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シュウさんとフレンドになった翌日、今日の法学校での講義も終わり残りの時間はどうしようかと思ったところギルバードさんが【裁判官】ギルドにいるのを見かけた。
「ギルバードさんこんなところでどうされたんですか?」
「おや、ロウさんとヴァルナさんじゃないか?奇遇だね。」
ヴァルナがそう尋ねるとギルバードさんが理由を話してくれた。
「こちらのギルドで釈放される際に取り決められたことについての契約書の作成を行うことになってね。今はその手続き中だよ。」
そっか、もう釈放されるんだ。色々手続きがあるから時間かかりそうだけど、本人らが【契約書】で取り決めればそんな手続きも殆どいらないか。
「今回の件、本当に助かったよ。想像以上の事件になっていたとはいえ、キャシーが生きて救出されたのは君たちのおかげだよ。」
「私は何もしていませんよ。ヴァルナが後をつけて情報を集め、その情報を知った騎士団が迅速に動いてくれた結果です。」
私は本当に何もしていない。ヴァルナが尾行して中の情報を集めてくれたからだ。やっぱりポンコツマスターな気がするよ私。
「そういえば、ヴァルナってどうやって尾行してたの?特別隠れるためのスキルとかなかった気がするけど。」
「妾は水を操作して光の反射を変え自身を見えないようにさせてもらいました。」
「水の操作ができるってそういうこともできるんだ……。ヴァルナの能力は戦闘以外では万能だよね~。」
「大勢の子どもたちを救出するための一助となれたのは嬉しかったですね。」
もしかしたら、戦闘能力までほしいって言うのは欲張り過ぎなのかも知れないね。水の操作だけでもかなりの万能性があるわけだし。
「そろそろ手続きが終わるから良ければ二人もキャシーの見舞いに来てくれないか?今は目が覚めていないけど経過を見るに今日明日くらいで目が覚めるって言われててな。」
キャシーちゃんまだ目が覚めていないのか。だけど、もうじき目覚めるのであればよかったって思えるね。
「お言葉に甘えてご一緒させてください。ヴァルナもいいかな?」
「はい、もちろんです。行きましょう。」
「ありがとう。目が覚めた時にキャシーたちを助けてくれた人なんだぞって教えておきたいからな。」
そう言われて、すごく恥ずかしくなってしまってこの後の言葉がなくなってしまった。
◇
「ようこそいらっしゃいましたギルバード様。本日もお見舞いでしょうか?」
「はい。今日明日にでも目覚めると仰られていたので今日明日は可能な限りこちらに居させてもらおうかと思っております。」
「なるほど……。時間がある時で結構ですのでお祈りをなさるのはいかがかな?神に祈ることで回復が早まるかも知れませんから。」
「そうさせていただきます。今は何にでも頼りたいですから……。」
「それは結構です。それで、そちらのお嬢さんたちは?」
「私たちは先日の事件を担当した【裁判官】のファトレティ・ロウと申します。こちらはヴァルナ。私のパートナーです。」
「私はこの教会で司教をしております。なにかあれば頼ってください。」
すごく柔らかい物言いの司教さんだ。私たちに寄り添ってくれているようで、ほかの住民の人たちから頼りにされているようで一言言葉を交わすと忙しそうに他の場所へ行ってしまった。
「あの司教さんはすごく良い人だよ。我々住民の目線に立って話を聞いてくれる。国に対してなにかの要求を代表として訴えてくれることもあるんだ。」
かなりの人格者だったよ。私も困ったことがあったら相談に乗ってもらえるのかな?
