ヤーナム憑依転生   作:蓬莱鈍足

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ここ最近書き終わった話を丸々編集したい欲が出てきて大変。
こういうのは直せば直すほど止まらなくなるから手を付けないほうがいいのだけれど、やっぱり直したい欲が出てきてしまう。

編集するよりも新しい話を書こうね……

それにしても戦闘描写きつい。

加筆しました。捨てられた古工房に行きました(7/02)


9話 古工房・大聖堂

大聖堂に行くためにはオドン教会を上る必要がある。

 

上に進むと医療教会の工房があり、その真下には隠されたかのように"捨てられた古工房"がある。そこに寄り道したい。

 

そこには人形ちゃんにプレゼントできるアイテムがあるのだ。

人形ちゃんにプレゼントしたい。

 

ということで古工房まで行くことにした。寄り道だがそんな時間もかからん。

縦穴を落下死しないように落ちていく。

 

そしてついた"捨てられた古工房"

本当に狩人の夢と同じ作りをしているんだな。実家のような安心感がある。凄い荒れているけど。

 

狩人さんが急に俺の手を引き、とある場所に俺を連れてきた。

宝箱がある。もしかして……

 

開けて中身を見せてきた。人形ちゃんの服だ。

狩人さんは目を輝かせ、服を手に取りじりじりと寄ってきた。着ろってか?

俺は人形ちゃんは好きだがコスプレはちょっと。

でも狩人さんの目が期待に満ち溢れている。断りづらい。

 

結局着ることになった。

建物の中に入り鏡を見る。

 

めちゃくちゃ似合うな!

 

今の俺の体は金髪美女のミルチアボディ。前世の俺なら事故だが美女が着るなら何の問題もない。

狩人さんもマスクごしでもわかるニッコリ笑顔だ。すごく満足そうだ。

 

『ミルチアを着せ替えたかったのか。そうならそう言ってくれれはよかったのに』

「違います」

 

即答だ。

 

「私は主が喜ぶ姿を見たいのであって、主の入っているガワには興味はありません」

 

お、おう

 

「主が入っているのなら獣でも腐乱死体でもハグできますし、なんならキスもできます」

 

狩人さん怖い。怖いからこの話は終わりにしよう。

 

棚をあさり"小さな髪飾り"を見つけた。人形ちゃんにプレゼントできる!喜んでくれるだろうな、楽しみだ。

 

さて次は聖地巡礼。現実の人形ちゃんとご対面だ。祭壇の黒い何かは見ないふりをする。

 

人形ちゃんは……うん、人形ちゃん!そのままだ。

指がピクピク動いているけど気にしない。

 

ゲームだと人形ちゃんの前で血溜まりが凄かった。皆、人形ちゃんに膝枕をしてもらいたかったんだなって。

 

狩人さんを見ると手に黒い紐状のナニかがあった。拾ってしまったか。

 

「主よ、"へその緒"がありますよ。使いますか?」

 

へその緒は3つ使うと上位者になれるアイテムだ。得体のしれないモノを使いたくない。

あの黒いブツブツは何なの?何で血じゃなくて黒い液体が流れているの?触りたくねぇ。

 

そういえば……

 

『これってどうやって使うの?』

「これはこう使うのです」

 

そういい眼前でへその緒を握りつぶした。使うのね。

謎の液体が狩人さんの顔にかかる。手からは液体が滴り、握りつぶせなかった黒いブツブツが手にくっついている。

 

生理的に受け入れられない未知の汚れだったので拭いてあげた。拭いている時に狩人さんはとてもにこにこしていた。

 

***

 

人形の服から一張羅の聖歌隊の装備に着替え、捨てられた古工房を後にし、様々なギミックを潜り抜けどうにか大聖堂までたどり着いた。

 

大聖堂には教区長エミーリアがいる。ブラボで人気のボスの一人、いや一匹だ。

大聖堂に足を踏み入れ遠目で彼女を見る。一心不乱に祈りを捧げる姿は聖職者の鑑であろう。だが信心深い人間ほど恐ろしい獣になる。

 

そんな恐怖の獣エミーリアだが、渇けもを数秒撃破した我々にはただのでかい的である。俺は脳筋ゴリ押しタコ殴りだ。

 

目線の先で体を変化させるエミーリア。巨大な体を見ても隣にいる狩人さんが何とかしてくれるだろう。何も怖くなかった。

狩人さんと共にエミーリアへ走る。

 

エミーリアが攻撃に出た。狙いは狩人さん……ではなく俺だった。

エミーリアの意識と殺意が俺に向いていると分かった瞬間に俺の体は恐怖に支配された。

 

俺の作戦ではエミーリアのヘイトが狩人さんに向いていることが前提であった。

ゴリ押し・脳筋というが被弾上等の戦い方などいくら恩人の命がかかろうと、俺みたいな平和ボケの現代人にできるはずがないのだ。

そもそもエミーリアとは戦うつもりはなかったし……

あれ?なんでそう思ったんだ?ゲームでは絶対戦わなければこの先には進めない相手だ。

 

