Fate/fake savior   作:桜野 ヒロ

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次から後書きにキャラプロフィール貼ってきますねー


一日目・影を追う
復讐鬼の影を追え《陰》


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 霧島邸、切翔(せつか)の部屋にて。

 自身の愛銃でもあり、かの伝説の魔術師殺し・衛宮切嗣(えみやきりつぐ)が愛用していたとされる銃。

 トンプソン・コンデンターのメンテナンスを、切翔は念入りに行っていた。

 その光景をただただ無言で少女───“陰”のセイバーは眺めている。

 メンテナンスがある程度終えた頃に、切翔は怪訝な視線を少女へ向ける。

 

「確認するが……お前は本当にかの英雄で間違いないんだな?」

 

 再三にわたる執拗にも程がある確認に、セイバーは疲れたようにため息を零しながら、凜と応える。

 

「えぇ、私は貴方の召喚した英霊で間違いありません。

 それは、この剣を見たらわかることなのでは?」

 

 ずい、と自身の剣を見せる。

 それが本物だと確認した切翔は成程、と呟いた。

 

「……確かに、お前は本物だ。

 しかしそうか……女、だったのか。

 まぁ、サーヴァントである以上、性別なんて関係がないか」

 

 聖杯大戦が始まる前、切翔は義隆からある程度教えられていた。

 まず、サーヴァントとは、こと戦いにおいては感情のない戦闘兵器だと。

 切翔は、召喚したかった英霊がほかの英霊と成り代わったかと危惧していたが、それももう解決した。

 

「……セイバー、お前は俺の武器としてしっかりと機能を果たしてもらうからな。

 いいか、敵は絶対に討ち損なうな。

 油断もするな、冷静に確実に息の根を止めろ。

 じゃないと、俺らが祖父に殺されるだけだ。

 だから───女なんてことは関係の無いことだ思っておけ」

 

「……承知致しました」

 

 どこか、重苦しくセイバーが頷く。

 切翔はそれだけ、そのセイバーの返事だけで。

 

 

 

 ───あぁ、こいつはきっと、大事な局面でやらかすな。

 

 そう、脳裏で理解した、してしまい己の手の甲にある令呪を見るのだった。

 

 

 

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 忠吉の部屋の中では、鎧武者の男───“陰”のランサーが、義隆と談義を行ってした。

 その内容は、当主である義隆のことだった。

 

「───あの男、幾度の死地を越えている、そんな目をしていたが……

 そなたたちの家系はだいたいそうなのか? 

 そなたも、他の若い者も皆、死地の潜り抜けた、生きている実感のない瞳をしている」

 

「……えぇ、その通りでございます」

 

 コンコン、と扉を叩く音と共に、この屋敷の侍女が入ってきた。

 

「失礼します」

 

 一礼し、お盆の上に置かれている湯呑みと急須を、二人の間に置く。

 

「かたじけない、感謝する」

 

 ”陰“のランサーが礼を言う。

 忠吉は礼など不要、と態度で表し、それどころか何故か侍女を一瞥し───静かな怒気を現した。

 

「おい貴様……私がこのお方と対談なされている時に割って入るとはどういうつもりだ」

 

「し、しかし……!! 

 いつもは茶を持って来ぬとは何事か、とお叱りになるのは忠吉様で……!!」

 

 侍女が反論する、刹那。

 忠吉はその盆の上に置かれた湯呑みを一つを侍女の頭に目掛けて放り投げた。

 湯呑みは中に入っていた熱湯と共に、彼女の額に当たる。

 

「───貴様、誰に意見する? 

 誰のおかげで、ここで飯をありつけていると思う? 

 父に代わり、今の霧島家を統率するこの私のおかげだろう? 

