Sword Art Masked Rider 作:通りすがりの幻想
お待たせしましたぁ!
大学の履修登録や授業、課題に追われて、全く執筆出来なかった為、前回の投稿からかなり空いてしまいました……
大変申し訳ございません!
先日、UAが1000件突破しました!これもひとえに、読んでくださるユーザーの皆様のおかげです!ありがとうございます!
さて、余談ですが、先日SAOIF第61層を無事攻略しましたが、ただでさえフロアボスで手一杯だったのに、ラストの「アイツ」が強すぎて絶望しかけました\^0^/
でもストーリーは良かった…………
再三お伝えしますが、この小説には、作者のご都合主義、勝手な解釈、原作設定無視がふんだんにありますので、ご注意ください。
なお、今回からセリフの前に、発言者の名前を入れてみます。
反応をお寄せいただけると幸いです。
(カイタside)
カイタ「ゼロワン、それが俺の名だ!…………お前を止められるのはただ1人、俺だ!」
俺は、そう宣言し、目の前のベローサマギアに切りかかった。
カイタ(奴の能力は、両腕に装備された鎌と、両目から放つ光線。鎌はアタッシュカリバーで応戦して、光線はライジングホッパーの跳躍力で回避してキックで反撃すれば…!)
何しろ、ライジングホッパーのジャンプ力は、ひと飛び60.1mなのだ。追いつける者はまず居ないだろう。そしてキック力に関しても、それまでの歴代仮面ライダーの基本フォームと比較すると破格の威力を誇る49.0tと、「バッタ」の名にふさわしい脚力を持っている。その分、パンチ力は8.4t、つまりキック力の約6分の1とさほど強くないので、接近戦で決め手に欠けることが多い。それをアタッシュカリバーや踏み込みの力で補う形だ。
カイタ(とにもかくにも、奴を広い場所に引きずり出さなきゃな……)
そう思った俺は、ベローサにつかみかかり、超ジャンプをして森を脱出、草原に奴をたたきつけた。起き上がったと思ったら、今度は鎌で滅多切りをしてきた。
カイタ(おいおい!むちゃくちゃだろ!)
なんとかアタッシュカリバーで捌こうとしたがさすがに全部を防ぐことは出来ずに、数発くらってしまう。幸いにも、ゼロワンのパワードスーツ「ライズアーキテクター」により、変身前に比べて全てのステータスが飛躍的に向上していることもあって、レベル8の自分のHPでも1割ほどしか減らなかった。
だが、どちらにせよ、さっさと勝負を決めないといけない事に変わりない。
そう思った俺は、アタッシュカリバーで奴の鎌を折ろうと思った。奴が突進してきたと同時に、カリバーで鎌をたたき切った。
カイタ「これで決める…………!」
マギアが身もだえしている隙に、俺はバックステップで後方に下がり、ドライバーに装填しているキーを押し込んだ。
【ライジング!インパクト!】
ベルトから電子音声が発せられ、足に力がみなぎる。
その勢いにまかせ、マギアに突進し、上空に蹴り上げた。
そのまま自分も飛び上がり、前に一回転して、右足を突き出した。
カイタ「でやあぁぁぁ!」
ゼロワン・ライジングホッパーのライダーキック「ライジングインパクト」がそのままマギアの体を貫通した。
…ここでふと思った。
カイタ(…あれ?これ、このまま爆発するの?)
仮面ライダーに限った話では無いが、特撮怪人のお約束である「撃破後の爆発」。
そんなことになれば街にいるプレイヤーが出てきてしまう。
だが、それは杞憂に終わり、マギアの体はポリゴン状になって消えていった。
カイタ「ふぃ~、これでもう大丈夫…………」
俺はそのまま地面をすべってライダーキックの勢いを殺そうと思った。
ところが。
(ズザザザ…………グキっ!)
カイタ「ぐえっ!?」
勢いを殺しきれずに、足をひねってしまった。
カイタ「どわああああ!」(ゴロゴロゴロ…………ぐしゃっ)
カイタ「い、いてて…………顔から転んだ…もう少し訓練しないとな……」
まあ、マギアを倒せたので、結果オーライとしよう。
俺は起き上がると、キーをドライバーから抜いて変身を解除し、(おそらく腰が抜けたのであろう)木の陰に座り込んでいる彼女に近づき、手を差し伸べた。
サイドテールの女性「あ…………」
カイタ「危なかったな。もう大丈夫だぞ。」
(サイドテールの女性side)
サイドテールの女性(私、助かったの?)
