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第一話 野宿
タッタッタッタッ…
俺「はぁ…歩き疲れた」
陽炎「そうですね…旅立ってからまだ十分な休息を取れていないような気がします」
時刻は16時を回った
俺たちはあの街を去って、闇の森へと目指し歩き続けた
俺「今日は野宿だな」
陽炎「ですね」
俺「テントとか買えばよかったなぁ」
陽炎「そもそもテントって売ってるものですかね」
俺「売ってるでしょ」
陽炎「まぁどちらにせよ、暗くなりますから焚き火が必要ですね」
俺「あ、あそこに木が沢山並んでるぞ!あれを燃料にしようぜ」
俺「俺は木材を集めるから陽炎は――」
陽炎「着火は私がやれってことですよね」
俺「イエス!!ワタシ魔法ツカエマセンカラー!」
陽炎「嘘つかないでください!」
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俺「加速魔法を右腕に使って…」
俺「……!!!」
俺「《ソニックスラッシュ》!!!」
ズバズバズバズバ!!!!
俺(半年以上は引きこもってたくせに、まだこんなに動けるもんなんだな)
俺「にしても陽炎のやつ強かったなぁ」
陽炎「強かったですかー?笑」
俺「うぉあ!?」
ドサッ
陽炎「そんなびっくりしないでくださいよ」
俺「いきなり現れたら誰だってビビるわ!」
陽炎「勇者さんがビビリだからですよ」ニコッ
俺「な、なんだと!?」
陽炎「はははは笑 にしても今の剣撃は…もしや魔法を使いましたね?」
俺「ま、まぁな」
陽炎「勇者さんって魔法を使っても疲れないんですか?」
俺「え? そんなに疲れる事はないな」
陽炎「凄いですね…普通、魔法を放つと疲労が急にガクッと来るもんなんですけどね…」
俺「ほぇー、そうなんだ」
陽炎「そうなんだ…って、魔法を使って疲れた事ないんですか!?」
俺「お、おん」
陽炎「ひぇぇ、化け物じゃないですか」
俺「まぁ一応勇者だからな」
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【ジョマリーは木材を使用した!!】
俺「陽炎」
陽炎「了解です」
陽炎「《ファイア》」
ブォッ
俺「シンプルな魔法だな」
陽炎「基礎魔法の基礎中の基礎ですからね」
タッタッタッタッ…
俺「今日はここで野宿か…まぁ場所はそこまで悪くないな」
陽炎「そうですね、 寝床はどうしましょうか」
俺「地べたしかないだろ」
陽炎「えええええええ」
俺「文句あんなら寝るな」
陽炎「わ、わかりました。まぁそれしか無いですもんね」
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【時刻は20時過ぎ】
陽炎「勇者さん」
俺「んー?」
陽炎「勇者さんに聞きたい事があるんですけど」
俺「なんだ?」
陽炎「勇者さんのご両親について色々聞かせてください」
俺「あー、親か」
俺「両親はどちらも行方不明とでも言っておくか」
陽炎「え」
俺「陽炎だから言うけど、俺って半分は人間でもう半分は魔族だ。父親が人間で母親が魔族なんだけど、俺が8歳になる頃に2人は離婚して、俺は父親の方についていったんだ」
陽炎「…」
俺「んで、親父は俺が14歳の時に突然いなくなっちまった」
陽炎「え…」
俺「ははっ。重い話で悪かったな」
陽炎「いえ…こちらこそ申し訳ないです」
グゥゥゥゥゥ
陽炎「あっ」
俺「…腹減ったな」
