ビースト・スレイヤー   作:名無しのフロム信者

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本日未明、サリ裏にて壁バグ使用ホストを発見しました。
犯人は未だ立て籠もっている様ですが、現在警察(ホスト絶対殺す闇霊)が交渉(尾骨戦技ぶっぱ)をしているようですが、改善の余地が見られる様子はありません。




邂逅は、まだ少し先

その男は、ずかずかとギルドの中を歩き、一直線に受付へと向かう。

安っぽい鎧に、これまた安っぽい剣と盾。

それに、血生臭い匂い。

側から見れば、邪教の者の類に見えるその男は、普通の感覚を持った者なら間違いなく関わりたくないと思うような風貌だった。

 

そして、彼はいつもの様に、彼を担当する受付嬢に言った。

 

 

「ゴブリンだ」

 

 

 

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パチパチという音を立てて燃える松明を片手に、一党のリーダーである剣士に隣に立ち、薄暗い洞窟を進む。

 

列の順番としては、剣士→狩人→神官→魔法使い→格闘家という順番だ。

 

しばらく歩いていると、今回の依頼の目的を見つける。

 

「居たぞ、ゴブリンだ」

そう隣にいる剣士に言うと、小さく「分かってる」と答えられた。

 

緑色の体に、醜悪な顔つき、そして只人の子供程の身長。

間違いなくゴブリンだ。

 

数は....見る限りでは三体、恐らく見張りかなんかだろう。

 

「どうする?全員で突撃してもいいが、出来るだけ後ろの呪文使い達の体力は減らしたくない」

 

「ふーむ、分かった。まず俺と狩人で突っ込んで、やばいと思ったら格闘家にも参戦してもらう、いいな?」

 

そう言って後ろにいる全員に目配せすると、全員が肯定の意を見せた。

 

「よし、じゃあカウントするぞ。3.2.1.....行け!!」

 

剣士が突っ込むのと同時に狩人もゴブリンたち目掛けて突撃する。

 

剣士がまず1番手前にいたゴブリンに剣を叩きつける、それだけでゴブリン一体は死んだ。後二匹。

 

狩人が、手に持った異形の槍、『銃槍』を変形前の状態で、突然の襲撃に驚いているゴブリンを突くと、体に風穴を開けて絶命する。

 

「gaaaabbbbbuuu!」

 

仲間が殺された事に怒ったのか、棍棒を振り上げて最後の一匹が狩人の背中目掛けて飛んだ。

ゴブリンの頭の中では既に、狩人の頭蓋を叩き割り、脳漿を辺りにぶちまけている姿を想像できた。

だが..,.

 

「ふんっ」

 

最初から奇襲の事など分かっていたかの様に突然振り向いた狩人が、空中のゴブリンに槍を突く。

 

致命の一撃(クリティカル)だ。

 

(弱いな)

 

いくらこの銃槍に3デブ産の『物理の攻撃力を高める27.2』を着けているとはいえ、これならヤーナム市街の鴉の方が強い気がする。

 

あっという間に3体倒し終え、再び歩を進めようとすると、一足先に休んでいた剣士から賞賛を送られた。

 

「あんたすげーんだな!その槍も変な見た目してるけど凄い鋭さだ」

 

この手に持っている銃槍を褒められて、少し私は嬉しかった。

昔、工房の異端である火薬庫はこう嘯いた。

「つまらないものは、それだけで良い武器ではありえない」と。

だが、火薬庫の武器は、扱いづらい事で知られていた。

だから、火薬庫の武器を好んで使うものも少なく、次第に火薬庫は廃れていった。

 

この武器はそんな火薬庫産の数少ない武器の一つであり、この武器もまた火薬庫らしい面白い仕掛けがある。

 

この武器の良さを分かるとは、剣士には狩人の素質があるかもしれない。

布越しにニヤついていると、道の端に変な形の置物が置いてあることに気がついた。

 

「なんだ?これは」

 

それは、動物の骨を組み合わせて作られた、謎のオブジェだった。

 

「ゴブリン達が置いたんだろ、しかし、趣味わりーな」

 

そう言って剣士は興味を無くしたようで、再び松明片手に進んでいく。

 

私達も置いてかれまいと着いていく。

 

その置き物の反対側にあった、不自然な穴に気付くことなく......

