Sword Art Masked Rider   作:通りすがりの幻想

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第2話です。
仕事帰りで昏倒寸前でしたが、気力で書き上げました。
少し長いかもです。
それではどうぞ。




Ep.2 コノ剣の世界で友人を

「とりゃっ…うひええっ」

「そ~れっと………って、あれ?ギャ~っ!お助け~!」

皆さん、こんにちは。海道圭太です。現在俺は、剣術のご指導を受けている最中に、一緒に指導を受けていた、赤髪を額のバンダナで逆立てた男と共に、標的のはずの青イノシシ(正式名称、フレンジーボア)に反撃されています。

…………どうしてこうなった?

 

 

 

事の発端は1時間ほど前にさかのぼる。

「…………ほえ~」

SAOに入って早々、俺の第一声は、間の抜けた声から始まった。

まあ、無理もない。目を開けると石造りの街並みが広がっており、(また転生したかと思った位に)普通の町と何ら変わりないほどの生活感が出ていたからだ。

「…………小耳には挟んでいたが、これほどとは」

これなら皆が欲しがるのも分かる。まさしく、(VRMMO、万歳!)と言える。

「さて、本題に移ろう。やっぱり、まずは装備だな。え~っと、武器屋は…」

俺は武器を手に入れるため、武器屋を探し始めた。

 

結論から言うと、

 

「…………ココドコダァ?」

 

完璧に迷子になった。

何しろ、広大、いや、そんな言葉では足りないほど、ここは巨大なのだ。

ここで、少し解説させてほしい。

今自分がいるのは、VRMMO「ソードアート・オンライン」の舞台である「アインクラッド」という城だ。これは、全100層からなる、石と鉄でできた城だ。内部には数多の都市、小規模の町や村、森、草原、湖がある、さながら「動く国」だ。上下の階層(ここではフロアと呼ぶ)を繋ぐ階段は各層に一つだけで、なおかつその階段は、階層の最奥にあり、危険な怪物がうろつく「迷宮区」と呼ばれる区画にあるため、発見も踏破も困難だ。しかし、一度誰かが踏破して上のフロアにたどり着ければ、そこと下層の各都市の「転移門」と呼ばれる物が解放されるため、全員が自由に移動できるようになる。それを繰り返して100層までたどり着くのが、このSAOの基本的な遊び方だ。もっとも、戦闘だけでなく、鍛冶や革細工等の製造や、釣り、料理等もできるので、冒険だけでなく文字通り「生活」することも可能なのだから、驚きだ。

そのうえ、一説では、基部フロアの直径はおよそ10キロ、東京の世田谷区が余裕で入るらしい。それが100層も重なっているのだから、驚きを通り越して恐ろしくなってくる。

また、SAOでは、それまでMMORPGで常識だった「魔法」を全面的に廃止し、代わりにいわゆる必殺技に相当する「ソードスキル」が無限に近い数設定されているらしい。(これは、ナーヴギアの「フルダイブ」と呼ばれる技術をフルで活用するためらしい)

 

 

 

話を戻そう。

俺はそんな上京した田舎者が東京で迷子になるがごとく、迷い込んでしまった。

「まいったな…どうしたものか……(ドンっ!)うわっ!」

考えこみながら歩いていると、周りをよく見ていなかったため、誰かにぶつかってしまった。

「す、すみません!よく見ていなかったもので…大丈夫で…す……か」

振り向くと、戦国時代の若武者のような長身の男がいた。

(あ…………これ、オワタ\^o^/)

俺の経験上、こういう人はたいてい突っかかって来

「いや、こちらこそすまねえ!お前も大丈夫だったか?」

前言撤回。めっちゃいい人やん。

「あ、はい、だいじょうぶです。」

「良かったぜ…あ、そうだ、お前、武器屋ってどこにあるか分かるか?」

おっと、同じ境遇の人が。

(運営さん、フロアマップ作ってくれないかな…)

「あ、自分も探していたんです。」

「お、お前もか。そんじゃあ、一緒に探そうか?」

「ッ…!?」

気を付けた方がいい。ここはMMORPG。裏になにかある可能性だってゼロでは無

「ああ!何か企んでるとかはないぜ!ゲームの神に誓う!」

やっぱり、めっちゃいい人やん。(2回目)

