「魔王を討伐するのだ」   作:魔王.

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第二話 旅立ち

俺「とりあえず、先に装備を揃えに行こうか」

 

陽炎「いや」

 

俺「?」

 

陽炎「先に宿屋を探しませんか?もう暗くなってきますし、出発は明日にしましょう」

 

俺「あー、そうだな。ったくあいつの話なげーんだよな」

 

陽炎「まぁまぁ笑 これからの事も話したいので装備は明日整えましょう」

 

俺「あい」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【城下町】

 

俺「ここに来るのも久しぶりだな」

 

陽炎「私もです」

 

俺「え、陽炎も??」

 

陽炎「はい!つい先日まで、任務でここから遠い国へ派遣されていたので」

 

俺「そうなのか…」

 

任務で遠い国って少し気になるけど、まだ初対面だし詮索はやめておくか…

 

タッ タッ タッ タッ

 

陽炎「勇者殿も、任務か何かで戻ってきたばっかりですか?」

 

俺「…」

 

その質問はしないでほしかった

 

俺「…俺はずっと帝都にいたよ」

 

陽炎「え、でもさっき久しぶりに来たって…」

 

俺「……」

 

これは言うしかないと、俺は大きくため息をつく

 

俺「はぁ…実はというと、俺はついさっきまで家に引きこもっててな」

 

俺「だからここに来るのも数ヶ月ぶりなんだ」

 

陽炎「そ、そうなんですね」

 

俺「…」

 

陽炎「…」

 

陽炎「あの…なんかごめんなさい」

 

俺「あーいいのいいの。そんな謝らないでくれ」

 

俺「…」

 

俺「こんな俺が勇者だなんて、笑えるよな」

 

陽炎「え?」

 

俺「なんで俺が勇者に選ばれたのか、自分でもよくわからないんだ」

 

陽炎「…」

 

俺「でもあいつは俺を勇者にした」

 

俺「あいつに任された以上、俺は最後までやり遂げるさ」

 

俺は拳を強く握った

 

陽炎「…」

 

陽炎「勇者殿は…皇帝陛下に凄く信頼されているんですね」

 

俺「?」

 

陽炎「いえ、なんでもないです」

 

俺「そ、そうか」

 

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【宿屋】

 

カラーン♪

 

俺「すんません、今空いてます?」

 

主人「ん?ああ、今なら4部屋空いてるぞ」

 

俺「値段を聞かせてもらってもいいっすか?」

 

主人「お前さん1人で150Gだ」

 

俺「すまない。実はもう一人いるんだ、今御手洗に行ってる」

 

主人「なら300Gだな」

 

俺「よし、ならそれで明日の朝までお願いします」

 

カラーン♪

 

陽炎「おまたせしました」

 

主人「おう…って[赤髪の陽炎]!?」

 

俺「あ、そうだった。あんた有名なの忘れてた」

 

陽炎「えへへ」

 

主人「ちょ、ちょっとまて 何故陽炎さんが??」

 

俺「説明するのめんどいからとりあえず鍵貰ってもいい??」

 

主人「ちょ、ちょっとまて!!」

 

俺「んだよ」

 

主人「お前さん…一体何者だ??」

 

俺「勇者」

 

主人「は?」

 

俺「勇者です」

 

主人「勇者? お前さんが??」

 

俺「おん」

 

主人「証拠は?」

 

俺「なぜそうなる」

 

主人「…見えないからに決まってるだろ」

 

俺(そんな事言われてもな…あ、そうだ)

 

俺「はい」 スッ

 

主人「これは…!?」

 

俺「あ、知ってるんすね」

 

陛下から貰った勇者の証をその場で提示した

これは使える

 

主人「はぁ…だがいくらあんたが勇者だとしても宿泊料は1Gも下げないからな」

 

俺「へいへい」

 

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【陽炎の部屋】

 

ドサッ

 

俺「ふぅぅ⤴︎⤴︎ 疲れた~!!!」

 

陽炎「勇者殿 部屋間違えてますよ」

 

俺「これからの事を話すんだろ??」

 

陽炎「あ…そうでしたね」

 

俺「あと、さっきから気になってたんだけどさ」

 

陽炎「?」

 

俺「その[勇者殿]はやめてくれ」

 

陽炎「え…」

 

陽炎「では、なんてお呼びしたらいいのでしょうか」

 

俺「普通に呼べばいいだろ」

 

陽炎「…」

 

陽炎「勇者さん」

 

俺「…」

 

俺「おう。暫くはそれでいいから、いつか普通に呼んでくれよな」

 

陽炎「す、すみません…わかりました。頑張ってみます」

 

