Fate/GrandOrder 特異点 機動戦士ガンダム00―Awakening of the Trailblazer―最後の対話   作:鉄血

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気分転換の投稿。

サーヴァントについてはどんなサーヴァントを出して欲しいか募集します!
しかし、宇宙という関係上、殆ど防衛戦で、苦戦ばかりの戦いですが。


プロローグ

ロストベルト、アヴァロンの空想樹を切除した藤丸立香はマシュと共にダヴィンチの元へ足を運んでいた。

 

「ダヴィンチちゃんに呼ばれたけど、マシュはなんだと思う?」

 

「おそらくは新しい特異点が作られたのではないでしょうか?他サーヴァントが特異点を作る事など珍しくはないですから」

 

マシュの言葉に立香は「確かに」と答え、歩みを進めていく。

そうこう話をしている内に立香とマシュはダヴィンチとゴルドルフ所長達がいる部屋へとたどり着いた。

 

「ダヴィンチちゃん、来たよー」

 

「マシュ・キリエライト到着しました」

 

二人は声を上げて部屋へと入る。と、そこには顔を顰めながら立つダヴィンチと顔を真っ青にするゴルドルフ所長の姿があった。

そんな二人に、立香達とマシュは顔を見合わせる。

とそんな二人に対し、ダヴィンチは顔を上げてこちらに視線を向けると、顰め面を止めて何時もの表情で二人に口を開く。

 

「ああ、ゴメンねー。取り込み中だったから気付かなかったよ」

 

ダヴィンチちゃんの謝罪に立香は気にしてないよ答えた後、ダヴィンチちゃんに言った。

 

「呼び出しがあったから来たけど、何かあったの?」

 

「新しい特異点を発見したのですか?」

 

立香とマシュが交互に言うと、ダヴィンチちゃんは口を開く。

 

「んー、確かに新しい特異点が見つかったのはあってるんだけどね。だけど──────」

 

「そこからは私が説明しましょう」

 

立香達が振り返ると、扉の前にはシオンが立っていた。

今、調べ物をしていましたといわんばかりに大量の資料を持ちながら部屋へと入ってくる。

そんなシオンは資料を近くの机の上に置くと、ダヴィンチちゃんの代わりに説明の続きを始める。

 

「まず発見された特異点なんですが他の特異点とは違い、“かなり異質“な特異点なんです。普通の特異点は過去や現在といった場所で生成されますが、この特異点は未来に生成されているんですよ」

 

「み、未来!?」

 

シオンのその言葉に立香は驚きの声を上げる。

そんな立香に対し、マシュも口を開いた。

 

 

「ありえません!未来で特異点が発生するなんて・・・それでは今、私達の世界の人類史がその特異点になってしまうと言う事と同じです!!」

 

マシュの言葉にダヴィンチちゃんも頷く。

 

「マシュの言う通り、この特異点を放置して置いたらこの先の人類史がその未来に固定されてしまう。此方としてはそのような事は極力避けたい事なんだ。申し訳ないけど二人にはこの特異点を解体、もしくは修復をしてもらいたい」

 

そう言うダヴィンチちゃんに立香は頷いた。

 

「分かりました。そう言う事ならやります」

 

「・・・先輩」

 

心配そうにこちらを見るマシュに立香は少しだけ頬を緩める。

 

「大丈夫だよマシュ。此処まで来たんだ。もう覚悟は出来てる」

 

そう言う立香にマシュは力強く頷いた。

 

「わかりました。先輩の危険を私が取り除くのが役目!なら私も特異点の解体を全力で頑張ります!」

 

そう意気込むマシュに立香は頷くと、ダヴィンチちゃんに口を開く。

 

「それで、その特異点は何年頃の時代ですか?」

 

立香の問いにダヴィンチちゃんは答える。

 

「西暦2314年。今から三百年先の未来だ」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

それは─────「遺骸」だった。

 

虚空に浮かぶ「遺骸」。はらわたとも言える少部品を周囲にぶちまけ、生命活動を停止して数十年と同じ姿を晒し続けている。

しかし、それは単に「遺骸」という言葉だけで片付けてしまうのは、いささか乱暴にすぎるかもしれない。

役に立たない「ガラクタ」にしか見えないが、ある者にとっては己の死地を示す「墓標」でもあったし、またある者にとっては────五基のオリジナルGNドライヴを製造した────「聖地」でもあるのだ。

木星の衛星軌道上に浮かぶ木星有人探査船《エウロパ》。

それが、「遺骸」の名だ。

今からおよそ百三十年前、エウロパは科学技術の結晶として、また、さらなる飛躍をとげる人類の叡智の象徴として、大衆の歓喜と期待を浴びながら地球圏を出発した。

木星有人探査という表の目的と、高重力下でしか生み出すことのできないオリジナルGNドライヴの製造という裏の目的の両方を抱えて。

ただし、木星を目指していった乗組員なほぼ全員が、裏の目的に従事する者達であった。

星海にこぎ出したエウロパの旅程は、木星圏にたどり着くまで順調そのものだった。連絡が遅れたことさえ一度もない。宇宙空間という過酷な状況下で予断を許さないことはわかっていても、地上でエウロパからの連絡を待つ技術者や研究者達の大半は、この時点で計画の成功をほぼ確信していた。

