「魔王を討伐するのだ」   作:魔王.

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第七話(終) 犠牲

【魔人ギルを倒した!!!】

 

俺「はぁ…はぁ…」

 

陽炎「勇者さん!!!」

 

俺「勝ったのか…?」

 

陽炎「勇者さん!!勝ちましたよ!!!」

 

俺「はぁ…はぁぁぁぁ(溜息)」

 

俺「終わったのか…」

 

陽炎「凄いです!勇者さんさっきの技は一体なんなんですか!?」

 

俺「うぇ? なんか知らないけど勝手に身についた技だよ」

 

陽炎「えぇ…一撃で体ごとを粉砕する技なんて聞いた事ないです」

 

俺「そ、そうなのか?」

 

陽炎「はい!魔法の一種の技なのでしょうか??」

 

俺「わからない。なんか[封印]ていうキーワードが思い浮かんだだけでこうなった」

 

陽炎「す、すごすぎる…(やっぱ勇者さんは凄い人だ…)」

 

俺「とりあえず、少し街の様子を見てみよう」

 

陽炎「そうですね」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【壊滅した街】

 

シーーーーン

 

俺「…」

陽炎「…」

 

俺「もはや街じゃないな」

 

陽炎「そうですね…」

 

俺「まだ生きている人がいるかもしれないが、俺ら2人で探してもな…」

 

陽炎「一旦城に戻って報告した方が良さそうですね」

 

俺「それはそうなんだけどさ…ここから城まで着くのに5時間はかかる。往復で10時間だ、時間があまりにもかかりすぎるぞ」

 

陽炎「そうですよね…困りました」

 

??「生存者確認!!!」

 

俺「!?」

陽炎「!?」

 

兵士「あ、あなたは…!!」

 

俺「兵士か!?」

 

兵士「勇者殿…この有様は一体――」

 

??「その人じゃないよ!!」

 

俺「ん?」

 

俺(この女の子…)

 

??「街を燃やしたのは、銀色の髪の人だよ!!」

 

陽炎「えっと…失礼、君は?」

 

兵士「か、陽炎殿…」

 

??「その子はこの街の生存者だ」

 

俺「お、お前は…」

 

兵長「お前と呼ぶな。まさか勇者がこの街にいたとはな」

 

俺「えっと…」

 

兵長「なんだ?」ギラッ

 

俺「どなたでしたっけ???」

 

兵長「は??」

 

陽炎「ちょ、勇者さん!!」

 

俺「なんだ、陽炎の知り合いか??」

 

陽炎「違います、いやいや違わないけど!!」

 

兵長「」

 

陽炎「一昨日の出来事もう忘れたんですか!!」

 

俺「ん~??」ジーー

 

兵長「」

 

俺「…見習い兵士かな??」

 

兵長「もういい!! 俺は兵長だ!!! よく覚えとけこのひきニートが!!!!」

 

俺「はぁ!? ひきニートって、そういうこと言うんだ!!!」

 

兵長「うるさい!!この私をこけにしやがって!!!大体なんでお前が勇者なんだこのくされニート!!!!」

 

俺「く、くされニートだと…!?そうかそうか!!つまりあんたはそういうやつだったのか!!!!」

 

陽炎(あながち間違ってはないんだよなぁ)

 

??「あの…」

 

兵長「あ」

俺「あ」

 

兵士「勇者殿…兵長殿…子供の目の前でそれはお見苦しいですよ(呆)」

 

兵長「し、失礼した…」

俺「ご、ごめん」

 

兵長「ごほん、まぁこの女の子はこの街の生存者だ」

 

俺「ほう」

 

ユーリ「私、ユーリって言うの」

 

陽炎「ユーリちゃんか。怖い思いしちゃったよね」ヨシヨシ

 

ユーリ「うん…(泣)」

 

陽炎「それにしてもよくここから頑張ってお城までいけ…た…ね…???」

 

俺「ん?どうした 陽炎」

 

陽炎「…勇者さん」

 

俺「ん?」

 

陽炎「先程、ここからお城まで片道で5時間って言いましたよね…?」

 

俺「うん…え??」

 

陽炎「まだ…朝の5時ですよ…??」

 

ユーリ「……」

 

ユーリ?「チッ」

 

俺「!?」

陽炎「!?」

 

ユーリ?「ちょーっと強引すぎたかぁ??」

 

陽炎「な、何者ですか!?」

 

ユーリ?「しょうがねぇな」

 

キラァァァァァン!!!!

