ドラえもん ゴルシちゃんと未来改編 作:ゴルシ未来人
『史上初。無敗の三冠馬トキノミノル誕生。クラシック戦線を全て日本記録を更新した神話が加速する』
タイム風呂敷の効果で栗毛の幼子ゴルシちゃんと成ったゴールドシップはトレセン学園の食堂でテレビを見ていた。
今の季節は10月。未だタイムマシンは直っていない、明日には直りそうだが相変わらずゴールドシップとドラえもんは2000年代初頭の年代に居座っていた。
「ドラえもん。早く授業終わらないかな?サンデーのおっさん、トキノミノルの姉ちゃん達が居ないと暇だぜ」
「そんな事は言ってもね…」
タイムマシンが直らなかったら、この時代に居るしかない。幸いにもゴールドシップとドラえもんはサンデーサイレンスの保護の元、彼の社宅で厄介に成ってるのでホームレスには成っていない。
この時代にやって来て早、半年。色々と分かってきた事がある。先ず、サンデーサイレンスは口は物凄く悪いが実はめちゃくちゃ優しいという事である。優しくなかったら、見ず知らずのゴールドシップとドラえもんを家には招かないだろう。サンデーサイレンスはチームスピカというチームを率いており、そのスピカのチームメンバーはただ1人。その人物はトキノミノル、先日に…史上初無敗の三冠馬と成った少女だ。
無敗の三冠馬。ゴールドシップの知る本来の歴史なら、祖母の先輩であるシンボリルドルフただ1人が成し遂げた偉業。ゴールドシップの時代までを見渡しても、無敗で1度も負けることなく皐月賞と日本ダービーそして菊花賞の3つを制覇した三冠馬はシンボリルドルフだけなのだから。
だが、ゴールドシップとドラえもんがこの時代に来て、サンデーサイレンスを救った為か歴史が変わってしまったのだ。
テレビでは連日、トキノミノルが成し遂げた無敗でのクラシック三冠制覇を報道するばっかり。その分、報道する事件がないと言う事は平和なのだろう。
「でもよ…ドラえもん。アタシさ、トキノミノルの姉ちゃんをどっかで見たことがあるんだよな。お婆ちゃんのアルバムだったと思うんだけどな…」
ゴルシはこの時代にやって来て、トキノミノルを見てから思っていた事があったのだ。それはトキノミノルを祖母のアルバムで見たことが有ることだ。それにスペシャルウィークは言っていたが、スペシャルウィークはトレセン学園卒業時に父の教え子から父の事を教えてもらったと。だとすれば、サンデーサイレンスの教え子はトキノミノル…つまりスペシャルウィークにサンデーサイレンスの事を伝えたのはトキノミノルと言う事だ。
「スペシャルウィークさんにサンデーのおっさんの事を教えたのは間違いなく、トキノミノルの姉ちゃんだよな?」
「だよね。ねえ、ゴルシちゃん。もしかしたら、この人じゃないかな?」
ドラえもんは四次元ポケットから自分達の歴史でのアルバムを取り出して、ゴルシに見せる。そのアルバムの中には…トキノミノルに非常に良く似た美女が帽子を被っており、スペシャルウィークと写っていたのだ。
「この人は駿川たづな。当時の理事長の秘書だって」
「いや、どっから見てもトキノミノルの姉ちゃんじゃないかよ」
その美女は駿川たづな。何処から見てもトキノミノルが大人に成長した姿をしているが、訳ありで名前と素性を隠しているのだろう。
「それにね…少し気になって調べたんだけど」
ドラえもんは語る。何でも、本来の歴史でもトキノミノルは無敗でダービーまで勝っている。それも七度の日本記録を更新してである。しかし、ダービーを勝った後、トレセン学園を去っていたのだ。
更に史実でサンデーサイレンスが亡くなったのはトキノミノルが皐月賞を走る前であり、その後からトキノミノルは不調に悩まされ…足の怪我を煩い…病に感染したそうだ。もしかしたら、それが原因なのかも知れない。
「本来ならサンデーのおっさんが死んじまって、トキノミノルの姉ちゃんは別のトレーナーに引き取られて…合わない訓練で身体を壊したって事か?」
「かも知れないね」
サンデーサイレンスが生存し、トレーナーを続けた結果…トキノミノルは無敗の三冠馬と成った。スペシャルウィークが父親と母親を失わずに育つこと以外にも歴史が変わってしまったのだ。
午後3時。トレセン学園は午後3時で授業が終わり、そこから各々のチームでの活動が始まる。授業が終わったタイミングを見計らって、ゴールドシップとドラえもんは移動を開始した。
サンデーサイレンスが率いるチーム。トキノミノルしか部員が居ないチームスピカの部室はプレハブ小屋であり、トキノミノルやサンデーサイレンスより早くドラえもんとゴルシはやって来た。
