あたしが意識を取り戻した時、そこは見知らぬ天井だった。
意識が朦朧としていてよく覚えていていないんだけど……聞いた話しでは、トレーナーが車で迎えに来て、すぐに保護してくれたらしい。
そして倒れていたあたしは介抱され、今は病院のベッドの上……というわけだ。
「その……色々お世話になっちゃったね……」
食費を切り詰めていたためか栄養失調になっており、さらに寒空の中、厚着もせずずっと外にいたせいで低体温症になりかけていた、と医者から告げられた時は、本当に危険な状態だった実感する。
そして当然の如く、最低でも数日は入院する運びとなっていた。
これでトレーナーのお世話になって、病院に連れていかれたのは二度目……。
付き添いであたしの病室まで来てくれたトレーナーに対して、他にも「急に電話かけてごめん」とか「迷惑かけてごめんなさい」とか言うべきことはあったんだけど、何か気恥ずかしくて、うまく言えなかった。
「いえ、とんでもない。……困った時はお互い様ではないですか」
以前と変わらず、優しい笑みを浮かべながら、あたしのことを気使ってくれる。
その暖かさがとても嬉しかった……。
「ありがとう、トレーナー……って、もうあたしのトレーナーじゃなかったんだ……」
昔の癖でごく自然に『トレーナー』と、呼んでしまっていたことに気づく。
もうチームにも入っていなければ、トレセン学園の生徒でもないのに……。
「そのままで構いませんよ。今でも私のチームの一員だと、そう思っていますから――」
その言葉に嬉しさがこみ上げてきて、つい泣いてしまいそうになった。
もうあたしの事なんか覚えていない、そう思っていた過去の自分に言い聞かせてやりたい。
「それは嬉しいなぁ……。それに今更『長末さん』とか呼ぶの、なんかちょっと恥ずかしいしね」
本当は泣きたいほど嬉しかったけど、それをごまかすように少しおどけて笑ってみせた。
こうやって誰かと話し、自然と笑うことがまだ出来た――。
あそこで全てを終わりにしていたら、そんなことも出来なくなるところだった。
一時でも命を投げ出そうとしてしまった自分がとても愚かだったと……今はそう思う。
「……色々負担かけちゃって、ごめんなさい。その……今は何も返せないけど、いつかこの恩は必ずちゃんと返すから……」
突然の電話にもかかわらず駆けつけて、病院まで手配してくれて、あたしのためにかけた労力は計り知れない。
この恩義には言葉だけではなく、形で返さないと不義理だし、なによりあたしの気がすまない。
しかしトレーナーは『必要ない』というかのように、首をゆっくり振った。
「今はゆっくり休んで下さい。これからのことは……その後で考えましょう」
トレーナーはどうしてこうなったのかとか、今までどんな暮らしをしていたのかとか、何も聞いてこなかった。
もし訊かれたら……あたしはきっと口籠っていたと思う。
あのほとんど路上暮らしと変わらない日々を、臆面もなく語れる自信はなかった。
もしかして、そうなるのを予想してあたしに配慮してくれたかな?
