自分をTASだと思ってる精神異常者の話。   作:名無しの権左衛門

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ウマ娘にハマったからね、仕方ないね


TAS君と友人とシンちゃんのダンスラ

「めっちゃかかったな!」

<TAS君どこに行ってたんだ?>

「すまんすまん! どれだけ経過したんだ?」

「ざっと6か月」

「あー、3回スピードをおして3分してから戻ってきたヨ」

「後で教えてくれよ?」

「おう」

 

 しんちゃんはなんのことか不明で、首をかしげていたけれど何でもないように言う。

まあ、踏み入られたくない領域と云ったらいいかな。

 

「なあTAS」

「ん?」

「高地トレーニングしたいんだけど、このせかいにはないんだとさ」

「そらそうだよ。ウマ娘は走る事しか興味ないし、識るを知りたい人間はウマ娘じゃないから、効果を言うわけないじゃん」

「だからさ、こっちでもやろうぜ。株」

「あー。今度は会社でもやってみようかなって」

「お、えーやん」

「えーやろ?」

 

 俺は友人がしんちゃんを走らせている間に悪だくみをする。

特にこの世界は携帯で、2021だというのにスマホすらない。

なので俺はHOIで鍛えた政治力、カドゥケウスで鍛えたコミュ力、ポケモンで鍛えた好奇心、モンハンで鍛えた活路を見出す目、スマブラで鍛えた強敵相手に立ち回る観察眼などを使う。

 この世界で経済無双をしたらどうなるかわからない。

それでもやらないと、何も成せないからね。

 

「しんちゃん」

<どうしたんだA君>

「やりたいことに金を使いたいので、G2を走ってほしい」

<何をしたいんだ?>

「更にウマ娘を強くするためだよ」

<本当だな? 嘘だったら、東京湾に鎮めよう>

 

 

 何故か中学生であるしんちゃん。おかげで威厳はないけれど、つんけんしていてなかなかとっかかりが難しい。

最初のかじ取りを間違えたからなあ。

押し付けすぎて、OP戦に負けたんだとよ。

 友人が愚痴ってたけど、しんちゃんも納得してない様子なものだから

説得に時間がかかって更に成績が悪くなるという悪循環。

 

 控えめに言って最悪では?

 

 

「てか、ロケットスタート使ってないの?」

<使わせてくれないんだ>

「使わせられるかよ。失格にされたらどうするんだ」

「スタート方法を教えなよ。一度戻るか?」

「うーん、そうするか」

 

 そういうわけで、友人と俺としんちゃんは現実世界に戻ってきた。

 

「なんでしんちゃんも来てるのさ!?」

<ぇあ、こ、ここは?>

「俺達の家だよ、しんちゃん」

 

 友人は驚いているけれど、ウマ娘は毒とかそういうの効かないらしい。

なんかゲーム内のテキストに書いてあった。

だから現実世界に連れてきたのさ!

 え、アレルギーは細胞の勘違いで毒じゃない?

あーあー何も聞こえなーい。

 

<なんだ? 世界がくすんで見える>

「そらな。こっちじゃ光は波長かつ、物質が光を吸収することでその色に見えるんだ。

あっちみたいに透過度・赤青緑に発光するわけがない」

 

 しんちゃんは、トレセンのジャージ服で外を眺めている。

 

<ウマ娘がいないんだな>

「そうだ。そもそも……」

「ウマ娘は架空の存在だよ。ほら」

 

 友人はゲーム画面の他にも、ようつべの映像を見せてくる。

なんでサイゲのページ開かないのさ。

 

<これが……>

「ついでに言うと、こっちじゃURAじゃなくてJRA。

シンボリルドルフの戦績は、こうなっている」

<ちょっとまて、どういうことだ。 そうだ。ウマ娘がいないなら……

この世界のウマは……そして、この黒い動物こそが私でありウマなのだな>

「察しのいい子は好きだよ、しんちゃん」

 

