ドラえもん ゴルシちゃんと未来改編 作:ゴルシ未来人
「暇だ…21世紀前半のトレセン学園の生徒に成っても暇だ」
トレセン学園の中庭にあるベンチ。そのベンチに暇人であるゴールドシップは座っていた。ゴールドシップは学年不詳の生徒であり、授業は別に受けなくて良い。だからこうして暇を潰しているのだ。
「ドラえもんは仕事中だしな。ディープの野郎とシービーは授業を受けてるし、どうすっかな」
用務員という厩務員に成ったドラえもんは絶賛仕事中。ディープインパクトは授業を受けており、ミスターシービーも授業を受けている。トキノミノルは教員として授業を行ってるし、沖野は暇人だと思うが…まあほおって置こう。
ドラえもんも学生で良かったのでは?と思うかも知れない。だが、トレセン学園はウマ娘の学校だ。実質女子校(ディープという例外で崩壊)であり、中高一貫まではウマ娘しか通えない。その人間も通える大学部だが、高等学校を卒業した証明と資格がないと入学できない。その結果、ドラえもんはトレセン学園に居場所を得るためには用務員に成るしか無かったのである。
トレセン学園は流石に警備も厳重に成っており、仕方がない。
ゴールドシップも暇をもて余して暇で暇で死にそうな時だった。
「ゴルシちゃん、こんな所に居たの?」
竹箒片手に掃除を行うドラえもんが其処にやってきた。ドラえもん、トレセン学園に居場所を得るためとは言え懸命に働く。
「ドラえもん。丁度良かった、通り抜けフープと石ころ帽子を貸してくれ」
通り抜けフープ。それは壁に設置するとその壁をすり抜ける事が出来る便利な秘密道具だ。これさえ有れば、職員室から他のチームの部室にも楽々侵入することが出来る。だが、それだけなら不法侵入の容疑でバレてしまう。しかし、それはゴルシも理解しており、世の中には相手に見つからない帽子も存在するのだ。
その秘密道具の名前は石ころ帽子。これを被ると、他の人達からはそこら辺に転がる石ころにしか見れなくなり、見つからないのだ。
石ころ帽子と通り抜けフープ。この2つを使えば、偵察はバッチリである。
「しょうがないな…ゴルシちゃん。はい」
「センキュードラえもん!!それじゃあ、早速行ってくるぜ!!」
ドラえもんは黄色い輪っか…通り抜けフープと石ころ帽子を取り出してゴールドシップに手渡す。ゴールドシップはそれらを受け取り、石ころ帽子を被って誰の眼にも見えなくなってしまった。
職員室。
「アグネスタキオンに退学勧告だと!?本気で言ってるのか!?」
職員室に潜り込んだゴールドシップ。だが、潜り込むと早速なにやら騒がしい何事かと思ったが、それは直ぐに分かった。職員室では会議が行われており、他の幹部に対してサンデーサイレンスが声をあらげていたのだ。
「教頭先生。確かにアグネスタキオンは優秀な生徒です。ですが、彼女は何処のチームにも所属していませんし、高等部なのにデビューすらしてません」
幹部らしき男がそう言った。どうやら幹部同士の話し合いで成績不良…或いは内申の足りない生徒が居たためか退学勧告を出すことが決まったようだ。しかし、様子を見る限りサンデーサイレンスはこれに対して異議を唱えているようである。
「ああ、それは俺様も知っている。だが、アンタ達は知ってるのか?彼女が今までやってきた事を…」
サンデーサイレンスは知っている。トレーナーを辞め、教頭として勤務しながらも空いた時間が有れば生徒達を見守っていた。目に入れても痛くない娘が心配で、昨年度はスペシャルウィークのストーカーだとか言われたが気にしてはいない。
そんなサンデーサイレンスだからこそ、アグネスタキオンというウマ娘がどれほど頑張っているのか知っている。アグネスタキオンは確かに優秀だが、未だデビューはしていない。レースも学内だけで行われる非公式の学内レースだけだ。しかし、その学内レースで結果は残してるし勉学の成績は特に優秀。学内図書館の勉学の本の履歴にはアグネスタキオンの名前は必ずと言って良い程に彼女は勉学に励んでいた。
自主練習が終わると、アグネスタキオンはしっかりと念入りにストレッチやアイシングも欠かさず行っている。それに気味悪がれてるが、他の生徒が怪我をすると治療してくれたり、アイシング等のアドバイスも送っていた。
(彼女の何を知っている?貴様ら…本当に生徒を見てるのか?普段は学園に居ないくせに、彼女達を判断するな…理事会どもが)
「ですが…彼女の噂はご存知ですか?サンデーサイレンス教頭。アグネスタキオンは怪しい薬で速くなった、怪しい薬を日常的に使ってる。勉学だってずるしてると」
確かにアグネスタキオンは怪しげな薬を開発してる。だが、サンデーサイレンスはトレーナーでもありドーピング違反等の知識は豊富だ。大体、ドーピングの薬品など…医学部の治療に使う物以外は学園には絶対に入ってこない。
タキオンの怪しげな薬で娘と共に一時期、アフロヘアーにされた事は有ったがドーピングなど根も葉もない噂しか無いのだから。
これは完全に噂から流れたデマだ。そして理事会がデマを信用し、アグネスタキオンを退学させようとしているのだろう。