俺「ああ、俺はあんたをなんて呼べばいい?」

 

陽炎「んー、陽炎でいいですよ」

 

俺「陽炎か…いいのか? あんたの方が俺より年上だと思うけど」

 

陽炎「いいでs…てえぇ!?」

 

俺「?」

 

陽炎「と、年上って…勇者さん今おいくつなんですか??」

 

俺「20歳」

 

陽炎「ま、まじですか…」

 

俺「マジだ。だから俺の事は普通に呼んでくれ」

 

俺「あと、そんなかしこまらなくてもいい」

 

陽炎「で、ても…」

 

俺「…」

 

俺「俺たちは[仲間]になった」

 

俺「仲間同士なのにそういうのって嫌じゃないか?」

 

陽炎「[仲間]…」

 

陽炎「…」

 

陽炎「そうですね、なるべく普通に接するように頑張ります」

 

俺「おう。じゃあこれからの事について話し合おうぜ」

 

陽炎「はい!」

 

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【王室】

 

バタン!!

 

皇帝「…」

 

兵士「皇帝陛下」

 

皇帝「なんだ? 兵士よ…ああそうだ忘れとった。今は[兵士長]だったか」

 

兵士長「ええ、先程のジョマリー・ヒィセヌは本当に[勇者の器]に値するのでしょうか?」

 

皇帝「ああ、彼は勇者だ。いずれこの世界を救う英雄になる男だ」

 

兵士長「お言葉ですが陛下。何故そう言いきれるのでしょうか?」

 

皇帝「何故…。お前も聞いていただろう? [彼が【選ばれし勇者】だと神託があった]のだ」

 

兵士長「…」

 

皇帝「どうしたのだ 兵士長よ」

 

兵士長「いえ、彼に任せて本当に大丈夫なのかと思いまして」

 

皇帝「…」

 

兵士長「陛下も既にご存知なのでしょう? 彼は…」

 

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【陽炎の部屋】

 

陽炎「隣国の[アルハーレ公国]へ向かいましょう」

 

俺「あそこか…丁度いい。俺も魔法を使ってみたいんだ」

 

陽炎「え、まさか魔法を習得するつもりですか?」

 

俺「ああ」

 

陽炎「勇者さん…魔法はそんな簡単に会得するもんじゃないですよ」

 

俺「やってみないと分からないだろ。別に魔法が使えなかったとしても、自分の属性を調べる事はできんだからさ」

 

俺たちは魔法の国 アルハーレ公国へ向かう事を決意した

その後も俺達はこれからの事を話し合い、まず最初はどこへ向かうのか決める話題に入った

 

俺「とりあえず、[リビラス]という街へ向かおうか」

 

陽炎「[リビラス]…長い間もうあそこには行ってないですね」

 

俺「行ったことあるのか??」

 

陽炎「ええ、過去の任務で一度だけ」

 

俺「そうか…俺も一度過去の任務であそこには行ったことがある」

 

陽炎「え…そうなんですか? てか過去の任務って…」

 

俺「まぁとりあえず決まりだ」

 

俺「恐らく魔物と戦闘になるかもしれないから、傷薬と包帯も余分に持っていこう」

 

陽炎「そうですね。あと武器と防具も」

 

俺「ああ、そうだな…昔俺が使ってた装備でいいか」

 

陽炎「私も、今の装備で十分ですかね」

 

俺「まぁここら一帯にいる魔物はそう強くないしな」

 

陽炎「そうですね…ところで勇者さん」

 

俺「ん?」

 

陽炎「お金に関してなんですけど、どうします??」

 

俺「……」

 

陽炎「考えてなかったんですね」

 

俺「まぁ、いざという時は金品を盗んで…」

 

陽炎「ダメですよ。金品を盗む勇者の姿なんて見たくないです」

 

俺「デスヨネー」

 

陽炎「はぁ…明日出発する前に、私の家に行きましょう」

 

俺「陽炎の家に??」

 

陽炎「ええ、私の家にお金を置いてきてるんです」

 

俺「…まじ?」

 

陽炎「ええ、確か…5000Gはあります」

 

俺「おお!それぐらいあれば暫くは金に困らないな 」

 

陽炎「そうですね、あ…ご飯も暫くは困らないかと」

 

俺「ま?」

 

陽炎「携帯食料がお家に沢山ありますので、ほぼドライフルーツですけどね」

 

俺「ガ、ガチっすかパイセン…」

 

分かってたけど、この人めっちゃしっかりしてるタイプだ…

 

陽炎「とりあえず、明日私の家に向かいましょう」

 

