Fate/fake savior   作:桜野 ヒロ

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おまたせしました♥️


二日目 光と影
少年と聖人


 ───煉瓦造りの道の上を、彼女に手を引かれながら歩く。

 力が強いから、ちょっと痛いけど、構わない。

 その、夜のような綺麗な黒髪が、海のような青い瞳が。

 そして、聖母のような優しき心、全てに僕の心が奪われた。

 彼女の手の温もりだけで、全て帳消しに出来るというものだ。

 

『そういえば、先に貴方の名前を聞いておかないと!!』

 

 そう言い、僕に振り返る。

 女性は、自身の名を明かしてから、僕の名を訊ねた。

 

『私はマルタ、ただの、マルタよ。

 貴方の名前は?』

 

『え……と、僕の、名前は……』

 

 呆気に取られて、しどろもどろと、他所から見れば怪しい挙動で僕は名前を明かした。

 

『僕は……▉▉▉って、いいます』

 

 何の変哲もない、ありきたりな名前。

 だというのに、この人は笑いながら、

 

「▉▉▉……素敵な名前ね!!」

 

 そう、言うのだった。

 ……多分、もっと前のこととは思うけれども。

 僕は、この女性に惚れてしまっている。

 それは、彼女に声を掛けられたときからか、それとも、たまたま彼女の横をすれ違った時なのかは分からない。

 だけれど、こんな、甘くて、蕩けてしまいそうなくらい幸せな時間を、悠久の如く続いて欲しいと願っているというのは事実だ。

 

『失礼します』

 

『おや、マルタか。ん、そこの子供は?』

 

 ───しかし、その時間は突如として終わりを迎える。

 かの方との出会いで、紙が破かれるかのような容易さで。

 

 マルタさんはその男と顔を合わせると、僅かに頬が紅潮しており、顔を俯かせた。

 恐らく、この人に惚れてしまっているのだろう。

 ……なんでか、そんなことを悟った途端、僕は目の前の男の事が憎くて、怪しく見えて仕方がなかった。

 彼は彼女のことを騙しているのでは、と。

 絶対にコイツの嘘を暴いて、マルタさんを助けなければ、と僕は胸に誓い、そして彼女の前に立って、その男に名乗った。

 

『初めまして、僕は▉▉▉と申します』

 

 出来るだけ、作り笑顔を巧く見せながら。

 僕は、男に手を伸ばした。

 男が、嬉しそうに笑みを浮かべながら、僕の手を握り返す。

 ……なんて弱々しい手だろう、と不意に思ってしまった。こんなに弱々しいと、思わず握りつぶせるのでは、の錯覚してしまう。

 僕の、そんな屑のような感情を見抜いてないのか、男は微笑み、名乗り返した。

 

『初めまして、私は───────』

 

 そのビッグネームに、僕は思わずやっぱりだと、浅はかな勘違いをしてしまったのだった。

 彼は騙してなどなかった、正真正銘、自身の人柄で人々から支持を得るようになったのだと。

 ……それを死ぬ直前に悟るなんて、なんて、愚かなのだろうか。

 その日、僕は恋と、嫉妬を知るのだった───




人物紹介
裏切 雄大
年齢……幾つに見えますか?
誕生日…秘密です
身長……180cm
魔術属性……『火』
好きなこと……人類の進化
嫌いなこと……感情的になること
天敵……霧島義隆
起源『虚無』

自称魔術師の男。
それにしては経歴が出鱈目であり、そしてロザリオなんかをつけている。
果たして、男の目的とは……???
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