 それを、息子に譲られた能無し頭のせいで忘れてしまっているようだな?」

 

 腰に下げた刀の束を握り。

 近寄る、暴力の権化。

 その姿はまさに鬼の如く、弱き者からなにもかもを簒奪しようと───

 

「……そこまでだ」

 

 したが、それを”陰“のランサーの静かなる一喝で、阻まれた。

 

「其方は我が主。故に、いかに暴君といえど看過するつもりでいた、そうでなければ武士として、あの大公の顔に泥を塗ると思ったからだ。

 しかし、どうやら拙者は堪忍袋の緒が短いようだ。

 それ以上はやめろ、霧島忠吉(きりしまただよし)よ。

 武器も持ってない者から奪う命などない。

 命とは尊きもの、それを賭けて戦う武士(もののふ)ならばいいがそのものは違うだろう? 

 それともそなたは武器も持たぬ女の命を気軽に奪うほど、矜恃を持っておらんのか? 

 ……だとすれば、呼ばれた拙者の不徳ゆえ、即刻その首を……否、首は要らぬ。

 命を頂き、私も自害しよう」

 

 その怒気は鬼を制圧するかの如く。

 鬼すらを食い破る虎の如く、忠吉を睨む。

 忠吉は、虎の一喝に頭を冷やしたのか。

 

「失敬」

 

 短く誤り、直ぐに”陰“のランサーの目の前へと座った。

 

「……下がれ、そして暫くは彪斗の元へ付け」

 

 侍女に己の息子の身の回りの世話を任せ、侍女を部屋へと追い払った。

 

「……先程は大変、失敬致しました。

 なにぶん、最近は殺し合うばかりしかしておりませんでしたから、少し気が短くなってしまっているようで。

 ……いえ、それだけではありませぬな」

 

 目を細め、どこか懐かしむように忠吉は部屋の天井を仰ぐ。

 

「先程のは彪斗の母親、つまりは私の妻です。

 ……しかし、あの女は一度、妻としての役割を放棄した。

 そして、無様にもこの街に救っていた怪異に殺されそうになっていたところを助け、保護したのです」

 

「成程。事情は理解した。

 しかし、それでもだ。

 命を粗末に扱うな、我ら武士もただ殺し合う為に命を賭けるものではない、それはただの異常者の行動だ。

 ─────殺しなんぞに悦びを見出せばそれは、ただの化け物よ」

 

 男の言葉に、忠吉はただただ───感涙を零した。

 やはり、この男の魂は綺麗だったと。

 我が憧れの武士、最強と謳われた華々しきその男は自身の予想通りであったと。

 

「は───身に染みて、反省致します」

 

 深々と頭を下げる。

 そんな忠吉を見て、”陰“のランサーはどこか不気味な気配を感じ取った。

 なにか、なにかズレている。

 一本道の筈、それを忠吉は自身で一本の道を作り、そしてあえてすれ違っている。

 

(───どこか、()に似ている)

 

 血縁だった、ある男を思い出しながら”陰“のランサーは、ただ忠吉を凝視するのだった。

 

 

 

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 竹流の部屋では、火薬を調合している最中の竹流を気にせず、”陰“のアーチャーが義隆のことについて尋ねていた。

 

「君が顔も心もブサイクなのは分かったとして、キミのファーザーのことなんだけどさ。

 なに、アレ? どう考えても昔は身も心もイケメンだったオーラすごいよ? 

 それが、なんであんな醜い顔に、心になったのか僕には分からないや」

 

 頭上に星を流しながら、”陰“のアーチャーは舌を出す。

 少しして、竹流が口を開いた。

 

「……昔、父は名の知れた魔術師だった。

 よく分からんが、素晴らしい地位にいたとの事だ。

 しかし、父が急変した要因の一つは確実に妻、俺の母の死だった」

 

「オゥ、なる程ねぇ。

 今ではバーサーカーさながらのブサイクさだよね。

 まぁ、僕みたいな身も心もイケメンな男には誰もがなれるわけではないからねぇ」

 

 飄々とのたまう”陰“のアーチャーを、不快な、まるで汚物を見るような目で竹流が睨む。

 

「黙れ、貴様が心も整っているだと? 