 

 

 

「変だな」

 

そう狩人が呟くと、前を歩いていた剣士が狩人の方を振り向く。

 

「どうしたんだよ」

 

「おかしいと思わないか?私たちが最初に戦闘した時、かなり大きな音を出していた、ゴブリン共は当然気づいた筈だ。それなのに、見回りどころか、斥候すら先程から一体も見ていないんだ」

 

そういうと、剣士はハッとしたかのように、「確かに変だな」と呟いた。

 

一行が立ち止まった数秒後。

 

「ねぇ後ろから何か聞こえない?」

 

と、魔法使いが喋った。

それに近くにいた神官が反応する。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、さっきから後ろから、変な音が聞こえるの....まるで何かが私達に付いて来ているみたいな」

グサッ。

 

何か鋭利な物が、柔らかい肉に勢いよく入る音がした。

 

バタンと音を立てて崩れ落ちる魔法使いの後ろには、ニヤニヤと笑いながら、毒々しい液体を滴らせる短刀を持った、ゴブリンが居た。

 

「ゴブリンだ!!」

 

「guaaaaaaaa!!」

 

剣士が叫ぶと、通路の後ろと前から、ゴブリンの大群が押し寄せてきた。

 

その光景を見た瞬間、狩人は剣士の前に立ち、手に持った槍を変形させる。

 

ズドンッ!!

 

という乾いた音が鳴り響き、前に居たゴブリンの何匹かが、血を大量に噴き出しながら吹き飛んだ。

 

銃槍に備わっている仕掛け、その名前の通り、槍を銃として変化させる仕掛け武器だ。

元々は、医療教会の敵であるカインハーストの騎士が使ったレイテルパラッシュという刺剣を元に作られたこの武器は、仕掛けを起動させるとその先から散弾が発射される。

 

狭い洞窟の通路ということもあり、その威力は侮れない物となっている。

 

「私が前の奴らを引き受ける!!貴公らは後ろの奴らをやれ!!」

 

「わ、分かった!」

 

剣士と格闘家が、後ろの方面にいるゴブリン達を相手にし、狩人は前方にあるゴブリン達を銃槍の散弾で吹き飛ばす。

そして剣士が、未だにゴブリン襲撃の衝撃で動けない神官に喝を入れた。

 

「神官ちゃん!魔法使いを助けてくれ!」

 

「は、はい!」

 

剣士が叫ぶと、神官は血を流しながら倒れる魔法使いを戦場である通路の真ん中に運ぶ。

そして、小瘉の奇跡を唱え、魔法使いの傷を癒す。

 

が.....

 

「どうして!どうして血が止まらないんですか!?」

 

剣で刺された傷は完全に癒えた筈だ、

 

なのに、魔法使いは血を吐きだし、ピクピクと痙攣しだした。

 

(毒か!)

 

狩人は、後ろの様子を見ながら魔法使いが毒を受けたという事を確認すると、ゴブリンに向けて最後の銃弾を放ち、魔法使いの元へ走る。

 

そして神官に、懐から出した白い丸薬を握らせ、「それを食わせろ!解毒剤だ!!」と、指示を出し、再び前線に戻る狩人を見ながら、「はいっ」と神官は返事をし、魔法使いに白い丸薬を飲ませた。

 

すると、少しずつだが、魔法使いの顔色が良くなっていくのを確認した。

 

一突きする度ににゴブリンは死んでいくが、それでも、倒しても倒しても押し寄せてくるゴブリンに、狩人は苦戦していた。

元々、多対1は得意ではないのだ。

 

(あれを使うか)

 

あの武器はデメリットもあるから出来れば戦闘中に使用はしたくなかったが、今は一刻を争う。

ならばこのゴブリンの大群を一瞬で葬れるあの武器を使うしかないだろう。

 

狩人は銃槍を己の体にに溶かし、そして新たな武器をその手に出現させる。

 

それは小柄なメイスだった。

なんの変哲もない、所々が尖っているが、普通のメイスだ。

 

だが、狩人はそのメイスを自分の腹に突き刺し、メイスは形を変化させる。

 

