Fate/fake savior   作:桜野 ヒロ

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作「あ、今日も仕事の合間縫って書いてるんで……」

カッツ「お前最近職場でキレすぎな」

作「反省します」


時を遡る悪魔

 江松小学校廊下内。

 遊人と一号が、自身のサーヴァントを連れて行動を共にしていた。

 髑髏の仮面を着けた男、“陰”のアサシンは周囲の警戒を怠ることは無かった。

 その反面、“陰”のキャスターは周囲など気にすること無く呑気に辺りを見渡していた。

 二人の意識の違いは後から明確に出てくる事となる。

 

 ───────カツン、カツン。

 

 遊人達の足音では無いモノが響く。

 “陰”のアサシンは瞬時に音が響いた方へ振り返る。

 その様子に“陰”のキャスターは「警備員だろうに」と、呆れていた。

 そんな彼に向かって、魔術が施された短剣が飛来する。

 

「う、おぉ……!?」

 

 慌てて、“陰”のキャスターは自身の腕を盾にしてその一撃を防いだ。

 直ぐに“陰”のアサシンが短剣が投げられた方向を睨む。

 しかし、そこに霊体になっているサーヴァントも、人すらもいなかった。

 

(……なら、仕掛けられていた罠か!?)

 

 “陰”のアサシンが反対を振り向く。

 刹那、彼の背中を太刀が貫いた。

 魔術が施されたソレから、ゆっくりと姿を現すヒトがいた。

 

「……お前、“陽”の、キャスターか……!?」

 

「ヒヒ、ヒ……!! 

 やった、やったやったやったやった……!!!! 

 気付かれることもなく、アサシンを殺してやったぞぉ!!」

 

 嬉しさに顔を歪ませ、彼がアサシンを蹴り飛ばす。

 遊人はすぐに胸ポケットから宝石を取り出し、“陽”のキャスターへと放り投げた。

 

game start(起動せよ)

 

 遊人が詠唱を終えると、宝石は爆発を起こし“陽”のキャスターを巻き込む。

 その隙に急いで一号の手を引っ張り距離を取った。

 

「アサシン、アサシンが……!!」

 

「分かっているよ、ボクが死んだら元も子もないから距離を空けたのさ。

 キャスター、悪いが宝具の発動を!!」

 

「うむ。だがその前に奴のカラクリを分析してから宝具を発動させてもらう」

 

 言って、“陰”のキャスターが懐から赤い液体が入ったフラスコを取り出す。

 

「“弄ばれた悪魔の子よ、今一度目を醒ませ”」

 

 その詠唱と共に、フラスコが砕ける。

 中に入っていた液体は人の形となり、陰のキャスターの傍についた。

 

「……チ、少し気を抜きすぎたな。

 あのアサシンならば安心だと私が油断しきっていた」

 

「今も油断しておるぞ、“陰”のキャスター……!!」

 

 背後から声が聞こえる。

 “陰”のキャスターは振り向かずに、大きく後方へ飛躍した。

 跳んで五メートル。

 その距離を跳び、着地と共に遊人が放った砕けた宝石の破片を取り、魔力を込めた。

 

「“我が人生は何度も謳われる”」

 

 再度、詠唱して破片を投げる。

 破片は砂塵となり、透明となった“陽”のキャスターの身体に付着した。

 

(成程、透明になっているだけか。

 ……そういえば、私が時計塔に在籍していた時代に一人変わった男がいたな。

 幻霊を降霊させては、他の幻霊と融合させようとした物好き、カナン家だったか? 

 成程成程。末裔がその技術の習得に成功したワケだな)

 

「さて、遊人。時間は?」

 

 背後の遊人に訊ねる。

 

「二分も経ってないよ」

 

 遊人の返答にならば良し、と“陰”のキャスターは魔力を溢れ出させた。

 

「宝具か!?」

 

 “陽”のキャスターは、注意深く彼との距離を空けた。

 それが間違いだとも、知らずに。

 

時を遡る悪魔は詠われる(メフィストフェレス・ゲーテ)

 

 刹那、紫黒い光が周囲を包んだ───────

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