが、口ではそう言ったが、あたしは泣きそうになっていた。
同時に、胸の奥が切なく疼いていた。
いつものあたしなら、彼の言葉を、「あんたもそんな気障な事言えるのね」なんて風に片づけていただろう。でも、今はなぜか、そんな馬鹿正直で、温かい言葉が心にしみた。
━そして、ふと寂しくなった。いや、人恋しくなった、というべきか。
この世界に閉じ込められてから、無理やり押しとどめていた物が、急にあふれ出して。
リズベット「……ねぇ。手、握って…?」
気が付くと、口から小さな言葉がこぼれていた。
寝袋から自分の右手を出したあたしを見て、カイタは少し驚いて目を見張っていた。
カイタ「…全く、寂しがりなお嬢様だな。」
そうこぼすものの、彼も手を出して、あたしの手を握ってくれた。
その手は、さっき飲んだスープよりも暖かった。地面の氷の冷たさを感じない程に。
そして気づいた。
彼は今、ここで生きている。この暖かさは、彼自身の温かさ、人間の温かさだと思った。
リズベット「不思議ね……あたしもカイタも、仮想世界のデータなのに…」
カイタ「ん…?」
リズベット「…あたしね、心のどこかで、ずっと思ってた。この世界は偽物。単なるデータなんだ、って。…でも、気づいた。仮想も現実も関係ない。皆心を持って生きている。それこそが真実なんだ、って。」
カイタ「…そうか。」
リズベット「…ごめんね。変な事言って。」
カイタ「いや、気にすんな。」
あたしは、心臓がいつもより少し早く鼓動していることに気づきながら、意識を飛ばした。
いかがだったでしょうか。
遅くなりましたが、お気に入り登録していただいた、仮面大佐さん、yshibaさん、弘稔さん、ありがとうございます!
それでは、また。
(③へ続く)