神のアクアとかワロスwwwwwwww   作:オウンゴール王

1 / 2

アフロディのスパッツには、全ての魅力が詰まっていると思うんですよ(真顔)


神になった少年

 

 

 僕は、台の上に置かれたグラスをそっと手に取り、上に掲げる。

 その動作でグラスの中に入っていた水が、蛍光灯の灯りを水面で反射してユラユラと光る。

 

 周りを見れば、チームメイト達も僕と同じようにグラスを掲げていた。

 皆、これから自分達の手によって起こるであろう蹂躙に胸を躍らせているはずだ。

 

 その証拠に、どの顔にも隠し切れない歓喜の表情が浮かんでいる。

 ……一人だけ、仮面を被っていて分からないが、きっと僕らと似たような表情をしているだろう。

 

 そんな彼らに、威厳があるように、余裕のあるように、優雅であるように、僕は宣言する。

 

「僕達は選ばれし者だ。それゆえ、この究極のチカラである『神のアクア』を飲むに値する存在であり、この地上にて如何なる生命体よりも優れた存在だ。……さあ、行こう、同胞よ。神々の蹂躙の始まりだ」

 

 その言葉が終わると同時に、皆が一気にグラスを呷り、床へと叩きつける。

 ふふふ、このチカラを発揮できる興奮を抑えきれないみたいだね。

 

 本当なら、静めるのがキャプテンとしての役割なんだろうけど……

 

 残念なことに、グラスを持つ僕の手も歓喜のあまり震えてしまっている。

 漏れなく僕も、人間を辞めた、神の領域に至れるこの『神のアクア』に魅せられているようだ。

 

 ああぁ……やっぱり、あの感覚はクセになってしまう。

 神のアクアこそ、僕の真のチカラを引き出せる唯一にして無二のモノなんだ。

 

 

 僕はグラスを口元に寄せ、一気に呷って―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや、神のアクアとかワロスwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――即座にヘブンズタイムを発動させた。

 

 

 パチンという、指鳴らしで起きた音が鳴ると同時に一切の騒音が消え去る。

 

 この世界では僕以外(・・・)は動くことは勿論、思考することさえ許されない。

 発動時間があるのかは知らないが、数分ぐらいは持つはずだ。

 

 まずは状況整理。

 

 ごほん。

 

 ……ここまでくれば分かるかもしれないが。

 どうやら僕はアフロディに憑依したらしい。

 

 転生とかじゃなくて、朝目覚めたら髪が金髪になってたり長くなってて……。

 「なんじゃこりゃあああああああああ!?」とベッドの上で喚いたのは秘密だ。

 鏡を見るまでは自分がどうなったのか理解できなかったけど、鏡に写る自分の姿を見たら一瞬で理解した。

 

 なるほど、アフロさんですか、いい度胸ですね(白目)

 

 

 前世の記憶は若干残っていたけど、アフロ本人の記憶は全くなかった。

 オリジナルの方のアフロさんが消えちゃったとかだったら申し訳ないんだけど、どうこうできる問題ではないので気にしないことにしている。

 

 個人的には、記憶が残っていたらある程度行動の仕方とかを把握できていたんだけどね。

 どうして神のアクアをキメるなんてことになったのかも知りたかったし。

 つか影山が怖すぎてチビりかけたし。

 

 もう泣いてもいいかな?

 

 でもまあ、意外と僕は第二の人生を楽しめてしまっている。

 中学生の頃ハマりにハマったイナズマイレブン(しかも無印)の世界だし、アフロさんの身体は無駄に高スペックだしね。

 勉強とかも、余裕のよっちゃんだから学校での生活も楽しい。

 

 なにより女の子からモテるのはいいことだ、何故か男からもモテるのは悲しいことだが。

 僕はホモじゃないんで、それとメス堕ちもしないんで。

 

