俺「とりあえず、先に装備を揃えに行こうか」
陽炎「いや」
俺「?」
陽炎「先に宿屋を探しませんか?もう暗くなってきますし、出発は明日にしましょう」
俺「あー、そうだな。ったくあいつの話なげーんだよな」
陽炎「まぁまぁ笑 これからの事も話したいので装備は明日整えましょう」
俺「あい」
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【城下町】
俺「ここに来るのも久しぶりだな」
陽炎「私もです」
俺「え、陽炎も??」
陽炎「はい!つい先日まで、任務でここから遠い国へ派遣されていたので」
俺「そうなのか…」
任務で遠い国って少し気になるけど、まだ初対面だし詮索はやめておくか…
タッ タッ タッ タッ
陽炎「勇者殿も、任務か何かで戻ってきたばっかりですか?」
俺「…」
その質問はしないでほしかった
俺「…俺はずっと帝都にいたよ」
陽炎「え、でもさっき久しぶりに来たって…」
俺「……」
これは言うしかないと、俺は大きくため息をつく
俺「はぁ…実はというと、俺はついさっきまで家に引きこもっててな」
俺「だからここに来るのも数ヶ月ぶりなんだ」
陽炎「そ、そうなんですね」
俺「…」
陽炎「…」
陽炎「あの…なんかごめんなさい」
俺「あーいいのいいの。そんな謝らないでくれ」
俺「…」
俺「こんな俺が勇者だなんて、笑えるよな」
陽炎「え?」
俺「なんで俺が勇者に選ばれたのか、自分でもよくわからないんだ」
陽炎「…」
俺「でもあいつは俺を勇者にした」
俺「あいつに任された以上、俺は最後までやり遂げるさ」
俺は拳を強く握った
陽炎「…」
陽炎「勇者殿は…皇帝陛下に凄く信頼されているんですね」
俺「?」
陽炎「いえ、なんでもないです」
俺「そ、そうか」
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【宿屋】
カラーン♪
俺「すんません、今空いてます?」
主人「ん?ああ、今なら4部屋空いてるぞ」
俺「値段を聞かせてもらってもいいっすか?」
主人「お前さん1人で150Gだ」
俺「すまない。実はもう一人いるんだ、今御手洗に行ってる」
主人「なら300Gだな」
俺「よし、ならそれで明日の朝までお願いします」
カラーン♪
陽炎「おまたせしました」
主人「おう…って[赤髪の陽炎]!?」
俺「あ、そうだった。あんた有名なの忘れてた」
陽炎「えへへ」
主人「ちょ、ちょっとまて 何故陽炎さんが??」
俺「説明するのめんどいからとりあえず鍵貰ってもいい??」
主人「ちょ、ちょっとまて!!」
俺「んだよ」
主人「お前さん…一体何者だ??」
俺「勇者」
主人「は?」
俺「勇者です」
主人「勇者? お前さんが??」
俺「おん」
主人「証拠は?」
俺「なぜそうなる」
主人「…見えないからに決まってるだろ」
俺(そんな事言われてもな…あ、そうだ)
俺「はい」 スッ
主人「これは…!?」
俺「あ、知ってるんすね」
陛下から貰った勇者の証をその場で提示した
これは使える
主人「はぁ…だがいくらあんたが勇者だとしても宿泊料は1Gも下げないからな」
俺「へいへい」
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【陽炎の部屋】
ドサッ
俺「ふぅぅ⤴︎⤴︎ 疲れた~!!!」
陽炎「勇者殿 部屋間違えてますよ」
俺「これからの事を話すんだろ??」
陽炎「あ…そうでしたね」
俺「あと、さっきから気になってたんだけどさ」
陽炎「?」
俺「その[勇者殿]はやめてくれ」
陽炎「え…」
陽炎「では、なんてお呼びしたらいいのでしょうか」
俺「普通に呼べばいいだろ」
陽炎「…」
陽炎「勇者さん」
俺「…」
俺「おう。暫くはそれでいいから、いつか普通に呼んでくれよな」
陽炎「す、すみません…わかりました。頑張ってみます」
俺「ああ、俺はあんたをなんて呼べばいい?」
陽炎「んー、陽炎でいいですよ」
俺「陽炎か…いいのか? あんたの方が俺より年上だと思うけど」
陽炎「いいでs…てえぇ!?」
俺「?」
陽炎「と、年上って…勇者さん今おいくつなんですか??」
俺「20歳」
陽炎「ま、まじですか…」
俺「マジだ。だから俺の事は普通に呼んでくれ」
俺「あと、そんなかしこまらなくてもいい」
陽炎「で、ても…」
俺「…」
俺「俺たちは[仲間]になった」
俺「仲間同士なのにそういうのって嫌じゃないか?」
陽炎「[仲間]…」
陽炎「…」
陽炎「そうですね、なるべく普通に接するように頑張ります」
俺「おう。じゃあこれからの事について話し合おうぜ」
陽炎「はい!」
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【王室】
バタン!!