「ゼロワン」という物に変身した彼が、ダメージを受けながらも最後は必殺キックでカマキリのモンスターを撃破するのを、私は木に隠れながら見ていた。
彼はキックの後、その勢いのまま地面を滑りながらこちらに来た。…………途中ですっころんでたけど。
立ち上がった彼がベルトからアイテムを抜くと、変身が解けた。
そして、座り込む私に手を差し出した。
サイドテールの女性「あ…………」
カイタ「危なかったな。もう大丈夫だぞ。」
彼は、優しい笑みと共にそう言った。
その声を聴いた瞬間、私はようやく、
サイドテールの女性(ああ、私、本当に助かったんだ。)
と、心底安堵して、彼の手をとった。
(カイタside)
カイタ「立てるか?」
サイドテールの女性「う、うん、大丈夫。」
俺は彼女の手を取り、ゆっくり立たせる。
サイドテールの女性「…………あの、危ない所を、ありがとう、ございます。」
カイタ「ん?いや、これくらいどうってことないよ。俺は目の前で助けを求めている人を見たら、なりふり構わず助ける主義なんでね。」
それから、俺がこの森に居た理由を話した。
カイタ「ほんと、いきなり剣劇音が聞こえたときは何事かとおもったよ。とにかく、無事でよかった。」
サイドテールの女性「うん。…………でも、本当に死んじゃうかと思った…本当に……」
思い出して恐怖が込み上げてきたのか、彼女は震えている。ここは慰めるべきだ。
…………だが、
カイタ(…………どうすればいいんだ?)
いかんせん、あまり女性と関わったことの無かった俺は、どうすればよいか分からず困惑していた。
カイタ(…………よし、ならこれで…)
出会って数時間の異性にこれをするのは勇気がいるが、やむを得ない。
カイタ「…………」(ギュッ)
サイドテールの女性「あ…………」
カイタ「もう大丈夫。安心して。」
俺は彼女をそっと抱きしめ、背中を撫でてあげる。
やがて恐怖が収まった反動か、彼女が、声を上げて泣き出した。
サイドテールの女性「うう…………うわあああん!」
カイタ「…………」
俺は彼女が泣き止むまでそのまま抱きしめることにした。
…………まあ、無理もない。ゲームオーバーは現実の死を意味するこの世界で、さっきまで命の危機に瀕していたんだから。…いや、俺が駆けつけなければ間違いなく死んでいただろう。そう思うとぞっとすると同時に、救えて良かったと心から思った。
サイドテールの女性「…本当に、ありがとう。」
カイタ「いいっていいって。」
泣き止むと、彼女はお礼を言ってきた。
正直に言うと、異性を抱きしめるのは初めてだったので緊張したが、それで安心してくれたから良かった。
カイタ「それじゃ、街に戻ろう。…………え~っと、」
サイドテールの女性「はい。あ、自己紹介がまだでしたね。私は『レンコ』です。」
カイタ「俺は『カイタ』だ。よろしく。」
レンコ「…………あの、1ついいですか。」
カイタ「ん?何だ?……あ、あと、敬語は無しでいいよ。」
レンコ「う、うん…………あなたが変身?してたあの姿はなに?」
…………まあ、そりゃ聞いてくるわな。
俺は一瞬、答えるのをためらった。だが、なぜか(彼女になら話せる。)と思った。
カイタ「………教えるのは構わないけど、突拍子もないぞ…?」
レンコ「それでもいい。教えて。」
カイタ「…………分かった。ただし他言無用でな。」
そう言われ、俺は、ナーヴギアをアーガスと共同開発した飛電インテリジェンスから来たメッセージとその内容、そしてメッセージと共に飛電ゼロワンドライバーという装備が送付されたことを伝えた。なお、俺がこの世界の住人ではなく「転生人」であることは黙っておいた。
一通り話し終えると、
レンコ「…あの飛電インテリジェンスがそんな物作ってたなんて………それに、そのメッセージも…にわかには信じられない…」