「あら、サンデーとミノルちゃんなら未だ来てないわよ?」
しかし、先客が其処には居た。先客は未来のスペシャルウィークと瓜二つな女性だ。その女性は未だ赤ん坊でこの時代のスペシャルウィークを抱っこしている。そう、サンデーサイレンスの妻でスペシャルウィークのお母さんである。彼女はキャンペンガール、サンデーサイレンスの妻であるが…彼女は競技経験は皆無である。
「一番だと思ったのによ、ママさん早いぜ」
「そうそう。サンデーは貴方達には黙ってろって言ってたけど、彼…貴方達を養子に迎えたいって言ってたわ」
「「へ?」」
「あの人…私と会うまでは最強にヤンチャだったからね。あの人…両親からも捨てられて、孤児院でも酷い扱いを受けたの。だから、居場所が無い貴方達の事を心配してるのよ」
キャンペンガールは語る。何でも、サンデーサイレンスは産まれて間も無く両親に捨てられたそうだ。聞いた話では、サンデーサイレンスの父親も男性ウマ娘だったが…最強に狂暴であり殺人未遂の罪で刑務所に収監されており、理由は不明だが母親も男のウマ娘として産まれたサンデーサイレンスに気味の悪さを感じたのだろう…孤児院の前に捨てたのだ。
だが、サンデーサイレンスが産まれた国は肌が黒いからと差別されるような時代のアメリカ。そんな差別が酷いアメリカで産まれたサンデーサイレンスは差別を受け続け、1人の老夫妻に引き取られるまで酷い仕打ちを受け続けたそうだ。
ケンタッキーダービーを制覇しても、アメリカの頂点に立ってもサンデーサイレンスの評価は改めてくれなかった。
『サンデーサイレンス?ああ、イージーゴアに負けて三冠馬に成れなかった奴だよな。今まで運が良かったんだよ』
頂点に立っても1度の敗北でこう言われる始末。だから、サンデーサイレンスはアメリカを去って日本にやって来た。
そんな彼だから、この時代に居場所が無いゴルシとドラえもんをほおっては置けなかったのだ。
「ありがと…ママさん。でもアタシ、言わないといけないんだ」
しかし、ゴルシはこの時代の人間ではない。何時かは未来に帰らなければならない。
「アタシとドラえもんは近い内に、帰らないと行けないんだ。此処には事故で来たようなもんだしな…」
「そうね。それもそうね…」
ゴールドシップとドラえもんがタイムマシンを使ったのは祖母 メジロマックイーンに会うためだ。だから、この時代には居られない。タイムマシンが直ったら、目的の時代に向かわないと行けないのだ。
一方の職員室。
トレーナーに成りたい人はトレセン学園のチームに於いて研修を受けることが出来る。だが、サンデーサイレンスはチームスピカには無縁の物だと思っていた。
ゴールドシップの時代では主に自主性を重んじる教育方針が主流だ。しかしこの時代とメジロマックイーンが活躍した時代では、トレーニングメニューから食事までも管理された徹底された管理主義が主流の時代。ウマ娘はトレーナーの指示に従ってれば良いと言う風潮だ。
「なんで俺様の所に来た?選手単体なら兎も角、総合力なら管理主義のリギルやシリウスが有るだろ」
スピカは管理主義に反旗を起こすような、自主性及び協調主義の指導方針。ウマ娘個人個人に合わせ、そのウマ娘の自主性を尊重しつつ、ウマ娘が個人でのやり方が分からなければトレーナーがアドバイス等を送る。そして…ウマ娘が行おうとした自主性が道を外れようとすればトレーナーが正すと言った感じの所だ。
サンデーサイレンスが競技者出身だとは言え、他のチームとは一線を越えたような自主性と協調主義のスピカ。早い話、分からなければトレーナーに聞け、自分達の長所を伸ばせ、此処を鍛えたいけどどうすれば良いのか分からなければ聞け、但しお前達が道を誤れば強制的に手を差し出す。な感じの指導方法だ。
そんなスピカにまさかの、トレーナー研修を受けたい大学生がやって来たのだ。その大学生は口にペロペロキャンディーを加えた青年だった。
「実は…俺、管理主義よりウマ娘個人に有った自主性の方が良いと思うんですよ。勿論、管理主義を全否定はしませんが」
と答える青年。彼は沖野、先輩である東条花と共に研修にやって来たが、東条は管理主義のリギルの方へと向かったのだ。
「なら、決まりだな。ようこそ、スピカへ。俺様とトキノミノルの2人しか居ないけどな」
「はい!!」
沖野。彼はスピカの2代目トレーナーとして、最強となるスピカを率いるのは未来のお話である。
