Fate/fake savior   作:桜野 ヒロ

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仕事の休憩時間に書いてるので今回前書きのコーナー休みます()


四人と二人

 “陽”のアーチャーがボウガンを射出させる。

 ”陰“のアーチャーは敗北を悟り、呆れて乾いた笑みを零した。

 

「だっさ……結局、私は半端な存在というワケだ」

 

 自虐し、そのまま飛来するボウガンを待ち構える。

 彼に刺さる───────かに思われたその矢は突如として横切った巨大な円盾によって防がれた。

 ”陰“のアーチャーが飛ん出来た方へ視線を向けると、そこには味方である”陰“のバーサーカーがいた。

 

「チーム戦の賜物だな!! ガハハ!!」

 

「うぃーすアーチャー、助けに来たぜ!!」

 

 ”陰“のバーサーカーの背中にしがみつきながら、ひょっこりと彪斗が顔を出す。

 二対一から二対二へと変わった”陽“のアーチャーは、顎に手を当てて”陽“のランサーに訊ねた。

 

「なぁ、アンタの宝具って今は使えないんだっけな?」

 

「えぇ、私の宝具は使えません。

 ……使えば周囲を巻き込んでしまうのです」

 

「いや、ボクはもう何もする気がないよ」

 

 ”陽“のアーチャーとランサーの会話に、敗北者たる”陰“のアーチャーが割って入った。

 

「負けたんだ、ボクは。

 これ以上やっても恥の上塗りさ。

 そんな情けない真似はしてもいいけれど、座に還ったら兄に怒られそうだし辞めとくよ」

 

 ゆっくりと起き上がり、”陰“のアーチャーは衣服に着いた土埃を叩き落とす。

 

「アーチャー、陰の二騎を相手にしなくていいのかい?」

 

「バカ言うなよコンラート。

 二対二になったら守るもんがいる時点でオレらの不利さ」

 

「分かっているようだね」

 

 満足気に頷いてコンラートが“陰”のアーチャーに視線を向ける。

 

「ひとまず、ここはこちらの勝ちでいいかい?」

 

「優位に立った途端調子に乗ってくれてさ。

 ……まぁ、いいさ。今回は負けを認めてやるよ」

 

「ぬ? 我々は逃す気など毛頭ないが?」

 

 話が決着する。その時に“陰”のバーサーカーが宣言する。

 ”陰“のバーサーカーの言葉に“陽”のアーチャーが納得げに頷いた。

 先ず、そもそも考えてだ。

 逃すことにメリットなど無いというのに、助太刀に来た彼らが逃すなど有り得ないとユースタス共々、考えていた。

 

『どうする、マスター?』

 

『……まぁでも、この場は容易に突破出来るだろう』

 

 魔力を通じた通信回路でユースタスが確信を持ちながら宣言する。

 その後、ユースタスは果敢にも”陽“のアーチャーと”陰“のバーサーカーの前に割って入るのだった。

 

「いいのか”陰“のバーサーカー。

 そちらのアーチャーはもう何もする気がないとはっきりと申している。

 それに、”陽“のランサーもまだ宝具を隠し持っている。

 ”陽“のアーチャーもだ、二対二と思っているところ悪いが二対一なのだよ」

 

「む、そうかそうなるのか。

 どうする彪坊、ここは退くか!!」

 

「そだな、竹流おじさんがアブねぇしそっち助けに行った方が有意義だな!!」

 

 ユースタスの言葉に二人はあっさりと呑み込まれた。

 一触即発、そう思っていたコンラートは思わず呆れて笑を零してしまったのだった。

 

(まさか二対一になると考えてなかったのか? 

 狂化のスキルがあるとはいえ、流石に考えていると思っていたのだが。

 それにしても、やはりバーサーカーのマスターである霧島 彪斗はマヌケというか……ん?)

 

 胸中で呆れていたコンラートだが、彪斗の言葉に引っかかる部分があり思わず訊ねたのだった。

 

「待った、竹流クンがピンチとはどういうことだい? 

 キミは魔術を覚えてない、そう資料には書かれていたが」

 

「え、雅おじさんが裏切った後に覚えた。

 独学だからちょっと困ったけど、爺ちゃんの使い魔をジャックするくらいは出来るようになったぜ」

 

「話は変わったねぇユースタス」

 

「……そうだな」

 

 ユースタスとコンラートは、ここで足止めを選択した。

 理由は二つ、竹流がピンチという言葉。

 竹流は爆弾のスペシャリストというのは、魔術協会でも知られていた。

 その男が、早期に死亡してくれれば爆弾によるアジトの奇襲を未然に防げれて得だから。

 それともう一つは、彪斗の将来性を危惧してのことであった。

 義隆とて、階位という魔術師の中でも上澄みの地位を得た男。

 そんな上澄みの男の使い魔をいとも容易く、それも独学で視界をジャックしてみせた彪斗に恐れを抱いたのだった。

 

「あ、やっぱり(……)こうなった? 

 アーチャーは竹流オジサンの方戻った方がいいよー」

 

 軽い調子で彪斗が言う。

 彪斗の言葉に、”陰“のアーチャーが頷いて姿を消した。

 

「まぁ、爺ちゃんの使い魔の視界を奪うとか無理なんだけどさ。

 けれど、アンタらこれで戦うことを選んだろ? 

 さぁて、やるかぁバーサーカー!!」

 

「ガッハッハッ!! 

 さっすが彪坊よ、この展開を予想してたワケだな!!」

 

「アーチャー!!」

 

「ランサー、戦闘体勢だ!!」

 

 ユースタスとコンラートが二騎に命令し、命を受けた二騎が即座に武器を構えた。

 二騎の行動に、彪斗が袖から宝石を出した。

 

「ボンッ」

 

 その言葉と共に、宝石が強く煌めき全員の視界を奪う。

 

「閃光弾……!!」

 

「コンラート、ランサーを傍に───────」

 

「遅いぜ、アンタら」

 

 ユースタスの背後に、硬いモノが当たる。

 それを銃口と理解するのは一瞬だった。

 あまりにも早すぎる彪斗の行動に二人は額に冷や汗を滲ませたのだった───────

 

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