カイタ「まあ、それが当然の反応だ。…………あ、そうだ。さっき、俺がこの森に来た理由、話しただろ?」
レンコ「うん、モンスターの種類やポップ率を調査するってやつ?」
カイタ「正確には、昼と夜でその種類やポップ率が違うから、夜の分の調査をしてる。…………その調査の依頼主に、今夜、ここで「マギア」…あの類のモンスターの事だけど、そいつが出現したって、明日伝えなきゃいけないんだ。最悪の場合、注意喚起もしてもらわないと。普通のモンスターならともかく、奴に対抗できるのは、現状で俺1人だけかもしれないからな。」
…まあ、ゼロワン本編では、滅亡迅雷.netによって暴走したヒューマギア等に対して、人工知能特別法違反を取り締まる権限を持つ、内閣官房直属の対人工知能特務機関「Artificial Intelligence Military Service」、通称「A.I.M.S.」も、俺が使ってる「ゼロワンシステム」と同じくマギアに対抗する手段を持ってたけどな。このSAOにそんな勢力がある訳ない。
カイタ「そんな訳で、君にマギアに襲われた時の証言をしてもらいたいんだけど…頼めるか?」
レンコ「…………」
まあ、そら黙るわな。
何しろ、そいつに襲われて命の危機に瀕していたんだ。もしかしたら思い出すのも怖いほどトラウマになってる可能性だってある。
カイタ「いや、無理にとは言わない。思い出したくない事だってある。元々こちらの問題だしな。」
レンコ「……あの怪物にたいする注意喚起が出るってこと?」
カイタ「へっ?あ、ああ、どういう条件で出現するかとか、詳細はまだわかってないが、出しておく事に越したことはないだろ。」
レンコ「…だったら話す。確かにあれを思い出すのは今でも怖い。でも、私の証言で情報が増えて、他の人たちを守る手助けになるなら、ありのままを伝えたい。」
カイタ「…分かった。」
そう言葉を交わし、俺たちはトールバーナへ戻った。
ちなみに、宿が同じだったのには驚いた。
翌日。12/1。
(どうでもいいが)12月に突入した。
カイタ「…………という事があったんだ。」
アルゴ「そうカ。それは大変だったナ。」
俺は、アルゴに昨日の訓練の際に起きた事を報告していた。レンコも襲撃された時の事を事こまやかに説明していた。
カイタ「それで、お前にはこの怪物の情報をガイドに追加してほしい。一応俺のゼロワンシステムで撃破できたとはいえ、この層のモンスターの強さをはるかに超えている。生半可な実力じゃ、死に行くようなものだ。」
アルゴ「そうだな。分かった。すぐに新しいガイドブックを出すよ。もちろん匿名でナ。」
カイタ「そうしてくれると助かる。」
気休め程度にしかならないかも知れないが、これである程度の対策はされるはずだ。
アルゴ「あ、そうだ、カイ坊。」
カイタ「ん?何だ?」
アルゴ「(ボソッ)あの子の話では、まるであの怪物を見たことあるかのような動きをしていたというが……なんでだ?」
カイタ(っ!?)
アルゴ「それに、思い返してみると、オマエが持っているこのゲームで一品物と思われるその装備のことも、詳細を知っていた…………どうしてダ?」
カイタ「そ、それは…」
アルゴ「まあ、今はほっといておくよ。…………今のところはナ。」
カイタ「…分かった。」
全くアルゴの野郎…………心臓に悪い話吹っ掛けやがって…
レンコ「…あの、何かあった?」
カイタ「…………いや、なんでも無い。」
…あ、あっぶねぇ、聞こえてたかと思った。
アルゴ「それと、こっちが呼び止めた本題なんだが…」
カイタ「相変わらず重要な情報を後回しにするなぁ、お前は!!」
アルゴ「はは、悪かったって。」
カイタ(こいつ、本当に反省してるのか?)
