自分をTASだと思ってる精神異常者の話。 作:名無しの権左衛門
「碁? ヒカルの碁でもやんの?」
「SAIってやってみようぜ!」
「そもそも囲碁のルールなんて知らないんだけど」
「TASなら余裕だろ?」
そんなわけでTASの力を使って、囲碁を何となくやってみた。
最初はネットで有名な囲碁サイトに登録して、最下級の段から開始するんだ。
プレイヤーネームを決めて、待ち時間とか最初はどっちにするかを決めて……。
相手プレイヤーも初心者ということで、その背中を借りるとしよう!
「俺もやってみっか!」
「思考ゲームは時間使うと思うよ?」
「TASなら余裕だろ?」
「囲碁の感覚全く知らないんだよなあ」
俺は頭を回転させて、相手が打ってくるところを予測して矚。
すると何となく光の粒や線と線がつながっているように見えてきた。
そしてひときわ輝いている場所に、黒を置いていく。
カチカチと無機質な空間を支配していくと、投了の音楽が流れた。
「すっげ。めっちゃ押してんじゃん」
「ルールわかんないんだよなあ」
「わからなくてこれかよ。やっぱTASはすげぇな」
「てか飽きた! 別のやつやろうよ!」
「じゃあ、World of Warshipsやろうか」
このゲームはなんじゃらほいっと。
これは世界中の軍艦を使って、対戦をするゲームだ。
戦略性や戦術性が試される陣取りゲーム。
今は駆逐艦・巡洋艦(軽巡・重巡)・戦艦・空母がある。
「乱数調整で何をすればいいんだろう?」
「相手の予測とかすればいいんじゃないか?」
色々調べてみたが、俺は駆逐艦で行くことにした。
友人は俺が日本艦船で行くことに不安を感じたみたいで、滞空能力のある米国艦船を選んでくれた。
「TIER1の舟って、これ、早い?」
「最大10まであってだな、これはまあめっちゃ弱い」
「御察しかぁ」
友人と遭遇戦やらランク戦などに挑んだ。
基本的に20分かかるんだけど、やっていると結構楽しいもんだなぁ。
数値とかあるけど、考えさせられる場面もあってそれなりに頭を使う。
俺が使っているのは、駆逐艦。
味方の目となり耳となる、空母並みに必要な存在らしい。
雷撃が基本行動になるようだけど、くっそ脆いからその速度と煙幕を使って
敵をかく乱する方がいいんだと。
それに巡航速度が高いので、戦艦や空母に近づいて雷撃をかまして撃沈することで、
味方の勝利に加担できるらしい。
「あー! また壊れた!」
「乱数調整は!?」
「このゲームのどこに乱数を調整する場所があるんだよ」
「散布界という言葉があってな」
なんでも収束率が低い砲撃は、ランダムで散弾するんだと。
しかも速度の向きに慣性が乗るから、それによって砲弾に影響がでるってさ。
うん、ここがまさにTASの使いどころさんだ!
別に相手の居場所とか行動するところとかわかるんだけど、
それをやったらただつまらないからやってない。
異様な回避とかやっていたらいいし、
なんなら散弾を収束させたり全弾必中とかあってみたほうがいいかも。
「なあなあTAS」
「ん?」
「滞空能力は米軍、雷撃は日本帝国、砲撃はドイツ海軍なんだけど。
回避とかできるなら、砲撃威力の高いドイツ海軍にすればいいんじゃねぇか?」
「それもいいかもしれないけど、今は複数の魚雷を使って敵を陥れる方が楽しいわ」
「魚雷にも制限があることを忘れんなよ?」
「知ってるよ」
さすがに∞だとこのゲームは、雷撃ゲーになるだろうし。
それに俺はこの後空母もやってみたいんだよね。
爆撃に雷撃と、乱数が役立ちそうだし。
おっと、すごい。ニコ動で見たぼっちの人と囮の人と金剛デースじゃん。
コラボするのかな?
ちょっと裏で無双しようっと。
「TAS! 相手凄腕の奴らだぞ!」
「知ってる。動画で有名な人たちだ。俺達は邪魔にならないように、
裏方に回ろう」
「そうしよう」
そういうわけで彼らのプレイ動画の邪魔にならないように、
裏方に回ることにした。
俺は駆逐艦で友人は、巡洋艦を選択したみたいだ。
しかも米軍。
俺はそのまま日本帝国の奴を使っているんだ。
課金の奴だけどな!
流石に自分自身も成長しないと、その艦艇を使うことすらままならないわけだけど。
相手は最上三隻だ。ランク8のやつらで、普通に強いし押し負ける。
というわけで、完全に裏方に回って友人と一緒に、彼らが行く方向とは逆の方向に向かって行き、孤立している戦艦とかを破壊して回った。
乱数で戦艦の砲撃を回避したり、煙幕で攪乱したり。
そして相手の未来位置とかがなぜかわかるので、それを信じて艦艇を動かしたんだ。
おかげでほぼダメージがないまま、艦艇を3隻もらったぞ!