「…それじゃあ、お願いします。えーっと、」

「あ、自己紹介が遅れたな。俺はクラインだ。」

「俺はカイタです。」

(俺のプレイヤーネームは、“海”道圭“太“で”カイタ“にした。何、安直すぎる?やかましい。)

「おう!カイタ、宜しくな!」

「はい、クラインさ」

「お~っと、もう敬語は無しにしようぜ。このゲームをやってるという事はかなりのゲーム好きだろ?お互い堅苦しい事は無しにしよう、な?」

「…ああ、わかった。よろしく頼むぜ、クライン!」

こうして、俺の初めてのVRMMOの友人ができた。

前世では人づきあいが苦手であまり友人がいなかったが、このクラインという人物は不思議とこっちの懐に滑り込んでくる節があり、しかしそれでいて全く不快ではない。

(彼とは長い付き合いになるかもな。)

そう思いながら、俺はクラインの頼みでフレンド登録を済ませ、行動を開始した…………と思いきや、

「ん?」

クラインが何かを見つけたようだ。

「どした?」

「いや、今路地に入っていったやつ……ひょっとして…………」

そういいながら路地に走るクライン。

「へっ!?ちょ、ちょっと待てよ、クライン!」

 

 

ようやく追いついた…足速すぎだろ、アイツ…………

「ぜえっ、ぜえっ…ク、クライン、ちょっとタンマ…………」

顔を上げると、クラインが一人のプレイヤーと話しているところだった。

そのプレイヤーは、ただでさえ困惑していたのに突然の乱入者にさらに驚いているようだった。

「ちょいと俺たちをレクチャーしてくれ!」

クラインがそう頼み込んでいた。

「は、はあ。じゃあ、武器屋行く?」

意外にもそのプレイヤーは、困惑しながらもその頼みを承諾してくれた。

そして、俺たちは、彼「キリト」についていき、装備をそろえ、ついでに彼に戦闘をレクチャーしてもらうことになった。

―そして今に至る。

 

 

「とりゃっ…うひええっ」

「そ~れっと………って、あれ?ギャ~っ!お助け~!」

イノシシに吹っ飛ばされ、草原を転がる俺たちをみて、キリトが笑い声をあげる。

「ははは、違う違う。重要なのは初動のモーションだぜ、クライン、カイタ。」

「キリト、そうはいうけど、あいつら動くしよぉ。」

情けない声を上げるクライン。

「動くのは当然だ、訓練用のマネキンじゃないんだから。でも、初動のモーションをちゃんとすれば、あとはシステムが自動でスキルを発動してくれる。」

「…………俺はバカなので、キリトが何を言っているかよくワカリマセン。」

「おいおい、カイタ…う~ん、どう言ったものかなあ……1、2,3で振りかぶって斬るんじゃなくて、初動でタメをいれてスキルが起動するのを感じたら、スパーンと切り込む感じかな」

「んな事言ったって……」

そうボヤキつつも俺は、深呼吸をして腰を落とし、片手剣を右肩に担ぐように持ち上げた。

すると、刀が輝きだした。

(…………これでっ!)

俺は、大きく踏み出し、掛け声と共に剣を右上から切り下ろした。

「せいっはぁー!」

しゅぱーん!という音が響き、片手剣ソードスキルの単発斜め斬り「スラント」が、俺に突進していたフレンジーボアに命中し、奴の残存HPを吹き飛ばした。

断末魔のあとに、巨体がポリゴン状に砕け散り、加算経験値のフォントが浮かびあがった。

「で、出来たっ…!」

「……す、すげぇ」

「いいぞカイタ!その調子だ、今の感覚忘れるなよ?」

クラインが歓声を上げ、キリトが感嘆の声を上げた。

「よし、俺も負けてられねえ!」

クラインも俺の見様見真似で、片手用曲刀基本技の「リーバー」を発動、命中した。

「うおっしゃああ!」

クラインが満面の笑みを浮かべ、こちらを振り向き両手を上げ、ばしんと俺たちはハイタッチを交わした。

キリトが言った。

「2人とも、初勝利おめでとう。でも、今のイノシシ、某RPGだとスライム相当だけどな」

「えっ、まじかよ。」

「……ウソダドンドコドーン(嘘だそんなこと)」

「うそじゃないさ。」

キリトは苦笑しながら剣をしまう。

俺は少々途方に暮れたが、それ以上に自らの剣で敵を倒すことへの爽快感があった。

そして、俺は少しでもレベルを上げようと、休憩中のキリトとクラインを尻目に、先ほどのイノシシ狩りの周回を開始した。

 