「……はぁ。それで?本題の情報ってのは?」
アルゴ「攻略情報。」
カイタ・レンコ「「!!!!!」」
カイタ「……おい。ってことはまさか…?」
アルゴ「お察しの通りダ。アインクラッド第1層のボス部屋が見つかった。よって攻略会議が行われる。」
カイタ「いつ?どこでだ?」
アルゴ「明日、ここ『トールバーナ』で行われる。」
カイタ「ここでか…」
アルゴ「それで?どうするんだ?」
カイタ「…愚問だな。行くに決まってるだろ。」
アルゴ「言うと思ったヨ。会議はこの中央広場の近くの遺跡で行われるみたいだ。」
カイタ「ああ、分かった。ありがとう。」
アルゴ「じゃあ、はい。」
カイタ「…………何だ?手を差し出して?」
アルゴ「10コル。」
カイタ「」
こいつ、まさかとは思うが……
カイタ「おいテメェ、金取るのか…………?」
アルゴ「はは。冗談冗談。それじゃナ~」
いやアルゴさん、あんたの場合、冗談が冗談じゃ済まない時があるからな……
カイタ「あ、待て…逃げやがったか…」
レンコ「あ、あのぉ………」
あ、やべぇ。彼女の事完全に忘れてた。
カイタ「あ、ああ、スマン。置いてけぼりにしてたな。」
レンコ「あ、ううん。大丈夫。……あの、ボス攻略会議、行くの?」
カイタ「ん、ああ。」
レンコ「…あの、昨日の事で、お礼がしたいのだけれど……」
カイタ「え、いや、いいよいいよ。当然の事をしたまでだし。」
レンコ「それでもなの!……何か、出来る事ないかな?」
カイタ「いや、そう言われてもな……無いものは無……………あ。それじゃあさ、
俺のソードスキルの訓練に付き合ってくれない?」
レンコ「…え?それはいいけど、なんで?」
首を傾げる彼女に説明する。
カイタ「いやなに、これまでは、このベルトになれる訓練をしてたから、NPCの武具屋とかの武器を使っての実践はそんなにやってなかったんだよ……」
そう。つまるところ、俺はSAO本来の戦闘方法であるはずの「ソードスキル」をゲーム初日に使って以来、ほとんど使っていない。当然、武器スキル熟練度も上がってないので、新しいソードスキルなど習得していない。
現在俺が使えるのは初日に習得した単発斜め斬りの「スラント」、「ファイアスラント」といった、基本技のみだ。
無論、今のソードスキルでもフィールドの雑魚戦は余裕だろう。
だが、キリトによれば、この第1層で「スラント」の他に最低限、単発水平斬り「ホリゾンタル」、単発垂直斬り「バーチカル」を習得した方がいいとのこと。さらに欲を言えば、先ほどの技の2連撃「ホリゾンタル・アーク」、「バーチカル・アーク」も習得した方がなおいいとのことだった。
カイタ「という訳でさ、レベリングも兼ねて、訓練に付き合ってくれないか?」
レンコ「ああ、そういう事……」
カイタ「もちろん、お礼はするよ。」
レンコ「え、で、でも…」
まあ、渋るのは分かってた。そこで…
カイタ「…はちみつパン奢るぞ」
レンコ「わ、分かった。」
……少しずるいかもだが、これでいいのだ。(ドヤッ)
その日の夜。
カイタ「ふい~っ。疲れた…」
レンコ「おつかれさま。」
俺はレンコと共に、周辺のフィールドで経験値、スキル熟練度稼ぎをした。分かっちゃいたが、やはりソロよりも複数人でやると効率がいい。その甲斐あってか、俺は無事にキリトの忠告にあった「ホリゾンタル」、「バーチカル」、「ホリゾンタル・アーク」、「バーチカル・アーク」を習得し、レベルも少し上がった。
そしてそれは、レンコも同じだった。
カイタ「よし、今日はこれで引き上げよう。」
レンコ「うん。分かった。」
俺たちはトールバーナへ向かい歩き出した。
ズン…ズン…
カイタ「……今なんか聞こえなかったか?」
レンコ「え?」
ズズン…ズズン…
カイタ「いや、やっぱなんか聞こえる。」
モンスターか…?音からして、かなり図体が大きいやつみたいだが…
???「やああぁ!」
ザシュッ!
???「きゃああぁっ!」
カイタ・レンコ「「!!!」」
カイタ「ま、まさか……」
レンコ「あっちから聞こえた…!」
俺たちは音がした方へ駆け出した。
レンコ「あ、あそこだ。」
レンコが指さす方を見ると、倒れ伏す女性プレイヤーを庇うように立つ男性プレイヤーがいた。
女性の方はフードをかぶっていて、顔をうかがう事は出来ない。フードが赤色なので、自然と童話の赤ずきんが思い浮かんだ。
だが、
カイタ「…あ、ありゃ?」
もう一人、男性の方は、見覚えのある人物だった。
カイタ「あ、あいつ……キリトか!?」
そして、もう一つ。俺を、というか俺たちを驚かせた事があった。
レンコ「う、嘘…………あれって!」
カイタ「げっ!マ、マギア!?あの形態……マンモスマギアか!」
(赤ずきんのプレイヤーside)
私はさっきまで、花の姿をしたモンスター、リトル・ネペンテスの群れと戦っていた。この世界から一刻も早く脱出するために、寝る間も惜しんでレベリングを続けた。それ以外の事は全て無駄な事だと考えている。なぜなら、この世界で一日が過ぎる度に、現実での一日が消えるのだから。
だから、私は無理を承知で、三日三晩、休まずにずっとソロでレベリングをしていた。
でも、今回は違った。
「そんな無茶なプレイをしてたら、死ぬぞ。」
私の前に、現れた男性プレイヤーはそう言って、私が捌き切れなかったリトル・ネペンテスを相手取っていた。
別に助けてもらうつもりは無かったけど、効率が上がったのは確かだ。
とりあえず、後でお礼だけは言っておこう。
ひとまず群れが居なくなり、ひと段落した。
私は、そばにいる彼にお礼を言ってさっさと次の狩場に行こうとした。
すると。
「…あれは、村人か?」
彼がそう言った。
その方向を見ると、確かに村人のNPCが木の陰からこっちを見ていた。
…………こっちに来る。
『滅亡迅雷.netに接続……』
…今なんて言ったの?それに、取り出してるアレは何?