陽炎「そうですね」
俺「まぁそういう事だから、続きはまた今度話すよ」
陽炎「わ、わかりました…」
俺「おいおい、そんなに落ち込むなよw」
陽炎「本当に申し訳ないです( ´•ω•` )」
俺「腹減ったし、食材になるもん探して回ろうぜ?な!」
陽炎「そうですね…さっきあそこに豚がいたので、あれを食材にしましょう」
俺「おいおい、俺は豚なんか捌けないぞ」
陽炎「私が出来ますので、安心してください」ニコッ
俺「す、すげぇな…」
陽炎「勇者さんはあそこの湖で釣りでもしてください」
俺「おう!釣りなら任せとけ」グッ
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【魔王城】
コナー「魔王様」
魔王「ん?随分と早いな。帝国を制圧したのか?」
コナー「いえ…申し訳ございません。1人の人間にやられてしまいまして――」
魔王「なに?」ギロッ
コナー「ヒェェ!! す、すんません!!でも強かったんですよそいつ!! 勇者とか名乗ってましたし…」
魔王「…! それは本当か!?」
コナー「え、はい」
魔王「その勇者と名乗る人の名は?」
コナー「え…?」
魔王「見たんだろう? お前の[技]で」
コナー「えぇ…まぁ、でもなんで――」
魔王「答えろ」ギラッ
コナー「はぃ!! [ジョマリー・ヒィセヌ]だったっけなぁ」
魔王「……」
コナー「…?」
魔王「そうか、もうよい。 下がれ」
コナー「え…俺は一体どうすれば」
魔王「お前はしばらくこっちにいなさい。その勇者と名乗る男はいずれここに来る」
コナー「え?それはつまりどういうことですか」
魔王「お前はその男と再び戦闘を交わすようになる。それまできっちりと腕を磨きなさい」
コナー「…承知致しました」
タッタッタッタッ
魔王「……」
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【時刻は21時半過ぎ】
俺「うおおおおおおお!!」
陽炎「ふふ、これで完成ですね」
俺「豚肉に魚…どれも美味そうだな!!」
陽炎「あとは調味料さえあればなぁ…家から持ってくればよかった」
俺「んなの別にいい! 腹に入ればいいんだよ!!食べようぜ!!!」
陽炎「そうですね笑 食べましょうか!」
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【時刻は22時15分過ぎ】
俺「ふぅぅぅぅぅ!!食った食った~!!」
陽炎「最近パスタばっかりでしたから、久しぶりにお肉とお魚を食べると美味しいですね!」
俺「だな! これで明日も一日頑張れるわぁ」
陽炎「…トイレとかどうしましょうか」
俺「…紙は?」
陽炎「ありますよ。レギスさんの宿屋から持ってきました」
俺「ならトイレは道草でするしかないな」
陽炎「うげ…やっぱそうですよね…」
陽炎「汗も凄くかきますし、お風呂とか入りたいです(泣)」
俺「そこの湖で浴びればいいじゃん」
陽炎「嫌ですよ!」
俺「そんなワガママ言うなよ…まぁ森を抜けたら国境なんだ。そこで宿屋とって風呂入ればいいんだよw それで結果オーライだ」
陽炎「はぁ…」
俺「ところで、お金はあといくらあるんだ?」
陽炎「えっと、4150Gですね」
俺「そんなに使ったっけ」
陽炎「リビラスでパスタ4人前食べたじゃないですか」
俺「あ、確かに」
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【王室】
バタンッ!!
