東方〜2つの世界の守り人〜   作:Allenfort

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mission35 蓬莱人との遭遇

side 弘行

「待て!」

 

魔理沙達との戦闘後、俺と暢は魔理沙に着いて行き、竹林の中で人影を見つけた。今、全速力でそいつを追跡している。

 

「待て弘行! 速すぎる!」

 

「待って魔理沙!」

 

何か聞こえた気がしたが、気にせず追跡を続ける。

 

すると、そいつは和風の建物に入って行った。俺はその建物に突入する。

 

長い廊下を走り続ける。おかしいぞ? 外からちょっと見えた奥行きよりかなりある。

 

そして、俺に着いて来てるのは魔理沙だけだった。

 

「どうやら、無事に着いて来てるらしいわね。」

 

そいつはこっちを振り返って止まる。そいつは、長い銀髪で赤と青の2色に星座の刺繍の入った服。そして、頭には赤十字の入った帽子を被っている。

 

「そこを動くな!」

 

俺はMk.11を構えて立射姿勢を取る。

 

「何度か出たり消えたりしてるが、それは焦りか?」

 

魔理沙は八卦炉を構えて言う。

 

「焦り? あなた達は愚かね。誘導されていたことにも気付かずに。」

 

「何を言って・・・何!?」

 

気付くと、俺と魔理沙は宇宙にいた。何故だ!? 何故呼吸出来てる!?

 

「なあ弘行、おかしいぜ。この月も星も・・・」

 

「ふふふ。こうやって月に向かう人間を偽の月に繋ぐ。月と地上を繋ぐ道は私が切った。これで地上人は月へ行けないし、月の民は姫を探し出せない。」

 

「月の民? お前は何者なんだ? 答えろ!」

 

どうする? 相手の出方次第によっては実弾に切り替えるか?

 

「私? 私は八意永琳。蓬莱人よ。あなたはどうなの? 見た限りでは兵士のようだけど。」

 

「よう、じゃなくて兵士なんだよ。鷹見弘行。階級は専任曹長。それで、お前の目的はなんだ!」

 

「それは、私に勝ってからね。どうせ、月面軍程の訓練は受けてないんでしょうけど。」

 

「言ってくれるじゃねえか・・・魔理沙。あいつは俺がやる。」

 

「私もやるぜ。」

 

「・・・好きにしろ。行くぞ!残機3!」

 

俺は魔力弾を装填したMk.11を構えて永琳へ銃撃する。赤い7.62mmの魔力弾が永琳へと飛んでいく。

 

永琳も弾幕を撃って来るが、魔理沙がレーザーや弾幕を使って打ち消してくれているので、落ち着いて狙撃出来る。トリガーハッピーとスナイパーって相性いいのな。

 

「っ! なかなか精度いいわねその銃。なんて言う銃なの?」

 

「Mk.11 mod0。SR-25をベースにしたライフルシステム。狙撃銃だ!」

 

ACOGスコープを覗き、永琳の進路へ予想射撃。いい線行ってるんだが当たらない。

 

「そろそろ行くわよ。覚神『神代の記憶』!」

 

永琳は網目状にレーザーを撃ち、俺と魔理沙の動きを制限すると、小型弾幕を大量に撃って来た!

 

「ならば! 魔符『スターダストレヴァリエ』!」

 

魔理沙が大量の星型弾幕を放つ。チャンスだな。

 

『焦りは照準を狂わせる。深呼吸しろ。』

 

タケさんの言葉が頭の中を駆け巡る。

 

大丈夫。俺ならやれる。

 

息を吐く。レティクルのブレが一瞬収まる。

 

永琳の逃げ道・・・ここだ。

 

永琳の進路にレティクルを合わせてトリガーを引く。

 

赤い魔力弾は真っ直ぐに飛び、永琳の頭を捉えた。そして、魔理沙のスペカでそこそこダメージが入っていたらしく、その一撃でスペルブレイク。

 

「!? やるわね・・・」

 

「こちとら生死を賭けて戦ってたんだ。集中力が違うぞ。」

 

魔理沙のスペカはまだ続いている。永琳は狙いを魔理沙に切り替えたようで、飛び回りながら弾幕を撃つ。

 

俺も魔理沙を援護する。が、永琳を狙って移動している内に、マズイことが起きた。

 

宇宙では方向が無い。それは偽の宇宙でも同じ。

 

そう、俺は平衡感覚を失った。空間識失調だ。方向感覚を失い、魔理沙と永琳を見失って混乱してしまう・・・

 

クソ! リーダーならこんな事にはならないだろうに・・・

 

その間に魔理沙が被弾した!