【マンモス…!】
「…待て、そのアイテム、まさか!お、おい、お前、早くそいつから離れろっ!」
彼の方を見ると、必死の形相でこちらに来いと手招きしていた。
赤ずきんのプレイヤー(ただの村人でしょ?なんでそんなに……)
そして再び村人に向き合うと、
【ゼツメライズ…!】
そこに村人はいなかった。代わりに、マンモスのようなモンスターがいた。
赤ずきんのプレイヤー「…………ぇ?」
私はあまりの出来事に言葉を失った。
【ゼツメツ!ノヴァ…!】
目の前のマンモスが突進してくるなかで、私はようやく、最近新たに出現したモンスターの事をガイドブックで読んだ事を思い出した。
だが、気が付くと、私は宙に打ち上げられていた。
ドスン!
そのまま地面に落下した。
体が動かない。ふと自分のHPゲージを見てみると、残り1ドットで踏みとどまっていた。
しかし、それは裏を返せば、さっきの一撃で死んでいたこともあり得たのだ。
さっきのモンスターが再びこっちに狙いを定めた。
一緒にいた彼が猛スピードで私の前に立ちふさがる。
だが、彼が加わったところで、焼石に水ということは(おそらく彼も)よく分かっている。
それでも、私は諦めたくなかった。
はじまりの街で腐っていくくらいなら、最後まで自分のままでいたい。例えモンスターにやられても、この世界には負けたくない…!
【ゼツメツ!ノヴァ…!】
再びモンスターが突進してきた。
だが、私は倒れたまま体が動かなかった。
「クソッ、今あれを喰らったら………!」
???(…動いて。私の体、動いてぇぇぇ!!!)
【ジャンプ!】
【(ガシュン)Progrise key confirmed. Ready to utilize.】
【グラスホッパーズ、アビリティ!】
【ライジング!カバンストラッシュ!】
「「え?」」
「全く、動けない女性を狙うたぁ、礼儀がなっちゃいねぇな。」
だ、誰?こ、この人は?
だが、突然意識が薄れてきた。長時間ダンジョンに潜っていたツケが回って来たのだろう。
私は、困惑と共に、不思議な安心感を感じながらゆっくり意識を手放した。
意識を手放す直前、黄色い姿と赤い複眼がうっすらと見えた。
(カイタside)
カイタ「絶対ここから動くなよ!」
レンコ「う、うん!」
【ゼロワンドライバー!】
【ジャンプ!】
【オーソライズ!】
カイタ「変身!」
【プログライズ!】
【ライジングホッパー!】
モンスターがキリト達の方へ突進するのを見た俺は、すぐさまゼロワンに変身し、2人の方へ向かった。その際に、アタッシュカリバーを展開、キーを装填し、強化必殺技の「ライジングカバンストラッシュ」を発動した。
もっとも、本来のカバンストラッシュよりも一工夫加えている。攻撃を与える際に、ソードスキルの「バーチカル・アーク」のモーションを作動させたのだ。余談だが、俺はこれを勝手に、「バーチカル・ツインストラッシュ」と呼ぶことにしている。
話を戻そう。
ともかく、俺は技をマギアに命中させ、ノックバックさせることに成功した。
カイタ「全く、動けない女性を狙うたぁ、礼儀がなっちゃいねぇな。」
後ろを見ると、キリトは突然の乱入者に驚き、もう一人は…………なぜか気絶していた。
……俺、なにかやったんでせうか?(←お前のせいだ)
カイタ「…………え、え~っと、とりあえず大丈夫か?キリト。」
キリト「な、何で俺の名前を!?…………いや、その声…まさかお前、カイタか!?」
カイタ「ああ。久しぶりだな。キリト。」
キリト「…で、でも、お前のその姿は?」
カイタ「話は後でする。とりあえず選手交代だ。後ろの木の陰に俺の仲間がいる、その人を連れてそこまで下がってろ!」
キリト「わ、分かった!気をつけろよ!」
キリトがもう一人のプレイヤーを連れて、レンコがいる木の陰に隠れた。
さて、ここからは俺の仕事だ。
カイタ「さて、マンモスは原始時代みてぇに焼き肉にしてやるよ……」
【ファイヤー!】
【オーソライズ!】
【プログライズ!】
【Gigant flare!フレイミングタイガー!】
【Explosive power of 100 bombs.(威力は爆弾100発分)】
俺は奴を丸焼きにしてやろうと思い、ゼロワンの亜種形態、ハイブリッドライズの「フレイミングタイガー」にフォームチェンジした。
カイタ(よし、こいつも速攻で片付けよう。)
そう思い、俺は右拳を握りしめ、反対の手でアタッシュカリバーを握った。瞬間、奴に飛び掛かり、炎をまとったパンチや斬撃、回し蹴りのラッシュをお見舞いした。