 笑わせるな、貴様の顔は整っているかもしれんがその心は汚物そのものだ。

 ───真に心を美しいと形容できるのは、美華(みか)だけだ……」

 

 窓から青空を眺める竹流。

 “陰”のアーチャーは、何か懐かしんでいる竹流なぞ気にせずに、

 

「いや、ブサイクな君に汚物とか言われたくないよ、名誉毀損で訴えるよ?」

 

 ヘラヘラとした笑みを浮かべ、冷徹に言い切った。

 

「できるものならやってみろ、この幽霊如きが」

 

 嘲るように鼻で笑い飛ばしながら、火薬の調合を再開させる。

 そんな中、

 

「……まぁ、僕は一言も心がイケメンだなんて言ってないけどね」

 

 小さく、竹流には聞こえないように”陰“のアーチャーは呟いた。

 

「ん、なんだ。何か言ったか」

 

「べっつにぃ?」

 

 何か言ってるのだけは分かった竹流は問い返したが、すぐに”陰“のアーチャーが誤魔化す。

 動揺もしない、寸分も違わぬ誤魔化しに流石に竹流は気付かず、そうかといい再び調合を再開させる。

 

「ただ、さっきの美華って子が気になっただけだよ? 

 ねぇねぇ、ミカって君のセフレなの?」

 

 ─────瞬間、竹流の手が止まる。

 わなわなと怒りで震わせながら、冷静ではない瞳で、凶眼でヘラヘラとした、存在すら嫌悪する男を睨む。

 地雷を踏んだ、そう理解した”陰“のアーチャーが、すぐに謝罪しようとするが───

 

「”令呪を持って命ず───“」

 

 聖杯戦争のマスターに選ばれた者たちはその参加の資格として、赤い紋様がやどる。

 それは”令呪“といい、サーヴァントにどんな命令でも実行させる三つの操り糸である。

 そんなモノ、怒りに身を任せた人間がどうするかくらい、”陰“のアーチャーは、理解している、生前のとある出来事が、脳にこびり付いているからだ。

 トラウマとも呼べる、その、限界を遥かに上回る怒り狂った瞳を、”陰“のアーチャーはどうにか収めようとしたが、同時に手遅れだと悟るのは、難しくはなかった。

 死を悟る”陰“のアーチャーは、それを受け入れたくはなかった─────

 

「”今後一切、我が最愛の人、美華への言及は禁ずる─────!! “」

 

 しかし、それは予想だにしなかった命令だった。

 まさかの、そんな出鱈目(……)なことに令呪を使うとは、”陰“のアーチャーの予想図には、描かれていなかった。

 

「……自害させると思ったか、間抜けめ。

 残念だが、もとより自害させることは出来ない、祖父にサインされた絶対的な契約書に、そう書かれていたからだ」

 

 見下すように竹流は一瞥し、すぐに背を向ける。

 それは、拒絶という巨大な壁。

 ”陰“のアーチャーは理解し、自身たちの勝ちへの可能性がより一層薄くなったのを理解したのだった。

 

 

 

 ──────────────────────────ー

 

 

 

 霧島邸、遊人の部屋では、”陰“のアサシン、霧島遊人が一号と呼ばれるホムンクルスについて話し込んでいた。

 たんに、暗殺者は知りたかった、何故、あの番号でしか呼ばれていない少年の寿命が。

 

「───なぁ、アンタ。

 あの少年のことだが───」

 

「アイツならせいぜいあと2週間さ。

 ……悔しいがな、仕方ねぇ。

 僕が足掻こうにも、アイツの結末は蝉と同じくれぇに儚い生命よ」

 

 いそいそと、何かの準備をしながら答える遊人。

 フラスコの中には何か、豆のようなモノが入っている。

 それが生命だと気配で感じとった”陰“のアサシンは、遊人がなんの準備をしているのかがきになってしまい、訊ねた。

 

「……それは、なんだ? 