 JRAのシンボリルドルフ戦績のところを、ウマ娘シンボリルドルフに見せた。

基本的なOPは勝てていて、G1を7勝できている。

そしてシンボリルドルフ産駒で、G1勝利ウマで有名であるトウカイテイオーを矚る。

さらに言えば、シンボリの冠名がつくウマ娘でめぼしいものは、シンボリクリスエスくらいになる。

 ウマ娘世界のシンボリは、地方や中央で名をはせた名家らしい。

だがそれは人だから成せること。

経済動物だとそうもいかない。

 

「お、高松宮記念が来週あるぜ」

「じゃあ、しんちゃんはこっちで生活してもらおうかな」

<え?>

 

 

 俺は彼女にこっちの世界で過ごす場合、向こうの時間は停止している事を伝える。

すると毎週出走して、休みをこっちで取るというのも可能なのかというのも聞いてきた。

しかしそれだと時間がかかりすぎるので、別のゲームをすることで

俺達の時間としんちゃんの時間を無駄にしないようにできる。

 

 たぶん。

スマブラでもやってれば、しんちゃんの能力もあがりそうだなぁ。

 

「これでも学校に行っているんだぞ?」

<なるほど。それで、中学生か?>

「俺達小学6年生だ」

<!? 若干12歳で、それなのか。 提案したいんだが、いいか?>

「どうぞ」

<私が二人の勉強を見ようと思うんだが……>

 

 友人とはなしあったんだけど、こっちで一緒に暮らした方が

仲良くなれるきっかけを作れるだろうという判断でこっちで一緒に暮らすことになった。

ただしばらくは友人の家で寝泊まりして、期末テスト対策をするってことを両親に伝えておこう。

そうしないと、変におっかけてくるからさ。

 料理や掃除はわかるかなぁ。あっちは競走に関することばかりで、競争をする

のはついでみたいなことになってるし。

 

 つまりこっちの方が、あちらの一部の科学技術より平均して高い。

そもそも速さに関しては、向こうの方が上手かも。

なんせ、コンコルドが普通に採用されているんだから。

 

「多分現実世界に適応して、自分自身の体に不調がでるかもしれないから注意しておいて。あと糞尿は、そこにあるトイレで出してくれ」

<わかった>

「料理とか掃除とかできるかな? ウマ娘用帽子を着て、しっぽを隠せばまあ奇抜ファッションだなって皆思うから大丈夫だと思う。 以前顔がしわくちゃなおばあさんが、ゴスロリきて買い物してたし。

またおでぶで40過ぎの脂っぽい人が、ファンシードレス着てたし。大丈夫大丈夫」

<顔が死んでるぞ?>

「きもちわるかったよ」

 

 とりあえず今日は、しんちゃんを連れて買い物をすることにした。

やっぱり服は必要だからさ。

ごはんとかはいつもより豪華にして、歓迎会を開こうか。

 

<た、TAS君。これはちょっとはずかしいぞ>

「シンちゃんなら着こなせるって! 大丈夫大丈夫。いつもかっこいいだけじゃなくて、

かわいいシンちゃんがみたいんだよ」

<そ、そうか。んん、仕方ないな>

 

 ワンピースみたいな可愛らしい服を選んだりと、これからの夏にふさわしいものを選別してった。

友人はむしろかっこいい系を選んだ。気崩したら、サイコーにイカす系のね。

おめぇのセンスすげぇよ。

 

「むしろ網目はだめだろ。シンプルこそベストだ」

 

 オタクっぽいですかそうですか。

 

 さて、イカす系ではなくかわいい系の服を着てもらって、ゲームコーナーに来る。

この時間帯だとあまり人がいないからいいよねぇ。

 何時かって?

早朝の開店した瞬間だけど。

そもそも今日は振り替え休日なんだ。他の学校は、普通の登校だぜい。

 

 

<あれは?>

「あー、ここはゲームコーナーで、シンちゃんが気になっているのは、

ダンスラッシュ・スターダムだ」

 

 このゲームコーナーの壁際に、三つの筐体が目に入る。

それはこのコーナーで一番の爆音を響かせていた。

あれはまさしくダンレボ。っぽいものというか、派生だったかな?