皇帝「…」
兵士「皇帝陛下」
皇帝「なんだ? 兵士よ…ああそうだ忘れとった。今は[兵士長]だったか」
兵士長「ええ、先程のジョマリー・ヒィセヌは本当に[勇者の器]に値するのでしょうか?」
皇帝「ああ、彼は勇者だ。いずれこの世界を救う英雄になる男だ」
兵士長「お言葉ですが陛下。何故そう言いきれるのでしょうか?」
皇帝「何故…。お前も聞いていただろう? [彼が【選ばれし勇者】だと神託があった]のだ」
兵士長「…」
皇帝「どうしたのだ 兵士長よ」
兵士長「いえ、彼に任せて本当に大丈夫なのかと思いまして」
皇帝「…」
兵士長「陛下も既にご存知なのでしょう? 彼は…」
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【陽炎の部屋】
陽炎「隣国の[アルハーレ公国]へ向かいましょう」
俺「あそこか…丁度いい。俺も魔法を使ってみたいんだ」
陽炎「え、まさか魔法を習得するつもりですか?」
俺「ああ」
陽炎「勇者さん…魔法はそんな簡単に会得するもんじゃないですよ」
俺「やってみないと分からないだろ。別に魔法が使えなかったとしても、自分の属性を調べる事はできんだからさ」
俺たちは魔法の国 アルハーレ公国へ向かう事を決意した
その後も俺達はこれからの事を話し合い、まず最初はどこへ向かうのか決める話題に入った
俺「とりあえず、[リビラス]という街へ向かおうか」
陽炎「[リビラス]…長い間もうあそこには行ってないですね」
俺「行ったことあるのか??」
陽炎「ええ、過去の任務で一度だけ」
俺「そうか…俺も一度過去の任務であそこには行ったことがある」
陽炎「え…そうなんですか? てか過去の任務って…」
俺「まぁとりあえず決まりだ」
俺「恐らく魔物と戦闘になるかもしれないから、傷薬と包帯も余分に持っていこう」
陽炎「そうですね。あと武器と防具も」
俺「ああ、そうだな…昔俺が使ってた装備でいいか」
陽炎「私も、今の装備で十分ですかね」
俺「まぁここら一帯にいる魔物はそう強くないしな」
陽炎「そうですね…ところで勇者さん」
俺「ん?」
陽炎「お金に関してなんですけど、どうします??」
俺「……」
陽炎「考えてなかったんですね」
俺「まぁ、いざという時は金品を盗んで…」
陽炎「ダメですよ。金品を盗む勇者の姿なんて見たくないです」
俺「デスヨネー」
陽炎「はぁ…明日出発する前に、私の家に行きましょう」
俺「陽炎の家に??」
陽炎「ええ、私の家にお金を置いてきてるんです」
俺「…まじ?」
陽炎「ええ、確か…5000Gはあります」
俺「おお!それぐらいあれば暫くは金に困らないな 」
陽炎「そうですね、あ…ご飯も暫くは困らないかと」
俺「ま?」
陽炎「携帯食料がお家に沢山ありますので、ほぼドライフルーツですけどね」
俺「ガ、ガチっすかパイセン…」
分かってたけど、この人めっちゃしっかりしてるタイプだ…
陽炎「とりあえず、明日私の家に向かいましょう」
俺「お、おう。それはいいけど、この近辺に住んでるのか?」
俺「あまりにも遠いと…ほら、明日は時間が限られてるからな…」
陽炎「ええ、ここから歩いて10分で着く所なので大丈夫ですよ」
俺「ならよかった…」
早起き苦手だからマジでよかった
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【???】
??「…」
??「そこにいるの、分かってるわよ」
????「…バレました?」
??「そろそろ【それ】やめてくれないかしら」
シュキーン
????「すみませんね、つい」
??「いい加減、普通に扉から入ってよ」
??「…で、何?」
側近と思われる魔族が女性の前で跪く
ザッ
????「…報告に参りました。魔王様」
????「人界に[勇者]が現れました」
