Sword Art Masked Rider   作:通りすがりの幻想

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皆さん、どーもです。
お久しぶりです。

通りすがりの幻想でございます。

…もはやお約束になりつつあるので、これ以上は言いません。
(言い訳を見たい方は、活動報告をご覧ください。)

…前回から期間が空きすぎたので、ざっと簡単な前回のあらすじを。

ラフィンコフィンの討伐戦

カイタがキリトとPoHを追いつめる

カイタはアスナ達の援護に戻る

レンコが集中攻撃を浴びて瀕死になり、PoHはそれを余興と言う

カイタ、ブチ切れる

今回でこのエピソードは終わりです。
それでは、前書きが長くなりましたが、どうぞ。



Ep.29 コレが棺桶の逆襲だ⑪

 

 

(キリトside)

 

キリト「…クソっ、油断した…」

 

まさか、PoHが他にも武器を隠し持っていたとは。

 

俺は奴が隠し持っていた、麻痺毒付きのナイフによる不意打ちを喰らい、数分間動けなかった。

 

そして、先ほどようやく毒が消え、奴が逃げたであろう、最初の場所に戻ってきたところだ。

 

キリト「PoHは…どこだ…」

 

 

(ズドーンッ!)

「う゛お゛お゛お゛お゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!」

 

 

キリト「っ!?」

 

その瞬間、大きな雄たけびが聞こえ、土煙が見えた。

 

キリト「…一体、何が…」

 

嫌な予感を感じた俺は、急いで土煙が見えた場所へ向かった。

 

 

キリト「こ、これは…!?」

 

現場についた俺は驚愕した。

 

そこでは、ゼロワンがラフコフの構成員たちに猛威を振るっていた。

 

…ただし、その一撃はあまりにも強力すぎる。

 

下手をすれば、相手のHPを一撃で根こそぎ削り切ってしまいそうなほどに。

 

アスナ「キ、キリト君…」

 

その時、近くから震えた声がした。

そこには、アスナと、その傍らには横たわっているレンコさんがいた。

 

キリト「アスナ、一体何が…」

 

アスナ「…レンコが、構成員たちから一方的に攻撃されて…私とカイタさんが来なかったら、間違いなく死んでた。…今は安心したのか、気を失っているけど、PoHの言葉を聞いたカイタさんの様子が、急におかしくなって…」

 

…やはりPoHはこちらに来ていたか。

 

…いや、それよりも、気になることがある。

 

キリト「様子がおかしくなったって…PoHは何を言ったんだ…?」

 

アスナ「それが…レンコを一方的にいたぶったのは、キリト君とカイタさんを引き離して、カイタさんをおびき出すための『餌』にする為だって言ってたの…」

 

キリト「なん…だと…」

 

そのあまりに卑劣な作戦に、俺はしばしの間絶句した。

 

…つまり、あいつらはレンコさんを人質に取ったという事だ。

 

…そう考えれば、普段温厚なカイタがあそこまで怒るのも納得だ。

 

仲間を一方的に傷つけられて、怒りを感じない奴はいない。

 

怒りと悔しさを感じながら、俺はカイタの方を見る。

 

向こうでは、相変わらず、ゼロワンが猛威を振るい、次々と構成員を無力化していく。

 

…だが、

 

…何かが違う。

 

かすかな違和感を感じた俺は、すぐにその原因に気づく。

 

ゼロワンの胸部装甲の一部に、いつもと違う部分がある。

 

PoHを追いつめた時に見た、ゼロワンのシャイニングホッパーの胸部には、青々と輝く光が灯っていた。

それこそ、カイタ(あいつ)の瞳の色と同じく、雲一つない青空のような青色が。

 

だが、今のカイタには…ゼロワンのそこ(・・)には、暴力的なまでに真っ赤な光が灯っていた。

 

そういえば、今のあいつの攻撃には、いつものような「力強さ」と「正確さ」が消えている。

 

まるで、ただ目の前の敵を葬り去ろうとするかのような狂暴な一撃ばかりだ。

 

…俺には、今のカイタの雄たけびは、気合いというより、怒りの咆哮の様に聞こえた。

 

今も、そこかしこで戦闘が続いているが、とりわけ彼の周囲は、熾烈な戦闘だった。

 