「救出された子たちはこちらの部屋で看病を受けているんだ。」
案内を受け、私たちはキャシーちゃんたちがいる部屋に入った。私がイメージしていた野戦病院のような形ではなくベッドが一人ひとりあり、多くのシスターによって見守られていた。事件も事件だし被害者の数が多かったのは見てたので大変な感じかと思ったけどそんなことは無いようだ。ギルバードさんと同じようにお見舞いに来ている家族もちらほら見える。
「こんなに静かで少し意外か?」
思ってたことがバレちゃったようだ。
「はい……。妾たちはもう少し悲惨な感じがあると思っておりました。事件の犠牲者も多かったですし。」
ヴァルナも私と同じように思っていたようだ。
「騎士団が突入した日は想像していたもので合っているらしいぞ。目を離してしまうとHPが持たずに亡くなってるということが多かったって聞いてる。」
「それを聞いてしまうと私たちにもなにかできなかったのかなって思っていますね。」
ずっと、この件に関しては無力だったって私とヴァルナは思っている。だからこそ強くなりたい、こういう時に自分も動けるようにって考えてるんだよね。
「今生き残ってる命を大切にしてほしい。それと、キャシーとも仲良くなって俺の店を贔屓にしてくれると助かるんだけどな。」
「なるほど。妾たちをキャシーさんに紹介したいって言うのはそういう下心があったんですね。」
「今は顧客の確保が第一だからな。ロウは<マスター>なんだし、その知り合いとかも取り込めたらいいけど……高望みはやめようか。」
失敬な!知り合いの一人くらいいますよ!昨日ようやく一人目のフレンドができましたけど……。でも、シュウさんはアームズの<エンブリオ>だったような。
「まぁ、法学校にずっと通ってる変わった<マスター>という自覚がある私にも一人くらいは知り合いがいますよ。その人は武器を持ってるので鍛冶屋には用がなさそうですけど……」
「そうか……。顧客は獲得できなかったがお前達がなにか買ってくれるとこっちも助かるからこれから贔屓にしてくれ。」
「妾は使うものは無いでしょうがマスターは可能性がありますからね。もしかしたら常連になるかも知れませんね。」
何を武器にして戦うか全然想像できないや。初心者におすすめな物があるか後で聞いてみようっと。初めての武器はギルバードさんに作ってもらおうかな?
「さて、この娘がキャシーだ。お前たちが救ってくれた子どもたちの一人だよ。」
短髪で金髪な起きていたら元気そうだなって思える女の子が静かに眠っていた。髪の毛が金髪なのは兄妹だね。
「男女の差があるにしても顔が全然似ていませんね。」
「結構似てるって言われるぞ。目の辺りとか。」
「起きたら確かめさせてくださいね。」
「マスター静かにしてください。眠っているんですから。」
ギルバードさんと話していたら騒がしかったらしくヴァルナに注意されてしまった。少しうるさかったかな……反省反省。
キャシーちゃんのことを話してもらっていると、キャシーちゃんの体が動いた気がした。
「ねぇ、キャシーちゃんの体動かなかった?」
「本当か!?」
私に掴みかかられるとは思わなかった。今まではあまり心配してるように見せてなかっただけで本当は心配してるってことなのかな。
「申し訳ありません。動いたか見えてませんでした。」
じゃあ私の気のせいかなと思ったらキャシーちゃんの目がゆっくりと開いた。その瞬間ギルバードさんはキャシーちゃんを抱きかかえて「よかった。良かった」と繰り返し涙ぐんで言っていた。
「もう、お兄ちゃん痛いよ。」
そう言われると、ギルバードさんはゆっくりとキャシーちゃんから離れた。その後私たちと目があった。
「えっと、お姉さんたちは誰ですか?」
「私はロウ。彼女はヴァルナ。お兄さんに呼ばれてお見舞いに来たんだよ。」
「キャシー、このお姉さんたちはお前が連れて行かれた後、救出するために色々と手を回してくれたんだ。」
「そっか……。ありがとうお姉ちゃんたち。」
言葉を少し交わしたらシスターがやってきて体の調子を聞いたりするため私とヴァルナは出ていくように促された。もう日も暮れて明日の準備をする必要があるので帰らさせてもらった。明日以降キャシーちゃんに会いに行くって約束もできた。
「私たちがあの娘を、キャシーちゃんを助けたんだよね……。失った命はたくさんあったけどあの娘が生きていてよかったってさっきは思えたよ。」
「妾もです。その……助けられてよかったって思えました。」
「もうそろそろ【裁判官】がカンストするじゃない?私、ああいった事件の時に罪人をその場でなんとかできるそんなジョブに就きたいなって思ったんだ。だめかな?」
「妾はマスターの決めたことに従うだけです。ただとてつもなく変なことを決めたときには一言言わさせてもらいますけど。」
「今回はローテルさんに相談してみようと思うから変なジョブには就かないよ!」
そう答えるとヴァルナは笑って「さあ、帰りましょう。明日も講義がありますよ。」って言ったのであった。
なんというか中途半端な締めになっちゃいました。もっと文章かけるようになりたいです。はい。キャシーちゃんが目覚めて終わりにしたかったんです……。
2章以降も書くのですがある程度書いてから投稿しようと思うので少し日が空くと思います。お待ちいただけると嬉しいです。