ヤーナム憑依転生   作:蓬莱鈍足

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たくさんの感想をありがとうございます。
感想によるモチベUPはすごいですね!本当にありがとうございます!

それにしても、今回は難産だった。
森は長いわ、戦闘描写は難しいわ、ほんと……


12話 禁域の森

禁域の森。

新キャラ作成・周回をする上で面倒なマップであった。

 

森を進むと、順路の花畑を進まずに行き止まりへ足を進める。

ちなみに敵は狩人さんが皆殺しにしていた。ありがとう。

 

そんな狩人さんは俺が何をするのか分かっていない様子。

俺がしようとしているのは「禁域の森バグショトカ」だ!!

この禁域の森マップを攻略するために編み出されたテクニックだ。よくRTAの動画で見ていた。

そして、名の通りバグである。普通はいけない場所へ行くことができ、近くの正規ルートに合流する

 

狩人さんのデータではこのショトカの存在を知らなかったので正規ルートを苦労して進んだ。

 

行き止まりのにある岩に向かって走り、ジャンプする。

どうにか岩によじ登ることができた。

 

『狩人さんもこっちに来なよ』

「この移動方法はやめませんか?」

 

この移動方法はRTAの技の一つになったとはいえ公式が想定していないやり方だ。

この世界の住民である狩人さんには忌避するものなのだろう。

 

でも俺はこのショトカを使いたい。

廃村で戦うのは嫌だ。油沼を走るのは嫌だ。大砲に狙われるのは嫌だ!

 

『私は弱いから、この道を使いたいんだ』

「……」

『この道を使えば普通に行くより早いし安全なんだ』

「……わかりました、行きましょう」

 

俺の方へ走り、ジャンプする狩人さんの手を掴んで同じ場所へ引き上げる。

 

狩人さんは周りを見て何かに驚いた後、急に顔色を悪くした。

握っている手も震えている。

 

何かあるのかと周りを見渡すが、変わったものはない。岩と木だけだ。

だが、狩人さんの反応がおかしい。ここには長居しない方がいいな。

 

狩人さんと手をつないだまま、道なき道を進む。

足を進めるたびに狩人さんの手を握る力が強くなり、息も荒くなっている。大丈夫か?

 

どうにか正規ルートの風車まで来た。

建物の中に入ると狩人さんが膝から崩れ落ちた。

 

『どうした!?大丈夫か!?』

「大丈夫です。安心したら力がぬけてしまって」

 

大丈夫というが、全くそうには見えない。顔色は悪いし、相変わらす震えている。

絶対バグショトカの影響だよな。申し訳ないことをしてしまった。

 

狩人さんの震える体を抱きしめて一定のリズムでポンポンと背中をたたく。

抱きしめる体から狩人さんの熱が伝わってくる。

 

狩人さんはとても強く、とてもおかしくて理解できないところがあった。だから狩人さんの事は"種族:狩人"のような扱いをしていた。

 

だが狩人さんは今は人間である。

俺は狩人さんを無意識のうちに雑に扱ってもいいと考えていたのではないだろうか?

 

俺がキャラクリをしてゲームとして操作したからなのか、狩人さんには何をしてもいいし、俺を守り協力するのは当たり前だとどこかで考えていたのではないだろうか?

 

狩人さんの優しさや弱みにつけ込み体のいいコマとして扱う。

俺はなんて傲慢なことをしていたのか。

 

『ごめんな。本当にごめんな』

 

しばらく背中をたたいていた。震えが完全におさまり狩人さんが落ち着いたところで離れた。

 

顔色がもとに戻った狩人さんだが落ち込んでいる。

 

「主の足を引っ張ってしまい申し訳ありません」

『えぇ!?』

 

俺の方が足を引っ張っているのに、なんで狩人さんが謝るんだ。

 

***

 

早々に建物を抜けて禁域の森の後半だ。建物内で狩人さんに早く進むようにせかされたため特に何もなく終わった。ここにはロマン武器の大砲があったり、身を窶した男がいたりする。前者はともかく後者は関わりたく無い。

 