しかし、結果として、この表の目的である木星有人探査計画は失敗に終わる。

ことのあらましはこうだ。

エウロパが木星の衛星軌道上に到着して数日後、定期連絡が途絶。

顔面を蒼白にした地上の管制官たちが通信回復を試みるも、エウロパからの返信はない。

選挙の近い有名な政治家達が、人気気取りのためか、無謀とも言える有人宇宙船による乗組員たちの救出計画をぶちまけたが、この計画が実行されることはなかった。

それよりも先に、国際宇宙ステーションから撮影された画像が公表されたのである。

そこに映し出されていたのは、木星の赤茶けた縞模様をバックに、衛星軌道上を浮かぶエウロパの無残な姿だった。

船体は大きく「く」の字に折れ曲がり、引き裂かれた中央部からは、まるで内臓をぶちまけられたかのように、鉄骨やケーブル、その他の少部品などが辺りを漂っている。

この写真が公開され、乗組員が生き残っている可能性はほぼゼロであることが伝えられると、事態は一気に収束へと向かった。

こうして木星有人探査船事故の一件は、歴史の層の中に整理されていったのである。

宇宙開発競争の中の、失敗例のひとつとして。

・・・・だが。

これらの一連の流れ──────木星有人探査計画失敗までの流れ──────は、裏の目的に従事する者達が用意したシナリオであった。

長期にわたる自分たちの製造工程を地球側から邪魔されない為に。

木星探査という表向きの目的から解き放たれ、GNドライヴの開発に集中する為に行った偽装なのである。

むろん、シナリオを十全に生かすため地球側に残った仲間たちの協力も必要かつ重要だった。

定期連絡を故意に返信しなかったのはエウロパに乗っている者達の仕業だが、船体の折れ曲ったエウロパの偽写真を用意し、疑問を抱かれることなく公表されるよう手配したのは管制局や国際宇宙ステーションに潜り込んでいた協力者たちなのだ。

地上でその偽写真が公表され、管制局の広報官がマスコミや人権団体から突き上げを食らっている頃、木星の衛星軌道上では、“無傷のまま“のエウロパの中で、乗組員の肩書きを脱いだ技術士たちが何の憂いもなく作業に勤しんでいたのである。

それから二十年後、五基のGNドライヴは完成した。

その五つの半永久機関がエウロパから地球に向けて発射された直後、特命を受けた男によって、船内にいた者達は全員射殺され、エウロパ自身も破壊された。

世間に知られていたニセ情報が真実となったのである。

その「遺骸」の様子が二十年前に発表された偽写真とほぼ同一であったのは、皮肉な結果というべきなのか、あるいは当初から計算された結果であったのか、知るものは既にいない。

 

それからさらに一世紀以上の時が経った。

人類は枯渇した化石燃料の代わりに太陽光発電システムと軌道エレベーターを建造してエネルギー供給源を確保し、それにともなって三国家群が世界を分割した。

冷戦があった。テロがあった。ソレスタルビーイングが出現した。混迷する時代の中で、人々はかつてあった木星有人探査計画など記憶のすみにすら残していなかったのである。

しかし──────。

 

“エウロパは存在していた“。

 

人々から忘れさられ、記録の中でしかその名を見ることがなくなった二十四世紀においても、木星軌道上にその二つに引き裂かれた船体を晒し続けている。

乗組員はとうの昔に死滅し、エウロパ自身も二度と自力で稼働できる状態ではない。

つまりは金属とカーボンでできた「死体」であり「遺骸」だ。

特命を受けた男に破壊された後、エウロパに人間が足を踏み入れたのは、およそ八十年以上前ににGNドライヴの設計データを求め、紫色の球形小型汎用マシンを持ち出していった盗掘者たちのみである。

以来、誰もエウロパには訪れていない。

目にとめる者もなく、気に掛ける者もないまま、エウロパは木星の衛星軌道上でひっそりと永遠に漂い続けるのだと思われた。

いつまでも、そうしてい続けるのだと─────。

だが、異変は起きた。

事故から百年以上をへて─────エウロパが復活を果たしたのだ。

無論、自然治癒的に機能を回復したわけではない。

なのに、折曲がった船体が再び動き出したのである。

長年、放置されてきたケーブルに電気信号が流れ、モニターやランプに光が宿る。

折れた船体が真っ直ぐに戻り、破れた外壁が復元されていく。

エウロパは、かつての姿を取り戻していた。

その奇跡とも言える復活劇を成したのは、“地球側からの来訪者“ではない。

それは、“木星側からやってきた“。

木星の赤い雲を突き抜け、高重力をものともせず、エウロパに接触し、全ての機能を修繕したのだ。

エウロパ自身には思考する機能がないため、来訪者を観察し、その正体と目的を推察することはかなわない。

だが、間違いなくエウロパは新たなるパートナーの力によって「死体」から「生体」へと蘇ることができたのである。

かつての形状とはいささか異なるものの、姿を整えたエウロパは、己の墓地とも言える木星軌道上から離れていった。

新たなパートナーを乗せて。

さらに、新たなパートナーの力によって立ち上がる力を取り戻した、浅緑色の髪をした青年を乗せて。

 

エウロパは宇宙空間を進んでいく。

 

来た道を引き返すように、何に引き寄せられるかのように。

地球へ向けて、エウロパは進んでいく。

それが未曾有の戦乱を引き起こし、新たな時代を作る。その第一歩だとも知らずに──────。

カルデアはその戦乱へと巻き込まれていく。

 

 

人類の存亡を賭けた───その最後の対話に────

 




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