(昔ならグーパンしてるわ)
蟀谷に血管が浮かび上がるサンデーサイレンス。間違いなくキレている。
「ですが、勧告です。彼女がチームに所属すれば退学は取り消しましょう。期限は1週間ですよ」
そう告げ、男達…理事会は去っていった。理事会が去ると、サンデーサイレンスは深く溜め息を吐き出す。
「ノーザンテーストが海外に行き、ノーザンの娘であるお嬢が理事長に成った。だが、お嬢が未だ小学生だからって権力振りかざし過ぎだろうが…理事会どもが」
高等部にはチームに所属していないウマ娘だって、当然ながら居るのはいる。しかし、アグネスタキオンだけが退学勧告なんて可笑しすぎる。
「東条の所は無理だよな」
「ええ、確かにアグネスタキオンは素質は有ります。ですが、彼女はリギルには向いてません」
職員室で作業を行っていたメガネをかけた女性、リギルのトレーナーである東条はそう告げた。
「素質が有ろうと無かろうと、チームの向き不向きは有ります。
貴方のご子息が最高の素質を持っていてもリギルのやり方が合わなかったように。それに…アグネスタキオンを向かえてくれるチームが他に有りますか?」
トレセン学園のチームは現状スピカ以外はゴリゴリの管理主義。管理主義のチームは間違いなくタキオンが拒否するだろうし、難しいだろう。
「スピカに入れるか…スタッフ研修コースに転入させるかだな。ちょっと、行ってくる」
サンデーサイレンスはそう告げ、職員室を後にした。
(アグネスタキオンか成るほど成るほど)
石ころ帽子を被り、誰にも気付かれていないゴールドシップはアグネスタキオンの名前をメモに取ったのだった。
「はあ…それより、私も問題を抱えてるのよね。ディープインパクトを手放したのは大きいし、なによりフジキセキの怪我の事よね」
東条が頭を抱えている。気になったゴールドシップは背後から彼女のパソコンを覗き込む。そこにはリギルのメンバーであり、栗東寮の寮長を務めるフジキセキの写真とデータが写っていた。
(うげ!?こんなの、この時代じゃ選手生命終了の怪我だろ!?)
フジキセキのデータを見て、ゴールドシップは驚愕した。フジキセキはクラシック戦線…ジュニアCクラスだった時に、大ケガを負いそれ以来全く走れていなかったのだ。ゴールドシップやドラえもんの時代なら治すことが出来るのだが、この時代の医療では治すことは先ず不可能。フジキセキは実質の引退も同意義だ。
更に東条の机の上には1枚の退部届けが置かれており、その退部届けにはフジキセキの名前が記されている。走れない自分はリギルに居る意味がないとして、退部届けを東条に出したのだろう。だが、東条は……
「どうしろって言うのよ…」
夢を諦めざるを得なかったフジキセキを思い、辛い顔をした。
(走りたくても走れないって辛いよな…分かるぜ)
だが、ゴールドシップは他に偵察しなければ行けないので職員室を去っていった。
「待てよ?ディープが既にトレセン学園に居るなら、ディープの姉であるこの時代のスペシャルウィークさんは入学してるよな?」
ディープインパクトの姉はスペシャルウィークである。これは間違いない。スペシャルウィークはサンデーサイレンスが急死する本来の歴史でも産まれており、歴史改変が起きてからはサンデーサイレンスとキャンペンガールは生存している。生存した夫妻がチョメチョメを行い、スペシャルウィークの弟であるディープインパクトが産まれたのだ。
ならばディープインパクトの姉であるスペシャルウィークは既に入学していると考えるのが自然だろう。
では此処でトレセン学園の学年について説明しよう。トレセン学園は中高一貫校であり、希望制で大学部も存在している。
それとこの世界では4月に入学式が行われるのではなく、1月から入学式が行われる。つまり、1年生は1月から新生活を開始するのだ。春休みは無いが、その分5時限で1日の授業が終わるのが特徴的だろう。中等部はジュニアクラスと呼ばれており、1年生はAクラス、2年生はBクラス、3年生はCクラスと呼ばれている。CクラスからG1等の重賞レースに参加でき、Cクラスはクラシック戦線を競う事に成るのだ。
では高等部以上はなんなのか?高等部から大学部はシニアクラスと呼ばれており、日頃から勉学やレースに励んでいる。
「ディープの奴はちゃんと授業を受けてるな」
石ころ帽子を被り、悟られることなくジュニアAクラスに遊びに来たゴールドシップ。ディープインパクトは今年入学したばかりのピチピチの1年生だったのだ。
「よしよし…Bクラスに行こうっと」
ディープインパクトが授業を確りと聞いてる事を確認したゴルシは、スペシャルウィークが居ると思われるBクラスに向かった。
「スペちゃん。加入するチームは決まった?」
「私は未だかな?ディープちゃん、折角リギルに入れたのに辞めちゃうなんて……」
「弟さん、リギルのやり方には合わなかったみたい」
ジュニアBクラスの教室。休み時間のようであり、多くの生徒はお喋りをしながら過ごしていた。そして、その中にこの時代のスペシャルウィークが居たのだ。