どうしても大砲が気になるので狩人さんに借りたのだが、重すぎて装備できなかった。

筋力が足りなかったか……

 

すこし進んで灯の近くにあるショートカットがあるエレベーターの場所についた。

 

狩人さんと共にエレベーターで上に上がろうとしたが、苦虫を噛み潰したような顔をした狩人さんに止められた。

 

そういえば、建物内には連盟長のヴァルトールがいたな。まあ、アルフレートやアイリーンさんの件もあるし待っていたほうがいいだろう。

俺の存在で面倒なことになっても困るから指示に従い待つことにした。

 

ショトカの開通と連盟長への挨拶だけだからそう時間はかからないだろう。

でも心配だ。俺のために怒っていたとはいえ、聖堂街で武器をもって民間人を攻撃する不安定さだ。

 

そわそわしながら待っていると、狩人さんが下りてきた。思った以上に早かった。

 

「ただいま戻りました!何もなかったですよね」

『おかえり、何もなかったか?』

「はい、連盟の長がいたので、主のことを少し話した後に扉を開けて戻ってきました」

 

おお!特に問題もなく終わったみたいだ。

狩人さんのおかげでボスにやられてもショトカで楽に戻ることができる。

 

感謝を伝え、禁域の森後半へ進む。禁域の森で一番面倒で迷いやすい部分だ。

だが、ありがたいことに、狩人さんは周回勢。迷うこともなく禁域の森を突破できた。

 

汚い沼を歩き、蛇玉に囲まれ、豚に追いかけられたり色々あったがどうにかヤーナムの影がいる墓場についた。

 

ヤーナムの影は3体で襲い掛かってくる。

狩人さんでゲームをプレイしていた時は何回死んだことか。

ヤーナムの影、別名「糞ー糞糞の糞」である。

 

まあ、三対一が嫌なら連盟のカレルをつけて連盟員になり、味方を増やせばかなり楽になるのだが……

狩人さんは味方を呼ばないようだ。

 

さあ、ヤーナムの影との戦闘だ。

実は獣ではない人型の敵と戦うのは初めてだ。どうしても人間を想起してやりずらい。

ヤツラは蛇頭の化け物だ。暗示をかけないと。

 

ヤーナムの影は3人。複数人に攻撃されないように1人になったやつを狙おうとしたが、狩人さんが影の2人の注意を引いて戦っていた。かっこいい。

早く目の前の1人を倒し、狩人さんの負担を減らさなければ。

 

しかしこの墓場、薄暗い。

俺が相手をしているヤーナムの影は長刀持ち。刀も黒いため武器の間合いが取りづらい。

こいつはパリイをすれば楽なのだが、銃に不慣れな俺は中々いいタイミングで弾を充てることができない。

 

だが、そんなことを気にしていたらずっとこいつを倒せないままだ。

狩人さんに負担をかけたくない。

 

影の攻撃のすきを突き斧を叩き込む。

獣とは異なる肉を切る感触。やりづらい。

 

こんな邪念をいだいているからか、経験の問題からか、何回も攻撃をもろに受けてしまう。

だが相手も俺の攻撃を受けている。

 

攻撃のチャンスをうかがっていると、影が急に苦しみだし、そして胸あたりから蛇のようなものが生えてきた。

第二形態だ。狩人さんが他の影の体力を削ってくれたのだろう。

ただ、ヤーナムの影の長刀持ちは第二形態になると確か……

 

影は刀を持った手を伸ばして攻撃をしてきた。すんでのところで回避をする。

こうなるとこいつはとても面倒になる。

やけくそタコ殴りで一気に倒す!

 

影に近づき斧を何度も叩き込む。

もちろん、戦略も糞もないので敵の攻撃も当たる。だがリゲインの効果なのか、アドレナリンの効果なのか痛みも何も感じない。

全身、俺か相手のだか分からない血で真っ赤だ。

 

夢中で攻撃をしていたら、急に斧が手から明後日の方に飛んで行った。

 

え?え?

 

見ると手は血でぐしょぐしょ。飛んで行った斧も血まみれ。

血で手がぬめって飛んで行ったのか!