…そして、ふと思いだして周囲を見渡すと、肝心のPoHは、もうどこにも居なかった。

 

 

それから数分が経ち、ようやく彼の猛攻が止まった。

 

カイタ「…ぐっ…!」

 

その瞬間、カイタがひざをつき、それと同時に彼の変身が解除された。

 

おそらく、活動時間の限界を迎えたのだろう。

 

幸いにも、その場に残っていた全ての構成員は拘束済みだ。

 

…とはいえ、拘束した人物全体のうち、約3分の2以上は、カイタが無力化していた。

 

その間、他の攻略組のメンバーは誰一人カイタに近づけなかった。

下手をすれば、自分が巻き込まれかねないからだ。

 

レンコ「…ううん…」

 

その時、気を失っていたレンコさんが目を覚ました。

 

キリト「レンコさん、気が付いたか…!」

 

アスナ「レンコ、大丈夫?」

 

レンコ「わ、私は平気。…それよりも……何が、あったの?」

 

キリト「…それが…」

 

俺は一部始終を説明した。

聞き終えたレンコさんは、驚きと悲しみの表情で固まっている。

 

アスナ「…キリト君、今KoBの小隊から連絡があって、拘束したラフコフのメンバーは全員黒鉄宮に送還したみたい。」

 

キリト「…分かった。」

 

ディアベル「…キリトさん、アスナさん。」

 

半ば茫然と立ち尽くす俺たちに、ディアベルが話しかける。

 

ディアベル「…今回もカイタさんに助けられたが…彼は、一体どうしたんだい?」

 

アスナ「それが…」

 

今度はアスナが説明する。

 

ディアベル「…そうだったのか。…また、彼に助けられたが、こうなると後味が悪いな…。」

 

「助けられた…?ふざけるな…!」

 

その瞬間大きな声が響き、俺たちはその方向を見る。

 

叫んだのは、キバオウのギルドのメンバーだった。

 

…そして、同時に思い出した。

 

そいつは、第1層で俺をビーターと呼んだ一人である事を。

 

「やっぱりそうだ!そいつはイカれたビーターだ!俺たちが知らない上に、ラフコフの連中と同じ力を持っているんだ!絶対に俺たちを裏切る!」

 

ディアベル「待て!彼はそんなことはしない!そればかりか、彼のあの力が無ければ、ラフコフに対抗できなかったかもしれないんだぞ!…彼は、俺たちを救ってくれt」

 

「あれが俺たちを救う力だって言うのか!?」

 

ディアベル「っ!?」

 

「巻き込まれたら俺たちも死んでたんだ!それを「救う力」だと!?冗談じゃない!」

 

キリト「違う、あいつは…!」

 

「そんな奴が攻略組に居るなんて俺はごめんだ!その訳の分からないアイテムを奪って、さっさと追放してくれ!」

 

アスナ「ちょっと、あなたねぇ…!!」

 

ディアベル「君、まだそんな事を…!」

 

アスナとディアベルさんが声を荒げるが、

 

 

「このっ、ドアホッ!!」

 

 

次の瞬間聞こえた怒声に、ディアベルに突っかかった人はもちろん、アスナ達もびっくりしてその方向を見た。

 

「キ、キバオウさん…!?」

 

声の主はキバオウだった。

キバオウはずかずかと、アスナ達の前に出る。

 

キバオウ「…ワイの面子が、迷惑かけたな。」

 

そして、俺たちに頭を下げた。

 

何が何やら分からず、俺たちは顔を見合わせる。

 

「キ、キバさん、何言ってるんすか!こいつは、ビーターの一人なんすよ!?いつ俺たちを裏切るか分からないんすよ!?…そいつが妙なことをしでかさないうちに、早くそのアイテムを奪った方が良い!…幸いこっちには頭数はそろってるんだ、奪う方法はいくらでもあるっす!」

 

キバオウ「…そらぁ、『力づく』っちゅう意味か?……『ジョー』。」

 

ジョー「そうっす!これは攻略組のためなんだ、誰も文句は言わない!…それに、そのアイテムが無ければ、あいつなんてどうとでも」

 

キバオウ「…だから何や。」

 