俺「お、おう。それはいいけど、この近辺に住んでるのか?」

 

俺「あまりにも遠いと…ほら、明日は時間が限られてるからな…」

 

陽炎「ええ、ここから歩いて10分で着く所なので大丈夫ですよ」

 

俺「ならよかった…」

 

早起き苦手だからマジでよかった

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【???】

 

??「…」

 

??「そこにいるの、分かってるわよ」

 

????「…バレました?」

 

??「そろそろ【それ】やめてくれないかしら」

 

シュキーン

 

????「すみませんね、つい」

 

??「いい加減、普通に扉から入ってよ」

 

??「…で、何?」

 

側近と思われる魔族が女性の前で跪く

 

ザッ

????「…報告に参りました。魔王様」

 

????「人界に[勇者]が現れました」

 

魔王「…」

 

魔王「そう、わかったわ」

 

魔王「あいつらに伝えてくれるかしら」

 

????「[召喚]の方ですか?」

 

魔王「ええ。 どこに向かわせるかはあなたに任せるわ」

 

魔王「人界の事は、あなたが一番詳しいからね…」

 

????「承知いたしました、我が魔王様」

 

シュキーン

 

魔王「…」

 

魔王「ついに現れてしまったのね」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「…さん」

 

 

「ゆう…さん!」

 

 

「勇者さん!!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【俺の部屋】

 

俺「…?」

 

陽炎「勇者さん! もう朝ですよ!!つかもうお昼になりますよ!!!」

 

俺「んん…? ああ…朝ごはんは焼き鯖がいいわ…」

 

陽炎「何寝ぼけた事言ってるんですか!! さっさと起きて支度してください!!!」

 

俺「あと5分…」

 

陽炎「叩きますよ」

 

俺「zzz」

 

ゴツンッ!!

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【城下町】

 

俺「なぁなぁ」

 

陽炎「はい?」

 

俺「まだ頭から血が出るんだけど」

 

陽炎「痛そうですね」

 

俺「いや他人事のように言わないでくれよ…」

 

陽炎「勇者さんが起きないからですよ」

 

俺「す、すまない…」

 

スタッ

 

陽炎「ここが私の家です」

 

俺「おお」

 

ガチャ

 

陽炎「勇者さんはここで待っていてください」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【陽炎の家】

 

陽炎「お待たせしました」

 

俺「ん?」

 

お待たせって…1分ぐらいしか経ってないんだが??

 

陽炎「?」

 

俺「荷物…そんなになかったか?」

 

陽炎「いえ、家にあった使える物は全部持ってきましたよ」

 

俺「ぜ、全部…」

 

陽炎「勇者さんは見たことありませんか?」

 

そう言い、陽炎は呪文を詠唱した

 

ボンッ!!

 

俺「!?」

 

陽炎「見てください」

 

俺「こ、これは?」

 

謎の空間…がそこに現れた

 

陽炎「こうやって荷物を出し入れできるんですよ」

 

俺「すげぇ…そこに手を突っ込んでも平気なのか?」

 

陽炎「なんともないですよ! これは[収納魔法]って私は呼んでるんですけど、これがあるといつどこでも荷物を出し入れできるんです!」

 

俺「へぇ…便利な魔法だな。それはアルハーレで習えるのか?」

 

陽炎「えっと…この魔法、オリジナルなんです…」

 

俺「え」

 

て、天才か…?

 

陽炎「ほかにも沢山あるんですけど…」

 

天才か????

 

俺「さ、さすがは赤髪の陽炎様ですね!!!」

 

陽炎「やめてください」

 

俺「いやぁ、あまりにも凄すぎて…ごめんごめん」

 

俺「んじゃ、そろそろ行くかっ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【帝都ハルニア】

 

俺「よし! 準備は整ったな」

 

あれから俺達は包帯、傷薬、装備と順番に整え

いよいよ出発の準備ができた

 

俺「ところでさ」

 

陽炎「?」

 

俺「その格好…で行くのか??」

 

陽炎「え?…これは私の戦闘服みたいなものですよ」

 

俺「いや…なんか[魔法剣士]って言うから剣士なりに、もっとガチガチな装備なのかと思ってた」

 

陽炎「あはは そう思いますよね。私は剣よりも[魔法]を主に使用しますので、身軽な格好が一番私には最適なんですよ」

 

俺「ほぇー、すげえな」

 

陽炎「あはは…って、そんな話してる場合じゃないですよ、勇者さん」

 

俺「ああ、そうだな…」

 

俺は大きく息を吸って吐いた

 

バシッ

 

俺「うし!! いざ出発!!! 」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 




[次回] 第三話
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