 なにか、命か。なんの命を生み出そうとしている、また、あの少年のようなホムンクルスか?」

 

 静かに、短刀を握る暗殺者。

 答えによっては遊人を殺すと、その動作で伝える。

 遊人は、それを理解していた。だが、堂々と、そうだと頷く。

 

「あぁ、ホムンクルスだ。

 僕のお仕事なんでね。こうやって、インスタントの命を生み出すのが。

 ……あれでも、長生きしたんだぜ? 

 なんせかなり手塩にかけて、アインツベルンに土下座してまで協力してもらったのに失敗した、僕の初めてのホムンクルスなんだ。

 ……五年くらいだったな。良くもまぁ、義隆に見せるまで隠し通せたと思うよ」

 

 どこか懐かしむように、しかし悲しむように言う遊人。

 遊人の、その態度に暗殺者はナイフを仕舞った。

 命を簡単に生み出す、そんな冒涜者を”陰“のアサシンは許さなかったが、遊人は、違うと、感じたのだった。

 否、確かに、簡単に命を生み出している。しかし、その行動には罪悪感を抱いている。

 ”陰“のアサシンは、そのことに気づいたのだった。

 

 

 

 そこへ、空気を読まずに白衣の男、主である遊人に傲慢な態度をとっていた男、”陰“のキャスターが現れた。

 ”陰“のキャスターはフラスコの中に在る命を見るな否や、忌々しげに舌打ちをした。

 

「ホムンクルスだと? 

 貴様、私にそれを見せるな。そんな不格好な、不出来なホムンクルスなぞすぐに叩き割ってしまいたいが……聞けば日に五十体の戦闘用ホムンクルスを製造しなければ貴様は死んでしまうみたいだしな? 

 ふん、貴様が死んで私が消えるはめになっても困るのでな、見逃してやる」

 

 鼻で笑い、冷ややかにその場から去ろうとする。

 それを、”陰“のアサシンが男の前に出て、去るのを阻んだ。

 

「……な、なんだ貴様。

 わ、私はなにも間違ったことは言っとらん、言っとらんぞ?」

 

 明らかな動揺を見せる”陰“のキャスターに”陰“のアサシンは静かにナイフの刀身を見せた。

 

「ひっ─────!!」

 

 明らかな恐怖、それを見て”陰“のアサシンは、嘲笑するのだった。

 

「強がりはやめろ、キャスター。

 傍から見てても鬱陶しいこの上ない。

 ……プライドが邪魔をするのだろう、君も英雄の端くれだからね。

 でも、ただナイフを見せられて怖がるくらいのプライドなら捨て去れ。

 ───それに、これはただの聖杯戦争じゃないんだ、マスターとの仲は今まで以上に大事にするべきさ」

 

 そして、静かに諭す。

 騙された、それを理解した”陰“のキャスターは顔をタコのように赤く染めあげ、くるりと翻した。

 

「なんだ貴様、アサシンのくせに偉そうに!!」

 

 それだけ言い残し、”陰“のキャスターは部屋から出た。

 その様子を見送ったは思わず笑った。

 その後、”陰“のアサシンは情けない姿を見せた男を庇う。

 

「失敬。彼は、多分、嬉しいと思うよ? 

 こんな、大規模な争いに呼んでもらえたんだ、うれしくないはずがない。

 ただ、どう接すればいいのか分からないんじゃないか? 