ジョー「…はい?」

 

次の瞬間、キバオウはジョーと呼ばれたプレイヤーの胸倉を掴み、

 

 

キバオウ「…ビーターだから、特別な装備を持っているから、そんな理由で同じプレイヤーに剣を向けるなら、ワシらはそんじょそこらの犯罪者集団(オレンジギルド)と一緒や!…ワシらはそんなことをするために、『ALS』を立ち上げたんと違う!」

 

 

大声で怒鳴って放り投げた。

 

怒鳴られたジョーは茫然としている。

 

キバオウは、俺たちの方を向き、頭を下げて言った。

 

キバオウ「…キリトはん、それと、カイタはん。…虫のいい事を言うかもしれんが、実をいうとワイは、第1層のフロアボス直後で、何でアンタらがビーターを名のったか、察しが付いとった。」

 

カイタ・キリト「「…は?」」

 

アスナ・レンコ「「えぇっ!?」」

 

頭を下げたキバオウの衝撃的な発言に、俺たちは開いた口が塞がらない。

もちろん、周囲の攻略組のメンバーもだ。

 

キバオウ「確かに、ワイもあんたらを非難した。…せやけど、あとで冷静になって考えてみたんや。…ま、後で気が付く時点で、後の祭りって奴やったけどな。」

 

キバオウは、悔やむように顔をゆがめている。

 

キバオウ「あの時はすでに、『β上がりの奴は絶対に許さない』という空気やった。あの状態が続いていれば、この先、無関係のβテスターまでもが悪者にされてしまう。…だからアンタら二人は、その矛先が自分たちだけに向くようにしたんやろ?…違うか?」

 

問いかけるようなキバオウの視線に、俺とカイタは、何も言えずに押し黙る。

 

キバオウ「…まあ、半ばカイタはんの言っていた事をまんまと信じてしまったのもあるがな。」

 

キバオウは、自嘲気味に呟いて、カイタの方を向く。

 

キバオウ「改めて、カイタはん。…ウチの面子が迷惑をかけた。…アンタのその力は、絶対に誰かを傷つけるようなモンやない。誰かを守るための物や。ワシが保証する……いや、スマン。これは無責任やな。…せやけど、少なくともワシはそう思っとる。それは忘れんといてくれや。」

 

続いて、俺の方を向き、

 

キバオウ「…キリトはんも、ホンマにすまんかった。…あの頃のワイは、まだ青二才やった。『殺されかけたディアベルはんのため』と言えば聞こえはいいかもしれんが、結局頭にあったのは自分たちの事だけ。…もっとよく考えれば、あの時の士気そのものが危ない状態やったのにも、気づけたはずやのに。それに、お前さんを最初に『チーター』呼ばわりしたんはワシや。…これで許してもらおうとか、そんな事は思っとらん。」

 

…その言葉で締めくくったキバオウは、メンバーを連れて帰っていった。

 

 

(カイタside)

 

キバオウの謝罪を、俺は心ここにあらずといった心境で見ていた。

 

…正直言うと、ゼロワンに変身してからの記憶が所々あやふやになっている。

 

気がついたら、ゼロワンの活動限界時間を迎え、膝をついていたという感じだ。

 

レンコ「…カイタ、大丈夫?」

 

今俺は、彼女と共に帰路についていた。

 

カイタ「…ああ…大丈夫。」

 

…無論、内心は穏やかではない。

当然だ。

あとほんの数秒でも遅れていたら、彼女がラフコフの餌食になっていたかと思うと、ゾッとする。

 

カイタ「…お前こそ、大丈夫だったか?」

 

レンコ「うん。」

 

カイタ「…スマン。怖い思いさせたな。…もうちょい早く気づいていれば…」

 

レンコ「平気。…むしろ、私の方が油断してた。あの人数の一人で相手にするのはどうしたって無理があるのに、調子に乗っちゃったから…」

 

カイタ「いや、俺もキリトも、まんまとPoHの策略に嵌められた。…今後は、こういう事が無いようにする…」

 

「そんな事、出来るのか?…お前ごときに。」

 

突然、別の人物の声が聞こえ、俺たちはとっさに振り向く。

そこには、一人の男が立っていた。

…グリーンのカーソルが付いているので、おそらく一般のプレイヤーだろう。

…開口一番、喧嘩腰なのはどうかと思うが。

 

