東方〜2つの世界の守り人〜   作:Allenfort

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月面戦争
mission40 月の兵士と地球の兵士


時は流れ、ある冬の日、USSポセイドンの会議室にバルチャー4人が集まっていた。

 

「バルチャー、タックゴーグルを起動しろ。ミッション確認だ。」

 

4人はタックゴーグルを起動し、任務内容を確認する。

 

「今回は月面軍穏健派と接触するグリーンランド中佐の護衛だ。緊急時のみ実弾射撃を許可。迎えは30分後、穏健派中心メンバーの綿月豊姫が来るとのことだ。気を引き締めろ。」

 

祐介による任務内容の説明が終わると、3人は無言でうなづいた。オーケーの合図だ。全員、銃のメンテナンスは万全。装備もしっかり持っている。また、永琳からの情報で、宇宙服が無くとも月の裏側にある結界の中だから大丈夫なんだとか。

 

グリーンランドも装備を整え、5人は豊姫を待つ。

 

 

その頃紅魔館

 

 

秋めく湖。その周りを海兵達が走っている。レミリアはバルコニーで紅茶を飲みながらその光景を眺める。

 

「壮観ね。私が命じて走らせてるような気分になるわ。」

 

脇に立っているジェームズは苦笑いを浮かべ、返答に窮する。レミリアがドヤ顔で言ったからだ。そんな時、レミリアがふと美鈴が手入れしている花壇に視線を向けると、茶色の草の束が2つあった。

 

「……ジェームズ、あんなものあったかしら?」

 

「美鈴が草むしりしていたのかもしれません。」

 

すると、その草の束(?)がいきなり盛り上がった!

 

「え!? 何!?」

 

そして……

 

「「オバケだぞぉ〜!」」

 

「きゃぁぁぁぁぁ!?」

 

その人型のモシャモシャが突然立ち上がり、びっくりしたレミリアは椅子ごと後ろに倒れた。

 

「イタズラ成功。」

 

「お姉様のカリスマ☆ブレイク面白かったよ〜♪」

 

そのモシャモシャがフードを外す。ジョンとフランだった。

 

「ジョン、どこからギリースーツなんて持ってきたんだ?」

 

ジョンとフランが着ていたモシャモシャスーツ(○リゾーとか○ックとか○クミラン先生)はギリースーツという、草地で擬装するためのスーツだ。どうやら、レミリアを驚かすために着ていたらしい。

 

「イタズラのために作ったんだが、出来が良すぎたな。美鈴に本物の草と間違ってむしられそうになった。」

 

「驚いた美鈴とお姉様、面白かったよ〜♪」

 

「うー☆」

 

今日も紅魔館は平和です。

 

 

USSポセイドン

 

 

ブリーフィングルームに1人の女性が入って来た。祐介達はその人物を見る。

 

「綿月豊姫か?」

 

グリーンランド中佐が聞く。

 

「ええ。そうよ。」

 

「モリソン将軍の代理を務めるグリーンランドだ。」

 

「その後ろの兵士は?」

 

「護衛だ。少尉、挨拶を。」

 

「グリーンランド中佐の護衛を務める、バルチャー分隊指揮官の函南祐介、以下4名です。」

 

4人は整列し、挨拶する。

 

「そう。これから月の都に案内するわ。少し目を閉じていて。」

 

5人は目を閉じる。すると、体が軽くなったような感覚。そして、肌に風を感じる。

 

「おい、もういいか……?」

 

祐介は恐る恐る目を開け、辺りを見回す。

 

「……なんだこりゃ?」

 

その声を聞いた4人も周りを見る。そこは湖(?)と森。そこに挟まれるように存在する草原。5人は草原に立っていた。豊姫の姿が見えない。

 

「騙し討ちか? ダイヤモンドフォーメーション!」

 

祐介達はグリーンランド中佐に背中を向けて囲み、四方を警戒。5人はその場にしゃがむ。

 

「状況報告。」

 

祐介はG36Cを構え、前を警戒しながら言う。

 

「森と湖と草原しかない。どこが都だっての。」

 

暢は左側を警戒しながら言う。

 

「衛星経由で位置情報を取得する。」

 

弘行はタックゴーグルを操作する。

 

「衛星に接続……」

 

弘行の左腕のディスプレイには『Location(現在位置)The moon()と表示されている。月の裏側の結界の中にいるようだ。

 

「月にいるのは間違いないな……どうやって帰るか……」

 

その時、モーションスキャンに動体反応。祐介の正面だ。

 

「何かいるな。俺が確認してくる。」

 

祐介は姿勢を低くしながら茂みに近寄る。緊張で汗が流れ出す。そして、銃口を茂みの裏にいたウサ耳の兵士に向ける。

 

「動くな!……あれ、レイセン?」

 

あの後、レイセンは月へ戻り、穏健派との仲介を担っていた。そして、今は豊姫と妹の依姫のペットなのだとか……

 

「あ、どうも……なんで居場所が分かったんですか?」

 

「地球の電子装備を舐めるな。お前の居場所くらいすぐに分かった。んで、何か用か?」

 

その時、背後から接近する動体をまたモーションスキャンが捉えた。祐介は素早く振り向いて銃口を向ける。

 

「動くな!」

 

そこにいたのは、薄紫の髪を後ろで束ね、刀を持った女性だった。明らかに敵意を向けている。祐介は頭に照準を合わせ、いつでも撃てるように構える。

 

「わわ! 2人とも待って下さい! 依姫様! この人は例の地球人です!」

 

祐介は依姫と聞き、銃を下ろす。

 

「あら、そうだったの? 敵かと思ったわ。」

 

「全く、おどかしやがって……んで、その後ろの茂みに隠れてる奴らも出て来い。隠れてるつもりのようだが、ウサ耳が見えてるぞ。」

 

すると、茂みから5人の玉兎が出て来た。

 

「あちゃー、バレてたか……」

 

「上手く隠れたつもりだったんだけどね〜。」

 

祐介は、こいつら本当に兵士なのかと疑問に思った。緊張感がなさ過ぎてさっきの警戒しまくってた自分がバカみたく思えて来た。

 

「それで、何か用か?」

 

「ええ。お姉様がここに例の地球人を連れてくるから迎えの用意をしているように言われて来たのだけれども……お姉様はどこかしら?」

 

「お姉様って豊姫のことか? なんか知らんがいないんだよ。」

 

「お姉様……適当過ぎる……」

 

 

その頃USSポセイドン

 

 

「なかなかローテクな物ばかりなのね。」

 

豊姫は艦内の見学をしていた。案内はベッカーだ。

 

「軍ってのはセキュリティの為にアナクロな物を残しておくのさ。紙の書類や手動のドア。システムが乗っ取られてもこれは掌握出来ないし。」

 

「なるほど……少し地球の軍にも参考になるところがあるのね……」

 

「ハイテクとローテクは使いようさ。」

 

豊姫は妹や祐介たちのことはそっちのけで、地球の軍艦の見学を楽しんでいた。

 

 

 

状況説明中……

 

「……大体の事情は分かりました。お姉様は後でお仕置きが必要なようですね。」

 

「まあまあ……」

 

グリーンランド中佐は苦笑いを浮かべる。その間、玉兎達は祐介達の装備を見たり触ったりしている。

 

「何この銃!? うちのよりカッコいい!」

 

「このゴーグルもすごい!」

 

「おい、壊すなよ?」

 

祐介たちはヒヤヒヤしながら装備を見せていた。

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