もしそうだったら、まったくトレーナーには敵わない……。
今はただ言われた通り――その優しさに甘えることしかできなかった。
あれから数日が経過する。
何日か病院で大人しく養生していたおかげで、すっかり具合もよくなり、退院することとなった。
「いやー……久しぶりのシャバの空気はおいしいなー……」
病院の外、そんなふざけたことを言って深呼吸できるぐらいには、元気になっていた。
むしろ前より元気になった気がする。
まあ三食昼寝付きの生活で、肥えたともいうけども……。
「――ところでボーガンさん、これからどうされるのですか?」
保護者がいないあたしにため、色々と手続きを代わりにトレーナーが行ってくれていた。
さて退院したらどこに帰ればいいのだろうかとなったこの間際、トレーナーがそうあたしに投げかけてきた。
「え、えーっと……」
まずい……何も答えられない。
せっかく退院できても、今のあたしにどこか行く宛とかないわけで……。
ただ入院費とかもろもろ含めて、今回お世話になったトレーナーには、迷惑をかけた分はちゃんと耳を揃えて返したいと思う。
そのためにもどこか働き口を見つけないとだね……。
「とりあえず、どこか住み込みで働けるところをこれから探そうかなぁって……」
あはは……とバツが悪いのをごまかすように空元気をみせながら笑ってみたけど、全然効果はなかったようで、トレーナーは頭を手を当てて困ったようにため息を一度つく。
「……なんとなく予想はついていましたが、かなり当てずっぽうじゃあないですか……」
はい……返す言葉もないです。
すぐに働き先が決まらなかったらどうするのか、その間の住むところや食事などはどうするのか等々……考えなしと批難されても、反論できなかった。
それが簡単にできなかったから、あんな羽目にあったわけだし……。
あたしが何も答えられないでいると、トレーナーは顎に手を当てて何かを考え込む。
そして何かを思いついたようだった。
「――すみません。少しそこでお待ちいただけますか」
あたしは構わないというようにそれに対して頷くと、トレーナーは懐から携帯電話を取り出しながら、少し離れたところに行き、どこかに電話をかける。
何の話をしているのかまでは、距離があったため聞き取れなかったけど、その電話のやりとりはものの数分で終わり、すぐにトレーナーはあたしのところへ戻ってきた。
「ボーガンさん……今から少し、お時間を頂いてもよろしいですか?」
いつもは愛想よく柔和な笑みを浮かべているトレーナーだったけど、このときはいつになく真剣な表情だった。
そのあまり見たことのない顔立ちに、あたしは少し困惑する。
「――え? あ、うん、別に構わないけど……」
トレーナーの様子は気になったけど、まあこれといって特に用事もないし、断る理由もなかったので快諾した。
「これから会って頂きたい方がいます」
◇◆◇
車に乗って揺られることはや数時間――。
全然見知らぬ、どこかの喫茶店の駐車場に着いていた。
あたしはてっきり、ルーブル先輩とかラフインとかマーチとか数少ない知人と会うため、トレセン学園に行くものかと思っていた。
予想はものの見事に外れた。
移動中、何度かどこに向かっているのか、誰と会うのか、とトレーナーに質問をしたけど、「会えばわかりますよ」と答えをはぐらかされて終わっていた。
先に車を降りたトレーナーの後についていくように、あたしも車を降りると、そのまま喫茶店の中へと入る。
喫茶店の中に入ると、ひいたコーヒー豆の芳醇な香りが漂ってくる。
店内はすこし薄暗く、程よいボリュームのジャズがかけられており、なかなか趣があって落ち着いた空間が流れていた。
あたしはあまりそういう大人びたお店には入ったことがなかったので、ひどく新鮮に感じる。
ここで誰かと待ち合わせでもしていたのだろうか、トレーナーは店員に何かを伝えると、店員が「こちらです」と店内を案内する。
そのままトレーナーと一緒に、店員に案内されるまま奥の客席へと行くと、そこにはおそらく夫婦なのだろう、一組の中年の男女が、席に座っていた。
もちろんあたしにはそんな知り合いは居なく、見知らぬ人だった。
「どうもご無沙汰しております。申し訳ございません、お待たせいたしまして……」
トレーナーは相手に頭を下げながら、挨拶を交わす。
どうやらトレーナーとは面識がある人物のようである。
「あら、いいんですよ。ようやくチェックインを済まして、ちょうどのんびりしようと思っていましたから」
気立ての良さそうな印象を受けるご婦人が、明るい声でそう答える。
そしてあたしの姿を見るや否や、ひときわ大きな声を上げた。
「まあボーガンちゃん! やっと会えたわね~! 無事でよかったわっ!!」
ご婦人は席から立ち上がると、あたしの手を握って、嬉しそうに破顔する。
――え、え?
