こことEDを書きたくてこの話を書いていた部分が少なからずある。
赤い月の出現と青ざめた血の空。ロマが隠していた空だ。秘匿された空を暴きおかしくなってしまったヤーナムの街を見て分かった。俺は失敗してしまったと。
水盆で気を失い倒れている狩人さんをおいて、ワープ先の建物から聖堂街にある自宅走る。
道中の敵やヤハグルの狩人をを全て無視して走る。攻撃を喰らったような気がしたがそんなことは気にしてられない。
大橋近くの自宅についた。
家の外観に変化はなく、窓が割れていることもなければ、扉が開いているということもなかった。
おかしくなった住民に襲われてはいないみたいでよかった。
開錠して家の中に入る。
悲惨だった。
部屋の家具は倒され、調度品はメチャクチャになっている。まるで部屋の中で嵐でも起こったかのようだ。
その中で一際異様なモノがあった。
「オ"ォォォア"ァ」
黒く大きな獣、罹患者の獣だ。目は青く光り輝いている。
「エ“イ”ィィィ」
獣の左手には家に置いてあったものと同じ散弾銃が握られており、体のいたるところに見覚えのある布の切れ端が引っ掛かっていた。
家には誰かが無理やり入ってきた形跡はない。つまり目の前にいるこの獣は……
『ノアか?』
獣は俺に視線を向けたが、襲い掛かってくることはなく何のアクションも起こさなかった。
「見つけた!!」
狩人さんが家に入ってきた。相当焦っていたのか息を切らしていた。
狩人さんは獣になってしまったノアを視界に入れるや否やノアに襲い掛かった。ノアも反撃する。
『やめてくれ!』
狩人さんは動きを止める。俺は狩人さんの手を取り家を飛び出した。
扉から出ると後ろから発砲音がした。見るとノアが死んでいた。
口に何かをくわえており、ノアのいるあたりから硝煙の香りが漂っていた。
***
外へ出て俺は壁にもたれかかるように座り込んだ。
『俺はいったい何のために……』
はじめのうちは、俺はノアの病気が悪化しないよう「赤い月」が出る前の夕方の内に「メンシスの悪夢」へ行って夜を終わらせようとしていたじゃないか。
現実ならゲームと違い、建物の隙間を無理やり通るなどして進めばヤハグルの奥「再誕の広場」にあるミコラーシュらしき遺体に触れられるはずだった。
なのに、ゲームそのままの順路で赤い月を呼び起こしてしまった。
どうしてだ?エミーリアを倒した後に、ゲームの順路で行動しなくてもいいと分かった時があったのに。
初めて狩人の夢から現実に行く際に抜け落ちた物はこのヤーナムで起こっている惨劇がゲームではなく現実であるという実感だったのか。
ノアとの日常で感じたささやかな幸せも、狩人さんと出会い悲痛な思いを聞いた時の俺の思いも忘れて、いつの間にか虚構と現実の区別さえも分からなくなっていたようだ。
何故、どうして
湧き上がってくる自己嫌悪、そして喉から這い出る嘔吐物。嘔吐物はビルゲンワースで飲んだ血で赤かった。
助けたかったノアは獣になり、死んでしまった。
俺はこれから何を目的に生き、どうやって生きて行けばいいのか。
生きていく意味が無ければ俺は消えてミルチアに体を返すか?
だが、友人を亡くし医療教会から脱走した状態で体を返すなんてそんな無責任なことをするのか?
『俺はこれからどうすればいいんだ』
狩人さんは俺の体を抱きしめてきた。
狩人さんはまるで迷子の子供のように不安げな声音で話す。
「生きる意味がなくなってしまったのであれば、私のために生きてくれませんか。私には貴方しかいないのです」
『狩人さんには人形ちゃんがいるだろう?』
「人形は貴方の代わりにはなりません。だって貴方は私を作った神様で造物主なのですから」
……造物主?俺と狩人さんが、人形ちゃんの昔の待ち主と人形ちゃんと同じ関係性であると?
