我、汝の罪を裁くものなり   作:ruly714

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ごめんなさい。今回は区切りたいということもあり今までの半分の長さです。


不穏な影

◇SIDE 【裁判官】ファトレティ・ロウ

 

「キース君。ギルバードさんやネストル一家について他に知っていることを全部話してもらうよ。ここで隠し事をしちゃうと多分ギルバードさんその妹さんとしばらく合うことができなくなると思うし、このお店もなくなっちゃうから。」

 

 

 

「俺が知ってることはさっき話したことがほとんどだよ。お金が必要なのは分かっていたけどここまでの大金だとは知らなかったんだ。」

 

「お金が必要だったことは知ってたの?もしかしてその必要な理由が、ギルバードさんが窃盗を働いた理由じゃないの?」

 

「知ってるよ……兄ちゃんが大量のお金を必要としていたの……。だけど、誰にも話してはいけないって契約になってるらしいから、お願いだから黙っていてくれ!」

 

「分かったわ。けれども、他に知られてはそんなに問題があるの?」

 

「あるに行きまってるだろ!兄ちゃんの妹のキャシー捕まってるんだよ!」

 

えっ、ギルバードさんに妹さんがいたの???

で、ネストル一家に捕まっていると……。

 

「昔から、キャシーは病気がちなんだよ。一緒に遊ぶやつがいなかったからよく遊びに来ていたんだけどある日突然倒れちゃったんだ。【医師】からは未知の病気だって言われちゃって、治すためには【快癒万能霊薬】が必要だって言われちゃって……。

だけど、ネストル一家が売ってやるって言ってきたんだ……。他に手に入れる手段がなかったから、渋々アイツらから買ったんだ……。もしも、返済期限や今回の件に関しての契約を守れない場合はキャシーを【奴隷商】に売られてしまうんだけど。」

 

うつむきながらキース君が言ってたけど、いくつか疑問になる点はある。

 

一つ、ギルバードさんに【快癒万能霊薬】を売る理由

二つ、話してはいけないという理由

三つ、キャシーちゃんを人質としてさらっていく必要性

四つ、病弱な女の子をわざわざ【奴隷商】に売ること

 

一つ目は土地や建物がほしい地上げ屋の可能性があるからまだわかるけど、2つ目はどんな目的かなぁ……。

強いて言うならば、他人にこの件の発覚を遅らせるため?

三つ目、4つ目になるともう訳わからないよ。

 

ヴァルナがなにか情報を持ってきてくれればいいと思うんだけど……。

 

「仕方ない……か……。キース君もこれ以上知ってることはないんでしょ?だとしたら、ヴァルナが帰ってくるのを待つしかないか……。」

 

「一つだけ、俺がアイツらを追けたときに偉そうな奴がこんなことを言ってたな。」

 

「どんなこと?」

 

「『今回の協力者がいれば金だけじゃなく、もっと大きいものが手に入れられるかもしれねぇ』」

 

ふ、不穏すぎる……。

 

 

 

1時間ほど待つとヴァルナが戻ってきた。

 

「お待たせいたしました。早速ですが報告をさせていただきますね。」

 

うん。とうなずくと衝撃的な事実を教えてくれたのだ。

 

「あの者たちは地下で呪術の儀式を行っております。それも、人の命を使うことで対価を得る形のものです。」

 

呪術!?そんなのもあるんだ……。

 

「人の命って言ったってどこからそんな……。それにキース君人が失踪したなんていう話は聞いたことないよね?」

 

「あぁ、この辺り一帯で人が行方不明なんていったことは聞いたことがねえよ。」

 

「もしかして、その契約ってそういうこと?」

 

「マスター。契約とは一体なんのことですか?」

 

「ごめんね、ヴァルナ。今回の原因はギルバードさんの妹さんの治療のために買ったによる借金の問題みたいなの。」

 

「ここもそうでしたか……。そうなると、妹さんは無事なのでしょうか……。」

 

「おい、どういうことだよ姉ちゃん!」

 

そう言うとキース君はヴァルナを掴みかかって聞いてきた。

 

「先程言ったことは覚えていますか?」

 

「ここもそうでしたか?ってやつか?」

 

「ちがいますよ。人の命を使うことで対価を得る呪術の儀式を行っているということです。この手の儀式は一人二人で成功できるようなものではありません。

何人もの犠牲の上に成立するようなものなのです。」

 

そう、それは私も法学校で法改正が行われるようになった事件についての講義で聞いたけど……。

このせいで魔術における大量殺人はその予兆があった場合、殺害しても罪に問われない様になったって……。

 

「おい……。もしかして、キャシーはその儀式のために使われているって言うのかよ……。」

 

「そういう可能性があるだけです。まだ最悪な事態になっているとは限りません。しかし、一刻を争います。講義によれば、この手の事件は証拠がなくとも騎士団へ伝えれば対応してもらえるはずです。」

 

キース君は力尽きるように座り込んでしまった。

 

「まずは騎士団の元に行って支援してもらえるかを聞いてみないといけません。協力してもらえますか?キースさん。」

 

「ねぇ、ヴァルナ。あいつらがやっていた儀式とかの内容までは調べられたの?」

 

「申し訳ありません。マスター。分かったのは地下室で何やら召喚するような儀式を行っていたこと。もうすでに数十人は犠牲になっていたということです。」

 

「謝る必要はないよ。すっごく大事な情報だもん。さっき、キース君がアイツらのボスらしき人から『大きいものを手に入れられるかもしれない』って言うのを聞いたらしいのだけど、もしかしたら、呪術の儀式でなにか召喚するようなものなんじゃないかな?」

 

「可能性は大いにありますが決定的ではありませんね。やはり騎士団に伝えた上でギルバードさんへ聞きに行きましょう。」

 

「急ぎましょう。急がないと本当に取り返しのつかない事になってしまう。」

 

 

 

 

最悪すぎる最悪の結末なんて認められない。

本当は窃盗で<真偽判定>で嘘を見抜いてから始まったこの捜査だけど、もしもこの件が本当だったらクエスト難易度:五というのは分かるかも。

先輩からは【裁判官】は中立であれって言われた手前すごく申し訳ないけど、聞いちゃったからにはこの儀式というものを止めなければいけないよ。

 

家族がいなくなることはとてつもなく虚しくそして悲しいことだから……。

 

 




思ったようにキャラクターたちが動かなくてちょっと難産でした。文才がほしいですね。

ちなみに現在のデンドロはマスターたちがやってきて約一ヶ月という短い期間なので【快癒万能霊薬】は流通数が非常に少ないために高価という設定で考えております。

レイたちがログインすることにはボス討伐もあるし、【錬金術師】とかの上位ジョブがたくさんいるのである程度流通数があるという形です。
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