時は2017年。
10年と少しの年月が経った頃。
「あの2人、無事に帰れたんだよな?」
トレセン学園の校舎。その中にある教頭室。トレセン学園の教員及びトレーナーを束ねる教頭が日頃からデスクワークを行う部屋で、歳を重ねたサンデーサイレンスが仕事を行っていた。
あれから10年以上の年月が流れた。トキノミノルも成人し、沖野も無事にトレーナーに成った。それを受けて、サンデーサイレンスはスピカのトレーナーの座を沖野に託した。現在は教頭に出世したサンデーサイレンスであったが、実は彼は独り暮らし。
離婚はしていないのだが、元々キャンペンガールは身体が弱いという事もあってか…自然豊かで空気が綺麗…その上降雪量が少ない北海道の網走に引っ越している。網走は降雪量が札幌の半分以下であり、空港を使えば約1時間で東京に来ることが出来る。仕事が忙しくなければ、サンデーサイレンスは家族がいる北海道から通えるが、残念だが週1ペースでしか家に帰れないのだ。
この10年。色々と有った。チームリギル所属のシンボリルドルフが無敗の三冠馬を成し遂げ、その翌年には同じくチームリギルのナリタブライアンがクラシック三冠を成し遂げた。今はリギルの時代であり、残念だがぶっちゃけスピカはトキノミノル以来そこまで活躍出来ていない。
『スピカ?ああ、トキノミノルしか取り柄のないチームだったよな?
ミスターシービーも三冠馬に成ったが、後の戦績がな…』
『今じゃリギルの時代だな。沖野じゃサンデーサイレンスには成れない』
とSNSで書かれる時代である。
確かにスピカからはシンボリルドルフの前年度に、ミスターシービーというウマ娘が三冠を成し遂げた。しかし、ミスターシービーは三冠を達成した後に不調に陥り…勝てない日々が続いた。シンボリルドルフやナリタブライアンが三冠達成後も優秀な戦績を上げ続けている為か…影でミスターシービーは歴代最弱の三冠馬と言われる始末。
「む?」
ふと、サンデーサイレンスは何かに気付く。それは教頭室の空間に黒い円が現れたのだ。すると、そこから芦毛の美女…ゴールドシップとドラえもんが転がってきてのだ。しかし、ゴールドシップはトレセン学園の制服を着ている。
「ひでぶ!?ドラえもん、タイムマシン壊れちまったよ!!」
「まただよ!」
ゴールドシップとドラえもんはサンデーサイレンスに気付かず、立ち上がる。
「此処…何時の時代だ?」
「今は西暦2017年。ナリタブライアンが三冠馬に成った翌年だぞ」
サンデーサイレンスがそう言い、ゴルシとドラえもんはサンデーサイレンスの方を向いた。
「おっさん!?」
「綺麗な芦毛に成っちまったなゴルシ、そして青タヌキ。ようこそ、現代に」
今年はメジロマックイーンが入学する1年前。時間をまた少し、間違えてしまったゴールドシップであった。
次回!!
ゴルシは学年不詳の生徒、ドラえもんは厩務員(用務員のこと)の立場をサンデーサイレンスから与えられて学校生活。
マックイーン入学まで残り1年。ゴルシはマックイーンの為に、チームを探す。そして…ゴルシの知る本来の歴史では産まれる筈がないウマ娘と出会う。
「お前は!?」
「ディープインパクト」
………あっ、原作でスピカを抜けたモブAとモブBの名前…どうしよう(笑)
スピカ現代編でスピカに加入して欲しいメンバーは?
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アグネスタキオン
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オグリキャップ
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タマモクロス
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フジキセキ
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ライスシャワー
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ミホノブルボン
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ハルウララ
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セイウンスカイ