兵士「失礼致します、皇帝陛下!!」
皇帝「なんだ」
兵士「ここから東の方角、リビラスにて問題が発生!偵察隊に調査をお願いした所、街は跡形も無く消えていると報告を受けました!!」
皇帝「なんだと…」
兵士「そして…リビラスにこんなものが…」
チャラン
皇帝「これは…!!」
兵長「それはもしや…皇帝陛下が勇者に渡した物なのでは?」
兵士「兵長!」
兵長「ご苦労だったな、もう下がっていいぞ」
兵士「はっ!」
タッタッタッタッ バタンッ
皇帝「……」
兵長「皇帝陛下」
皇帝「…なんだ」
兵長「やはりあの男は、勇者ではないです」
皇帝「なんだと…?」
兵長「リビラスが消えてしまった件も恐らく…勇者御一行の仕業に間違いありません」
皇帝「なぜそう断言できるのだ? 魔族の仕業だと言うことも考えられるであろう??」
兵長「何を言いますか皇帝陛下、そこに証拠があるじゃないですか」
皇帝「……だが、勇者が魔族を倒したということも――」
兵長「陛下、それがまことであれば…何故街は跡形もなく消えてしまったのですか?」
皇帝「……」
兵長「人も1人救えない勇者など…勇者ではありません」
皇帝「そんなはずは――」
兵長「皇帝陛下、やはりあの男は敵です。魔族の血も流れているあの男が勇者になれるはずが無いでしょう」
皇帝「…」
兵長「一刻も早く、あの男を抹殺しなければ――」
皇帝「下がれ!!!」
兵長「……」
皇帝「図に乗るな、兵長よ。その命令を下してよいのはわしだけだ。お前が勝手に決めることではない」
兵長「…後悔しますよ」
タッタッタッタッ バタンッ
皇帝「……」
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【時刻は朝7時】
俺「ん…あれ、ここは…」
ドサッ
俺「あ…そっか。ここで俺ら野宿してたんだった」
俺「…」
俺(起こすか)
俺「おい、陽炎」ユサユサ
陽炎「んー…」
俺「陽炎、起きろ。 早く支度して行かねえと、今日もまた野宿になっちまうぞ」
陽炎「あれ…勇者さん…おはようございます…」
俺「ああ、おはよう。タイミングはいつでもいいから、出発できるようになったら教えてくれ。俺は少しそこらの湖で顔洗ってくる」
陽炎「わかりました…気をつけてくださいね…(´-ω-`)」
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【湖】
バシャバシャ!!
俺「ふぅ…スッキリ爽快」
今日の目的は、国境に無事辿り着くこと
闇の森…危険生物が沢山いる森だと聞いたが
恐らく、その危険生物は[魔物]に違いない
戦闘は絶対に避けられない
リビラスで拾ったこの剣を常に身構えておかないとな…
陽炎「あ、勇者さん!」
俺「おう、準備はもうできたのか?」
陽炎「ええ 出発する前に、私も顔洗いたいです」
バシャバシャ!!
陽炎「ふぅ」
俺「よし…っと、そろそろ行くか」
陽炎「はい!」ズサッ
タッタッタッタッ…
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【闇の森 入口】
時刻は12時前
俺「ここが闇の森か…」
陽炎「外はこんなに明るいのに、入口でさえこんなに暗いなんて…」
俺「陽炎、魔法で何とか明るくできるか?」
陽炎「明るくですか…半径5メートルまででしたら明るくは出来ますけど」
俺「それでもいいや。流石に明るさが無いと、こんな暗すぎるとこやっていけないしな」
陽炎「ですが勇者さん…いくら私でもずっとは魔法使えないですよ?」
俺「んー…どのくらいまで持ちそうか?」
陽炎「3時間までなら行けそうな気がします」
俺「ということは…今何時だ?」
陽炎「そろそろ12時になります」
俺「ならタイムリミットは15時か」
陽炎「早いとこ駆け抜けていく必要がありますね」
俺「だな…戦闘体勢になったら、俺に任せてくれ」
陽炎「え、それでは――」
俺「陽炎は常に明るくしていればいい。陽炎まで戦ってしまったら、タイムリミットが縮むだけだぞ」
陽炎「そうですよね…わかりました。私の命、勇者さんに託しますね」
俺「おいおいプレッシャーが凄いことになるからやめてくれよ…」
陽炎「あはは笑 私は常に勇者さんのこと信じてますよ」ニコッ
俺「はいはい…じゃあそろそろいくか」
陽炎「わかりました…では灯しますね」
俺「おう、頼んだ」
陽炎「《ファイア》」
ブォッ!!
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[次回] 第二話 ユル