どういうことなの……状況がまるでわからず、助けを乞うようにトレーナーの方に視線を向けた。
するとトレーナーはクスッと笑うと、あたしに説明してくれた。
「……この方は松本さんですよ。ほら、ファンレターを頂いていた――」
あーそうかーあの松本さんかーって……ええ!?
あの岡山県在住の松本さんが、なぜここに……。
ここが岡山県というわけでもない。
車の中で眺めていた道路の標識を思い返してみても、岡山からだいぶ距離が離れていたはずだけど……。
「――実は今日ここでお会いする約束をしていたんですよ。それでボーガンさんのことを前からずっとご心配されていて……どうしてもボーガンさんとお会いしたいと前からお願いされておりましたので、今日ボーガンさんをご紹介させて頂いた、ということです」
そういうことだったのか……トレーナーのその説明をきいてようやく合点が行ったけど、随分とサプライズが過ぎる。
トレセン学園から離れてからは松本さんとは、やり取りがずっと途絶えていた。
施設では手紙を出す余裕もなかったし、そして施設を出た後は……。
たしか最後に返信した手紙には、『引退することになりました、今まで応援してくれてありがとう』といったような、淡白な内容を綴った記憶がある。
こんなあたしのことをまだ覚えていてくれたなんて……嬉しい限りだ。
「あのね、ボーガンちゃん、話があるのよ」
「あ、はい……。な、なんでしょうか」
何度か手紙のやり取りを交わしていたが、まさか対面する日が来るとは想像したこともなく、自分のファンに会うというのも、気恥ずかしくてなんだか緊張してきた。
「ボーガンちゃんが引退して、施設に預けられたっていうのをきいて……」
一旦そこで区切ると、あたしの手を両手で優しく握りながら、言葉を続ける。
「それでずっと考えていたの……。あなたを、養子に迎え入れたいって――」
え――?
自分の耳を疑った。
聞き間違かと思った。
それって、あたしを娘として引き取りたいってことだよね?
でもなんであたしなんかを……いくら少しの間手紙のやり取りを交わしていたからといって、それこそ会ったこともない赤の他人なわけだし……。
突然の事で困惑して、何も反応を返さないでいると、松本さんはこれまでの経緯を語ってくれた。
あたしが返した手紙で、引退することを知った松本さんは、手紙にはトレセン学園を去ることや施設に入ることまでは書いていなかったので、トレセン学園にあたしのことを問い合わせしたらしい。
最初のうちは『個人情報なので教えられない』と、学園側は取り合ってくれなかったみたいだけど、何度も何度も毎週のように問い合わせの電話や嘆願書を何ヶ月も続けて送り続けていたら、とうとう学園側が根負けして、あたしの担当だったトレーナーに対応を一任され、トレーナーと繋がったらしい。
そうしてトレーナーから天涯孤独となって施設に入ったことを知った松本さんは、すぐにその施設にあたしを引き取りたいと掛け合ったみたい。
けれどタイミング悪く……すでにあたしが施設から出た後のことだった。
それからあたしの行方がぱったりとわからなくなって、トレーナーと松本さんはひどく心配したらしい。
「……その、お気持ちはありがたいんですけど、なんであたしなんかを……」
視線を合わせるのが気まずくて、あたしは別の方を見ていた。
ファンだったから、と一言で片付けるには重い――犬や猫を引き取るのとはわけが違う。
そこまでしてもらう理由が見当たらないし、そんな過ぎた好意は、あたしになんかにはもったいなさすぎる。
手放しで喜べず……ただただ、気が引けた。
「――あのね、わたしたち夫婦には子供がいないの、ずっと子供に恵まれなくてね……。そんな折にあなたのことを知って、頑張っているあなたの姿を見て、『わたしにもこんな子が欲しかったなぁ』って、どこか我が子を見るような目で応援していたの……」
だからそのうち他人の子とは思えなくなったという。
「もうボーガンちゃんが一人で苦しんでいる姿を見ていられないの……。よければ、わたしたちと一緒に暮らしてみない……?」
おそらくあたしが行き倒れていたのをトレーナーから聞いているのだろう。
そんなあたしを放っておけず、守ろうとしてくれている……。
それは生半可気持ちで決めたことじゃない。
並々ならない覚悟と決断を秘めているのは、言葉の端々で感じ取れるし、本当にあたしのことを家族として迎え入れたいという想いが伝わってくる。
けど……あたしにはもう……。
