ヤーナム憑依転生   作:蓬莱鈍足

18 / 19
やっとEDだ


ED1 ヤーナムの夜明け

メルゴーの乳母を倒し、メルゴーをあやしたことで悪夢を終わらせることができた。

狩人の夢に戻ると工房が炎上していた。燃えているのに熱くない。不思議な感じだ。

この光景を見ると終わりが近いと感じる。

 

「お二方。お待ちしておりました…大樹の下で、ゲールマン様がお待ちのはずです」

 

このまま狩人さんをゲールマンのもとへ行かせれば夜明けを迎えることなく夢に囚われることとなるだろう。

記憶を失い、狩人の生き方しか知らない狩人さんは俺という存在のためにだけに人間としての幸福を捨てる。

 

ゲームでは何も思わなかった自機の人生だが、こうして現実としてともに命を懸ければゲームの1キャラとしてみることはできない。

どうすればいいのだろう。狩人さんの望みを優先するか、狩人さんの人としての幸福を選ぶべきか。

今までずっと考えないようにしていたが決めなければ。

悩む俺に人形ちゃんから声をかけられる。

 

「ミルチア様にお尋ねしたいことがあります」

「どうした?」

「ミルチア様は……あなたは狩人様を愛しておられますか」

「……」

 

人形ちゃんからの質問に思わず身体が固まる。声を出すのを躊躇ってしまった。

人形ちゃんは造物主と被造物の話をしていた。人形ちゃんの聞く愛はどの愛なのだろうか。人と人との愛か。造物主と被造物

 

メタ的な視点だが、狩人さんは俺がキャラメイクで作ったようなものだ。もしかしたら人形ちゃんはこの事実に感づいていたのだろうか。

少し離れた場所にいる狩人さんを見る。狩人さんは人形ちゃんと話す俺を待っていた。先に進む子供が後から来る親や兄弟を待つような……それと同じものを感じた。

そんな狩人さんとの間の愛か……まるでわからん。でも、この思う気持ちは愛であることは間違いないだろう。

 

「もちろん、愛してるよ。俺は狩人さんに幸せになってほしい。」

「愛していらっしゃるのですね……なぜでしょうか。その言葉を聞いて私の何かが救われたように感じました。私に救いなど必要ないものなのに。」

 

最後の最後で人形ちゃんの何かを変えてしまったみたいだ。でも救われてくれるならそれはそれでうれしい。

 

「今までありがとう、人形ちゃん。どうかお元気で。」

「いってらっしゃい。あなたの目覚めが、有意なものでありますように」

 

狩人さんには人間として幸せになってもらわないと。

 

***

 

白い花と墓が並ぶ裏庭。大樹の元には最初の狩人ゲールマンがいる。

 

「狩人よ、君達はよくやった。長い夜は、もう終わる。さあ、私の介錯に身を任せたまえ」

 

ゲールマンの言葉に狩人さんが首を振り、武器を構える。

 

「なるほど、何かにのまれたか。そういう者を始末するのも、助言者の役目というものだ」

 

これはよろしくない展開だ。どうにかして狩人さんを止めないと、人間ではなくなってしまう。

ゲールマンに負けても夜明けが迎えられる可能性はあるが、狩人さん自身に夜明けを迎える選択をさせないとまた繰り返してしまうだろう。

 

「ゲールマンさん、待ってくれ。狩人さんを説得するからその武器を収めてくれ」

「主?」

 

狩人さんの手を引いてゲールマンから離れる。ゲールマンは追撃をしてこず、こちらを眺めていただけだった。

夢に囚われ苦しんでいるゲールマンだがまともでよかった。

 

「主、いったいどうしたのですか」

「もうやめにしないか」

「どうしてそんなことをいうのです?このまま戦いすべてを終わらせればずっと一緒にいられるのに」

 

狩人さんは俺という存在に囚われている。夢に囚われているゲールマンと同じだ。

それが自分の意思かそうでないかの違いだが、狩人さんは狩人を繰り返してきたのだ。

始まりはゲームとは言え、狩人として不毛な繰り返しをさせてしまった責任がある。

 

「お前は狩人から普通の人に戻るべきだ」

「記憶をすべて失ってからは狩人の生き方と貴方だけがすべてだったのです。それを捨てることはできません」

「俺は狩人さんに幸せになってほしい。けれど狩人のまま生きていけば必ず不幸なことが起こる。解放されるべきだ。狩人からも俺からも。」

「でも……」

 

狩人さんは拒む。少しだが気持ちはわかる。

自分に物事を教え、心配してくれる誰かと離れて自分の知らない未知の世界……狩人ではない世界に踏み込むのだ。知らない世界に踏み込むことは勇気がいる。

 

「俺の存在は一時の夢で存在してはいけないモノなんだ。

それでもこうして狩人さんに正しい道を示せるなら俺が異常ではないことが証明できる。どうか俺を異常な存在ではないことを証明してくれ」

 

狩人さんがただの人として生きるなら、別世界の存在である俺はいてはいけない存在だろう。

狩人さんは俺の願いを何も言わず聞いている。

狩人さんは優しい。優しいから俺のためになる願いは聞いてくれる。その優しさを利用した。

 

狩人さんの手を引き、ゲールマンの前に座らせた。座る狩人さんの後ろでゲールマンが鎌を振り上げ、首を切り落とした。

狩人さんが死んだ同じ場所に座った。後ろでゲールマンの動く気配がした瞬間、自分の首が空を舞っていた。

 

***

 

目を覚ますと体が暖かい光に包まれている。日の光だ。夜は終わり夜明けを迎えたのだろう。

これからどうしようか。ノアも狩人さんもいなくなってしまった今、ヤーナムの地でどのように暮らそうか。

悩んでいると不意に影がかかった。目を向けるとそこには、それはそれは嬉しそうな笑みを浮かべた狩人さんがいた。




親離れ失敗END

「再録」マルチプレイ時、単体ボス(渇けも・エミーリアみたいな)に対してどう戦ってますか?

  • とりあえずタコ殴り
  • 攻撃係と囮
  • 部位破壊
  • ボスごとに決まった戦い方がある
  • 何も考えていない
  • その他
  • 結果だけ見る
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。