 

<凄いな。あっちだと左右前後に矢印があるだけだった>

「じゃあ、やってみるか。ついでに、YOUTUBEにも上げておこうか」

「お、ええやん。丁度三つだし、基本動作から学んでいくか」

 

 というわけで、両替所で100円玉を量産してやっていく。

ただね、これ、滅茶苦茶疲れるんよ。

慣れるまでは何もできないレベル。

 そして最初は音ゲーで、慣れてくると上半身で表現できるようになっていく。

俺はTASの力で譜面が流れてくる画面に背中を向けて、全力で踊れるんだけど

友人はそうでもない。

 

「無理……」

<TAS君、これはなかなか筋肉にくるな……!>

「そら来るだろうさ。基本的なランニングランが多いんだし、ジャンプもダウンも行うんだから。

基本的には足ゲーだよ」

<お金はかかるが、いい感じに訓練できるかもな>

「最初は負荷がかかるからいいかもしれないが、一定以上は無理だよきっと」

 

 そういうわけで、BeMyBaby・Love2Shuffle・CrazyShuffle・Don'tStop・Shivaなどを踊っていく。

Butterflyもあるんだなぁ。こっちは家庭用機材のマットで踊ったことがあるくらい歴史が古い曲。

矢印から譜面になったことで、自由性があがっていいなあ。

 

「よし、慣れて完成したら勝負服でやってみようか」

<なるほど、覚悟を決めろということか。任せろ>

「あー、じゃあ明日向こうの世界に行って、G1の勝負服を決めるまで進めようか!」

「わあっ、いきなり元気になるなっ」

<食いつきがいいな。そんなに私の勝負服がみたいのか?>

「当然だろ。勝負服は可能性でもある。シンボリルドルフの力を見たいんだ」

<そうか……。フフ、ちゃんと期待はしてくれてるんだな>

 

 なるほど、シンちゃんは期待がほしかったみたいだ。

明らかにやる気が欠如していたと思ったら、そういうことか。

友人は指導内容に縛られて、選手自身を伸ばすことができてないじゃないか。

まあ、練習で色んな距離の世界レコードをぶっちぎってる時点で、

シンボリルドルフの異常性がわかるんだけどさ。

 

 さて、家に帰ったら友人と俺のTAS力を使って質の高いものを作っていく。

豪華絢爛ではなく、おいしい部位を購入すると高くなるのでそれらを使った

体にもいい食事だ。DSのお料理ナビをインストールして、そこから作っていくんだ。

 

「まさかハンバーグを作ることになるなんてなぁ」

「ちゃんと牛乳も少量いれるんだぞ?」

「わーってらい」

 

<私は待っているだけでいいのか?>

 

「今日はシンちゃんがお客さんだからな!」

「腕によりをかけて作るぜ!」

 

 できた料理は、俺ら三人で和気藹々としながら食べていった。

俺もびっくりするくらいうまくできたので、舌鼓を打ちながら

シンちゃんの話をきいたり俺達の個人的な話をした。

 

「へー、幼少時の名前ってルナだったんだなぁ」

<ああ。この前髪が月に似ている事かららしい>

 

<TAS君はもともとTASじゃなかったのか>

「うん。浜辺で腹筋したりローリングサンダーしてたら、いつのまにかなってた」

<それは面白いな>

 

<A君が世界経済を荒らしてそのお金で、このマンションの一角を購入したのか>

「俺が荒らしたんだよ」

「俺が頼んで、5000兆円ほしいって謂ったのさ」

<世界の国家を合わせても無理な額じゃないか>

「HOIだとできたよな」

「HOIはな」

 

<この中華料理と懐石料理の二品だけ次元が違うような?>

「ああ、俺は宮内庁の大膳職司厨長に教わったんだ。

だからその和食は、ちょっとした自尊心さ」

「俺は中国の揚州宮廷料理長により揚州料理、通称満漢全席を

教わったんだ。それはこれらのセットみたいなものかな」

<30分でこれらを作るのは無理があるだろう……>

 

 以前もにおわせたんだけど、日本首相の俺は友好の証として

友人の国家中国にて宮廷料理を実地で教わったんだ。

政務しながら。

 そして友人も俺が首相を務めている日本で、宮内庁大膳職司厨長

に政務をしながら何年間も従事したんだ。

 

 それぞれ首相や国家元首という飾りを捨てて、才能とかそれらを

かなぐり捨てて努力したんだ。

おかげで友人は天皇陛下にお出しできる品が3000超えたし、

俺も友人に出せる宮廷料理が4000品を超えた。

 忘れてそう? メモってるから大丈夫さ!