その異様な光景に、狩人を襲うゴブリン達は一瞬動きを止めるが、再び動きだし、狩人を襲う。

 

だが、ゴブリンが動き出すのと同時に、メイスは変形し終えた。

大きく、禍々しく、血が滴っている異形の武器。

瀉血の槌。

 

狩人はその武器を持ちながら、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

自暴自棄とも言える行動に、ゴブリン達はこれはチャンスと思い、狩人に襲いかかる。

 

「馬鹿め」

 

狩人が、その異形の槌の先端を地面に叩きつける。

それだけで、周りにいたゴブリン達は、全身から血を吹き出し、死んでいった。

 

ゴブリン達は、自分が何をされたか、理解出来なかったらだろう。

どうして?自分は攻撃されなかったはずだ。あいつは武器を地面に叩きつけただけなのになんで自分は血を噴き出しているんだ?

 

と、思考をめぐらせた後、ゴブリンは息をとめた。

 

これが瀉血の槌の1番の特徴である、叩けつけによる広範囲攻撃。

狩人にも、どういう原理で攻撃しているのか分からないが、今はそんな事は関係ない。

 

狩人は懐から出した鎮静剤を飲み干し、後ろを振り向く。

 

(後ろの援護は!?)

 

勢いよく振り向き、剣士と格闘家の戦況を確認すると、あちらも苦戦していたようだが、格闘家が弱らせ、剣士が最後の一体にトドメを刺した所だった。

 

全身血塗れの剣士が辺りを確認し、もう敵がいない事を確認すると、「終わったのか?」と呟いた。

 

「やったぞ!狩人!格闘家!それに神官!あんなに沢山いたゴブリンどもを全部倒したぞー!!」

 

そして剣士は、両手を挙げて喜び、洞窟内に彼の笑い声が響き渡った。

 

「馬鹿っ!うるさい声出さないでよ!」

 

そう言って注意する格闘家も、初めての死闘に打ち勝ったことに、喜びを隠せないでいた。

 

あまり顔には出さないが、戦闘中魔法使いを癒し、撃ち漏らしが出た際にはゴブリン達をその細腕で持った錫杖で迎撃していた神官も、戦闘が終わったことに対して、喜びとも安堵とも言えぬ顔をしていた。

 

狩人もそうだ。だが、今はそれよりやることがある。

 

「剣士よ、喜ぶのは良いが、まずは怪我人である魔法使いを運ぼう。ここから先の探索はまた明日からだ」

 

「お、ああそうだ、あいつを運ばないと!」

 

剣士は未だ動けない魔法使いを担ぎ、出口の方へ走り出す。

 

それに私達も続く。

 

こうして、私達の最初の冒険は、痛い目を見たものの、全員生きて帰れる、良い結末(グッドエンディング)となった。

 

 

 

 

 

 

その場にいた誰もが、そう思っていた。

 

 

 

 

 

だが、その油断を、怪物たちは逃さない。

 

 

その違和感に気づけたのは、神官だけだった。

それは全くの偶然だったが、気付いたところで、もう遅い。

 

 

 

「狩人さん!後ろ!!」

 

 

狩人の前にいた神官が叫んだのと同時に、最後尾にいた狩人の体が、洞窟の壁に突っ込むようにして、吹き飛ばされた。

 

剣士たちが急いで後ろを振り向くと、そこには....

 

「guuuuuuuaaaaaaaaaabbaaa!!!」

 

剣士たちの背丈程ある大きさの棍棒を振り上げた、巨大なゴブリンがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、剣士たちが入り込んだ洞窟の前に立つ男が1人。

 

その男は中の様子を確認すると、黙々と松明の準備をし、洞窟の中に入る。

 

中に先に入ったという冒険者たちは、ゴブリンどもを殲滅しただろうか。

 

いや、そんな事は考えても仕方ないだろう。

 

ゴブリンなんぞ、見つけ次第殺す。それだけでいいのだ。

 

 

 

「ゴブリン共は、皆殺しだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




4話になってもまだオリ主と主人公がで合わないという..,.。
自分のストーリーの構成が下手すぎて嫌になる( ˙-˙ )


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