 

「魔理沙!」

 

「大丈夫だぜ弘行!」

 

「天呪『アポロ13』!」

 

永琳が次のスペルカードを取り出す。今度は小型の弾幕が一回戻ってからこっちに飛んでくるというスペカだ。

 

この程度で当たりはしない。

 

「連符『ブラッディシューター』!」

 

スペカを宣誓。そしてトリガーを引く。

 

すると、Mk.11から絶え間無く赤い弾幕が飛ぶ。効果時間中は元の精度のままでフルオート射撃が可能になる。動けないなら数で押してやる。

 

「私も! 恋符『マスタースパーク』!」

 

魔理沙の八卦炉から極太のレーザービームが放たれる。俺の狙撃(?)を回避するのに集中していた永琳はマスタースパークにモロ被弾。スペルブレイクだ。

 

すると、永琳は長弓を取り出し、俺を狙って来た!

 

「狙撃勝負ってか? 上等だ! 来い!魔理沙!援護不要!」

 

魔力をスラスター代わりにして飛ぶ。永琳の矢を回避し、狙撃する。

 

永琳は狙撃を躱して反撃してくる。決着がつかないな。だが焦らない。いかなる時も冷静かつ正確に撃つ。

 

向こうは焦ってるはずだ。その焦りが照準を狂わせる。

 

焦りを忘れ、冷静に読め。相手はどう動く?

 

永琳が右にスライド移動しながら矢を引き絞る。

 

俺は永琳の移動するであろう場所にレティクルを合わせる。

 

まだだ・・・

 

まだ引きつけろ・・・

 

今だ!

 

トリガーを引くと同時に永琳は矢を放つ。

 

魔力弾と矢はすれ違い、飛翔する。

 

とっさにACOGスコープから目を離す。矢がスコープのレンズを貫き、後ろへ飛んで行った。右目を射抜かれるところだった。

 

そして、俺の放った魔力弾は、赤い光の尾を引きながら、永琳の頭に命中した。

 

銃に当たっても一応被弾となる。

 

「やるわね。」

 

「200m以内なら必中だぞ? マークスマン(分隊支援狙撃手)を舐めるな。」

 

これで、俺達の勝利だ。

 

「ところで、月は戻してくれるんだよな?」

 

「元々、夜が明けたら戻すつもりだったから心配しなくていいわ。」

 

「そうか。で、服装からして医者のようだが。」

 

「ええ。私は医者よ。あらゆる薬を作る程度の能力を持ってるわ。」

 

「なら、頼みがある。仲間を助けて欲しい。この通りだ。」

 

俺は永琳に頭を下げて頼む。彼女が本当に蓬莱人なら、祐介の傷を治してくれるかも知れない。

 

「フォートレスからバルチャー3-3! 応答せよ!」

 

モリソンから連絡。

 

「ちょっと待ってくれ。フォートレス、バルチャー3-3だ。どうした? オーバー。」

 

「やっと繋がったか! すぐに帰還せよ! 艦隊が謎の敵性勢力の襲撃を受けている! 繰り返す! 我々は攻撃を受けている!」

 

「なんだと!? 了解、支援に向かう! 3-3アウト!」

 

俺は慌てて通信を切る。

 

「すまん永琳、元の場所に戻してくれ。厄介なことになった!」

 

「いいけど何があったの?」

 

「言えない。敵か味方かはっきりしないから・・・」

 

「そう。なら、お行きなさい。仲間が助けを求めてるんでしょう? あと、怪我してる仲間がいるなら私も行くわよ。」

 

「気付いてたか・・・ありがとう。」

 

 

USSポセイドン

 

 

「戦術データリンク回復!通信が可能です!」

 

CICでクルーが戦術ネットワークを回復させた。

 

「よし! ここから反撃だ!海軍の方はどうなってる?」

 

「巡洋艦USSアンツィオが敵に乗り込まれ一時、占拠されましたが、SEALsが突入、奪還しています。ポセイドンは車両甲板に侵入され、応戦中、また、上方からの敵を徐々に圧倒しています。」

 

「フォートレス! こちらジャッカル1-1! 現在人里東側入り口より攻撃を受けている! 繰り返す! 人里が攻撃を受けている!エマージェンシー(非常事態)宣言!」

 

その時、人里の警備をしていたアランから連絡。

 

「何だと!? ジャッカル1-1! 守備部隊の戦力は!?」

 

「ジャッカルとアーチャー! 合計9人! 独断で重火器の使用を許可しました!」

 

「ガンガン使え! 艦隊も攻撃を受けている!こちとら既にレベル5を発令している!住民の避難状況は!?」

 

「どうにかアーチャーが西側入り口から避難所へ退避させました。我々は里の入り口でどうにか敵を押しとどめています!」

 

「仕方ないな・・・艦隊の方を片付けるからそれまで耐えろ。"別れた女房"はどうする?」

 

「敵が近いから無理! すぐに援軍をくれ! こいつらなかなか死なない!」

 

「了解。バルチャー3-3! 急いで戻ってこい!」

 

「了解!」

 

「函南少尉! 行けるか?」

 

モリソンは脇で待機していた祐介に言う。

 

「いつでも行けます!サー!」

 

「配置に付け! 全速力!」

 

「Sir,yes sir!」

 

祐介はCICを飛び出すと、船外通路へ向かった。

 

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