時刻は午後の16時。
霧島邸の居間にて、忠吉と竹流が何やら会話をしていた。
「貴様の今晩のミッションを達成するまでの間、我がランサー殿を連れていけ。
切翔の資料にあった所属不明のサーヴァントらしき存在が気がかりだ。
……あのアーチャーだけでは守りきれるか分からんからな」
「是非ともそうさせてもらうさ。
俺とてアイツを信用していない、する要素が皆無だ。
アイツ、昼間にどこかへほっつき歩いたと思えば女を俺の部屋へ連れ込んできたからな。
『今からセックスするから退いてー』なんて言われた時は自害させてやろうかと思ったぞ」
ため息を吐き出しながら、上の部屋で行為に及んでいる”陰“のアーチャーを憂える。
竹流の言葉に、“陰”のランサーが姿を現して擁護をした。
「……まぁ、彼奴は頭が切れるからな。
もしやすると何やら情報を集めているのかもしれん。
その珍妙な存在についてなどな。
その、なんだ。
主であるお前が彼奴を信じてやることだ」
「フン、貴様が言うのならそうなんだろうな。
え? 無傷の勇将……本多忠勝よ。
そういえば……貴様は昨日の時点で宝具を使っていたな?
何か対策やらをされている可能性が高い。
俺の護衛を務めてくれるのはありがたいが、死なぬようにすることだな」
「それならば安心するがいい、某の誇りに賭けて貴様を守ろう」
拳で胸板を叩き、“陰”のランサーが誇示する。
そんな、自信に満ち溢れる“陰”のランサーに忠吉は嬉しそうに微笑んだ。
それは自身のサーヴァントへの憧れ故の微笑みであり、まるで童のようであった。
「……そうか、それならば期待しよう」
言い残し、居間から去ろうと竹流が足を動かす。
忠吉が時刻を見てまだ会議までに余裕があると分かると、竹流を呼び止めたのだった。
「待て竹流。時間に余裕がある事だ……久しぶりに囲碁でもせんか?」
「囲碁?
構わんが……やっても兄貴の圧勝だろうに」
「それならば、将棋はどうだ?」
忠吉の提案に竹流が意外そうに目を丸め、そして時間を見る。
まだ余裕すぎるほど待ち時間があるのだというのを確認し、竹流が頷いた。
「確か……そこに将棋盤があったな。
よし、やるならやろう兄貴」
将棋盤を取り出して、二人が将棋を始める。
陰のランサーは、空気を読んで今から退出するが、その矢先に頬に真っ赤な紅葉跡がある陰のアーチャーとバッタリと出会したのだった。
「……何か粗相をしたのか?」
「中に出したら打たれた。
『最低!』って、すごいキレられたよー。
ホント、女の分際でホントにムカついたよ、殺してやりたくなったよね。
女なんて所詮は……性処理用でしかないってのにさぁ」
あっけらかんと答える“陰”のアーチャーに、ランサーは深い溜息を吐く。
「貴様、いつか痛い目を見るぞ……」
「あ、もう見てるから大丈夫だよー」
ヘラヘラと答え、“陰”のアーチャーは風呂場はと移動する。
「……書斎へと向かうか」
何か思い浮かんだのか、“陰”のランサーは三階にある書斎へと向かうのだった。
人物紹介は後日で……