魔王「…」
魔王「そう、わかったわ」
魔王「あいつらに伝えてくれるかしら」
????「[召喚]の方ですか?」
魔王「ええ。 どこに向かわせるかはあなたに任せるわ」
魔王「人界の事は、あなたが一番詳しいからね…」
????「承知いたしました、我が魔王様」
シュキーン
魔王「…」
魔王「ついに現れてしまったのね」
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「…さん」
…
「ゆう…さん!」
…
「勇者さん!!」
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【俺の部屋】
俺「…?」
陽炎「勇者さん! もう朝ですよ!!つかもうお昼になりますよ!!!」
俺「んん…? ああ…朝ごはんは焼き鯖がいいわ…」
陽炎「何寝ぼけた事言ってるんですか!! さっさと起きて支度してください!!!」
俺「あと5分…」
陽炎「叩きますよ」
俺「zzz」
ゴツンッ!!
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【城下町】
俺「なぁなぁ」
陽炎「はい?」
俺「まだ頭から血が出るんだけど」
陽炎「痛そうですね」
俺「いや他人事のように言わないでくれよ…」
陽炎「勇者さんが起きないからですよ」
俺「す、すまない…」
スタッ
陽炎「ここが私の家です」
俺「おお」
ガチャ
陽炎「勇者さんはここで待っていてください」
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【陽炎の家】
陽炎「お待たせしました」
俺「ん?」
お待たせって…1分ぐらいしか経ってないんだが??
陽炎「?」
俺「荷物…そんなになかったか?」
陽炎「いえ、家にあった使える物は全部持ってきましたよ」
俺「ぜ、全部…」
陽炎「勇者さんは見たことありませんか?」
そう言い、陽炎は呪文を詠唱した
ボンッ!!
俺「!?」
陽炎「見てください」
俺「こ、これは?」
謎の空間…がそこに現れた
陽炎「こうやって荷物を出し入れできるんですよ」
俺「すげぇ…そこに手を突っ込んでも平気なのか?」
陽炎「なんともないですよ! これは[収納魔法]って私は呼んでるんですけど、これがあるといつどこでも荷物を出し入れできるんです!」
俺「へぇ…便利な魔法だな。それはアルハーレで習えるのか?」
陽炎「えっと…この魔法、オリジナルなんです…」
俺「え」
て、天才か…?
陽炎「ほかにも沢山あるんですけど…」
天才か????
俺「さ、さすがは赤髪の陽炎様ですね!!!」
陽炎「やめてください」
俺「いやぁ、あまりにも凄すぎて…ごめんごめん」
俺「んじゃ、そろそろ行くかっ」
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【帝都ハルニア】
俺「よし! 準備は整ったな」
あれから俺達は包帯、傷薬、装備と順番に整え
いよいよ出発の準備ができた
俺「ところでさ」
陽炎「?」
俺「その格好…で行くのか??」
陽炎「え?…これは私の戦闘服みたいなものですよ」
俺「いや…なんか[魔法剣士]って言うから剣士なりに、もっとガチガチな装備なのかと思ってた」
陽炎「あはは そう思いますよね。私は剣よりも[魔法]を主に使用しますので、身軽な格好が一番私には最適なんですよ」
俺「ほぇー、すげえな」
陽炎「あはは…って、そんな話してる場合じゃないですよ、勇者さん」
俺「ああ、そうだな…」
俺は大きく息を吸って吐いた
バシッ
俺「うし!! いざ出発!!! 」
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[次回] 第三話