 

まずいぞ、斧に気を取られ回避体制ができていなかった。

ヤーナムの影はチャンスとばかりに俺に攻撃を繰り出そうとしていた。

 

少しでも攻撃のダメージを軽くするために手首で攻撃をガードをしようとするが、普通に切り落とされそうだ。

くる痛みに備えていたが、影が何かの衝撃を受けたのかひるんだ。

急いで距離を取って体制を整える。

 

見ると狩人さんはルドウイークの長銃を先ほどひるんだ影に向けていた。

 

「杖を使ってください!」

 

狩人さんの言葉で思い出した。俺はノアから借りた仕込み杖を持っていたんだ。

杖で影を殴り刺す。そこに様式美など存在しなかった。

 

そして狩人さんがやってきた。残りの影を倒したようだ。

そして狩人さんの参戦で影はあっけなく死んだ。

 

勝った!

ほとんど狩人さんが倒したようなものなのだし、結局狩人さんの負担は大きかったが、一人で戦っても生き残ることができた!

 

すごい成長を感じる。この喜びを分かち合いたい。無難なのはハグとかハイタッチとかか?欧米はいつもそうしているイメージがある。

 

俺の斧を拾っていた狩人さんと目が合う。

狩人さんは俺の意図を組んだのか、両手を広げ受け入れ態勢だ。

 

テンション爆上げで狩人さんの所へ走る。気分はさながら試合で勝ってチームの所へ走るスポーツ選手である。

ふと、狩人さんを見て気が付いた。狩人さんはとても身ぎれいだった。だが俺は全身血まみれ。

これじゃあハイタッチもできないな。

 

俺はテンションも走る速度も下げて、狩人さんの前で腕を「ぐっ」とした。

狩人さんのテンションも下がった。

ごめんね。




*どこかであったかもしれない話*

『うぅ、もったいない』

輝く硬貨ポイー

「主よ、何をなさっておられるのです?」
『禁域の森の後半は迷うから、道しるべ変わりに硬貨をまいてるんだ。私の生活費が……』
「私は何十回もこの森走っています。だから道しるべはなくて大丈夫ですよ」
『……』

落とした硬貨を拾うミルチアさんがそこに。

***

Q.なんで狩人さんはバグショトカをしただけなのにあんなガクブルしてたの?

A.ゲームを構成するプログラムの欠損や誤りをバグといいますが、ではこれを現実に当てはめるとどうなるか。

世界を構成する何かの欠損や存在してはいけない誤りを自分のために利用する。
いくら宇宙的なヤツラをボコボコにしている狩人さんでも忌避すると思う。
狩人さんもこの世界の現地民。いくら上位者の幼体になった夜があっても思考が人のままなのでビビる。

狩人さんはバグショトカの道で、地形データの読み込みが間に合わなかったあのスケスケ世界が見えていたのかもしれないし、ショトカをする体感時間が俺さんと異なりものすごい長い時間を体感したのかもしれないし、もっと恐ろしいことを体験したかもしれない。

啓蒙の違いか、出身世界の違いなのか。それは作者もしらない……。

実は最初の案だと、バグショトカ後の狩人さんはここまでメンタルやられてなかった。もっとけろっとしてた。
それと、ヤーナムの影もグリッチで棒立ちにして戦闘描写カットを目論んでいた。でもやったことないことを描写するのはさすがにアレなので止めました。

Q.バグショトカ?無敵時間が存在しない現実基準として物語が流れていたのに、バグが存在するの?
普通の獣道にならないの?

A.決まった場所で決まった行動をとってしまったから。儀式的な感じでバグを引き起こした。

ちなみに、バグショトカの道で狩人さんの手を放してたら狩人さんはその場から消えていた。
たぶん世界の向こう側に落ち続けるか、見えないものに閉じ込められたりしてた。狩人さんはプロロができない。

「再録」マルチプレイ時、単体ボス(渇けも・エミーリアみたいな)に対してどう戦ってますか?

  • とりあえずタコ殴り
  • 攻撃係と囮
  • 部位破壊
  • ボスごとに決まった戦い方がある
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