side 霊夢
先へ進むと、木造の建物が見えてきた。その近くに暢とアリスが立っている。
「何してるのよ2人とも?」
「ん? 霊夢と紫か。魔理沙と弘行が逃げて行くターゲットを追いかけて行って出てこないんだ。」
暢は縁側の先の廊下を指差す。
「霊夢、主犯はあそこにいるかしら?」
「私の勘はこっちって言ってるわ。」
その魔理沙が突入したところは外れのようね。別のところと勘が言っているわ。
「行きましょう。霊夢、案内して。」
「気をつけろよ2人とも。俺らはここで待ってる。」
暢に手を振ってからその先へ進む。すると、庭に出る。
縁側には誰か座っていた。長い黒髪に和服を着ている。
「あら? よくこっちが分かったわね。じゃ、永琳が戦ってるのは誰かしら?」
「それなら、弾幕狂な白黒魔女と腕利きの狙撃手よ。あんたは何者?」
「普通はそっちから名乗るものなんじゃないかしら? 私は蓬莱山輝夜。蓬莱人よ。」
「そう。私は博麗霊夢。博麗の巫女のね。」
「八雲紫。スキマ妖怪よ。」
どうやら異変の首謀者のようね。
「さて、久々に楽しませてもらおうかしら♪」
「完膚無きまでに叩きのめしてあげるわよ? 残機3!」
必ず勝つ。ここで負けたなんて事になったら祐介に笑われるわ。
収納性抜群のベルトポーチからお札を取り出して投げる。巫女服のポケットの3倍は収納出来るから便利ね。
お札は赤い光の尾を引きながら輝夜を追いかける。
「追尾型・・・面倒ね。」
輝夜は弾幕を展開してお札を迎撃する。
「難題『龍の頸の玉 -五色の弾丸-』!」
輝夜が放って来た五色の弾幕とレーザーを紙一重で躱していく。隙間が小さくて避けにくいわね。
「夢符『二重結界』!」
結界を張って弾幕を防ぐ。
「結界『夢と現の呪』!」
紫がスペカを宣誓する。
紫が放った大型弾幕が分裂して小型の弾幕をばら撒く。
私も結界を張りながらお札を投げつける。
激しい弾幕の応酬。空中で弾幕が激突し、眩く光って消えていく。
結界で輝夜の弾幕を無効化していたこっちに分があった。輝夜がスペルブレイク。
「なかなかやるわね・・・」
「こっちには負けられない理由があるのよ。」
ここで負けたりしたら、自分を犠牲にして私を助けた祐介に報いる事が出来ないもの。
「その威勢の良さもいつまで続くかしら? 難題『火鼠の皮衣 -焦がれぬ心- 』!」
今度は小型の火炎弾とレーザー。火炎弾の隙間が小さくて避けにくい。グレイズした袖が少し焦げて嫌な臭いを発する。
「霊夢! 避けなさい!」
「しまった!」
レーザーに気を取られて、火炎弾の接近を許してしまった。スペカも間に合わない・・・
ダン!
暗闇に響く破裂音。そして、緑の光を引いた何かが私に飛んできた火炎弾を撃ち落とした。
光の飛んできた方向を見ると、空中に人影。
月を背にした、黒髪の少年。顔は良く見えないけど、手には長い銃を持っている。
あれは・・・祐介?
その人影は後ろを向いてどこかへ飛んで行った。
危機は脱した。ここから反撃ね。
「よくもやってくれたわね? 境界『二重弾幕結界』!」
2つの結界を張り、その中に大量の弾幕を展開する。
輝夜が回避するが、その移動するであろう場所に紫が弾幕を撃ち、被弾させる。
そして、またスペルブレイクさせる。
「強い・・・」
輝夜からは焦りの表情が見て取れる。
「この程度では勝てないわよ? 霊符『夢想妙珠』!」
光弾が輝夜目掛けて飛ぶ。
「っ! 難題『燕の子安貝 -永命線-』!」
輝夜は全方向にレーザーを撃って反撃する。けど、それは無意味。
次の瞬間には光弾が輝夜を強襲。私達の勝ちね。
「痛たたた・・・」
「痛い目見たく無ければ異変なんて起こさなければいいのよ。なんでこんな事をしたの?」
「鈴仙に月から招集が掛かったのよ。それで永琳が太古の月とすり替えて幻想郷との往来を絶ったわけ。言っとくけど、夜が明けないのはあなた達のせいだからね?」
「「あ・・・」」
その時、廊下の方から足音。それもかなり急いでいるようね。
「姫!」
「永琳? そんなに慌ててどうしたの?」
「この外来人からの情報で、月面軍が既に幻想郷に侵入していることが「なんですって!?」」
紫が驚愕の表情を浮かべる。
「さっきモリソンからの連絡があって、謎の敵性勢力に人里と艦隊を攻撃されてるとの事だ。里の方は入り口で押しとどめてるが艦隊が劣勢だな。今すぐ救援に行く。」
「ウドンゲ! 姫が持ってきた武器あるでしょう!? アレを持って来なさい! 姫はここで待っていてください!」
あのウサギが奥から何かを持って来た。あれは銃?
「永琳、その銃は?」
弘行が永琳に聞く。
「月面軍で使ってる銃よ。銃剣付き。」
「古っ! M1ガーランドっぽいけどさぁ・・・」
「古い!?」
「そんな事より早く行くわよ! 祐介が危ない!」
私は我先にと湖に向かって飛ぶ。
「待ちなさい霊夢! ・・・って聞いてないわね。行くわよ!」
途中で暢とアリス、他の面々とも合流し、USSポセイドンへ向かう。