「…お前がカイタだな?」

 

カイタ「…ああ、そうだけど…アンタは?」

 

「そうだな…お前を…『仮面ライダーゼロワン』を潰す者…と言っておこうか。」

 

カイタ「っ!?」

 

嫌な予感がした俺は、レンコに「下がってろ」と手で合図した。

…何しろ、俺の事をわざわざ「仮面ライダーゼロワン」と呼んだのだ。

今までとは何かが違う。

 

「…さぁ、始めようか。」

 

カイタ「っ!?…それはっ!」

 

目の前の男が取り出したそれ(・・)を見て、俺は絶句した。

 

 

 

 

《現実世界 とある会社の社長室》

 

「…社長。」

 

「ああ。・・か。…どうした?」

 

秘書に呼ばれたその社長は、彼女の方を向くが、彼女は険しいまなざしをしていた。

 

「先ほど、・・・様から連絡がありまして、日本支部跡地に残されたデータベースから、一部のデータがコピーされた形跡が見つかったとの事です。」

 

「…何かのデータが外部に持ち出されたって事か?」

 

「・・様が言うには、そうではないかと。…そして、コピーされたデータというのが…」

 

「……っ!?これって…!」

 

そのデータを見た社長の目が見開かれる。

 

「はい。…そして社長。ここからが本題です。」

 

「…本題?」

 

「はい。・・様から指摘を受け、アーガス社にあるSAOメインサーバーの検査をしたところ…何者かによるメインプログラム改ざんの痕跡が見つかりました。」

 

「な、何だって!?」

 

「痕跡が分からないように隠蔽されていたので、発見が遅くなりました。申し訳ございません。」

 

「いや、・・は悪くない。…でも、それとこれ(・・)が何か関係が…………まさか。」

 

考えたくない可能性に思い当たり、社長は顔をゆがめる。

 

「そのまさかかと思われます。現在、・・様にも対応を打診しています。」

 

「分かった。…それと、これ(・・)がある以上、変身者もいるかも知れない。…そっちもの方も、捜索をお願いできるか?」

 

「承知しました。」

 

社長の頼みを聞いた秘書は、足早に社長室を出ていく。

一人残った社長は、窓の外を見ながら考えに耽る。

 

(『痕跡が分からなかった』…それって、あの人…茅場さんも気が付いていないって事だよな…?なんでそこまでして痕跡を隠す…?…あるいは、茅場さんにも気づかせたくなかった…?)

 

 

(マズいな…うちのゼロワンシステムと同じように、SAOに『サウザンドライバー』一式がプログラムとして組み込まれているとしたら…その犯人は一体何をしようって言うんだ…)

 

 

 

 

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

Sword Art Masked Rider

 

「…自分が何かを守れると、本気でそう思っているのか?」

 

仮面の戦士に、

 

「『仮面の戦士』が、聞いてあきれるな。」

 

黄金の戦士が、

 

『ゼツメツ・エボリューション!』

 

牙を剥く。

 

次回、『オレこそが課長で「仮面ライダー」』

 

 

「…お前は俺に、敵わない。俺の強さは、ケタ外れだ。」

 

 

 

 




いかがだったでしょうか。

はい、という事で、キバオウとの和解でした。

ここでキバオウさんと和解させるかどうかを悩み続けたのも、投稿が遅れた一因です…

このシーン書くために、何度映画のプログレッシブのスケルツォを見返したか。

キバオウさんって、アニメでは描かれていないけど「異なる立場にいながら、実はキリトの理解者」なんですよねぇ…
なんだかんだ、根はいい人なんや…


次のエピソードは、比較的短く済む……と、願いたいです()


なお、活動報告に書いた通り、本格的に就活が始まった影響で、ただでさえ少ない執筆の時間がさらに取れなくなっています。

次の投稿がいつになるか…2か月後か、4か月後か、1年もあとになるか。
はたまた、究極に短い時間の中でも、筆が進んで早く投稿出来るかもしれません。
もちろん、なるべく努力はします。

それでは、また。


…取り合えず、3月中に投稿できて良かった。
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