 

俺「まぶし!!」

 

陽炎「…!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【壊滅した街】

 

陽炎「…!!!」

 

コナー「よぉ」

 

陽炎「あなたは…!?」

 

コナー「さっきはよーくもやってくれたなぁ??」

 

俺「ゴブリン…ただのゴブリンじゃなさそうだな」

 

コナー「へへへ」

 

陽炎「あなたは確かに魔法で仕留めたはず…!!!」

 

コナー「ああ、[喰らってたら]死んでたかもな」

 

陽炎「喰らってたら…??」

 

俺「あれ、さっきの兵士どもはどこに行った?」

 

陽炎「…なるほど」

 

陽炎「勇者さん、私達はこの魔族に騙されたんです」

 

俺「は?どういうことだ??」

 

コナー「おいおい、こっちからネタバレしようと思ってたのに…まさかピンポイントで当ててきやがるとはw」

 

陽炎「勇者さん…兵士さんも兵長さんも最初からいなかったんです!!」

 

俺「なんだと??」

 

陽炎「魔界には【幻覚魔術】なんてものがあるんですか? そこの魔族さん」

 

コナー「はっ!! 魔族さんとかやめろや。コナーって呼べよ」

 

俺「[幻覚]…?」

 

コナー「ああ、そうだ。俺ら魔族は【幻術】と略して呼んでるけどな」

 

コナー「お前らを騙して潰そうと思ってたのにさ、見事に計画が失敗しちまったぜまったく」

 

俺「待てよ、じゃあさっきのあいつとのやり取りも全部幻で独り言のようにぶつぶつ喋っていたということか!?」

 

コナー「ああそうだよ、思わず笑いそうになったぜwww」

 

俺(ぶっ殺してやる)

 

陽炎「それで…どうするつもりですか??」

 

コナー「あん?どうするってそりゃあ、バレちまったもんしょうがねえから帰るに決まってんだろ」

 

陽炎「なに!?」

 

俺「逃がすか!!!」シュンッ

 

コナー「へっ」

 

俺「な!?」

 

コナー「その技は俺には通じねえよ」

 

ブンッ

 

俺「!?」

 

ドガッ!!(殴打)

 

俺「グフォアッ!」

 

陽炎「勇者さん!!!!」

 

コナー「へー!!お前ジョマリーって言うんだww」

 

俺「なに…!?」

 

コナー「幻術だけが俺の技だと思ってたか?w」

 

陽炎「貴様…!!!!」ギラッ

 

コナー「おっと、俺もあんま力が残ってねえんだ。今お前とやり合ったら俺が負けちまうし、そろそろ魔界に帰らせてもらおうかね」

 

陽炎「魔界に帰る???」

 

コナー「ああ、次はお前ら2人ともちゃーんとぶっ殺してやっからな」

 

シュワワワーン

 

俺「なんだ…あれは」

 

コナー「じゃあな」

 

シュワーーーン!!!

 

陽炎「き、消えた…!?」

 

俺「ぐっ」ズサッ

 

陽炎「勇者さん!!大丈夫ですか!?」

 

俺「あ、ああ…なんとかな」

 

陽炎「しっかりしてください! 宿屋に一旦戻りましょう!!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【宿屋】

 

陽炎「ドアが…」

 

俺「…」

 

スタッ スタッ

 

陽炎「…」

俺「…」

 

ああ、そこにいたんだ

 

…ちゃんと奥さん守ってたんだな

 

でも…守りきれなかったんだな

 

ごめん…ごめんな、レギス。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

【数時間後】

 

陽炎「準備できましたか 勇者さん」

 

俺「ああ…」

 

街を見回した結果、人は誰一人も生きていない所か

 

誰一人も見つけられなかった

 

俺達2人しか生存しておらず

 

ほかの住人は…全員犠牲となってしまった

 

レギスとレギスの奥さんは、キッチンで血まみれの姿で横たわっていた

 

レギスだけが斬首されていて、奥さんの方は腹を裂かれていた

 

結局、俺らは一刻も早く魔王を討伐するために街を出た

 

城には戻らずに、俺達は進み続けた

 

「魔王を討伐するのだ」

 

その言葉が脳裏によぎる

 

こんな残虐な事をする魔族を、魔王を俺は許せない

 

でも複雑な気持ちだ

 

だって、俺も一応魔族だから

 

でも今更そんなのどうでもいい

 

俺らは一刻も早く魔法の国[アルハーレ]に辿り着くために、国境を目指す事にした

 

この街から国境に辿り着くためには、また遠い街を目指さないといけない

 

それでは遅すぎるという理由で、俺たちは近道を選んだ

 

その近道とは、非常に暗くて危険な生物が沢山いると恐れられている[闇の森]

 

[闇の森]を無事に真っ直ぐ抜けたら国境に辿り着く、だから俺たちは[闇の森]へと目指す事に決めた

 

結局、あの魔族は本当に魔界へ帰ってしまったのか?

 

実は魔界に行ける方法は他にもあるのではないのか?

 

その疑問を抱えつつ、俺たちはこの街を去った

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 




【一章】赤髪の陽炎 [完]

【二章】魔法の国アルハーレ 第一話 野宿
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