平穏が遠い・・・。(仮)   作:禁屍

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本当にありがたいです。



事件は向こうからやってきます。



活動報告にアンケートを載せる予定です。よければどうぞ。


9話おしごとっ!

 

 

家が手に入って早一週間。いま、なでしこと百姫は二人で庭に菜園を作っている。

 

家の中はみんなで片付けをして丸一日かかってしまった。本当ならそんなにかかる予定はなかったんだが・・・。

 

 

ようこ、それは片づけとは呼ばない。散らかしているというんだ・・・。

 

 

 

そんなこともあったが、今はみんながそれぞれやりたいことをやっている。

 

 

 

なでしこと百姫は敷地に緑を増やし、ごきょうやは医者を目指すために勉強、ようこはやりたいことがみつからないのかあっちをフラフラこっちをフラフラ。

 

 

 

 

ピンポーン。

 

 

 

古臭いチャイム音が屋敷に響く。

 

 

 

玄関に向かうとそこにはこの前この屋敷でひどい目(?)にあった仮名さんが立っていた。

 

 

 

 

「一週間ぶりだ川平啓太、この屋敷もずいぶんときれいになったじゃないか。」

 

 

 

 

「お久しぶりです、仮名さん。なでしこ、すまないけどお茶の準備を。」

 

 

 

 

「かしこまりました。」

 

 

 

仮名さんを応接間に招き向かい合うように座る。

 

 

 

「失礼します。」

 

 

 

お茶を淹れてきたなでしこと何となくついてきたようこが部屋に入ってくる。

 

 

 

「すまないが、また依頼だ。今回は男性ばかりを狙う妖ものだ。こちらが調べたものによると、どうやら男に振られたことに絶望し自殺。その怨念が妖ものとして形になったとある。」

 

 

 

「わかりました。ようこ、ひなぎく行こうか。ところで仮名さん、この前の件どうなりました?」

 

 

 

 

「すまない、目下捜索中だ。わかり次第連絡を入れる。報酬はいつも通りに」

 

 

 

 

それだけいうと帰って行った。

 

 

 

 

ひなぎくとようこを連れて町に降りる。ふたりとも町に降りるのは初めてのようで終始あたりを見まわしながら楽しそうにしている。

 

 

 

 

指定されたポイントにつくとそこは人気のない公園だった。まだ昼過ぎで出てくる気配もないのでふたりと遊んであげようと思いボールを投げる。

 

 

 

するとひなぎくが四足で走り口でくわえて持ってきた。

 

 

 

犬神なんだから犬の習性はあって当然なのだが、なんというか、こう、シュールである。

 

 

 

 

 

そんなこんなで時間をつぶしていると日が暮れてくる。

 

 

 

夕方、黄昏時。

 

 

 

昼と夜の境目。逢魔が時。

 

 

 

 

≪・・・て、ど・・て、どう・て、≫

 

 

 

まわりに誰もいなかったのにいつの間にか一人女の人が立っている。

 

 

 

 

「こんな時間に女性の一人歩きは危ないですよ。」

 

 

 

「啓太」「啓太様」

 

 

二人が臨戦態勢をとりながら声をかけてくる。

分かっているが攻撃したくないという思いもどこかにあるのだ。

 

 

 

 

「どうして、どうして・・・。」

 

 

 

 

女性が少しうつむいたと思うと体が膨れ上がり・・・・・・

 

 

 

 

 

「ど、どうして。どうしてなのおおおぉぉぉ・・・■ ■ ■ ■ ■。」

 

 

 

雄叫びをあげる妖ものへと姿を変えた。

 

 

 

 

雄叫びをあげる妖ものを前にして啓太の耳にはかすかにだが確かに女性の苦しむ声が聞こえていた。

 

 

 

 

 

『苦しい・・・。もう、もう誰も殺したくない・・・。誰か、誰でもいい。私を・・・・・・殺して。』

 

 

 

 

 

 

「二人とも、下がって。」

 

 

 

 

今まで黙っていた啓太が指示を出す。二人も啓太の様子に何かを感じ取ったのか無言で指示に従う。

 

 

 

 

 

「いま、君を楽にしてあげよう。」

 

 

 

 

 

両の手のひらを合わせ、合掌。心には鎮魂の気持ちを・・・。

 

 

啓太の後ろに百の手を持つ観音様が浮かび上がる。

 

 

そして合わせた片手を一振り

 

 

≪百式観音、壱の掌≫

 

 

 

観音から放たれる掌打、押しつぶすように妖ものに向かう。妖ものを押し潰す一瞬、確かにありがとう、とそういった気がした。

 

 

 

 

 

負の思いが怨念が怨念となり妖ものになり人を襲う。でもそうやって死んでしまった本人のほとんどは被害者なのである。

 

 

 

 

「やるせないなぁ・・・。」

 

 

 

どうにかならないものかと、そう思ってしまうがどうしようもない。ひとつため息をついて公園の入り口で待っているふたりのほうに歩いていく。

 

 

 

そんな啓太を遠くから見つめているものがいることを啓太はまだ知らない。

 

 

 





話数もついに2桁になりました


最後の見ていた人物が出てくるのはかなり先になります。



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