ひぐらしのなく頃に 救   作:レイラレイラ

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今回は短めです


驚きの宿泊先

 騒がしくも楽しい談笑によって時間はあっという間に過ぎ、私達は興宮の地に降り立ちました。

 

 お世話になる薫さんの親戚の家の場所を知らないため、薫さんの先導で目的地へと向かいます。

 

 幸いにも駅からあまり離れておらず、徒歩で約5分程度のところにその家はありました。しかし、私と高野さんはあまりにも以外な光景に呆気にとられてしまいます。

 

『パティスリーヤガミ』と書かれた看板が目につき、全体的にシックな雰囲気を放つケーキ屋さんを親戚の方が経営しているのでしょうが…………

 

「「…………」」

 

「なんだよ、言いたいことがあるなら言ってくれ。まあ、おおかた予想はつくけどな」

 

 眉尻を下げつつ、どこか諦めたような感じで首を横に振る薫さん。薄茶のショートカットという髪型故か、普段の勇ましさを感じさせる雰囲気がみるみると萎んでいくようで可愛いと思いつつ本音を吐露する。

 

「では、お言葉に甘えて…………似合わないなぁと」

 

「私もイメージ的にはケーキ屋さんというよりお弁当屋さんを想像していたわ…………」

 

「だろうな! まあ、とにかく入れ。開店時間まで一時間もないから、とっとと準備を済ませて買い出しに行くぞ」

 

 薫さんはずかずかと店内に押し入っていき、私と高野さんもそれに苦笑しながら続く。薫さんは何故か不自然に止まり、すれ違う瞬間に彼女がほくそ笑んだように見えたが私は気にせずに歩を進めます。

 

 それが、文字通り甘い罠であることなど気づかずに…………

 

 お店の中に漂う甘い香り、色とりどりの幾多もの美しいケーキたちに私の目は一瞬で奪われ、決して出さないように閉じ込めていた()の私が引きずり出されてしまう。

 

「わぁあああああ!! こんなに、こんなに美味しそうなケーキがいっぱいだよぉ! おじさん、ショートケーキを一つと…………えっと、あとはこっちのアップルパイも! それからそれから…………!!」

 

「…………お、お買い上げありがとうございます」

 

 三十代半ばと思われるチョビヒゲのおじさんがテキパキと、私が注文したケーキを箱に詰めていく。

 

 丁寧に箱詰めされたケーキたちを受け取り、私はホクホク顔で愛おしい我が子を抱くように熱い抱擁をする。

 

 

 そして、そこで私はようやく正気に戻ることになる。錆びだらけのロボットのようにギギギギと後方を振り向けばニヤニヤと悪どい笑みを浮かべながらビデオカメラをこちらに向けている薫()()()

 

 

「スイーツに目がないお前のことだ、こうなると思ってカメラを用意しといてよかったな! いや~久々に良いもの見た!」

 

「もぉ~! 酷いよ、薫ちゃん! 消して! 今すぐその動画を消して!」

 

「親友のお前の頼みだからな、消してやらんでもない。ただし条件がある」

 

「…………条件?」

 

「この旅行中は素の口調で話すこと。母親を尊敬するのは結構だが、旅行に来てまでしなくてもいいだろ。それにこれはリハビリというのもある。過去のトラウマを乗り越えるための、な…………」

 

「…………っ!」

 

 薫ちゃんに真理を突きつけられ、思わず息を呑む。一瞬だけ脳裏に()()()の記憶がフラッシュバックしかけたけど、強引に蓋をすることで目を背ける。

 

 全身から嫌な汗が吹き出してきて、母譲りの髪がぺたりと張りつく。歯がガチガチと鳴って、震えも止まらなくなってくる。明確に思い出さなかろうとあの時の恐怖はだけは止めどない滝のように溢れだしてくる。

 

「…………とりあえず、昼まで休んどけ。買い出しはあたしがやっとくから。高野さんは冬美の様子を見ててくれ。こういうのはあんたの専門分野だろ」

 

「ええ、もちろんそのつもりよ。もともと冬美ちゃんを診ていたのは私だもの。任せてちょうだい」

 

「叔父さんは冬美達を上の階の空き部屋に案内してやってくれ。結構無理させちまったからな、いったん休ませねぇと」

 

「わかった…………! それではこちらへ…………」

 

 薫ちゃんの叔父さんに案内され、私は高野さんに支えられながら上の階に向かった。薫ちゃんの申し訳なさそうな表情だけが思考に焼きついたまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 藤堂冬美の人間関係

 

 矢神宗二

 白沢薫の母親の弟にあたる。

 ケーキ屋になるのが夢で小さい頃から様々なスイーツを作っていた。

 冬美の素を偶然にも見てしまったというある意味で被害者

 

 

 

 

 




やっぱり地の文は敬語とか入れない方がいいのでしょうか…………
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