 

<こっちにも天皇陛下いらっしゃるんだな>

「うん。そっちじゃ皇后陛下は、ウマ娘なのか?」

<そうだ。凄くきれいな方で、昔はその見事な健脚で世界中のターフを

荒らしまわっていたらしい。そこから外交官や大使館勤めになって、

今の陛下と会ったんだとさ>

「すげぇ」

「大体こっちの皇后さまと同じ感じだなぁ。

あの方も、外交官だったりして英語やフランス語など多言語に堪能だし」

 

 やはりゲームも現実を模倣しているだけあって、類似点が多数みられるなあ。

 

 この後は俺が片付けをして、友人がシンちゃんの世話をする。

今日だけはお客さんだしなー。

 

「よし、一緒に風呂入ろうぜ」

<え、いや、流石に一人で入りたいんだが>

「そもそもこの風呂、新品のままずっと来ているんだよ」

<それはまずくないか?>

「そう、まずい」

 

 購入してからまだ二週間も経過していないんだよねえ。

俺の家も友人の家も、PCはつけられない。

親が侵入してくるし、友人の場合は兄貴があの中に入っているから電源をつけられない。

だから新品のPCに、色々ゲームとセキュリティ関連のものしか入っていないんだよなあ。

 それとSTEAM侵入は、俺のアカウントでやってるから問題なし。

 

「ついでにマッサージするか」

「やっておいでー」

「TAS、おめぇがやるんだよ」

「今片付け……終わったな」

 

 TASの動きをやれば、高速かつ割れないようにやれる。

即行だな、こりゃ。

 

 そういうわけで、俺のマッサージテクに酔いしれろ!

 

「凝ってますねー」

<ま、まて、変なところ触るな>

「ただの太ももじゃん。なにもやましいことないでしょ」

<私も年頃なんだぞ? デリカシーをだな……>

「私日本語しかワカリマセーン」

<ちょ、ま、ひいっ>

 

 というわけで、色んなツボを押してやったぜ。

痛みと気持ちよさが混同して、よくわからなかったろ。

 

<くっ>

 

 なんか悔しそうにしてる。

なんで~?

 

 一応入浴剤で、お湯を乳白色にしているから色々見えないのになあ。

まあこのお湯、本当は洗濯に使う予定だったんだけど。

じゃあ俺お風呂出るから、後からおいで~。

 

 

<私の気も知らないで……>

 

 

「謂われてもないのに気づけっていうのは、どだい無理な話だよ。

Aに伝えたいことあるの?」

 

 

<もっとわたしをみてほしい>

 

 

 何があったし。とにかく、今日はさっさと寝るに限る。

ダンスラで超疲れたというのもあって、今日は健やかに眠れそうだ。

 

 

――――――――――――

 

 

 

質実剛健。

今までそうしてきた。

だが相手は、巧言令色鮮し仁。

 シンボリ家の傑作といわれた私は、今までもそんな甘言を受けてきた。

だがどうだ。現実は厳しかった。

私はどこか自分で、それに酔いしれていたのだろう。

甘かったのだろう。

 

 その結果が最下位だ。

 

 

 中央トレーニングセンター学園。

トゥインクルシリーズを走れる、ウマ娘にとって最高の舞台であり鎬を削りあう魔境だ。

そんな場所で走るのだから、生半可な覚悟はいらない。

だというのに、私は負けた。

 何が足りなかったのか。例の甜言蜜語に誑かされ無為無策のまま本番を迎えてしまったからだろう。

苦節十年。格物致知と長年やってきたが、それらは記問之学となってしまったようだ。

 

 負けたからには心機一転。クラスメイトと切磋琢磨し、一心不乱に常勝無敗を心がけよう。

だがまあ、そんなことをさせてくれるわけがなかった。

 