 神のアクアも最初の一回しか飲んでいないので依存性は高くないはず……だ。

 チームメイトとかはサッカー練習の際にも神のアクアうめーしてたけど。

 僕の場合ちょびっとだけ舌先で舐めただけだから、一度でのノメり具合も少ないのだろう。

 あの判断が正しかったと心底安堵しているよ(ヤっちゃってる顔をしながら固まるチームメイトを見ながら)

 

 

 そんなわけで、僕は原作通り神のアクアをキめるつもりはない。

 

 口の中に溜めていたアクアをそこらへんの芝生にペッした後、僕はヘブンズタイムを使う前の姿勢に戻る。

 ちなみにだが、ヘブンズタイムは「指鳴らししたら出来たりして、なーんてなwwwww」というノリで成功した。

 本気でやったら、宇宙の半分の生命が灰になることも夢じゃないと思う。

 

 

 グラスの傾き具合は……こんなもんか。

 準備が整ったことを確認し。

 

 

 そして、パチリと何かが鳴る音がすると。

 

 

 僕は神のアクアが入っていたグラスを地面にぶつける。

 思いのほか勢いよく叩きつけちゃったけど、これは誤差だよ誤差。

 

   

「さあ、行こうか」

 

「ああ、矮小な人間どもに神々のチカラをみせてやろう」

 

 

 地面に散らばったガラスの破片を見て、これ誰が掃除するんだろと思いながら、皆に声をかける。

 すると、ヘルメス……だっけ?まあとにかく、変な被り物をした少年が両の拳をぶつけながら口元を歪ませた。

 

 

 ……今更だけど、その被り物絶対ヘディングのとき邪魔なんじゃないかな。

 

 

 ヘルメスの頭部を眺めながら、僕がそんなことを思考していると。

 隣のベンチの方からオオォー!という叫び声に近い掛け声が聞こえてきた。

 

 

「俺達は王者帝国学園だ、例え鬼道がいなくとも負けることは有り得ない!いくぞ帝国イレブン!」

 

 見れば、帝国の方々が円陣を組んでキックオフ前の声掛けを行っている光景が目に入る。

 

 その中の一人、キングオブキーパーと呼ばれている源田くんが特に気合いを込めていて、顔がビーストファングしていた。

 ひょえ……あれが同じ中学生とは思いたくないなぁ。

 スポーツの代名詞であるサッカーとはいえ、ここまで真摯に取り組んでるのを見ると、身体を休めるという名目でこの一週間部活錬に顔出さなかった自分が恥ずかしくなるね。

 その分毎日顔出してるチームメイトは凄いと思う、ドーピングしてることを含めても。

 

 MFポジションにつき、入念に準備運動(身体が凄い柔らかいことにビックri)をしていた僕に、ヘラヘラした顔のチームメイトが近寄ってくる。

 

「けけっ、アフロディさん。アイツらに現実っていうもんを教えてやりましょうよ」

 

 前言撤回、ウチのチームメイトはクズ野郎だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 推薦招待校、世宇子中。

 

 その学校に対しての認識は影山がバックにいるということからも警戒に当たるが、試合が始まればとるに足らない存在だろうと鬼道達帝国イレブンは考えていた。

 調べてみればサッカーの名門校でもなく、有名な選手もいないことが分かっており、そういった情報から自分は負けるわけがないと確信できていたのだ。

 

 地区予選の決勝で雷門にこそ負けたものの、連続優勝校としての自信は決して失われていなかった。

 

 だがしかし、その自信は早くも綻び始めていた……。

 

 

「自分を神と自称するとは……罰当たりにもほどがあるぞ」

 

 

 ここにはいない鬼道の代わりに、キャプテンを代行することになった源田がセンターサークルに立つ。

 その獣のような目が捉えているのは、腰まで伸びた金髪の少女……ではなく少年。

 彼もまた全宇子中を率いるキャプテンだ。

 

 不死愚な事に、彼からは鬼道のようなオーラは全く感じ取れない。

 なんなら存在感だけで言えば帝国学園の五条や佐久間の方がある気もする。

 だが、仮にも影山の毒牙である彼が、雑魚ということはありえないだろう。

 

