ドラえもん ゴルシちゃんと未来改編   作:ゴルシ未来人

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長いので2つに分けます。


勝負服デザイナーのグッバイヘイロー

「あっ?俺様に勝負服だ?」

 

サンデーサイレンスが現役時代の頃だった。当時のアメリカにも勝負服の概念は存在しており、多くのスター選手は勝負服を着てはG1レースに挑んでいる。

 

では此処で勝負服についておさらいしておこう。勝負服とは読んで字の如く、ウマ娘達がG1等の肝心なレースの際に纏う専用のレース衣装の事である。この勝負服だが、中には走るには向かないようなデザインの物もあるが、問題はない。ウマ娘達は自分専用の勝負服を纏うと、心の奥底から不思議な力が巻き起こり問題なく走ることが出来るのだ。言わば、バフを授ける衣装と言えるだろう。

 

だが、この勝負服。今はトレーナーやトレセン学園が援助してくれるとは言え、かなり高額だ。摩擦に強く、ウマ娘が全力疾走しても絶対に破ける事は無い程に頑丈だが、高額な逸品。おいそれと、庶民は援助無しで手出しが出来ないものだ。一応そんな庶民出身の生徒の為か、日本のトレセン学園では汎用勝負服(又の名を支給ライブ衣装)を無償で貰えるのだが…どうせならば自分で選びたいものだ。

 

しかし、サンデーサイレンスが青い春を過ごしたのはアメリカ。救急車さえ貧しい家庭の人は呼ぶことが出来ず、保険だって日本と違って高額な所だ。汎用勝負服なんて物は存在せず、サンデーサイレンス少年は体操服で初めてのG1に出場し、体操服で勝ってしまった。孤児院での扱いは酷かったわ、養父には出来るだけ迷惑をかけたくない為に高額な金が必要な勝負服は着ないつもりだった。

 

学食で飯を食べれば後ろ指を指される。外で食べても男のウマ娘である自分が気味悪いのか、多くの人に聞こえるように陰口を言われる。だから何時も通り、サンデーサイレンスはアメリカトレセン学園の屋上でお気に入りのハンバーガー(バーガーキングのスモーキーBBQ)をコーラで流しながら昼食を食べている最中だった。

 

「ええ、そうよ。貴方またG1に体操服で出るつもり?あのね、G1は特別なレースなの!!最高峰のレースなのよ!!」

 

そんなサンデーサイレンスの前で説教を行うのはサンデーサイレンスの先輩であるグッバイヘイロー。彼女は殺人の容疑で捕まった男のウマ娘ヘイローと、その何番目かの妻であり地元ではキチ◯イとして有名なウマ娘との間に産まれた少女だ。

グッバイヘイローはヤヴェー父親、ヤヴェー母親のお陰か大変な幼少期を過ごしており…かなりしっかりした生徒だ。G1を何度も勝ってるし、将来設計も纏めてるし…デザイナーの技術を独学で学ぶほどの秀才だ。

 

「民度は最低だったけどな」

 

ハンバーガーを貪り、サンデーサイレンス少年は前回のレースを思い浮かべる。

 

先日、サンデーサイレンス少年が出たのはサンタアニタダービー。G1レースであり、アメリカのダービーとも言えるケンタッキーダービーの前哨戦とも言えるジュニアC限定のG1レースだ。しかし、庶民のサンデーサイレンスは勝負服を買えるお金が有るわけがなく…仮に有っても食費と貯蓄、両親への仕送りで消えていくために勝負服に使えるわけがないので体操服で出場。

当然ながら、サンデーサイレンスは唯一の男性ウマ娘の競技者なので差別主義者からは大ブーイングの嵐。しかも1人だけ体操服で出たので、悪い意味で目立ちサンデーサイレンスは笑い者と成ってしまった。しかし実力で黙らせ、サンデーサイレンスとは真逆の存在と言えるイージーゴア(家柄良し、血統良し、体格良し)のファンから生卵を投げられたのは覚えている。

 

「で、先輩。俺に勝負服は勿体ない。金もないしな。そんな大金、食費と仕送りで消えていく」

 

1つ目のハンバーガーを食べ終え、2つ目のハンバーガーを貪るサンデーサイレンス。

 

「金は要らないわ。だって…私が初めて作った勝負服だから」

 

グッバイヘイローはそう告げて、サンデーサイレンスに1つの紙袋を手渡す。その中にはグッバイヘイローが人生で初めて作った勝負服が入っているのだ。

 

「約束して…これを着るなら…絶対にアメリカの頂点に立って」

 

その勝負服は黒いコート、黄色のラインが入った灰色のスーツであった。

 

「ああ、アーサーとの約束でもあるしな」

 

サンデーサイレンスはその勝負服を受け取り、翌月のケンタッキーダービーを制覇する。

 

 

 

 

現代 東京都港区麻布。そこにキングヘイローの母親と成ったグッバイヘイローのデザイナー事務所が存在する。

 

「今日来るのよね…あの子達」

 

グッバイヘイローは多くのウマ娘達の勝負服をデザインしてきた。近年の代表作と言えば二代目無敗の三冠馬 シンボリルドルフの勝負服であり、個人的に納得の行かない勝負服はナリタブライアンの勝負服である。因みにナリタブライアンの勝負服が納得行かないわけはと言うと、ナリタブライアンが勝負服の裾を腕力で引きちぎった為である。

 

「今日予定が空いてるから良いけど、他の日は予定がビッシリ詰まってるのよね」

 

グッバイヘイローは業界トップのデザイナー。予定はかつかつぎっしりと埋っており、今日のようにスケジュールに予定が有るのは大変珍しい。今日もお客がやって来るが、今日やって来るお客は1組だけだ。1組だけの時は本当に珍しく、普段はトレセン学園関係者等がなん組も勝負服の依頼や採寸等でやって来るのだから。

 

「だって…サンデーの娘とそのチームメイトが来るのだから」

 

グッバイヘイローにとってサンデーサイレンスは特別な後輩だった。それもその筈、サンデーサイレンスは知らないが実はグッバイヘイローとサンデーサイレンスは同じ両親を持つ姉弟であり…言わば生き別れた姉弟なのだ。

 

弟は何もかもグッバイヘイローを超えていた。選手としての強さも、指導者としての実績も。そんな弟を絶対に認めない母国をグッバイヘイローは嫌いだった。だから、今、彼女は母国を捨てて日本を拠点にして仕事を行っている。

 

 

ピンポーン!!

 

チャイムが鳴る。どうやら予定より少し早く、姪であるスペシャルウィークがオグリキャップとメジロアルダン、そしてサンデーサイレンスが勧めてきたゴールドシップとドラえもんと共にやって来たようだ。

 

グッバイヘイローは手帳を閉じて、外で待つ彼女達の所に向かう。グッバイヘイローが先程まで座っていたデスクには1枚の写真がケースに納められ、大事に飾られている。その写真は勝負服を着てケンタッキーダービーを優勝したサンデーサイレンス、そしてサンデーサイレンスを挟むように写るアーサーとグッバイヘイロー…観客ゼロの3人だけの優勝写真であった。




次回こそ、オグリとアルダン、勝負服を受け取り、スペちゃんは勝負服を依頼する。

番外編書くとしたら?

  • 俺達のハリバテエレジー
  • 未来でのお話(ゴルシ時代)
  • 改編前の歴史(暗いよ)
  • サンデーパパの子育て日和
  • ステゴパパの子育て日和
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