他は空母とか援護射撃で沈んだ。
うちの方も優秀な仲間がいるんだぜ?
あっちもほぼダメージがないとか、ほんと海戦は地獄だぜ!
「いやいやいや、あのボッチの人開戦12分の今まで無傷かよ!?」
「最上の人や囮の人も上手すぎる。こりゃ、本気でつぶさないとまずいかな?」
「いやいや、流石にお蔵入りはまずいでしょ」
「じゃあ、AとBを占領してあとは至近弾で牽制しよう!」
PCは隣同士に置いているから、お互いに話し合ってできるけど
変に焦られると俺も焦っちゃうんだよね。
もうちょっと冷静でオナシャス。
「あ、連打したら連続で魚雷撃てた」
「何してんの!?」
「残弾数減った」
「このゲーム弾数無限なんだが?」
「え、そうなの?」
今まで残弾数かと思っていたんだけど、友人によると同時投射量のことらしい。
つまりこの艦艇は、二回4本の魚雷を一斉に投射できるというわけだった。
しばらくして、日本軽巡TIERを10まであげた。
「な、なあ、俺清霜艦長からスカウトされたんだけど」
「じゃあ、行ったら?」
「いや、TASも来いってさ」
「わかった。じゃあ、島風で行くよ」
「俺はクリーブランドだな!」
友人は対空が貧弱な俺の日本艦船のために、滞空が強い奴を選んでくれた。
そこで俺が求められるのは、8キロのインファイト仕様の雷撃を使うことだ。
しかしそれはTASさんではないし、ただのプレイヤーだろう。
YOUTUBEにあげているんだ。
だったら、20kmを使ってこそのTASさんだろう?
そういうわけで、最大射程のものを使うことにした。
FFが恐ろしいけれど、それを恐れていちゃ何もできない。
チーム戦を行うが、やはり実況者や動画投稿主の方々が多く非常に心強い。
「ぼっちに囮にファンネルに。最上が好きすぎる人と金剛と。そして俺ら。
勝ったな」
「対空兵装があったら楽だったのに」
とりあえず事前に島風がいる戦場に来ない様に通達しておいた。
魚雷が当たっても知らないぞってことで。
「行くぞ!」
そうして行われるチーム戦。
これを行うと、徐々にランクが上がっていくんだ。
皆がみんなして強いから、俺としちゃ安定性があがっていいね。
俺は友人と共に、長射程の雷撃を置きながら砲撃を当てていっている。
やはり雷撃は置くことで真価を発揮するし、なにより行動を制限できる。
これは戦艦にとっていやらしいことだろう。
しかもこの島風は超速い。
圧倒的な速力によって、読みの浅い艦砲射撃は簡単に回避できるし何より俺がそうさせない。
「ここだな」
「この投射量はほんと凄いわ」
俺が置くと、二隻の舟が沈没する。
どんなにやっても、この魚雷で破壊して見せよう。
発見されやすいけれども、それを生かして戦うのが水雷屋だろう?
生放送していると、ありえない挙動らしいが皆驚いていた。
頑張ればできるんじゃない?
さてゲームをやってきたけれど、肝心のTASさんらしさを見せていない事に気づいた。
そこで俺は友人と一緒に、空母に乗ることにした。
俺は白龍で友人はミッドウェイだ。
ただ俺達は軍オタじゃないから、詳しいことは全く知らない。
だから適当にやるしかないんだけど。
<参謀殿これよりどうしますか>
「艦長さん。これより、我が艦はミッドウェイと共に敵の所要地点を落としに行く。
だが空母は基本的に戦闘機頼みだ。頼みますよ、パイロットたち!」
<<<合点招致!>>>
乱数調整で敵の行動を知り、副砲で敵のバイタルを抜きながら艦載機で
敵の戦闘機を落としたり戦場の索敵を行う。
次に爆撃や雷撃の散布を調整して、敵艦に命中する様に調整してやった。
このことに亭からは苦情が届いたけれども、こっちはチートなんてつかってないし。
元々そういう力が発生したんだから、使わない手がないんだよな。
ただ参謀として搭乗しているけれど、すごくつまらないんだよな。
基本的に戦闘は、艦載機たちにまかせっきりになってしまう。
だから戦艦とかそういうのに乗っていればよかった。
そうすれば全てをバイタルを抜けるようにできたのに。
「うーん、なんか物足りないけど、もういいかな」
「せやな。もういいかな。次は何しようか」
「そうだなぁ」