 

 

「…………モウ、ウゴケマセン。」

どのくらいたっただろうか、すでに日は傾き、夕暮れになっていた。俺は先ほどまでイノシシ狩り(ごくまれにハチのモンスター、プリックワスプが来た。イノシシより経験値がわずかに高かった。)

を続けていた。その甲斐あって、現在俺のレベルは3になっていた。ソードスキルも、通常のスラントの他に、火属性verの「ファイア・スラント」をマスターした。

「はは、お疲れ様、カイタ。」

キリトが労いの声をかける。

「しかし、やっぱり信じられねえな。ここがゲームの中だなんてよ。」

クラインが感嘆の声を上げて見渡す。

「いや、中って言うけど、魂が吸い込まれたわけじゃなくて、俺たちの脳が、現実の目や耳の代わりに見たり聞いたりしているだけだ。」

キリトが肩をすくめながら言うが、俺はすかさず突っ込む。

「いや、キリトは慣れてるからそう言えるんだっての。俺やクラインはこれが初のフルダイブなんだから。」

クラインも便乗する。

「ほんと、このゲーム買えてラッキーだったぜ…………ま、それを言ったら、1000人限定のベータテストに当選したキリトの方が何十倍のラッキーだがな。」

「右に同じく」

そこは激しく同意する。

ベータテスト。

すなわち、ゲームの正式サービス開始前の稼働試験のことだ。

そのことについては、ゲームを起動するまえにあらかた調べていた。

試験参加者の定員は1000人だったが、応募者は10万人とのこと。

その狭き門をくぐってキリトは当選したのだから、これが本当の「圧倒的僥倖」というものだろう。

さらにベータテスターには、正式版の優先販売券がついていたらしい。

(つまり、俺が持っていたのはテスター1000人以外の券だったみたいだ。)

「さて……2人はこれからどうする?もう少し狩るか?」

キリトが尋ねた。

「もちろんでございます。」

俺は即答した。

「ったりめえよ!…………と言いたいんだがな……」

クラインは歯切れが悪そうに、右上に視線を向けた。どうやら、現在時刻を確認したようだ。

「一回落ちて飯食べねえと。ピザの宅配があるんだ。」

「準備万端だな。」

「なんとまあ、充実だこと。楽しいゲームをやって、うまいピザを食べる……最光(最高)だな!」

キリトは呆れ、俺はうらやましがった。

するとクラインが思いついたように言った。

「あ、そのあとで、他のゲームで知り合いだった奴らと「はじまりの街」で合流するんだが、お前ら、アイツらともフレンド登録しないか?」

「「うーん……」」

俺とキリトは口ごもった。多分俺はキリトと同じことを考えているだろう。クラインとは自然に接することができているが、万が一その友人と上手くやれなかった場合、クラインと気まずくなるかもしれない。

すると、クラインは、俺たちの歯切れが悪い理由を察したのか、

「いや、すまん、無理にとは言わねえ。そのうち紹介する機会もあるだろ。」

「ああ、悪いな。ありがとう。」

「……面目ないな。」

そう言うとクラインは、

「いや、礼をいうのはこっちだ!キリト、おめえのおかげで助かったぜ!カイタも、お前と出会ったからキリトに出会えたようなもんだ!」

「全く、大げさだな……でも確かに、キリトのおかげで助かったのは事実だな。改めて礼を言わせてくれ、ありがとう、キリト。」

「……ああ、俺も2人と出会えてよかったよ。またどこかで。聞きたいことがあったら、いつでも呼んでくれ。」

俺たちは互いのこぶしを突き合せた。

今思うと、俺は、この2人に出会わなければ、この世界で永久に孤立していただろう。

 