「自称ではないさ。僕とキミには埋められない差が存在する、だというのに僕とキミを同等の存在として扱うのは流石に可哀そうでね。相手が神だったのなら、負けるのも当然だと思わないかい?」

 

 前髪をかき上げながら、少年が笑う。

 

 一つ一つの動作が妙に優雅に見えてきてしまう。

 意識してやっているかいないかは定かではないが、どちらにしてもやりにくい相手だ。

 今までの相手は帝国学園ということを知るだけで及び腰になっていて、如何せん正面から立ち向かってくる存在がいなかったのだ。

 ……雷門中は、よく分からないが。

 

 

「……ふん。試合が始まる前から勝利を確信していると、いつか足元を掬われるぞ」

 

「それはキミの体験談かな?」

 

 その返しに、やり辛そうな顔を源田はするも、とにかく「よろしく頼む」と挨拶を即座に終えその場を立ち去ろうとした。

 影山の支配下にあるチーム、それだけで何をしてくるのか分からない。

 できることならさっさと試合を始めて、さっさと帰りたいというのが本音だった。

 

 自陣の方に足を向けた、そんな源田の背中に声がかかる。

 

「ああそれと、少なくとも僕は(・・)影山みたいな陰湿なやり方には賛同していないよ。他のチームメイトは知らないけどね」

 

「………何?」

 

 信じられないモノを見るような目で、源田は振り返る。

 その視線の先には先程と一寸変わらない立ち位置の少年が、薄ら笑いを浮かべながら立っていた。

 

 

「……それは、お前が影山の手先ではないということか?」

 

「さあ?どうだろうね、神のみぞ知る……と言えば分かってくれるかな」

 

「……食えない奴だな」

 

 そう悪態を吐く源田。

 それを見て何を思ったのか、少年は源田の傍に寄り耳に口を近づける。

 

「……神のアクアっていう、いわゆるドーピング薬で無理やり強化しているみたいだね。今言えることはそれだけかな」

 

「…………!?……お前は、本当に影山のスパイとかじゃないんだろうな?」

 

「それはさっき言ったとおりさ。それと、アフロディという立派な名前があるんだからお前なんて呼ばないでくれるかな、源田くん。ということで、よろしく頼むよ」

 

 げぇぇと源田がげんなりとする中。

 アフロディはやることはやり終えたとばかりに、髪を翻しながら自陣の方へと歩いて行った。

 

 ……自由な奴だな、と源田は呆れるも、あることに気付く。

 

「……アフロディ?どこかで聞いた気が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(しゃあああああああああああああああああああああああ!!これで少なくとも僕の生存率が上がったぞい、そこはかとなく『俺は味方ダヨ』オーラを醸し出す作戦は完璧だったようだぜ(ドヤ顔)ゆくゆくは、ドーピングがバレたら早速雷門に転校してサッカー部のマネージャーになったるで!驚異の侵略者編も世界編も原作組についていけるという安定のポジ、永久就職のお時間が眼前にっ!俺は必殺技なんかには関係せず、女子マネの恋愛事情に顔を突っ込みまくってやるぜゲヘヘ。まったく、中学生は最高だなあ!輝かしい未来に、高笑いを耐えるので精いっぱいすわ!)

 

 

 

「アフロディさん、そろそろキックオフっすよ」

 

 

「………ふふふ」

 

 

「…………!?」

 

 

(アフロディさんが、笑っているだと!?あの、顔面コンクリートと呼ばれた鉄仮面が!?……それ程までに、あのゴールキーパーに興味を持たれたのだろうか。帝国学園……油断はせずに、徹底的に追い詰めなければ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





アフロディ

 イナイレがきっかけでサッカーを始め、イナイレがきっかけでサッカーを辞めた。僕には……超次元になれなかったみたいだ……。
 なお、口調はどうしてもアフロさん固定らしい。


源田

 その髪型はもう、寝癖としか思えない。


ヘルメス

 ヘルメット。頭を使え(物理)


ヘラヘラした顔の少年

 ヘラ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。