そして、奴のHPが半分になった。
カイタ「焼き加減はどれが好みだ?レア?ミディアム?それともウェルダンか?」
俺はドライバーのキーを押し込んだ。
【フレイミング!インパクト!】
俺は腰を落として両手を右腰のそばで構え、あるポーズを繰り出した。
カイタ「ご~く~ね~つ~!……波ぁぁぁ!!!!」
掛け声を上げた瞬間、両手を前に突き出し、極太の火炎放射を放った。
そのビームにも似た一撃は、マギアに直撃した。
と思ったら。
カイタ「…………………へぇっ?」
あろうことか、奴がビームを鼻で吸い込んで吸収した。
そして、そのままこちらに向かって噴射してきた。
カイタ「」
カイタ(………あるぇぇ?何かこの展開、ど~っかで見たような……………あ、)
ふと思い出した。
カイタ(これ、ゼロワン本編と同じ展開だぁ。)
…………どうやら、丸焼きになるのはこっちの様だ。
カイタ「…ってこらっ~!火炎放射なんて馬鹿な真似はよしなさい!そうだ!やめたら勲章をアッチィィィィィィィィッッッッ!!!!」
(キリトside)
俺は、一緒に居たプレイヤーを背負い、そばの木に隠れようとした。
レンコ「あ、こっちです!……あの、大丈夫ですか?」
キリト「ああ、俺は大丈夫だ。えっと、君は…」
レンコ「あ、ごめんなさい。私は「レンコ」です。今は訳あって彼と一緒に行動しています。」
キリト「レンコか。よろしく。俺はキリトだ。……それで、カイタのあの姿は…?」
レンコ「私もよく分からないんです。でも、彼は自分の事を「ゼロワン」って言ってました。」
キリト「ゼロワン、か…あのモンスター、倒せるのか?」
レンコ「一応、倒せるみたいです。現に、私が襲われたときは、あっさり倒してましたから。」
キリト「襲われた?…それじゃあ、今日の午後に更新されたガイドブックにあった証言って、君のか?」
レンコ「はい…………」
実は今日の午後、新しい攻略ガイドブックが道具屋で配布された。それによると、街の外れの森に、とてつもなく強いモンスターが出現するという事だった。いつもの俺ならば、すぐさま討伐に行こうと思うが、そのモンスターは現状のプレイヤーが戦える強さを遥かに上回っており、しかも対策がはっきりしていない為、むやみな交戦は避けるようにと書かれていた。
そこまで強いのかと訝しんだが、今の光景を見て納得した。敵が使っているアイテムと、カイタが使っているアイテムはどことなく似ている。確かに、ここは彼に任せた方が早く片付きそうだ。
カイタ「さて、マンモスは原始時代みてぇに焼き肉にしてやるよ……」
【ファイヤー!】
【オーソライズ!】
【プログライズ!】
【Gigant flare!フレイミングタイガー!】
【Explosive power of 100 bombs.(威力は爆弾100発分)】
いきなり上空からトラが降ってきて、カイタと融合した。次の瞬間、カイタのバッタのような見た目が一変、真紅のトラの様になった。炎をまとったカイタが、猛烈なラッシュを繰り出した。
パンチ、斬撃、またパンチ。そして回し蹴り。恐ろしいスピードで攻撃を叩き込んでいく。
そうこうする内に、奴の残存HPが半分を切った。
カイタ「焼き加減はどれが好みだ?レア?ミディアム?それともウェルダンか?」
おそらく奴を丸焼きにしようとしているんだろう。マンモスの丸焼きか…食べてみたいな。
………いやいや、何考えてるんだ。
そんなくだらない事を考えてると、カイタが後ろに飛び、ベルトに装填したアイテムを押し込んだ。
【フレイミング!インパクト!】
電子音声が鳴り響き、カイタが構えをとった。……何かどこかで見たことあるな。
カイタ「ご~く~ね~つ~!……波ぁぁぁ!!!!」
…うん、やっぱりどこかで見たことあるぞ。
ともかく、カイタの必殺はモンスターに命中した。
かに見えた。
キリト・レンコ「「えっ?」」
何と、あいつがビームを吸収して、そのまま打ち返してきたのだ。
キリト「…これ、まずいんじゃ。」
カイタが何かわめいている。だが、抵抗むなしく、
カイタ「アッチィィィィィィィィッッッッ!!!!」
炎に飲まれていった。
キリト「カイタ!!」
俺は彼のもとに行こうと思ったが、不運にもモンスターがこちらに狙いを定めた。
レンコ「ひっ!」
キリト「…くっ!」
やるしかないのか。
カイタの安否が分からない以上、こちらはあのモンスターに対抗出来うるのが俺しかいない。
後ろでは一人が今だに気絶中、もう一人はおびえていた。
キリト(せめて後ろの二人だけでも守りぬく!)
