Fate/fake savior   作:桜野 ヒロ

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作「あ、今日もアレナシです」

カッツ&ヨッシ「ホンマにやる気あるんか作者ァ!!」


家族の贈り物 1

 17時50分。

 霧島邸、義隆の部屋にて。

 義隆は悠々と木椅子に腰を下ろして優雅に過ごしていたが、ノック音と共に入ってきた来客に視線を向けた。

 

「おぉ、遅かったな遊人(ゆうと)

 

「ういっすー。

 で、用事って何さ?」

 

「プレゼントがあったのだが……しまった別の部屋へと置いてしまっていたようだ。

 待っていろ、今から取りに行く」

 

 そう言い、怪しい雰囲気を出しながら老獪は部屋から出て行った。

 遊人は何処か嫌な予感がし、部屋を去るという選択が頭に過った。

 しかし、その思考は直ぐに去っていった。

 それが、老獪の魔術によるものだとは気付かずに。

 遊人は感覚が忘れてしまいそうなほど長い間待った。

 時間にして一時間《いっぷん》。

 ようやく扉が開くとそこには杖をついた自身の祖父が現れた。

 いつもの琥珀を杖に嵌め込んだモノではなく。

 今回は人の脳髄を嵌め込んだ、なんとも趣味の悪い杖であった。

 

「おっせーし、何その杖。気味が悪いんだけど」

 

「おや不満か? お前のプレゼントなのだがな。

 受け取れ遊人。これは魔術の戦闘において有益なモノだ」

 

 そう言い、義隆が杖を投げる。

 上手いことキャッチに成功した遊人はその杖に目を配った。

 爆弾などはついていない、魔術も仕込まれていないのを見抜くと次は脳に刻まれている文字を読んだ。

 

『───────』

 

 その文字は、名前であり遊人がよく知る名前だった。

 自身のことを慕ってくれていた、内心で感謝していた大事な侍女の名を、忘れる筈が無いだろう。

 遊人は全て悟り、義隆を睨んだ。

 

「殺したの?」

 

 懐から瓶を取り出そうと手を持っていく。

 その腕に、床に転がっている宝石から飛び出た茨が絡み付いていたのを、彼は痛覚を思い出すことで漸く気付いた。

 驚きを隠せない遊人の顔を見て、義隆は嗤ったのだった。

 

「いつの間に、と思っているな? 

 二つとも答えてやろうとも。

 一つ目は部屋を去った際に床に転がしておいた。気付かなかったろう? 

 結界を仕込んでいたからな、当然だ。

 二つ目は一昨日のうちに殺した。

 死体は竹流にくれてやったわ、今頃は慰みに使われているだろうよ、呵々」

 

「───────後悔させてやる、この爺が」

 

「怒っているのか? 

 いいぞ、(わたし)にとってはその感情はとても興味深く、そして大好きなモノだ。

 最近のお前は少しおいたが過ぎるから灸を据えたかったんだ。

 呵々───────忘れるなよ道具、お前は私達に使い潰される為だけに在る消耗品であることをな」

 

 彼が指を鳴らすと、茨が燃えて絡み付いていた遊人の腕へと燃え移る。

 

「ウッ……!?」

 

「今日はそれを渡して、お前にお仕置する為に呼んだだけだ、()く失せよ」

 

「だ、‎そうだゴミ屑。

 残念だったな、両想いの相手が死んでしまって。

 いやぁホント、いい気味さ」

 

 背後からぬらりと現れた竹流を睨む。

 遊人からの敵意を感じた竹流は愉悦に浸り、調子づいて流暢に遊人を煽り立てた。

 

「お、なんだ珍しく俺に怒りを顕にしたのか。

 ───────悪いな、初物を奪わせて貰ったさ」

 

鋳造開始(ゲームスタート)

 

 魔術回路を浮かばせ、魔力を奔らせるは遊人。

 それよりも早くに、リモコンのスイッチを押したのは竹流であった。

 直後、詠唱中の遊人の腕は爆破し彼の腕が義隆の床へと堕ちた。

 

「ガッ……アアアアァ……!!」

 

「お前が登校中に、お前の着替えの服に装置を仕込んでおいた。

 本来ならばアーチャーあたりに任せたかったのだがな、アヴェンジャーと騒ぎを起こしよった。アイツは本当に痒い所に手が届かない駄目なサーヴァントだよ。

 ……まぁ、使えない消耗品に言う愚痴じゃないか?」

 

 遊人を蹴り飛ばし、竹流が懐から銃を取り出す。

 セーフティーを解除し、引き金に指を添え遊人へと向けて、腕、肩、膝へと発砲した。

 

「分かったかゴミ屑。次、俺に対して生意気な態度を取ればこれだけではすまんぞ。

 ───────次こそは殺す」

 

「へぇ……パパに手助けしてもらえなきゃこんなコト出来ないクセに言うようになったじゃん? 

 そんなんだから死体の初モノしか貰えないんだよ、万年童貞中年」

 

「残念だ、もう次が来た」

 

 容赦なく竹流が引き金を引く。

 その直前に、彼の銃口に杖先が突っ込まれた。

 突っ込んだ張本人である義隆は口は笑みこそ浮かべていたが、目は笑っていなかった。

 

(わたし)の許可なしにこやつを殺すなよ息子。

 お前の我儘はもう聞けんのだ、それを分かっていないというのか?」

 

「ぐっ……フン、いいさ。

 じゃあなゴミ屑。今日はこれで満足ということにしといてやるさ」

 

 そう言い、竹流が部屋から去った。

 義隆は指を鳴らすと、霊体を解いた()が遊人を担いでそのまま遊人の部屋へと運んで行ったのだった。

 

「呵々、さて今日はしっかりと動くぞ。

 情報はあらかた揃ったからな。

 最低でも二騎、向こう側から奪うとして。

 最大で全滅は確定だ」

 

 心からの笑みを浮かべ、義隆は再び木椅子に腰を下ろし、夕日を見る。

 郷愁を胸に、しかしその理由を思い出せない彼は困惑しながらも、来る夜を待ち構えるのだった。

 




休憩時間に書いてるから許して()
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