(スペシャルウィークさんの学生時代か)
気付かれていないのでスペシャルウィークに近づくゴルシ。
スペシャルウィークは学友と親しそうに話しており、葦毛の少女、茶髪の少女、栗毛の少女と楽しそうに話している。
(あれはリギルのグラスワンダー、アタシの知る歴史だけど菊花賞で世界記録を出したセイウンスカイ、キングヘイロー、エルコンドルパサー…黄金世代じゃんかよ。感激だぜ)
スペシャルウィークは学友であるセイウンスカイ、キングヘイロー、グラスワンダー、エルコンドルパサーと共に話していた。彼女達は後に黄金世代と称されるウマ娘であり、ゴールドシップの時代では伝説級の世代として語り継がれている。
「キングはチーム決まった?私は未だだし」
「未だですわね…リギルに入りたかったんですけど」
「スペちゃんの弟が強すぎて受からなかったでーす。でも諦めません!!」
話を聞いてみると、グラスワンダー以外は全員、チームが決まってないようだ。中でもキングヘイローとエルコンドルパサーは少し前に行われたリギルの入部テストを受けたが、残念な事に3秒出遅れたディープインパクトが合格してしまいリギルには合格できなかった。しかし、そのディープインパクトが数日前にリギルを辞めた為に、直に入部テストは行われるだろう。
「これ…全員ラチる?」
と…ゴールドシップが声に出してしまった。
「スペちゃん、なにか聞こえた?」
「聞こえたね。でも…この声、聞き覚えが有るような」
このままではバレてしまう。ゴールドシップはその場から速やかにエスケープした。
午後3時。
「これより、スペシャルウィーク拉致作戦を開始する!!」
「「拉致作戦!?」」
授業が終わり、部室にやってきたミスターシービーとディープインパクトを待っていたのは……黒いサングラスとマスクで素顔を隠したゴールドシップであった。
「あの…ゴルシさん?僕のお姉ちゃんを拉致するの?」
「たりめーだ。スピカの戦力増強の為のな!!他所に取られる前に、スペを確保する!!」
ゴルシはそう告げ、シービーとディープにサングラスとマスクを手渡した。
「はい、これ着けて!!40秒で支度しな!!」
「えっ?マジで行くのかい?」
「そうだぜ、シービー。いざ、出走じゃぁぁーい!!」
ゴルシに言われるがまま、ゴルシと同じくサングラスとマスクを装備されたシービーとディープインパクト。準備は整った、スペシャルウィークをスピカに入れるために彼等は旅立つ。
「私もチーム早く決めないとな…」
スペシャルウィークは1人で寮への道を歩いていた。その時だった…ムニュんと柔らかい感触が鼻に触れてしまい…スペシャルウィークは一歩下がる。すると、目の前にはマスクとサングラスを装備した弟ディープインパクト、マスクとサングラスで素顔を隠した白髪美女ゴールドシップ、同じくマスクとサングラスで素顔を隠した三冠馬ミスターシービーが立っていたのだ。
「ディープちゃん!?それで…えっと?」
困惑するスペシャルウィーク。まさか、弟が素顔を隠して怪しい2人と共に現れては思考を放棄してしまうのも無理は無いだろう。
「ディープ!シービー!やっておしまーい!!」
「はい、ゴルシさん」
「オーケー、ゴルシ」
「名前言ったら、意味ないですよね!?てか、ディープちゃん…何があったの!?」
スペシャルウィークは麻布を被せられ、スピカの部室にお持ち帰りされたとさ。
スペシャルウィーク、弟同様にスピカに強制入部。
あと1人、あと1人でチーム対抗戦に出ることが出来る。
なお、2年後。
「ディープ!スペ!やっておしまーい!!」
「「はい。ゴールドシップさん」」
「スピカさんだ!!」
歴史は繰り返される。
アンケートですが、複数採用するかも知れません。もしかしたら、全員…スピカに加入する可能性も。
スピカ現代編でスピカに加入して欲しいメンバーは?
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アグネスタキオン
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オグリキャップ
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タマモクロス
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フジキセキ
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ライスシャワー
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ミホノブルボン
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ハルウララ
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セイウンスカイ