「……すみません。少し考える時間を下さい……」
あたしは相手の顔を直視できず顔をうつむきながら、握られた手のひらをゆっくりと解いてそう言い残すと、踵を返してこの場から立ち去り、店内のトイレの個室へ駆け込んだ。
◇◆◇
あたし、何やっているんだろ……。
逃げるにしたって、店の外とかあったのに……これじゃあずっとここに閉じこもっていなきゃいけなくなる。
そんな打算的な行動をとれる余裕すらなかった。
なんとなくあの場に留まるのが辛かった……。
あたしは何をするでもなく、ただじっと壁にもたれかかって、時間が流れていくのを呆然と過ごす。
今にして思う、失礼な事をしてしまったなぁ……と。
別に松本さんの家族になることが嫌だったわけじゃない。
ただ……怖かった。
あたしはいつも誰かに手を差し伸べられ、それに救われてきた。
それが二度もあった。
けど、いつも手にしたその『幸せ』は、まるで運命が意地悪しているみたく、いつも儚くこの手から消え去っていく……。
その度に嘆き、心をすり減らして、運命を呪った。
だったらもう、幸せを求めなければ――あんな気持ちを味わわなくて済む。
……自分でも随分と後ろ向きな考えだと思う。
けどこれまでの道程は、そう思いたくなるような人生だった。
幸せにならければ、傷つくことはない。
もう傷つかなくて済むなら、幸せにならくてもいい……。
あたしはとても弱かった……。
レースでは負けない気持ちで立ち向かえたけど、今はもうその勇気の欠片すら残っていない。
松本さんには申し訳ないけど断ろうと、そう思った時――静まり返った個室内に突如として着信音が響く。
一瞬、どこから鳴っているのか検討がつかなかったけど、思い返す。
それはトレーナーから「連絡がつかないと困ることがあるかもしれませんので、持っておいて下さい」と渡され、あたしのポケットにしまってある
スマホを取り出してディスプレイを見ると、おそらくトレーナーが事前にアドレス登録しておいたのだろう『長末樹生』と、トレーナーの名前が表示されていた。
「はい……もしもし……」
まだ操作になれないせいもあっておぼつかない手付きで電話に出る。
とても電話に応対できるような精神状態じゃなかったけど、無視するのもバツが悪かったから出てしまった……。
『よかった。無事みたいですね……。長いこと籠もっているから心配しましたよ……』
どこか安心したような声でしゃべるトレーナー。
しかし言われて気づく。
頭の中がぐちゃぐちゃになってここで思い悩んで、時間が経過していたようだ。
「その……松本さんは……?」
普通なら怒って帰っても仕方がないことをしてしまった。
様子が気になってトレーナーに伺う。
『……まだこちらにいらっしゃいますよ』
「そう……なんだ……」
なんか安心したような、悩みのタネが増えたというか……。
あんな拒絶するような形で逃げ去ったのに、まだあたしを待っていてくれる。
きっと本当に優しい人なんだろうなぁ。
断ろうと思ったけど、想いを無下にするのも申し訳無さすぎる。
あたしは、ますますどうしていいのかわからなくなる。
「あたし……どうしたら、いいのかな……」
思わず誰かの手を借りたくて、電話の相手にそう頼ってしまった。
まだ悩んでいる……。
傷つくのを恐れてあの独りぼっちの苦しみをずっと続けるか、いつ崩れるのかと怯えながら新しい家族との生活を選ぶか、を――。
誰かの後押しが欲しくて、そんなことをぼやいてしまう。
けどトレーナーは、今回ばかりは、あたしに厳しかった。
『ノープロブレムと、言って助言して上げたいところですが……これはボーガンさんが自分で決めなければなりません』
きっとアドバイスをもらったらそれを真に受け止めて、自分自身の判断をちゃんとせずに決めてしまっていただろう。
それをトレーナーには見透かされていたのだ。
『ただ――あなた自分で、幸せになることを諦めないで下さい。……それだけは私の口からお伝えします。それでは……』
トレーナーはそう告げると、電話は一方的に切れる。
まったく……手厳しい。
自分で悩めと、いうのだ。
あたしはフタを閉めたままの便座の上に座り、膝を抱えて物思いに耽る。
昔、成績が伸び悩んで不調に悩んでいた時に、トレーナーから貰った『答えは自分の中にある』という言葉を思い出す。
結局、あたしはどうしたいのか――。
自問自答を繰り返す。
あたしは、本当に幸せを諦めるの……? 諦めきれるの……?