 なんと私よりも小さな子供が、一簣之功を成せなかった私をスカウトしにきた。

私は他の羞花閉月かつ一心不乱に、勝利をつかみ取ったウマ娘のところへいかないのかと問うた。

だが彼らは、シンボリ家の事は何も言わず、レース中の心慌意乱した私をみて臥薪嘗胆

をしてきた才色兼備たるは貴殿だと口説かれた。

 私はその狂言綺語に唆されて、鶏鳴狗盗の輩に私の人生を託してしまう。

最初の方は、外題学問ばかりかと思えば優柔不断。

なによりAと呼ばれる方は、朝令暮改といえるほどコロコロと変えてきて

私も適応させるのになかなか苦心したものだ。

 

 

 しかし、私はTASと呼ばれる謎のトレーナーにロケットスタートを教えてもらった。

Aの内股膏薬たる指導に辟易していたところだ。

この子の指導は、私を勤倹力行に導いてくれる。

ただ慇懃無礼と感じるあたり、まだまだトレーナーとしては中途半端だろう。

 それでも一心不乱に己の経験知を、形式知として与えくれるだけでも重畳といえる。

また阿諛追従を使う周囲の泡沫を気にしなくて済むのもいい。

あのAは優柔不断であり、右往左往しやすい。

 最初の二か月は本当に御役御免にしたいところであった。

文字通り七転八倒だ。発起もしたが、ダートこそ脚に負担がかからないといって

野山を走らせるのはいかがと思う。

 

 さて、TASは狂言綺語ばかりの曲学阿世たる学説を破壊する荒唐無稽なAよりは、

即断即決かと思えば馬牛襟裾な人物で教えてくれた技術をレースに使うなという

一毛不抜な人物だった。

 私は反論したが、”得手勝手に金剛不壊でもない者が下学上達をしてレースに出て勝てると思うな。

無知蒙昧を晒すだけになるぞ”といわれてしまう。

なんだと?

 多岐亡羊に走る汝らに言われたくない。

心機一転、事上磨錬を施してきたのだ。

付和雷同たる化身が、面壁九年を語るんじゃない。

 

 そういうと安穏無事で育ち、簞食瓢飲もしたことがない漫言放語を並べる子供に言ってやった。

ウマ娘に勝てないとわかっている筈の人は、螳螂之斧とも言えない貧弱な腕をかけてきた。

片言隻句に磨穿鉄硯の意思で立ち向かってくる子供は、乾坤一擲の一言を投下する。

二人の慧可断臂は、言文一致程度ではあった。

 だがそれでも、一言芳恩の想いもあることから外交辞令や舌先三寸だとしても、

私の心に浸潤之譖ほどではないが驚く程至理名言だと確信してしまうものがあった。

これが千言万語であれば、意味深長に気づかなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 はぁ……我田引水・無為無能とは私の事を言うようだ。

私はある時彼らの現実世界に足を踏み入れた。

彼らは朱墨爛然を是としていて、私に断機之戒を抱いている。

 家族からも言われたが、これら四字熟語で会話するのは軽い会話には不必要だと言っていた。

ならば、二人との会話は軽挙妄動ほどではないが、侃侃諤諤の対応をしていこうと思う。

 

 これから買い物に行くらしい。当機立断!

熟慮断行で向かおう。一念発起だ。固い硬いといわれる私の固定観念を取り払おうではないか。

さあ、遮二無二……ではないが、豪放磊落に行こう。

 

 孤影悄然ではない。不撓不屈こそが私であると、座右之銘を掲げておこう。

 

 

 

 

 

「国色天香!」

「仙姿玉質!」

「天姿国色!!」

「容貌魁偉!!」

<罵詈讒謗を並べるんじゃない、眉目秀麗共!>

 

 

 

 こ、これでも心機一転したんだ!

初志貫徹から前途洋洋のはずが、なぜ……?

 




シンちゃんの内心を追加するのを忘れてました。
またシンボリルドルフ持ってないので、ダジャレと四字熟語以外の喋り方は
知りません。

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