こうして俺は、すっかりこのゲームの虜になった。

そして、この「ソードアート・オンライン」というゲームを「楽しい」と思った。

 

 

 

この時までは。

 

 

 

「あれっ」

再びイノシシ狩りを始めようとした俺をクラインの素っ頓狂な声が止めた。

「どうした?」

キリトが声をかける。

「なんだこりゃ。ログアウトボタンが無いぞ。」

「そんな訳ないだろ。もう一回よく見ろ。」

「クライン、腹がへって思考が回らなくなったのか?」

キリトに聞き返され、俺に冗談を言われクラインはもう一度手元を見た。数秒後、

「やっぱりねえって。2人も見てみろ。」

そういわれて俺もキリトも自分のメインメニュー・ウィンドウを見てみる。

「…………え?」

途端に俺の思考が止まった。

ログイン直後に、メニューの一番下に「LOG OUT」のボタンがあることは確認済みだ。

だが、

 

 

今現在、そこにボタンは無かった。

 

 

「…………ねえだろ?」

クラインが聞き返す。

「うん、ない」

キリトも応える。

「確かに無いな。でもなんで…………ん?」

その時、俺のメッセージの着信音が鳴った。

だが、メッセージの件名が不明だった。

(ゲームマスターからの不具合通知か?)

俺はメッセージを開けた。

「…………っ!?」

すぐさま驚いた。というのも、差出人が

 

『Hiden Intelligence(飛電インテリジェンス)』

 

となっていたからだ。

(…ナーヴギアの開発会社の1つがなんで?というか、なぜ飛電インテリジェンスがこの世界に!?)

そして、肝心の内容は、

 

『突然のメッセージ失礼します。ログイン時にあなた様にあるアイテムを送付しました。こちらを使い、ゲームマスターの野望を阻止してください。』

 

だった。

(あるアイテム?ゲームマスターの野望?)

不審に思い、アイテムストレージを立ち上げた。

 

それはすぐに見つかった。ドロップ品(イノシシ狩りで手に入れた)の他に1つ、異彩を放つアイテムがあった。だが、それはプレゼントボックス状になっていた。おそらくその中に例のアイテムがあるのだろう。

(こんなの最初から入ってたのか?)

俺はアイテムを実体化させようとした。

その瞬間、

 

【Scanning start.(認証を開始)】

 

電子音声が鳴り響き、俺の体が輝きだした。

「な、なんだ?」

キリトが俺の異変に気付き声を上げた。

「お、おいカイタ!どうしたんだ!」

クラインがこちらに来ようとするが、障壁に阻まれてすすめないようだ。

 

【Retinal Scan(網膜認証). …………Complete.(完了)】

 

「も、網膜スキャン!?おい、キリト、こんなのベータテストの時にあったのか?」

俺がキリトに聞いた。

 

【Voice Scan(音声認証). …………Complete. (完了)】

 

「い、いや、こんなの知らないぞ!?」

キリトが困惑した様子で答える。

 

【Player Data Scan. (プレイヤーデータ認証)…………Complete. (完了)】

 

「なんだよ、一体なんなんだよ!」

クラインが困り果てて声を上げる。

 

【All Scan Clear.(全認証クリア) Zero-one System Authorize.(ゼロワンシステムの使用を許可します)】

 

直後、それが実体化した。

「…………なんだ、これ?キリト、分かるか?」

「いや、俺も初めて見るアイテムだ。カイタは分かるか?…カイタ?」

キリトとクラインがこちらを見ているが、俺は目の前のアイテムにくぎ付けだった。

 

「な、なんで…………これがここに…!?」

震える声で言う俺の手には、

 

 

 

 

「飛電ゼロワンドライバー」と「ライジングホッパープログライズキー」が握られていた。

 

 




いかがだったでしょうか。
お気に入り登録していただいた If makerさん、ネクソンさん、競馬好きさん、ありがとうございます!
こんなに早く登録していただけるとは…
感想も書いていただいた方もいました!
他にも書いていただけるとうれしいです。(感想にはできる限り返信をするよう心掛けます。)
誤字報告等もございましたらお教えいただけると幸いです。
次かその次で変身予定です…!
それでは、また。
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