こんなことを走馬灯のごとく考えた。

エミーリアからの殺意を乗せた攻撃は恐怖で体が動かなくなった俺には避けることができなかった。

 

体に重い衝撃が走り、体から出てはいけない音と痛みを感じた。

受け身をとることはできず俺は殴り飛ばされ入り口の階段下まで転がった。痛みで体が動かせない。

 

なぜ俺はあんな化け物相手に上手くいくと考えたのだろうか。

狩人さんがどれだけ強かろうが俺が狙われれば一瞬で終わる。ミルチアの体に入ろうが俺は平和ボケ現代人でヤーナムで血にまみれて生きていく覚悟ができるような精神は持ち合わせていないのだ。

体から力が抜けていく中で

 

「主よ!ご無事ですか!?」

 

狩人さんが俺のところまで来てくれた。かなり慌てている。

手には俺の斧があった。

 

ああ、もう狩人さん一人でいい気がしてきた。ノアのことは狩人さんにまかせて俺は消えることでミルチアに体を返そうかな。

 

『狩人さん、俺はもうだめだ』

「何を言っているのですか!しっかりしてください!」

 

狩人さんは輸血液を取り出し俺に刺そうとするが、相当焦っているのかかなりモタついている。

そもそもエミーリアと戦っている途中だろうに、こんなことをしている暇はないのでは?

 

『俺のことはもういいから』

「そんなことを言うのはやめてください」

『俺がこんな化け物たちに勝てるわけがない』

「止めてください!」

『目が覚めたら俺は消えているかもしれない。その時はノアとミルチアのことを頼む』

 

首に重い衝撃を感じた。

そして目線の高さが異様に低くなった。地面が驚くほど近い。

 

は?

 

困惑したが声が出ない。数秒遅れて地面が赤く染まっていく。血だ。

 

「獣に貴方が消されるぐらいなら、いっそ私が……」

 

恐ろしい声音で狩人さんがつぶやく。狩人さんのがいるであろう方向を向こうとしたができない。

 

もしかしてこれ狩人さんに首を落とされた!?

その事実に気が付いた瞬間に首に鈍い痛みを感じるようになった。

 

そして狩人さんがいるであろう場所から銃声が聞こえたと同時に、視界に狩人さんが入ってきた。距離は目と鼻の先だ。

瞳孔が開き底が感じられない伽藍洞な目。その目を持った無機物となった狩人さんの目が合う。

 

その事実に切り離されたはずの体が強烈な恐れを抱くが、すぐに何も感じなくなった。

 

***

 

気が付くとオドン教会にいた。

 

俺は自分の首があるであろう箇所に手をまわした。

つながっていた。よかった。

 

そうだ、狩人さんは!?

あたりを見渡すとすぐ近くに狩人さんがいた。子供のように体を丸めて眠っている。

 

狩人さんを見ると同時に、首を切られた時に見たあの狩人さんの伽藍洞な目を思い出してしまった。

 

あの目を記憶から消すために、狩人さんの体をゆすり、無理やり起こす。

 

『狩人さん、起きてくれ』

 

何度かゆすってやっと起きた。こちらを認識したと同時にとびかかるかのように迫ってきた。

 

「貴方は私の神様ですよね!?消えてないですよね!?」

 

切羽詰まっているが、そんなことにも気を留めずに俺は狩人さんに顔を近づけて目を見る。

狩人さんの目はあの時に見た空虚さはなく生命の活力があった。

 

「あわわわわ」

 

狩人さんは壊れた機械みたいに声を出している。さっきとは違う余裕のなさだな。心なしか顔が赤い……

 

『ごめん!顔を近づけすぎた!』

 

顔を離して狩人さんを見る。狩人さんは顔を赤らめて小さい声で「ああ」とか「うん」とかの反応をしている。微笑ましいな。

でもこんなやつが俺の首を落としたのか。怖。

 

狩人さんの反応はあとでだ。

それよりも狩人さんが生きていてよかった。月の香りの狩人になっているから復活するのは当たり前なのだが。

 

それでも俺は狩人さんの死を何よりも恐ろしく感じた。

俺はヤーナムに憑依転生をしてから他人の死に関わったことがない。

 

聖堂街上層・ノアとの生活は血生臭いヤーナムの惨状から隔絶された生ぬるい世界だったのだ。それは前世の現代人として生きてきた平和で命の危機などまったく気にしなくても良い世界と同様のモノだ。

 

俺はこの世界での”死”を理解していなかった。

 

ゲームなら死というものはただの記号であり、ゲームが終了してまた始まるだけの区切りである。

だがここはゲームではない。

狩人さんが月の香りの狩人として狩人の夢にいるからまた生き返っているが、本来は死んだら生き返らない。当たり前のことだ。

 

俺はこのブラボ世界で初めて見た人の死が、前世から知る狩人さんの死。

ヤーナムで一番強いであろう狩人さんが俺の弱音で簡単に死んだ。

 