俺はそのまま、ホリゾンタルの構えをとった。
だが、いつまで経っても突進してこない。
パキパキパキ…
キリト「…ん?」
よく見ると、あのマンモスが足元から凍り付いていた。
こんな芸当ができるのは彼しかいない。
カイタ「こぉぉぉぉんの野郎ぉぉぉぉ!!!」
燃え上っていた場所から、先ほどの姿と打って変わり、シアンのカラーリングの、シロクマの様な姿をしたカイタ…いや、ゼロワンが飛び込んできた。
(カイタside)
カイタ「アッチィィィィィィィィッッッッ!!!!」
は!?なにこれ!!冗談抜きで熱いんですが!?
フレイミングタイガーって耐熱があるんじゃないの!?
…あ、そういえばゼロワン本編で初変身した時も、なんか暑がってたな。
……………いやいや!呑気な事言ってる場合じゃねぇ!このままだとマジでお陀仏だぞ!
どうする?どうする!?
カイタ(…とりあえず緊急冷却だ!)
そう思い、俺は「フリージングベアープログライズキー」を実体化させた。
【ブリザード!】
【オーソライズ!】
【プログライズ!】
【Attention freeze!フリージングベアー!】
【Fierce breath as cold as arctic winds.(荒ぶる息吹は極地の寒波。)】
カイタ「あっぶねぇ~、もう少しで火傷するところだったぞ!」
フリージングベアーの手の平にあるフリーズユニット「ポーラーフリーザー」で、炎上しかけた自分の体に凍結材を噴射し、炎を鎮火した。さらに脛部装甲「ベアーグリーブ」に内蔵された、戦闘により上昇した体温の冷却、筋肉痛・疲労軽減、止血などのケアを行うアイシング装置により、わずかながら体力も回復した。
かいた「お~のれぇ~!マンモスの分際で俺をコケにしやがって!もう許さん、マジで許さん!」
よく見ると、マギアがキリト達の方にターゲットを切り替え、今にも突撃しようとしている。
俺は焦りと共に、必殺をいとも簡単に攻略された悔しさに身を任せ、装填しているキーを半ば叩き込むように押し込んだ。
【フリージング!インパクト!】
俺は冷気をまとった拳を地面に叩きつけた。
そこから冷気が地面を伝わり、マギアが足元から凍り付いていく。
カイタ「こぉぉぉぉんの野郎ぉぉぉぉ!!!」
完全に凍り付いたのを見計らって、俺は奴に向かって突進、指先についている「ベアークロー」で切り裂いて木っ端みじんにした。
カイタ「ぜぇ…ぜぇ…な、何とか倒せた…」
俺は変身を解除し、ふらふらになりながらキリト達のもとへ行った。
(キリトside)
凍結させたモンスターを木っ端微塵にしたカイタがよろめきながらこちらに来る。
カイタ「キ、キリト…だ、大丈夫か…?」
息も絶え絶えにカイタが問いかける。
キリト「あ、ああ、俺は平気だ。ほかの2人も同様だ。お前は大丈夫…な訳ないか。」
カイタ「ああ、さすがに死ぬかと思った…ところで、そのもう一人の女性はなんで気絶したんだ?」
キリト「いや、あのモンスターの突進で高々と上空に打ち上げられたんだよ。下手をすれば死んでいてもおかしくなかった。元々、無茶なレベリングで消耗しているように見えたからな。なんか、闇雲に戦っていたというか…」
カイタ「そうだったのか。死ななかったのは、不幸中の幸いといった所だな…」
彼の言葉を聞きながら、俺は異形の戦士に変身してモンスターと戦った目の前の彼をまじまじと見つめた。その中でも、ひと際目を引くのが、彼の腰に巻かれているベルトだ。俺はそれを、デスゲームが始まった初日に見ている。
キリト「そのベルト…カイタ、それが飛電インテリジェンスから託されたものなのか?」
カイタ「…ああ。ゼロワンシステム。あの怪物、マギアに対抗するために飛電が開発したシステムだ。」
キリト「そうか。」
カイタ「あ、キリト、この事は…」
キリト「ああ、分かってる。他言無用だろ。」