ただ嫌なことが続いて臆病になってしまった。
けどそれでは何も始まらない。
恐れていては、何も掴めない。
それはレースだって、これからの人生だって同じことだ。
あの時――全てが終わりかけた時、心の底から湧いて出てきた自分の感情……。
――幸せになりたい。胸を張って生きていたい。
そう、願ったではないか――。
まったく……あたしはバカだ。
傷つくことを恐れて、幸せになることを諦めようとしていた。
与えられた物で満足するだけ……それでは何も掴み取れない。
ここが終着点ではない。
まだこの道を駆け抜けている途中なんだ。
自分のことを自分が信じなくてどうする……!
ただなにもせずに悔やむようなことはしたくない。
ターフの上で駆け抜けてきたように、勇気を持って自分から前へ一歩進み出さなければ……。
そのために今何をするべきか――答えはもう、わかっていた。
あたしはトイレの個室から飛び出していた。
そして勢いよくトイレの扉を開けると、入り口にはあたしのことを心配していたのだろう、トレーナーや松本さんが待ってくれていた。
「ど、どうしたの……もう大丈夫なの……?」
松本さんは突然戻ってきたあたしの様子が少しおかしいことに気づき、気遣いの言葉をかけてくれる。
「はい……もう大丈夫です。ご心配かけて、すみませんでした」
まずは心配をかけたことを謝る。
これだけじゃ足りない。
……今度はちゃんと相手の目を見て、伝えよう。
「あと……さっきは失礼な態度で、ごめんなさい!」
あたしは、一度大きく頭を下げて松本さんに向かって謝罪をした。
そして数秒してから頭を上げ、まっすぐに松本さんを見つめながら、こういった。
「そして、こんなあたしでよければ――家族にして下さいッ!」
一度はあたしに差し伸べられた手を、今度は自分から手を差し出す。
いつもあたしは誰かに手を差し伸べられてきた――。
けど、それだけじゃ変えられない。
手を取るだけではなく、自分のこの手で掴んでいかなければ……。
やまない雨はない。
降り注いだ冷たさも、いつかは変わっていく。
もう一度ここから始めるんだ。
「ええ、ええ……もちろんよ。これからよろしくね……」
松本さんはあたしの手を大事そうにそっと握る。
そして優しそうに微笑みかけてくれる。
あたしも返すように、自然と笑みがこぼれていた。
そうして――あたしに新しい家族ができた。
これから大変なこともきっとあるだろう。
けど傷つくことはもう怖くない。
けして一人ではないのだから――。
大丈夫、この道は未来に続いている。
運命なんてものはいくらでも変えられる――もう運命を呪う必要なんかない。
これまでの自分があったから、今の自分がある。
だから一つずつ歩んでいこう。
ウマ娘としてではなく、ただ一人の娘として、幸せになるためのその一歩を……。
例によって長くなってしまったので2本に分けました。
次回のエピローグで完結となります。