俺が原因で人が死んでいいわけがない。たとえ生き返ろうともだ。

俺を慕ってくれる人の伽藍洞な瞳を俺はもう見たくない。

 

狩人さんを死なせないためには俺自身が強くなるしかない。ヤーナム現地人で聖歌隊のエリートであるミルチアの肉体は俺が思うよりずっと強いだろう。

 

なら俺に問題があったのだ。ブラボではHPは生きる力、ないし意思。「死」を受け入れないという意志を持っている限り、主人公狩人は甦ることができるということだ。

俺はあの時死んでもいいと本気で思っていた。

 

それではいけない。あの化け物に攻撃されて負傷しても、立ち続け生き続ける精神力が必要だ。

 

『狩人さん、私頑張るよ。ノアのことも狩人さんのことも死なせたくない』

 

狩人さんは俺の生きる意志を感じ取ってくれたのか、狩人さんは目を嬉しそうに細めてうなずいた。

 

***

 

エミーリアと再戦だ。

前と同じく狩人さんと共にエミーリアへ走る。

 

作戦は前と同じタコ殴りだ。

エミーリアが攻撃に出た。狙いは俺だ。

 

攻撃を避けようと回避行動にでるがタイミングが合わず、よけることができなかった。

体に重い衝撃が走り、体から出てはいけない音と痛みを感じた。

 

だがそんなことはいい。精神と根性でどうにかする。怪我はどうせ後で治る。

 

殴り飛ばされないように踏ん張り、カウンターのように獣狩りの斧で攻撃を叩き込む。

エミーリアの攻撃で先ほどは死を選ぶほどの敗北感を感じたが、今はどうだ。

俺でも攻撃をたえて反撃に応じることができる!

 

ただ目の前の化け物に斧を振るう。命の危機で頭がさえているのか攻撃を一心不乱にし続けている間でも攻撃を察知し回避行動がとれる。

 

何回だったか攻撃をしているとエミーリアは叫びと共に灰となった。

勝った。勝った!

両手を挙げて喜ぼうとしたが、戦いの怪我の痛みが今になって出てきた。アドレナリンかな。

俺はその場に座り込み、体に輸血液を打つ。俺は自分で輸血液を打ったことはないがミルチアが打っていた動きを体が覚えていたのかスムーズに刺すことができた。

 

狩人さんも俺が刺している反対側の足に輸血液を刺してきた。

ありがとう。でも俺も刺しているしそんなにいらない。

 

狩人さんを見る。

俺は戦いで満身創痍の疲労困憊だが、狩人さんは息の一つも乱れていない。

ノーダメだな。この戦いでもほとんどのダメージを狩人さんが与えたのだろう。

 

大聖堂の外を見る。

時刻は夜。エミーリア戦の間で日が完全に落ちたようだ。

 

夜になったら禁域の森だ。森に行くためには祀られた頭蓋へ……あれ?

 

禁域の森に行くためには祀られた頭蓋からローレンスの記憶を見なければならない。

記憶を見て合言葉の「かねて血を恐れたまえ」を森入り口の門番に伝えて初めて進むことができる。

 

……。

 

『狩人さん、禁域の森に行くための合言葉は知ってる?』

「知ってますよ”かねて血を恐れたまえ”」

 

エミーリアと戦う必要なかったじゃないか!!

いやそれよりも夜になっているから、

 

『ノア!』

 

俺は家に向かって走り出した。

 

 




俺さん、狩人さんの死に顔(特に目)がトラウマになってしまった様子。
ブラボのHPは「生きる力、ないし意思 これがゼロになると、力尽きる」との事。

化け物に明確な殺意をもって攻撃されるなんてかなりのショック体験だったでしょう。
平和ボケ現代日本人の俺さんには生きる意志を持ち続けるのは無理でした。



Q.なんで一回目の攻撃時はワンパンだったのに、二回目の同じ攻撃は耐えていたの?

A.一回目は寄生プレイをしようとして狩人さんに押し付けようとするぐらいに殺し合いに対して覚悟も決まっていなかったし、ノアのことを狩人さんに任せて自分はミルチアに体を返して死ねばいいと心が折れていたようなやつです。
生きる意志なんてありません。
ですが、狩人さんの行動と死によって生きなければならなくなってしまったので、二回目は生きる意志が増えてHPも上がりました。
よかったね!(粉ミカン)


Q.狩人さんは俺さんに会うため何十周しているメンタル強者なのになぜあんな凶行を?

A.人生をかけてやっと取り戻した大切な人が目の前で消えようとしているし、消えたいなんていうもんだからね、おかしくなったのでしょう(投げやり)

「再録」マルチプレイ時、単体ボス(渇けも・エミーリアみたいな)に対してどう戦ってますか?

  • とりあえずタコ殴り
  • 攻撃係と囮
  • 部位破壊
  • ボスごとに決まった戦い方がある
  • 何も考えていない
  • その他
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