思い当たることと言えばキャラクリだ。だがあれは
『あれはヤーナム入りした時の誓約書なはず』
「私にはその時の記憶がありません。どうして主は知っているのですか?」
『それは記憶を失くす前の狩人さんを知っていたから』
「そうだったのですね。私はどういった人物だったのですか?」
俺は9つあるうちの中から決めた過去を話す。
「私はどのような家族がいて、私はどういった病でヤーナムに来たのですか?」
そんなことを聞かれても答えることはできない。だって……
『そこまで設定を考えていないからわからない……あっ』
この発言は、ノアが死んで気がまいっていた俺でも失言だとわかった。
狩人さんもこの失言を理解したのか、抱きしめる力を強くし、とても嬉しそうに、声高らかに言う
「やっぱり!貴方は私の神様だったのですね!」
俺は勘違いをしていた。
狩人さんの俺の神扱いは日本でいう悪くてネット用語にあるような、良くてお地蔵さんとかおてんとうさまとか自らの行いを映す「生き方の指針」としての言葉と思っていた。
実際狩人さんは記憶喪失で今までの生き方、価値観を喪失している。
その中で俺がゲームで遊んでいたとはいえ、俺の意志から狩人さんは生き方を学び価値観を構築していった。
俺は親ではないからそれを当てはめる言葉として「神」の言葉を使っていたと思っていたのだ。
だが、狩人さんにとってはそんな生ぬるいものではなかった。
狩人さんの「神」は一神教の神そのものだった。人生の目的や人生の意味を得るための「神」。
これはかなりまずいのではないだろうか。ゲームと違い今はどうしようもない現実だ。
狩人さんはED以降でも人生の続きがあるのだ。俺の存在で人生が全て台無しになってしまうのではないだろうか。俺のせいで人生が滅茶苦茶になったノアのように。
なら俺が狩人さんにとって神でもなんでもない存在としてアピールするしかない。
『人形ちゃんの神と神の愛の話を聞いただろう。狩人さんの俺への思いは作られたもので、俺は狩人さんのことを何とも思っていない』
「下手糞な嘘ですね。貴方は私を心配したり顔の血を拭ったりしてくれたじゃないですか。それは愛というモノではないのですか?」
確かに心配したりはしたけども。それは愛なのか?
「貴方へのこの思いが作られたものであっても何の問題もありません。貴方は私を受け入れ愛してくれる、それだけで私は十分なのです」
狩人さんに抱き着かれて顔はわからないが、声音からして相当な自信をもって話している。
受け取り方の問題なのだろうか。
この上なく幸せそうにしている狩人さん。そんな姿を見せられて、それでも嫌ですと言えるほど狩人さんに情がないわけではない。
もう、諦めるか。
ゲームだったとはいえ、俺は狩人さんを作ってしまった。作ってしまったからには責任を取らないといけない。
狩人さんの幸福のために生き、そして死んでいく。考えてみたらそんな悪いことではない気がしてきた。
もともと一回死んでいる。残りの人生の全てを捧げても大した問題ではない。
その幸福が狩人さんの希望に添うものなのか、一人の人間としての幸福なのかは分からないが。
それに、いままで俺を求めて獣狩りの夜を何十周も繰り返してきたのだ。いまさら俺が何かを言っても無駄だろう。
『俺にも狩人さんしかいないからな。狩人さんが幸せならこれからも一緒にいるよ』
狩人さんは抱きしめる力を強めた。
感動で胸がいっぱいといったところか。
だが、狩人さんの抱きしめる力が強くて苦しい。助けて。
緩めてもらうために背をたたくが、また力が強くなった。違う!
クソ長あとがき
ノアが亡くなってしまいました。悲しい。
でも、ブラボじゃ珍しいことではないですね。
話は変わりますが、ノアを助けるなら俺さんが3話で考えた通りに、月の影響が少ない夕方にそのままミコラーシュのミイラに触れて悪夢に行けばよかったのですが、残念ながらできませんでした。
理由は何個か考えています。
その内の1つは赤い月の影響ですね。俺さんはBloodborne(ゲーム)とBloodborne世界に転生したことをちゃんと分けて考えていました。
ですが、獣狩りの夜の当日、赤い月の影響が強く出たためにノアの病がひどくなってしまいます。
そんな中、俺さんは夜を終わらせるなんてとんちきなことをし始めました。
今回の獣狩りの夜がブラボ原作と同じ流れであるとは限らないのに。
俺さんは赤い月の境界を曖昧にする効果によって、虚構(ゲーム)と現実の区別がつかなくなってしまいました。。
Q.赤い月は人の境を曖昧にするものであって、そういうものは曖昧にしないのでは?
A.獣になる可能性が高いヤーナム現地人のミルチアの体に、俺さんが入ってしまったことによるイレギュラーってことにしてください。現実(ミルチア的視点)とゲーム(俺さん的視点)がなんか、こう……
結局俺さんも上位者的に扱われているけど所詮は人。
…
…
上記のような御託を並べていますが、最初からノアにはこうなってもらう予定でした。
前にノアの名前は”ノアの箱舟”から取ったとありましたが、これは動物たちを安全な場所に運んだら役目は終わりという点から取りました。
ちなみに、ミルチアに俺さんが憑依していなかった場合。二人とも聖堂街上層の聖歌隊本拠地で獣になったりヴォイイに脳を吸われたりして死んでました。
他にも色々解説したいことはあるけど、とんでも長さになるのでそのあたりは雑多場か活動報告あたりに放り投げます。
「再録」マルチプレイ時、単体ボス(渇けも・エミーリアみたいな)に対してどう戦ってますか?
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とりあえずタコ殴り
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攻撃係と囮
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部位破壊
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ボスごとに決まった戦い方がある
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何も考えていない
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その他
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