カイタ「そうしてくれると助かる。」
キリト「何はともあれ、助けてくれてありがとう。本当に助かったぜ。」
カイタ「いや、いいって事よ。…しっかし、攻略会議前日だってのに、ものすごい疲れたぜ…」
キリト「お前も参加するのか?」
カイタ「当たり前だ。無茶はしないように善処するが、一刻も早くこのゲームをクリアしないといけないからな。そういうキリトだって参加するだろ?」
キリト「そうだな。…ベータの時よりペースが落ちてるとは言え、基本的には同じ仕様なんだ。30分もあれば余裕で倒せるはずだ。」
カイタ「へえ、随分と大きくでたな。じゃあ、ベータテスター様のお手並みをじっくり拝見しましょうかね。」
キリト「あんまり期待はするなよ?お前こそ、その装備はどうするんだ?」
カイタ「ゲームバランスをぶっ壊していいってんなら遠慮なく使うぜ?」
カイタが不適に笑いながらそう言う。確かに、そんな装備出されたらいやでもバランスが狂う。
キリト「はは、そりゃ勘弁だ。」
俺は苦笑しながら答えた。
カイタ「…じゃ、キリト、また明日、会議で。」
キリト「…ああ、またな。」
そう言って俺たちは別れた。
…さて、この気絶したプレイヤーを送り届けないと。
そう思った瞬間。
???「…………ん、んんぅ…」
キリト「お、気が付いたか。」
???「…っ!あのモンスターは!?」
キリト「安心しろ。誰かが倒してくれたよ。……顔は分からなかったけどな。」
俺は、「秘密にしてほしい」というカイタの意図をくみ取り、誤魔化すことにした。
???「……そう。」
キリト「お、おい、まだあまり動いたら…」
???「問題ない。少し休んでただけ。」
そう言いつつも、少しふらつきながら彼女は去っていく。
でも、その言葉から発せられる威圧的な何かに俺は、ただ立ちすくむ事しかできなかった。
(カイタside)
翌日、12月2日。
第1層攻略会議当日。
俺は起きて装備を整えると、すぐに会場となっている古代遺跡へ向かった。
向かったのだが………
カイタ「………なぜついてくるんでせうか?」
レンコ「………」
なんとレンコが同行すると言い張って聞かないのだ。
レンコ「…私も強くなりたいから。あなたのように。そして、いつかあなたの背中を守れるように。」
カイタ「…心意気は立派だが………本気なんだな?」
レンコ「(こくん)」
カイタ「……俺のあの装備を見ても、同じことが言えるのか?今後、誰かに狙われるかも知れないんだぞ?」
レンコ「………(こくん)」
カイタ「………分かった。なら、何も言わない。…じゃあ、パーティー結成しておこうか。」
レンコ「うん。分かった。」
道中、そんなやり取りがあり、レンコと正式にパーティーを組んだ。
━そして。
カイタ「ここか。」
会場には、すでに推定40、50人のプレイヤーが集まっていた。当然、その中にはキリトの姿も見られた。…その近くには昨日の赤ずきんのプレイヤーがいた。
俺とレンコは、彼らの近くに陣取った。
しばらくして。
???「は~い!それじゃあ、そろそろ始めさせてもらいます!」
壇上に立ったこの男の発言で、第1層攻略会議が幕を開けた。
いかかだったでしょうか。
戦闘シーン難しい…………
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第5話にして、お気に入り登録者が2桁を越えました!
これからも頑張って書いていきます!(←長期間更新空けた奴の戯言です)
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なので、評価、および感想を書いていただけると、主が昇天するほど喜びます。
予告通り、次回から第1層フロアボス編に入ります。
更新がミジンコより低速ですが、何卒宜しくお願い致します。
それでは、また。