 ……彼、なんとなくだけど生前は全く交友とかなさそうだったから」

 

「別に、気にしちゃいなあさ。

 ぶっちゃけ、魔術師のサーヴァントの時点でそれは予想済みさ。

 さて……そんじゃま、僕はホムンクルス作りに勤しむとしますかぁ」

 

 ”陰“のアサシンに背を向けて遊人は、作業を再開させる。

 隙だらけな背中、それを守るように”陰“のアサシンは遊人の背後に立つのだった。

 

 

 

 ────────────────────────────ー

 

 

 

「──────呵々、皆、交流はある程度とっているみたいだな」

 

 使い魔越しで、各部屋を見ていた義隆は不気味に笑う。

 裏切りそうな者を殺す為に、監視を怠ることは無い。

 切翔は“陰”のセイバーに確認してから、ずっと武器のメンテナンスを。

 忠吉はそれから、”陰“のランサーと茶を嗜み。

 竹流は“陰”のアーチャーに敵意を向け続けながら弾薬の調合を。

 遊人は、終始ホムンクルスの製造に励んでいる、“陰”のアサシンは襲撃者に備え、しっかりと監視をしている。

 彪斗は───部屋にはいなかったが、義隆はそれはきっと、厠へ向かったのだろうと決めつけた。

 しかし、

 

「なぁじぃちゃん、これってなに? 

 なんで、オレのへやとかみれてるようになってんのー?????」

 

「───────ッ!?」

 

 背後から聞こえた彪斗の声に思わず銃口を向け、二、三発発砲する。

 

「いっでぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!!?」

 

 足に命中した彪斗はたまらず、絶叫し、床へ転がる。

 義隆は、己の愚かさを憎んだ、恨んだ。

 

(───そうだ、此奴を無能に育てた理由を忘れてしまっておった。

 ……此奴の潜在能力は末恐ろしい、下手をすれば(わたし)の寝首が掻かれることとなると、恐れたからだ)

 

 忘れるなと戒め、彪斗の頬を掴む。

 額に銃口を突きつけ、殺意を放つ。

 そして冷ややかに、圧をかけるのだった。

 

「貴様、誰の許しを得てこの部屋へ立ち入った? 

 ───(わたし)の部屋へは立ち入るなと言ったろう? それは例え、他の者でも、だ。

 次はない、次こそは貴様を殺すぞ?」

 

「じ、じぃちゃん……?」

 

 目に涙を溜め、彪斗は義隆の顔を見る。

 その表情に、感情はない、ただの人形じみていた。

 そうして漸く彪斗は理解した、義隆のこの発言は本当だと、次にこの部屋へ入れば、自身は死ぬ、と。

 ただひたすらに怯える彪斗に、殺意を剥き出しにする義隆、その間に割って入るように、

 

「待て待て、これはアレだ、事故だ!! 

 我がつい、茶菓子を貰えるやもしれんと冗談を言ったのだ!!」

 

 ガハハ、と陽気に笑いながら、しかし矛先を義隆の首筋へ当てながら、”陰“のバーサーカーが現れた。

 

「……そうか、貴様の差し金か巨人。

 どういう意図だ、説明してもらおうか」

 

「む、つい先程、言ったばかりだろう? 

 我が、冗談で貴様の立ち入り禁止の部屋へ入ったとしても、孫の汝なら許されるだろうと、なんなら茶菓子をもらえるのでは、と。

 しかし、困った困った。どうやら、孫も祖父も冗談が通じぬようだからな!!!!!!!」

 

 ガハハ、と陽気に笑う。

 更に部屋を見渡して、はて、と首を傾げた。

 

「そういえば、貴様のサーヴァントはどこだ?」

 

「我が傀儡ならば、今は外を徘徊している。

 今はどうやら理性が弾け飛んだらしくな、人を殺し回っているだろうよ」

 

 呵々、と笑う義隆に、”陰“のバーサーカーは眉を曲げながらも、誤魔化すように笑った。

 

「そうか! 

 では、失礼する!!」

 

 そそくさと彪斗を抱え、”陰“のバーサーカーは退室する。

 その後、

 

「……呵々」

 

 不気味に老人が微笑む。

 数奇な運命だ、と”陰“のバーサーカーを嘲笑するかのように。




次は陽の陣営の視点を描きますー
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